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有価証券報告書-第108期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/23 14:30
【資料】
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【項目】
180項目
・戦略、指標及び目標
A.「人的資本(人財)」および「人的資本経営」の考え方
(1) 当社グループの企業理念と人財理念
当社グループは、企業理念における考働原則「MANDOM PRINCIPLES」の一つに「人財主義」を掲げ、この人財主義の考え方に基づき、当社グループの人財理念「個と会社のHAPPY」が策定されています。これは、社員と会社が対等なパートナーであり、会社は社員の成長に対して積極的に投資を行い、すべての社員が最大限に活躍することを通じて会社も同時に成長し、当社グループのミッションである社会へのお役立ちを実現できるという「社員と会社の相互成長の実現」を目指すものです。そのため当社グループでは、この「社員と会社の相互成長の実現」をサステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)の1つとして掲げ、「相互成長」の考え方に基づいた人財に対する取組みを推進しています。
(2) 当社グループの人的資本経営の考え方
当社グループが多様な新価値を創造し続けるためには、社員一人ひとりが持つ多彩な個性や強みを最大化し、それらを活かした知の融合・コラボレーションを起こし続けることが必要であると考えています。そのため当社グループでは、この実践に向けた経営としての一連の取組みを「人的資本経営」と位置づけ、下図の5つの観点に重点を置き、これらをサイクルとして有機的に循環させていくことで、当社グループ全社員の個性と強みの最大化を目指します。なお本書では、取組観点のうち①、②及び⑤が人材育成方針、③及び④が社内環境整備方針にそれぞれ該当します。
■図A-1. 当社グループの人的資本経営全体像
0102010_033.png
B. 各取組観点の概要と取組事例
01.企業理念と人財理念の共有と実践

(1) 考え方
当社グループでは、企業理念の考働原則の一つに「人財主義」を掲げており、長年にわたる人財に対する取組みは、当社グループの根幹であるグループ企業理念に紐づいた「理念考働」の一環といえるものです。
また当社グループの考働原則には、「人財主義」のほか、「チャレンジ・チェンジ・イノベーション」や「全員参画」といった項目も含まれており、グループ企業理念の深い理解とそれに基づく理念考働の実践が、当社グループの目指す「社会へのお役立ち」の実践だけでなく、自律的な考働を通じた社員一人ひとりの「仕事のやりがいや社員のエンゲージメントの向上」にも寄与できるものであると考えています。この考え方に基づき、当社グループでは人財に対する取組みの基盤となる「社員の企業理念に対する理解と実践の度合い」、およびそれに基づく「社員のエンゲージメント」を測るため、2017年よりマンダムサーベイを導入しました。そしてこのサーベイ結果から見えた諸課題に対応していくことで、社員の企業理念に対するより深い理解・浸透と社員のエンゲージメント向上を目指しています。
(2) 2024年度および今後の取組み
2024年度は、当社グループのコーポレートスローガン「BE ANYTHING, BE EVERYTHING.」(意味:なりたい自分に、全部なろう。)の理解・共感の促進に向けた取組みが2023年度に完了したことに伴い、再度当社グループの「企業理念の共有と実践」に向けた取組みを再開しました。
具体的な取組内容として、当社では企業理念の共有が現場部門で「自走化」されている状態を目指し、企業理念の伝承者である「エバンジェリスト」の役割を担う部門長に対する「エバンジェリスト教育」を実施しました。このエバンジェリスト教育では、エバンジェリストとしての役割期待を伝達し、企業理念に対する講義やグループワークを通じて、当社グループの企業理念に対する理解をさらに深めることを目指しました。そしてエバンジェリスト教育後には、各エバンジェリストが自身の部門において理念教育を実施し、現場部門での「自走化」を実現するための基盤づくりを行っています。2025年度以降は、日本で実施したこの取組みを海外グループに水平展開し、グループ全体の視点でこの「自走化」をできる環境を整備していきます。
02.ダイバーシティ&インクルージョン

(1) ダイバーシティ&インクルージョンに関する考え方
当社グループでは、人財に対する取組みにおいて、「ダイバーシティ&インクルージョン」を特に重要な取組観点として位置付けています。これは、当社グループの目指す「社会へのお役立ち」の実現に向けて、「多彩な個性と強み(専門性)を持つ人財」の活躍が必要不可欠であると考えているためです。
そのため当社グループでは、このダイバーシティ&インクルージョンの取組みを、「DEIB(Diversity, Equity, Inclusion and Belonging)」の観点から推進しています。これらの観点に基づいて、当社グループの多彩な個性と強みを持つ人財(Diversity)が、公平・公正であり(Equity)、かつ各人の個性やちがいを尊重し相互信頼のある環境を通じて(Inclusion)、社員一人ひとりがやりがいをもってイキイキと楽しく働くことができる状態(Belonging)を目指します。
(2) 人財の多様性(Diversity)に関する考え方
当社グループでは、ダイバーシティ推進の目的として、「イノベーションの創出」が特に重要であると考えており、この観点に基づいて多彩な個性と強みを持つ人財の獲得と育成を目指します。
特に人財の多様性(Diversity)に関して、当社グループでは「組織内ダイバーシティ」と「個人内ダイバーシティ」の2つの観点から取組みを推進しています。前者については、当社グループの目指す多様なイノベーションの創出に寄与しやすい「認知的ダイバーシティ」の観点を主軸として、多彩な経験や価値観を持つ人財の獲得・育成を目指します。また後者については、組織内における人財の多様性だけではなく、社員一人ひとりが様々な経験や知識を増やしていくことで、多彩な価値観やものの見方を通じて更なるイノベーション創出に寄与できる状態を目指します。
(3) ダイバーシティに関する取組事例と今後の取組み
① 女性活躍推進
1) 考え方
当社グループが変化し続ける生活者の価値観やウォンツを的確に把握し、継続的な社会へのお役立ちを実現するためには、女性をはじめとした社内の人財における性の多様化を推進し、これらの人財が最大限に活躍することが重要であると考えています。そのため当社では、人財における「性の多様化」の一つとして、社内における女性の活躍推進とそれを成しえる社会の実現に向けて、次のような取組みを実践しています。
2) 取組事例と今後の取組み
当社では、女性社員がよりイキイキと活躍できる環境を整備するため、2024年度は引き続き「仕事と育児の両立支援」、そしてキャリア開発視点での「異業種女性キャリアデザインフォーラムへの参画」等に取組みました。仕事と育児の両立支援では、従来に引き続き取得対象者の休業取得に向けた人事総務部からの積極的なアナウンスや、対象者全員とその上長・人事総務部担当者の3者における面談をもれなく実施しています。また、「異業種女性キャリアデザインフォーラムへの参画」では、女性社員が活躍するロールモデルを学び、他業種の女性社員との交流を通じて自身のキャリアについて考える場を提供しています。今後も、男女ともに育児休業の取得を推進するとともに、キャリア面に関しても女性社員が活躍できる環境づくりを目指します。
また、引き続き管理職層への女性社員の積極登用も合わせて推進していきます。当社では、2027年度までの女性管理職比率20%以上の達成に向けて取組みを進めておりましたが、2024年度末で14.8%、そして2025年4月1日時点では20.2%となり、設定目標を前倒しで達成することができました。今後も継続的に女性管理職の活躍を推進していくとともに、「女性社員の働きがい向上につながる施策の検討と実践」、そして「経営層や管理職層に対する女性活躍に向けた各種教育の拡充」に取り組んでいきます。
■図02-1. 育児休業取得率の推移 (注1) ■図02-2. 女性管理職比率の推移 (注2)
0102010_034.png0102010_035.png(注1)
・当社の年度別実績。
・「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出。
・2021年度における男性社員の実績、および2023年度における女性社員の実績については、前事業年度における一部取得対象者が対象事業年度中に育児休業を取得したことから、対象事業年度における合計取得者数が取得対象者数を上回ったことにより、100%を超える実績となっている。
(注2)
・当社の各年度末時点の実績。
・「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出。
・管理職には部長・次長および課長を含み、執行役員および専門職は除く。
②多彩な職歴(他業界・他社経験、職種)を持つ人財の拡大
1) 考え方
当社グループでは、性の多様化とともに「職歴(他業界・他社経験、職種)」の多様化に対する取組みも推進しています。この観点については、これらを有する「新たな人財の獲得」と、「在籍社員の育成・強化」の2つの観点から取組みを進めています。
「新たな人財の獲得」に関して、当社ではキャリア人財の採用を強化しています。積極的なキャリア人財の新規採用を通じて、従来の当社には無い経験や観点・知見を取り入れることによるイノベーションの創出を目指します。また、既存の在籍社員に関しても、当社以外の経験や価値観に積極的に触れる機会を提供することで、社内全体における「多彩な経験を持つ人財」を増やしていきます。
2) 取組事例と今後の取組み
2024年度は、新規キャリア採用者の社内定着に向けたオンボーディング施策を新たに開始しました。入社後の配属部署におけるOJTだけでなく、他部門との交流を重視したさまざまな施策を展開しています。
例えば、入社1か月以内に企業理念の説明会を実施し、キャリア採用者が企業文化や価値観を理解する機会を提供しています。また当社では「バディ制度」を導入しています。このバディが入社初期の職場や業務に関する相談役となり、キャリア採用者が気軽に質問できる環境を提供することで、キャリア採用者の職場での不安や疑問をスピーディに解消できる体制を整えています。さらに、各キャリア採用者の他部門との関係構築を促進することを目的に、「交流1on1リレー」制度を導入しています。これは、入社後3か月間にわたって定期的に他部門の業務関係者と1対1形式の交流機会を設け、社内のネットワークづくりや相互理解を深めることを目的としています。そして、入社1年以内のキャリア採用者を対象に理念教育を再度実施し、企業理念の浸透を図ることで、組織全体の一体感を高める取組みも合わせて推進しています。
当社は、上述のような取組みを継続することで、今後もより幅広い経験や価値観を持つ人財の獲得・育成を目指します。
■図02-3. ライン(マネジメント)職 キャリア採用者比率の推移(日本) (注3)
0102010_036.png(注3)
・当社の各年度末時点の実績。
・ライン(マネジメント)職には部長・次長および課長を含み、執行役員は除く。
・2024年度における実績の減少は、2024年度の組織編制に基づく一時的なものです。当社では上述の通り、ダイバーシティ観点におけるキャリア採用者の重要性を認識しており、当社の指標として掲げている「2027年度までにライン(マネジメント)職 キャリア採用比率30%以上」の実現に向けて、引き続き積極的な任用およびそれに向けた人財育成を実践していきます。
③当社グループ全体でのダイバーシティ&インクルージョンの推進
従来の当社グループにおけるダイバーシティ&インクルージョンの取組みは、当社(日本)を主としたものとなっていました。しかし、今後のグループシナジーの最大化に向けては、D&Iを当社グループ全体で取り組んでいく必要があります。そのため2025年度以降は、ダイバーシティ&インクルージョンの取組みを当社グループに展開していきます。2025年度はその第一ステップとして、各グループ会社に対するグループD&Iの考え方に関する理解浸透と、各社におけるダイバーシティ&インクルージョンに関する現状把握と課題抽出に注力し、当社グループ全体のダイバーシティ&インクルージョンの推進に向けた基盤構築を行っていきます。
03.健康経営

(1) 考え方
当社グループが新価値創造を実現するためには、社員と家族の安全・安心のもと、人財が最大限に活躍できる環境整備が必要不可欠であり、グループ全社員のウェルビーイングが当社グループの人的資本経営の推進における基盤であると考えています。そのため、社員の健康に関わる不安を取り除き、豊かで充実した仕事と生活が実現できる職場環境を作り出す一連の取組みを当社グループの「健康経営」と定義し、この健康経営の視点に基づく5つのステップ(ウェルネスSTEP、図03-1)を通じて、図03-2の推進体制のもとで、身体的、精神的、社会的に豊かで良好な状態(ウェルビーイング)を目指して生活者へのお役立ちを実現し、業績向上へとつなげていきます。
■図03-1. 当社グループの健康経営推進のウェルネスSTEP
0102010_037.png参照元:未来を築く健康経営(経済産業省、NPO法人健康経営研究会)
■図03-2. 当社グループの健康経営推進体制
0102010_038.png
(2) 健康経営の取組事例と今後の取組み
当社は2025年3月に「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」認定され、4年連続の認定となりました。一方で当社では、更なる健康経営の推進に向けた体制基盤の構築が必要であると考え、2024年度についても「健康経営の推進に向けた基盤整備」に向けた取組みを進めてきました。
2024年度は、特に長時間労働低減に向けた取組みを強化しました。全社員の長時間労働状況を的確に把握するため、2023年度より上位会議体における時間外労働関連の月次での情報共有を開始し、経営層を巻き込んだ時間外労働低減に向けた環境整備を進めています。また、更なる取組みとして2024年11月より各部門において週2日相当の「ノー残業デー」設定(管理職者も含む)を開始し、睡眠時間確保などをはじめとする健康維持管理を推進しています。
同時に2024年度は、アブセンティーイズムへの対応強化(休業者に対するケアの充実化)を目的として、人事総務部と産業医療職(産業医、保健師)・休業者の所属先上司との3者間の連携を強化し、身体的・精神的な面で不調を抱える休業者に対するケアと復帰支援に取組みました。またこれに合わせて、新たに管理職者を対象とした「ラインケア研修」を実施しました。これは管理職者を対象に、安全配慮義務の必要性や役割期待を説明し、部下の変化に対する具体的な対応方法などを教育する機会を設けました。
2025年度以降は、時間外時間低減活動(ノー残業デーの実施)の取組みを継続していきます。また、ウェルネスSTEP1~2で定める健康経営推進体制を盤石化した上で、アブセンティーイズムからプレゼンティーイズム(健康上の問題による社員の業務生産性の低下)への対応に重点をシフトさせながら、当社の健康経営をより多角的に推進できる基盤づくりを推進していきます。
04.自律協働型ワークスタイル

(1) 考え方
当社グループでは、「WORK LIFE BALANCE(ワーク・ライフ・バランス)」をさらに発展させた「WORK IN LIFE(ワーク・イン・ライフ)」の考え方に基づき、働きやすさと働きがいの両方を向上させることで、「社員一人ひとりの人生を豊かにするための働き方」の実現を目指します。またこの実現に向けて、当社グループでは「社内外の『知的にぎわい』を最大化する自律協働型ワークスタイルの実践」をこの推進のキーコンセプトとして掲げています。そして、社員が「自身の人生を自律的に豊かにしていくための労働」を自ら実践することで高いパフォーマンスを発揮し(自律)、これらの多彩な個性や強みを持つ社員がコラボレーション(協働)することで、社員一人ひとりのやりがいの向上、そして多彩な知の融合(知的にぎわい)を通じたイノベーションの創出による新価値創造(Co-Creation)を実現することができると考えています。
(2) 取組事例と今後の取組み (表04-1)
観点これまでの取組事例今後の取組事項
働く時間・コアタイムを完全撤廃したフルフレックス勤務の導入
・個人事情に柔軟に対応可能な勤務時間中の中抜けの認可
・各部門の時間外労働削減に向けた計画づくりと実践
・社員の個人事由に基づく制約がなく、多彩な社員が活躍できる働く時間・場所の継続的な整備
・社員同士のコラボレーションを促進するオフィスづくりの推進
・社員の“知的にぎわい”を促進するコミュニケーション活性化の推進
・社内クラブ活動の拡充
働く場所・個人の家庭事情等に合わせ、所属部署の拠点事業所以外の事業所でも勤務可能とする「遠隔地勤務」のトライアル実施
働く人の関係性・年1回の研修旅行の実施
・社内のコミュニケーションの活性化を目的とした自由談話会の実施

05.タレントマネジメント

(1) 考え方
多彩な個性や強みを活かす環境づくりとともに、それらを最大化するためのジョブ起点の人財マネジメントも推進していきます。当社グループでは、タレントマネジメントを「社員一人ひとりが持つ能力や資質・才能を把握し、戦略的に企業経営に活かすことを目的とする取組み」と捉え、ジョブを起点としたタレントマネジメントに関する様々な取組みを引き続き実践していきます。
(2) 取組事例①:ジョブ×自律を起点とした人事の仕組み改革(MHRX)
当社グループのタレントマネジメントに関する取組事例として、日本におけるMHRX(Mandom HR Transformation、マークス)が挙げられます。これは当社における新たな価値創出によるお役立ちの実現に向けた、変革・挑戦できる組織と人財創造を実現するための「ジョブ×キャリア自律」を起点とした人事の仕組み改革であり、当社では2019年からこの取組みに着手しました。このMHRXを通じて、当社では2023年度から新しいジョブ型人事制度の運用を開始しています。このMHRXでは、「人事制度改革」「キャリア開発」そして「タレントマネジメント」の3つの柱から構成されており、この観点に基づいた取組みを継続して行っています。
2024年度は、当社におけるジョブ型人事制度の導入から1年が経過したことに伴い、新人事制度に対する更なる理解浸透、そして現場部門との対話を通じた現状課題の把握に取組みました。具体的には、当社の組織運営におけるキーポジションである課長(全79名)を対象に、一人あたり60分程度の「個別対話会」を実施し、新人事制度に関する疑問点を解消するとともに、現場視点における人事制度の仕組みや運用上の課題を直接ヒアリングしました。2025年度は、これら対話を通じて得られた現場視点での課題に基づき、ジョブに基づく適所適財の人財配置と人財パフォーマンスに向けた取組みをより一層推進していきます。
■表05-1. 「ジョブ×キャリア自律」に関する考え方
観点考え方
ジョブ変化の激しい時代の中で常に新たなお役立ちを実現するため、社員一人ひとりの個性と強みに基づく“ジョブ(役割)”を基軸に、専門性の向上と適所適財の実現を目指す
キャリア自律社員一人ひとりが自律的な学びや成長を通じて、高度化・複雑化する環境に対応できる強み(専門性)を持ったプロフェッショナル人財への成長を目指す

■図05-2. MHRXの全体像
0102010_039.png
(3) 取組事例②:当社グループ全体のタレントマネジメント基盤の構築
当社グループのMP-14経営基本方針(経営戦略)に基づき、人事領域ではMP-14の取組テーマを「グループ人事HQ機能の確立を通じた、グループ人事体制基盤の構築」とし、2024年度より日本のGHQ(Group Headquarters)を中心としたグループ人事の基盤整備に向けた本格的な取組みを開始しています。2024年度はこの初年度として以下の2点の取組みを実施し、グループ全体視点でのタレントマネジメントや人財育成に向けた基盤の一部を構築することができました。2025年度以降も引き続き、人事観点からのグループ経営推進に向けた取組みを推進していきます。
①グループ共通の各種ポリシーの策定
2024年度は、当社グループ共通となる「報酬ポリシー」および「国際間出向ポリシー」の2点を策定し、2025年1月より当社グループ各社にてこれらポリシーの適用を開始しています。
前者に関しては、グループ各社における外部競争力のある報酬決定やそれによる優秀人財の獲得・リテンションを支援することを目的として、報酬ポリシーを策定しました。この報酬ポリシーでは、当社グループにおける報酬の定義や考え方、報酬決定における観点を定めるとともに、グループ共通で目指すべき報酬水準(ベンチマーク値)を定めることで、より外部競争力のある報酬決定を行える環境を整備しています。
また後者に関しては、従来のグループ各社間の出向に関する負担や取扱いが一部明確でなかった状況を踏まえ、当社グループ間の出向に関する全般的な原則や取扱いを定めた国際間出向ポリシーを定めました。これにより、グループを超えたよりスムーズな人財異動を実現することで、グループ全体での適所適財なタレントマネジメントを推進していきます。2025年度以降はGHQを中心に、これらのポリシーに基づいたグループ各社での適切な報酬および人財の国際間異動に関する運用に向けた支援を行っていきます。
②グループ共通のポジション管理の実施
当社ではジョブ型人事制度を2023年度より導入しており、そのうち管理職以上の全ポジションに関してはジョブ・ディスクリプション(職務記述書)を作成し、各ポジションの職務内容や達成責任に基づいたグレーディング(職務評価)を通じて、等級の格付けを行っています。
2024年度は、GHQ機能を中心とした当社グループ全体のポジション管理に向けて、グループ各社における管理職以上の全ポジションを対象に、グループ共通のフォームに基づくジョブ・ディスクリプションを作成し、GG(グローバル・グレード)に基づく当社グループ全体の職務評価を実施しました。これにより、グループ全体の主要ポジションに関するポジションおよび人財要件の明確化を実現し、より適所適財な人財配置や育成が可能となる基盤を整備できたと考えています。2025年度以降は、ポジション管理に関する運用をグループ各社自らが適切にかつ円滑に運用できるよう、GHQとしての支援を強化していきます。
(4) 取組事例③:グループ全体での人財育成トレーニングの実施
当社グループにおける新価値創造のための最大の源泉は「人財」であり、当社グループが絶えず変革や挑戦を実現し成長し続けるためには、社員の継続的な能力開発が必要不可欠であると考えています。そのため当社グループでは、全社員を対象とした業務遂行上のビジネススキルの向上や、収益性の改善に向けてバリューチェーンの中心にある部署を対象とした専門的なスキル獲得のためのトレーニングを通じてスキルやノウハウを組織知化し、当社グループの継続的な変革と挑戦を実現できる人財創造と環境づくりに取り組んでいます。これらの一連のトレーニングは、日本では2024年4月、インドネシアでは2025年1月からそれぞれ開始し、その他の海外拠点に関しても2026年から開始予定であり、引き続き当社グループ全体でこの取組みを推進していきます。
■表05-3. トレーニングプログラムの概要
観点考え方
基礎スキル
トレーニング
社員一人ひとりの業務に対する行動変容に必要となる基礎的なスキルを習得
応用スキル
トレーニング
組織を牽引し、結果を出すリーダーに求められる応用的なスキルを習得
専門スキル
トレーニング
バリューチェーンの中心にある部署を対象とした収益性改善に必要な専門的なスキルを習得

C. MP-14 人的資本・多様性に関する設定指標
当社グループのMP-14経営基本方針(経営戦略)では、取組事項の一つとして「グループ経営実践に向けた経営基盤の継続強化」に向けた「人的資本の最大化による組織能力の向上」を掲げており、当社グループへの人財に対する取組みを、MP-14経営基本方針における重要取組事項の一つとして位置付けています。
上述の人的資本経営の各取組観点、およびMP-14における当社グループの事業セグメントごとの戦略と取組事項を踏まえ、事業セグメントごとに主要項目に関する目標値を設定しています。また、各取組みを通じて達成すべき最終指標として、当社グループ連結における人的資本RoIの目標値を設定し、この達成を目指します。
設定指標の詳細は、次頁の表をご参照ください。
■MP-14 人的資本・多様性に関する主要設定指標一覧 (表C-1)
セグメント設定指標2024年度
実績
2027年度
目標
人的資本RoI
GHQ
(グループ全体)
グループ連結 人的資本RoI (注1)6.5%41%以上
理念の共有と実践
GHQ
(グループ全体)
考働原則(MANDOM PRINCIPLES)実践率65.4%80%以上
ダイバーシティ&インクルージョン
日本事業
(当社)
女性管理職比率14.8%20%以上
ライン(マネジメント)職 キャリア採用人財比率17.6%30%以上
健康経営・自律協働型ワークスタイル
日本事業
(当社)
正社員1人あたり月間平均時間外労働時間 (注2)15.9時間10時間以下
経済産業省 健康経営度調査偏差値53.155.0以上
タレントマネジメント
GHQ
(グループ全体)
マンダムサーベイ「持続可能なエンゲージメント」カテゴリ 肯定的スコア72pt81pt以上
グループ共通 ジョブグレーディング実施率100%100%
日本事業
(当社)
新卒正社員 入社後3年間定着率92.5%毎年度90%以上
マンダムサーベイ「当社には、私の能力を伸ばし成長する機会があると思う」肯定的スコア64pt80pt以上
マンダムサーベイ「私の担当業務に要するスキル向上のための研修機会は十分である」肯定的スコア58pt80pt以上
インドネシア
事業
(PT MANDOM INDONESIA Tbk)
マンダムサーベイ「持続可能なエンゲージメント」カテゴリ 肯定的スコア83pt84pt
自己都合退職率2.55%2.6%以下
海外事業グループ人事ポリシーに基づく
グループ各社人事制度の策定および実施率
0% (注3)100%

(注1)・人的資本RoI=営業利益額÷人件費にて算出。
・人件費は、賃金に加えて製造人件費(労務費)、福利厚生および教育・研修に関する費用を含む。
(注2)・執行役員は除く。
(注3)・2024年度は、グループ共通の各種ポリシーの策定と浸透を中心に取組みを進めたため、グループ各社における人事制度の策定及び実施率については0%としています。2025年度以降は、策定した各種ポリシーに基づき、グループ各社の人事制度の策定及び実施に取組んでいきます。
また、当社グループにおける人的資本に関する考え方や取組事例の詳細については、当社ホームページにて随時開示しております。

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