有価証券報告書-第72期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
会社の経営の基本方針
企業理念、経営方針、行動指針から成り立つ企業理念体系を当社グループの全員が常に意識し、目標・価値観を共有して行動してまいります。創業から現在までに築き上げてきた良き企業文化を継承するとともに、時代や環境、価値観の変化に迅速に対応できるスピード感のある経営に努め、マテリアルを通じて価値を創造するイノベーション・カンパニーとして、社会とステークホルダーの皆様の信頼に応える企業を目指してまいります。
中長期的な会社の経営戦略、目標とする経営指標及び対処すべき課題
(目標とする経営指標)
当社グループは、連結営業利益とROE(自己資本純利益率)を、目標とすべき重要な経営指標と位置づけております。
<中期経営計画「JSR20i9」における業績目標>
(当期の進捗状況)
<中期経営計画「JSR20i6」の達成状況>中期経営計画「JSR20i6」では、対象期間である2014年度(平成27年3月期)から2016年度(平成29年3月期)までの3ヶ年を、2020年(平成32年)のビジョン達成に向けた三段階の第二段階にあたる「成長軌道へ」の期間と位置づけました。しかしながら「JSR20i6」の最終年度となる当期は、事業環境が期初の想定を下回り、期初に定めた収益目標を達成することができませんでした。
一方、各事業における取組み課題につきましては、以下の進捗を得ております。
エラストマー事業は、グローバルに需要が高まる低燃費タイヤ用溶液重合SBR(SSBR)を供給するタイの合弁会社JSR BST Elastomer Co.,Ltd.(JBE)が順調に販売を拡大しております。さらなる需要拡大に対応するため、ハンガリーに設立した合弁会社JSR MOL Synthetic Rubber Ltd.(JMSR)にて2018年(平成30年)稼働に向けて工場の建設を進めております。
ファイン事業は、半導体材料事業において、リソグラフィ材料が最先端の10及び14nm(ナノメートル)世代プロセスで高いシェアを獲得いたしました。さらに微細な7nm世代以降の主要な技術の一つとして期待されるEUV(極端紫外線)リソグラフィ材料に関して、ベルギーにあるナノエレクトロニクス技術研究の先端的な研究機関であるimecと、製造・品質管理サービスを提供する合弁会社EUV Resist Manufacturing & Qualification Center N.V.(EUV RMQC)を設立し、製造を開始いたしました。また、他方では、今後の高密度実装を実現する新規技術を米国企業と共同開発するなど、実装材料の展開も進めております。ディスプレイ材料事業につきましては、今後も高成長が期待される中国市場での販売拡大を着実に進めております。また、中国に設立したディスプレイ材料製造の合弁会社JSR Micro (Changshu) Co.,Ltd.(JMCH)の工場建設を進めており、2017年度(平成30年3月期)の稼働開始を予定しております。液晶ディスプレイパネルの汎用品化に対しては、事業改革による収益確保に取り組んでおり、また、今後も成長が期待できるモバイルデバイス周りの製品群の拡張も目指しております。
石油化学系事業・ファイン事業に続く新しい事業の柱であるライフサイエンス事業において、前期に連結子会社化したバイオ医薬開発・製造受託企業である米国KBI Biopharma,Inc.(KBI)が順調に売上を伸ばしております。また、㈱医学生物学研究所(MBL)を前期下期から連結子会社化したことにより、事業規模が大幅に拡大しました。さらに、中国での合弁会社捷和泰(北京)生物科技有限公司(J&W)の診断薬中間体事業も順調に進展しております。将来的な事業拡大に向けては、新たな医療分野の展開を支える革新的材料・製品開発を担うべく慶應義塾との共同研究施設「JSR・慶應義塾大学 医学化学イノベーションセンター」(JKiC)の建設も進めており、2017年(平成29年)10月に開所する予定です。
<新中期経営計画「JSR20i9」の策定>2016年度(平成29年3月期)を最終年度とした中期経営計画「JSR20i6」が終了したことに伴い、2017年度(平成30年3月期)から2019年度(平成32年3月期)までの3ヶ年につきましては2020年ビジョン達成に向けての第三(最終)段階にあたる新中期経営計画「JSR20i9」をスタートし、未来に向けた競争力の強化を進めてまいります。
対処すべき課題
<石油化学系事業>エラストマー事業においては、需要業界である自動車タイヤや自動車の生産ともにグローバル市場では安定した成長が見込まれております。その中でSSBRは、四日市工場とタイのJBE第1期設備がともに高稼働を維持しており、昨年10月に稼働を開始したJBE第2期設備と、2018年(平成30年)稼働予定のハンガリーのJMSRにより、能力拡大を進めてまいります。加えて、販売については、JSR Elastomer Europe GmbH(ドイツ)、JSR Elastomer Korea Co., Ltd.(韓国)、JSR (Shanghai) Co., Ltd.(中国)とグローバルな体制を構築し、また、今後の低燃費タイヤ需要の大きな成長が期待される中国において、天津技術センターを設置して現地顧客に密着した技術サポートを提供してまいります。SSBRのグローバルな需要増大を確実に取り込み、販売を拡大してまいります。
合成樹脂事業につきましては、テクノポリマー株式会社とユーエムジー・エービーエス株式会社の事業統合により2017年(平成29年)10月に発足する予定の新会社にて、製造効率・コスト競争力を確保し、国内での安定供給と海外への販売拡大に邁進してまいります。
<多角化事業>半導体材料事業は、スマートフォンやデータセンターなど最先端半導体チップの新しい需要の増加が見込まれる中、半導体チップの高性能化・省電力化を微細化と高密度実装の両面から支えるべく、リソグラフィ材料・CMP材料・洗浄剤・実装材料の開発および販売拡大を推進してまいります。特に7nm世代以降に向けたEUVリソグラフィの早期実用化に向けて、ベルギーEUV RMQCでEUVリソグラフィ材料の量産化を進めてまいります。
ディスプレイ材料事業は、液晶ディスプレイ(LCD)パネルの汎用品化に伴う材料の競争激化があるものの、LCDパネルの需要は堅調に伸びると見込まれます。特に中国では高い成長が見込まれており、中国合弁会社JMCHの工場を2017年度に稼働させて、中国市場の成長に対応してまいります。LCDパネルの汎用品化に対しては、不断の事業改革により事業収益を確保するとともに、組織体制を組み直し、引き続き成長が期待できるモバイルデバイス周りの製品群の拡張も目指し、今後も当社グループの収益を支える主要事業として事業基盤を強化してまいります。
ライフサイエンス事業は、バイオ医薬品の製造に関わるバイオプロセス分野と体外診断薬・研究試薬分野に注力してまいります。バイオプロセス材料では、KBIにおけるバイオ医薬品の開発・製造受託事業の拡大と、今後需要の伸びが期待できる抗体医薬精製用担体のAmsphere®(アムスフェア) A3の販売拡大に注力してまいります。体外診断薬・研究試薬分野ではMBLの強みを活かして海外での拡販を進めてまいります。さらに、JKiCにおける慶應義塾大学医学部および付属病院との共同研究を通して革新的な材料や製品の開発に取り組み、ライフサイエンス事業の拡大に邁進してまいります。
(その他の対処すべき課題)
<人材育成>人材育成は企業の持続的発展のための最重要課題であり、引き続き、社員の自立的成長を重視する育成方針に基づいて、当社グループのあるべき姿と価値観を共有した個々人・組織の自発的な行動を促進いたします。企業理念体系の浸透と風土改革を進めるとともに、組織能力強化のためのグローバルな人材育成策に継続的に取り組んでまいります。
また、当社では平成27年度にダイバーシティ推進室を設置するなどして、ダイバーシティ(多様性)の推進に積極的に取り組んでまいりました。さらに、多様な人材が活躍できる環境の整備、労働生産性の向上を目指して、かねてよりワークライフマネジメントとして取り組んできた活動を、「働き方改革」として新中期経営計画「JSR20i9」の中で進めてまいります。その中で、労働生産性向上の前提は社員が健康的に働けることであるとして、健康づくりの活動である「JSR Health Promotion」にも取り組んでまいります。なお、当社は女性活躍推進に優れた上場企業として経済産業省と東京証券取引所から平成27年度に続き平成28年度「なでしこ銘柄」に、また、優良な健康経営を実践している上場企業として、経済産業省と日本健康会議から「健康経営優良法人2017~ホワイト500~」に認定されました。
<コーポレート・ガバナンス>当社は、監査役設置会社として、取締役会と監査役による業務執行の監視・監督を行う制度を基礎としつつ、コーポレート・ガバナンス体制の強化・拡充を図っております。
執行役員制度の導入、豊富な事業経験を有する独立社外取締役(3名)や広範な専門知識と豊富な経験を有する独立社外監査役(2名)の選任により、経営監督機能を強化するとともに、意思決定や業務執行の合理性の確保、迅速化、効率化を図ってまいりました。
加えて、社外取締役がメンバーの過半数を占めるとともに、その委員長を務める指名諮問委員会及び報酬諮問委員会の設置、短期・中長期の業績連動報酬の導入等により、役員選任や役員報酬の方針の決定をはじめとして経営の透明性・健全性を確保し中長期の企業価値向上の達成に努めております。
取締役会では、外部専門家の支援を得て取締役会実効性評価を実施いたしました。取締役会の規模・構成・具体的な運営方針などを評価して適切な取締役会の運営がなされていることを確認いたしました。今後とも、取締役会実効性評価を毎年実施し、取締役会の実効性のさらなる向上を図り、企業価値の継続的向上に努めてまいります。
<企業の社会的責任(CSR)>当社グループは、企業理念に立脚して様々なステークホルダーと良好な関係を築き、信頼され必要とされる企業市民になることを目指しております。そのために企業理念を実践する経営と企業の社会的責任(CSR)を一体のものと捉えて、社会的重要課題の解決に取り組んでまいります。CSR会議が、企業倫理/レスポンシブル・ケア/リスク管理/社会貢献の4つの活動を統括してCSRを推進しております。当社グループにとっての重要課題の解決は、「事業活動で貢献する社会的課題」「事業活動によって生じる社会的課題」「事業活動の基盤となる課題」の3つの軸で整理して取り組んでおります。「事業活動で貢献する社会的課題」ではSSBRなどの環境配慮型製品や、健康長寿社会に求められるライフサイエンス事業の製品・サービスを通じて貢献する考えです。「事業活動によって生じる社会的課題」では安全衛生・環境負荷低減への取り組みやサプライチェーンマネジメントなどを、「事業活動の基盤となる課題」では上記のコーポレート・ガバナンスの他、リスク管理などの強化を、それぞれ推進してまいります。
以上のような課題に対して、中期経営計画「JSR20i9」において確実に取り組み、遂行してまいります。
会社の経営の基本方針
企業理念、経営方針、行動指針から成り立つ企業理念体系を当社グループの全員が常に意識し、目標・価値観を共有して行動してまいります。創業から現在までに築き上げてきた良き企業文化を継承するとともに、時代や環境、価値観の変化に迅速に対応できるスピード感のある経営に努め、マテリアルを通じて価値を創造するイノベーション・カンパニーとして、社会とステークホルダーの皆様の信頼に応える企業を目指してまいります。
中長期的な会社の経営戦略、目標とする経営指標及び対処すべき課題
(目標とする経営指標)
当社グループは、連結営業利益とROE(自己資本純利益率)を、目標とすべき重要な経営指標と位置づけております。
<中期経営計画「JSR20i9」における業績目標>
| 平成29年3月期 実績(日本基準) | 平成30年3月期 通期予想(IFRS基準) | 平成32年3月期 目標(IFRS基準) | |
| 連結売上高 | 3,906億円 | 4,050億円 | 4,600億円 |
| 連結営業利益 | 324億円 | 350億円 | 420億円 |
| ROE(自己資本純利益率) | 8.4% | 7.2% | 8%以上 |
(当期の進捗状況)
<中期経営計画「JSR20i6」の達成状況>中期経営計画「JSR20i6」では、対象期間である2014年度(平成27年3月期)から2016年度(平成29年3月期)までの3ヶ年を、2020年(平成32年)のビジョン達成に向けた三段階の第二段階にあたる「成長軌道へ」の期間と位置づけました。しかしながら「JSR20i6」の最終年度となる当期は、事業環境が期初の想定を下回り、期初に定めた収益目標を達成することができませんでした。
一方、各事業における取組み課題につきましては、以下の進捗を得ております。
エラストマー事業は、グローバルに需要が高まる低燃費タイヤ用溶液重合SBR(SSBR)を供給するタイの合弁会社JSR BST Elastomer Co.,Ltd.(JBE)が順調に販売を拡大しております。さらなる需要拡大に対応するため、ハンガリーに設立した合弁会社JSR MOL Synthetic Rubber Ltd.(JMSR)にて2018年(平成30年)稼働に向けて工場の建設を進めております。
ファイン事業は、半導体材料事業において、リソグラフィ材料が最先端の10及び14nm(ナノメートル)世代プロセスで高いシェアを獲得いたしました。さらに微細な7nm世代以降の主要な技術の一つとして期待されるEUV(極端紫外線)リソグラフィ材料に関して、ベルギーにあるナノエレクトロニクス技術研究の先端的な研究機関であるimecと、製造・品質管理サービスを提供する合弁会社EUV Resist Manufacturing & Qualification Center N.V.(EUV RMQC)を設立し、製造を開始いたしました。また、他方では、今後の高密度実装を実現する新規技術を米国企業と共同開発するなど、実装材料の展開も進めております。ディスプレイ材料事業につきましては、今後も高成長が期待される中国市場での販売拡大を着実に進めております。また、中国に設立したディスプレイ材料製造の合弁会社JSR Micro (Changshu) Co.,Ltd.(JMCH)の工場建設を進めており、2017年度(平成30年3月期)の稼働開始を予定しております。液晶ディスプレイパネルの汎用品化に対しては、事業改革による収益確保に取り組んでおり、また、今後も成長が期待できるモバイルデバイス周りの製品群の拡張も目指しております。
石油化学系事業・ファイン事業に続く新しい事業の柱であるライフサイエンス事業において、前期に連結子会社化したバイオ医薬開発・製造受託企業である米国KBI Biopharma,Inc.(KBI)が順調に売上を伸ばしております。また、㈱医学生物学研究所(MBL)を前期下期から連結子会社化したことにより、事業規模が大幅に拡大しました。さらに、中国での合弁会社捷和泰(北京)生物科技有限公司(J&W)の診断薬中間体事業も順調に進展しております。将来的な事業拡大に向けては、新たな医療分野の展開を支える革新的材料・製品開発を担うべく慶應義塾との共同研究施設「JSR・慶應義塾大学 医学化学イノベーションセンター」(JKiC)の建設も進めており、2017年(平成29年)10月に開所する予定です。
<新中期経営計画「JSR20i9」の策定>2016年度(平成29年3月期)を最終年度とした中期経営計画「JSR20i6」が終了したことに伴い、2017年度(平成30年3月期)から2019年度(平成32年3月期)までの3ヶ年につきましては2020年ビジョン達成に向けての第三(最終)段階にあたる新中期経営計画「JSR20i9」をスタートし、未来に向けた競争力の強化を進めてまいります。
対処すべき課題
<石油化学系事業>エラストマー事業においては、需要業界である自動車タイヤや自動車の生産ともにグローバル市場では安定した成長が見込まれております。その中でSSBRは、四日市工場とタイのJBE第1期設備がともに高稼働を維持しており、昨年10月に稼働を開始したJBE第2期設備と、2018年(平成30年)稼働予定のハンガリーのJMSRにより、能力拡大を進めてまいります。加えて、販売については、JSR Elastomer Europe GmbH(ドイツ)、JSR Elastomer Korea Co., Ltd.(韓国)、JSR (Shanghai) Co., Ltd.(中国)とグローバルな体制を構築し、また、今後の低燃費タイヤ需要の大きな成長が期待される中国において、天津技術センターを設置して現地顧客に密着した技術サポートを提供してまいります。SSBRのグローバルな需要増大を確実に取り込み、販売を拡大してまいります。
合成樹脂事業につきましては、テクノポリマー株式会社とユーエムジー・エービーエス株式会社の事業統合により2017年(平成29年)10月に発足する予定の新会社にて、製造効率・コスト競争力を確保し、国内での安定供給と海外への販売拡大に邁進してまいります。
<多角化事業>半導体材料事業は、スマートフォンやデータセンターなど最先端半導体チップの新しい需要の増加が見込まれる中、半導体チップの高性能化・省電力化を微細化と高密度実装の両面から支えるべく、リソグラフィ材料・CMP材料・洗浄剤・実装材料の開発および販売拡大を推進してまいります。特に7nm世代以降に向けたEUVリソグラフィの早期実用化に向けて、ベルギーEUV RMQCでEUVリソグラフィ材料の量産化を進めてまいります。
ディスプレイ材料事業は、液晶ディスプレイ(LCD)パネルの汎用品化に伴う材料の競争激化があるものの、LCDパネルの需要は堅調に伸びると見込まれます。特に中国では高い成長が見込まれており、中国合弁会社JMCHの工場を2017年度に稼働させて、中国市場の成長に対応してまいります。LCDパネルの汎用品化に対しては、不断の事業改革により事業収益を確保するとともに、組織体制を組み直し、引き続き成長が期待できるモバイルデバイス周りの製品群の拡張も目指し、今後も当社グループの収益を支える主要事業として事業基盤を強化してまいります。
ライフサイエンス事業は、バイオ医薬品の製造に関わるバイオプロセス分野と体外診断薬・研究試薬分野に注力してまいります。バイオプロセス材料では、KBIにおけるバイオ医薬品の開発・製造受託事業の拡大と、今後需要の伸びが期待できる抗体医薬精製用担体のAmsphere®(アムスフェア) A3の販売拡大に注力してまいります。体外診断薬・研究試薬分野ではMBLの強みを活かして海外での拡販を進めてまいります。さらに、JKiCにおける慶應義塾大学医学部および付属病院との共同研究を通して革新的な材料や製品の開発に取り組み、ライフサイエンス事業の拡大に邁進してまいります。
(その他の対処すべき課題)
<人材育成>人材育成は企業の持続的発展のための最重要課題であり、引き続き、社員の自立的成長を重視する育成方針に基づいて、当社グループのあるべき姿と価値観を共有した個々人・組織の自発的な行動を促進いたします。企業理念体系の浸透と風土改革を進めるとともに、組織能力強化のためのグローバルな人材育成策に継続的に取り組んでまいります。
また、当社では平成27年度にダイバーシティ推進室を設置するなどして、ダイバーシティ(多様性)の推進に積極的に取り組んでまいりました。さらに、多様な人材が活躍できる環境の整備、労働生産性の向上を目指して、かねてよりワークライフマネジメントとして取り組んできた活動を、「働き方改革」として新中期経営計画「JSR20i9」の中で進めてまいります。その中で、労働生産性向上の前提は社員が健康的に働けることであるとして、健康づくりの活動である「JSR Health Promotion」にも取り組んでまいります。なお、当社は女性活躍推進に優れた上場企業として経済産業省と東京証券取引所から平成27年度に続き平成28年度「なでしこ銘柄」に、また、優良な健康経営を実践している上場企業として、経済産業省と日本健康会議から「健康経営優良法人2017~ホワイト500~」に認定されました。
<コーポレート・ガバナンス>当社は、監査役設置会社として、取締役会と監査役による業務執行の監視・監督を行う制度を基礎としつつ、コーポレート・ガバナンス体制の強化・拡充を図っております。
執行役員制度の導入、豊富な事業経験を有する独立社外取締役(3名)や広範な専門知識と豊富な経験を有する独立社外監査役(2名)の選任により、経営監督機能を強化するとともに、意思決定や業務執行の合理性の確保、迅速化、効率化を図ってまいりました。
加えて、社外取締役がメンバーの過半数を占めるとともに、その委員長を務める指名諮問委員会及び報酬諮問委員会の設置、短期・中長期の業績連動報酬の導入等により、役員選任や役員報酬の方針の決定をはじめとして経営の透明性・健全性を確保し中長期の企業価値向上の達成に努めております。
取締役会では、外部専門家の支援を得て取締役会実効性評価を実施いたしました。取締役会の規模・構成・具体的な運営方針などを評価して適切な取締役会の運営がなされていることを確認いたしました。今後とも、取締役会実効性評価を毎年実施し、取締役会の実効性のさらなる向上を図り、企業価値の継続的向上に努めてまいります。
<企業の社会的責任(CSR)>当社グループは、企業理念に立脚して様々なステークホルダーと良好な関係を築き、信頼され必要とされる企業市民になることを目指しております。そのために企業理念を実践する経営と企業の社会的責任(CSR)を一体のものと捉えて、社会的重要課題の解決に取り組んでまいります。CSR会議が、企業倫理/レスポンシブル・ケア/リスク管理/社会貢献の4つの活動を統括してCSRを推進しております。当社グループにとっての重要課題の解決は、「事業活動で貢献する社会的課題」「事業活動によって生じる社会的課題」「事業活動の基盤となる課題」の3つの軸で整理して取り組んでおります。「事業活動で貢献する社会的課題」ではSSBRなどの環境配慮型製品や、健康長寿社会に求められるライフサイエンス事業の製品・サービスを通じて貢献する考えです。「事業活動によって生じる社会的課題」では安全衛生・環境負荷低減への取り組みやサプライチェーンマネジメントなどを、「事業活動の基盤となる課題」では上記のコーポレート・ガバナンスの他、リスク管理などの強化を、それぞれ推進してまいります。
以上のような課題に対して、中期経営計画「JSR20i9」において確実に取り組み、遂行してまいります。