有価証券報告書-第66期(2025/01/01-2025/12/31)
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)サステナビリティに関する考え方及び基本方針
当社は、創業以来受け継がれる経営理念のもと美容市場に絞った事業を展開しております。持続可能な美容産業を創造していくことこそが、ひいては持続可能な社会の実現につながるものと信じております。経営陣を含めた一人ひとりが、持続可能な社会の実現に向けて考え、行動することでこれに取り組んでおります。
~サステナビリティ基本方針~
ミルボンは、ヘアデザイナーを通じて、美と心の豊かさに繋がる美容産業を創造することで、持続可能な社会の実現をめざします。
(2)サステナビリティ全般
①ガバナンス及びリスク管理
当社は、サステナビリティに関する課題を重要な経営課題の1つとして捉え、その解決に向けた推進体制を整えております。具体的には、サステナビリティ推進担当取締役が委員長を務める「サステナビリティ推進委員会」を2ヶ月に1回開催しております。サステナビリティ推進委員会では、サステナビリティに関するリスク及び機会を特定し、当社に与える影響を評価しております。その評価をもとに対応方針や取り組みに向けた課題等を検討・協議し、その内容は必要に応じて、経営会議または取締役会へ付議または報告され、取締役会はこのプロセスを定期的に監督し、対応の指示及び戦略への反映を行っております。
(サステナビリティに関するガバナンス体制図)

②戦略
1)「5つの最重要課題(マテリアリティ)」の設定
当社は、2022年2月10日に公表した中期事業構想(2022-2026)において、「サステナビリティコミットメント5つの最重要課題」として以下の5つを設定し、持続可能な社会の実現に向けて優先的に取り組みを進めております。
1.美しさを通じた心の豊かさの実現
2.再生・循環型の生産・消費活動
3.人にやさしい調達活動
4.公正かつ柔軟な経営体制
5.働きがいのある職場環境
2)「5つの最重要課題」の選定プロセス
「5つの最重要課題」の選定に向けては、ISO26000、SDGs17原則、ESGの3つの視点から当社で推進すべき課題の検討を行い、SDGs/ESGマトリックス(https://www.milbon.com/ja/uploads/docs/esg-sdgsmatrix.pdf)として整理しました。その際には、サステナビリティ推進委員会が中心となり、社内各部門、社外有識者、経営層の意見を集約しております。その後、マトリックスの中から当社事業活動と関連性が高く、ステークホルダーからの期待が高い課題を再評価し、「社会課題の解決」「持続的な事業の成長」「社内基盤の構築」の3つのポイントから、「5つの最重要課題」を選定しました。「5つの最重要課題」においては「美しさを通じた心の豊かさの実現」を最重要課題「1」とし、中核課題に設定しています。美しさを提供することは当社の事業活動そのものであると同時に、人々が美しくあることは心の豊かさにつながるものであり、人々が心豊かに生きる社会は持続可能な社会の実現につながるものであると信じております。そのために、当社自身が持続可能であり続けるための最重要課題「4」「5」、事業活動におけるサプライチェーン全体で持続可能であり続けるための最重要課題「2」「3」を設定しております。
③5つの最重要課題におけるテーマ毎の指標(KPI)及び目標
当社は、5つの最重要課題それぞれに重点取り組みテーマを掲げ、テーマ毎にKPIと具体的な数値目標を設定しております。設定したKPIは、サステナビリティ推進委員会で定期的にモニタリングを実施し、進捗状況を確認するとともに、必要に応じてKPIの追加、見直しを検討しております。
(3)気候変動への対応
①ガバナンス及びリスク管理
当社は、気候変動を中長期にわたり経営戦略や財務計画に影響を与える現実的なリスクと捉え、サステナビリティコミットメントにおいて最重要課題の1つとして位置づけております。
サステナビリティに関する取り組みの内、気候変動に関するリスク及び機会については、サステナビリティ推進委員会が特定しております。活動状況は半期に1回サステナビリティ推進委員会を通じて経営会議及び取締役会へ報告し、取締役会の監督を受けております。
②戦略
2023年度に実施したシナリオ分析では、ミルボングループの中核である株式会社ミルボン単体を対象範囲として、平均気温が1.5℃及び4℃上昇することを想定し、2025年時点(短期)・2030年時点(中期)・2050年時点(長期)の3つの時期に関して、気候変動によるリスクと機会を検討しました。分析にはIEA・IPCCが示したシナリオを使用しており、1.5℃シナリオでは脱炭素社会への移行に伴う政策、規制、技術、市場、消費者意識の変化による影響を、4℃シナリオでは急性の変化(大雨や洪水の発生等)、慢性的な変化(平均気温の上昇や年間降水量の変化等)の双方による物理的影響を分析しています。
シナリオ分析では、約40のリスクと機会が存在することが明らかになったため、これらのリスクと機会に対する当社への影響の大きさを評価し、対応策を決定しました。シナリオ分析結果から、当社は1.5℃と4℃の双方のシナリオにおいて原料調達コスト増による影響を大きく受ける可能性があり、さらに1.5℃シナリオでは自社操業コスト増による影響も大きくなる可能性があることが分かりました。また、これらのリスクと機会については、5つの最重要課題にて設定した「再生・循環型の生産・消費活動」、「人にやさしい調達活動」の推進が、リスクの低減と機会の獲得に資するということも分かりました。今後は、定期的に状況をモニタリングし、必要に応じて新たな対応策を講じることでリスクの低減に努めていきます。
(シナリオ分析結果)
(想定する対策等)
③気候変動に関する取り組みの指標(KPI)及び目標
気候変動に関する取り組みのKPIについては、1.5℃・4℃シナリオの分析結果から、最も影響が大きいと考えられる原材料調達コストの増加に対しては、5つの最重要課題に掲げている、石油由来バージンプラスチック容器包装の削減率や、RSPO認証パーム油採用率の達成を通じて引き続きリスク低減を図ります。
また、カーボンプライシング導入や電力価格高騰等による操業コストの増加リスクに対しては、5つの最重要課題に掲げているゆめが丘工場における2026年、2030年のCO2排出量削減目標に加えて、2050年のミルボングループのカーボンニュートラル目標を設定しました。ミルボングループにおけるScope1・2排出について、まずは、国内事業所の中で最もCO2排出量が多い当社生産拠点である、ゆめが丘工場の2030年カーボンニュートラルを達成します。さらに、2050年までにミルボングループのカーボンニュートラルを目指します。
当社グループの排出量算定範囲は、海外拠点を含む当社グループ全体を対象としており、2022年以降、Scope1、Scope2およびScope3のすべてについてカバレッジ100%で算定しています。
今後も、定期的にカーボンニュートラルの達成へ向けた取り組み状況をモニタリングし、対応策を講じることでリスクの低減に努めます。
(ミルボングループにおける2025年度CO2排出量実績(単位:t)※マーケット基準)
(CO2削減目標(Scope1・2))
(4)人的資本、多様性に関する取り組み
①人的資本に関する基本的な考え方
ミルボンには、「すべては、ヘアデザイナーとともに」という創業以来の想いとともに、「つぶれない会社を創る」という信念があります。これは創業者・鴻池一郎が当社の創業前、企業の倒産劇に巻き込まれた親しい方々の悲惨な姿を目の当たりにした際に固く誓った想いであり、そこには「社員とその家族の幸せと仕事のやりがいの実現」という決意が込められています。だからこそ当社では創業以来、一貫して「人」を大切にした経営にこだわり続けています。
また、当社の美容室に徹底的に寄り添う独自のビジネスモデルの遂行には、「人」を起点とした独自の価値創造が不可欠であり、当社の歩みは、「人の成長こそが企業の成長につながる」ということを体現してきた歴史でもあります。そのため当社では、「人的資本」を経営及び企業の持続的成長に必要不可欠な最重要資本と捉え、 経営戦略と連動した人材戦略に取り組んでいます。
②中期事業構想(2022-2026)における人的資本に関する戦略、指標(KPI)及び目標
中期事業構想(2022-2026)の実現に向け、人材戦略基本方針~社員一人ひとりがミルボンのエンジンになる~「社員一人ひとりが、自主自立の精神で、“やりがい”をもって、ミルボンの持続的成長を支え、働き続けられる企業風土を醸成する」を掲げ、「5つの人材戦略重要テーマ」を設定し、社員の“働きがい”の醸成と“働き続けられる環境”の整備を進めております。「5つの人材戦略重要テーマ」と中期事業構想(2022-2026)を密接に連携させることで、持続的な成長の源泉となる新たな付加価値を創造し続け、美容室の増収増益に貢献します。

5つの人材戦略重要テーマにおける具体的な取り組み内容、指標(KPI)及び目標は以下のとおりです。
1)次期後継リーダー育成
当社は、2014年に10年後の後継体制を見据え、独自の次期経営責任者育成プログラムである「ミルボンコーポレートユニバーシティ(以下、MCU)」を立ち上げました。2015年からの4年間で同プログラムを受講した42名のうち、これまでに取締役3名、執行役員8名の任命につながっており、計画していた体制移行は着実に果たされています。
現在は、次の10年、20年先を見据え、サクセッションプランの再構築を進めています。
本年は、次期MCUの開始に先駆け、30代の若手リーダー候補を対象とした「MCU-Prep」を実施しました。公募を通じて選抜された24名が参加しており、2026年も同様に24名を対象に実施する予定です。これにより、2年間で計48名の次期経営リーダー候補の育成を図っています。
また、2024年には代表取締役を委員長とした人材開発委員会を新設し、人材および組織に関する課題や施策について継続的に議論する体制を整えました。今後も、全社視点でのリーダー育成と、一人ひとりの働きがいと活躍につながる研修・配置を推進することで、リーダーが継続的に生まれる企業体の実現に向けた改革を進めていきます。
指標(KPI)及び目標
2)働きがいの醸成
当社では、2022年からエンゲージメントサーベイを導入し、コンプライアンス意識調査を含め、経営会議及び各部門への報告・対話、アクションプランの作成・実践を行っています。総合のエンゲージメントスコアは他社と比較しても高い組織状態を維持しております。その上で当社では、そうした評価に驕ることなくサーベイ評価項目における「理念経営」「外部適応」「変革活動」という3つの領域を「つぶれない会社」を体現するための当社重要指標に定め、それらの3領域の「期待度」「満足度」の双方が高く、強みとして機能している状態を目指しています。
若手社員の離職率は、昨今の労働市場の流動性の影響もみられる中、目標との乖離もみられており、全体の実績値が上昇しました。これを受け、人事部内に対策プロジェクトを新設し、新たに営業現場での心の状態を可視化するツールの導入も進め、総合的に対策を強化し、当社サステナビリティ最重要課題の1つとしても改善に取り組んでいます。
同様に最重要課題のひとつである有給休暇取得率の向上は、多様な働き方を推進するために、人事部内でプロジェクトを設立し、2024年度の年次有給休暇の計画的付与制度の拡充、2025年度の取得率の低い管理職層のデータ及びヒアリングによる分析等、継続的な取得率の向上を図っています。2025年度実績としては、2024年度から2.7%増の75.6%に向上しました。
今後も、エンゲージメントサーベイを通じた定量・定性データから得られる結果を踏まえ、さらなる働きがいの醸成と働き続けられる環境づくりを進めていきます。
指標(KPI)及び目標
3)タテヨコナナメの対話増進
当社では、直近10年間で従業員数が連結ベースで約1.8倍に増加し、部門や階層の拡大、ならびに多様な属性を持つメンバーの増加が進んでいます。こうした組織規模の拡大に伴い、コミュニケーションの希薄化によりリスクに対応するために、当社社員がもつべき指針である「THE MILBON WAY」の浸透と共有を目的に、海外子会社を含むグループ全社において定期的な勉強会を実施しています。
また、2025年は昨年に引き続き、代表取締役の坂下秀憲が自ら国内各拠点を訪問し、全社員と直接対話を行う「ミルボンパーソンディスカッション」を実施しました。本取り組みを通じて全社員との対話を完了し、経営と現場の相互理解を一層深めることができました。合わせて、両立支援座談会、キャリアガイダンス勉強会、社員向けIR説明会の実施等、各部門より社内エンゲージメントの向上に資する様々な施策が実施されています。
2026年も同様に、坂下と数名の社員によるフリーセッションの場を設けることを計画しており、今後も継続的な対話を通じて、一体感のある組織づくりを進めていきます。
指標(KPI)及び目標
4)DE&Iの推進
当社では、多様性が尊重される時代における価値創造の実現には、当社自身が多様性に富む企業となければならないと捉えており、「DE&Iの推進」はそうした進化への不可欠な取り組みであると考えております。
2025年は、ワーキングマザー向け社外メンター制度やベビーシッター支援制度の導入、管理監督者向けのイクボス研修の実施など、各種取り組みを推進しました。また2030年の女性管理職比率20%という目標に対して、2025年の実績は14.7%であり、未だ目標との乖離は見られるものの、実績値としては確実に向上をしております。今後も目標実現に向け、継続的な検討と施策の実行を図っていきます。
指標(KPI)及び目標
5)提供価値向上への人・組織の強化
「提供価値向上への人・組織の強化」は、当社がサステナビリティ5つの最重要課題でも中心として掲げている「美しさを通じた心の豊かさの実現」に直結する重要なテーマであると捉えています。当社は1984年より、9カ月間に及ぶ新入社員研修をはじめとした人材育成に継続的に取り組み、40年にわたり「人」への惜しみない投資を重ねてきました。
2025年10月には、社員が入社から定年退職まで生涯にわたり学び続ける風土づくりの拠点として、新入社員研修の新たな実施の場でもある小田原人材開発センターの研修棟が完成しました。これにより、秋入社社員を対象とした研修も新たにスタートしています。
2026年からは、本研修棟の本格稼働が始まり、これまで以上の人材育成体制の充実化を図るとともに、グローバルビジョンの実現に向け、国内だけでなく海外子会社における社員研修の開発プロジェクトも発足しました。
今後も、さらなる人材育成体制の発展を通じて、提供価値の向上を図ってまいります。
実績
(5)水資源に関する取り組み
①水資源に関する基本的な考え方
当社では、主力であるヘアケア用剤をはじめとして、多くの製品において水を使用しており、お客様が製品を使用される際にはすすぎを必要とするなど、事業活動のあらゆる場面で水は切り離せない存在であると認識しております。水資源の保全においては、各事業地域の水ストレスの詳細把握や、節水、循環利用などの有効活用に努め、積極的な保全活動を推進していきます。
2025年現在においては、ミルボングループのなかで水資源の利用が最も多い当社基幹生産拠点である「ゆめが丘工場」において、管理計画に基づいた取水・排水量の把握、所在地域における水ストレスの調査、保全活動の推進を行っています。
今後は、連結子会社の生産拠点をはじめ、国内外の事業拠点を含めたグループ全体の取水・排出量の把握や所在地域ごとの水ストレス調査および対応策の検討に努めてまいります。
②水資源に関する具体的な取り組み
・ゆめが丘工場における水ストレス調査
2023年から継続して、ゆめが丘工場における水ストレスの調査を実施しています。調査の結果、ストレス度は「低(Low)」と判定されています(Aqueduct Country RankingにおけるBaseline Water Stressを用いて評価)。
今後は、国内だけでなく、タイや中国などの海外工場においても、水ストレス調査を実施する予定です。
・水消費量削減の取り組み
ゆめが丘工場において、環境負荷軽減の観点から2021年に新たな純水装置を導入しました。以前の装置と比較して純水の回収率が20%向上したことで、製造に使用する純水の使用量が2022年の1年間で昨年対比約2,000m³の削減を実現しました。その後、生産設備部品の洗浄をより効率的、効果的に改善させることを目的として2023年に新たに部品洗浄機を導入しました。手洗浄と比較し、洗浄力の向上、節水及び洗浄時間の短縮に繋がり、生産性の向上と合わせ、水使用量の削減を実現いたしました。
・排水への配慮
ゆめが丘工場では、公害を未然に防止し、地域住民の健康と生活環境の保全を目的とした環境保全協定を伊賀市と結んでおります。毎月、放流水が協定で定められた規制値内の値であるかの分析を第三者機関へ依頼しております。日常点検においては自社で検査を行い、規制値を下回る状態を維持するための取り組みを行っております。こうした対応のもと、河川放流と同等の処理基準をクリアした状態で下水への放流を行っております。
・排水経路の水質調査
ゆめが丘工場がある三重県伊賀市において、市民団体「魚と子どものネットワーク」とともに、工場で使用した水が海へ至るまでの直接的な排水経路となっている久米川および木津川の水質調査活動を継続的に行っています。2023年より毎年パックテストによる調査を実施しており、2025年5月に行った調査結果においても前年同様久米川および木津川の水質は化学的酸素要求量(COD)測定において数値に異常がないことを確認しました。
今後も、継続的に本調査をはじめとした実態把握及び環境負荷軽減に向けた活動に取り組みます。
③水資源に関する取り組みの指標(KPI)及び目標
2024年に水使用量削減目標を設定し、2026年までに国内生産拠点のゆめが丘工場において、水使用量原単位(水使用量(㎥)/ 生産量(t))を2021年対比4%以上の削減を維持することを目指します。
(水使用量原単位の実績及び目標)
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)サステナビリティに関する考え方及び基本方針
当社は、創業以来受け継がれる経営理念のもと美容市場に絞った事業を展開しております。持続可能な美容産業を創造していくことこそが、ひいては持続可能な社会の実現につながるものと信じております。経営陣を含めた一人ひとりが、持続可能な社会の実現に向けて考え、行動することでこれに取り組んでおります。
~サステナビリティ基本方針~
ミルボンは、ヘアデザイナーを通じて、美と心の豊かさに繋がる美容産業を創造することで、持続可能な社会の実現をめざします。
(2)サステナビリティ全般
①ガバナンス及びリスク管理
当社は、サステナビリティに関する課題を重要な経営課題の1つとして捉え、その解決に向けた推進体制を整えております。具体的には、サステナビリティ推進担当取締役が委員長を務める「サステナビリティ推進委員会」を2ヶ月に1回開催しております。サステナビリティ推進委員会では、サステナビリティに関するリスク及び機会を特定し、当社に与える影響を評価しております。その評価をもとに対応方針や取り組みに向けた課題等を検討・協議し、その内容は必要に応じて、経営会議または取締役会へ付議または報告され、取締役会はこのプロセスを定期的に監督し、対応の指示及び戦略への反映を行っております。
(サステナビリティに関するガバナンス体制図)

②戦略
1)「5つの最重要課題(マテリアリティ)」の設定
当社は、2022年2月10日に公表した中期事業構想(2022-2026)において、「サステナビリティコミットメント5つの最重要課題」として以下の5つを設定し、持続可能な社会の実現に向けて優先的に取り組みを進めております。
1.美しさを通じた心の豊かさの実現
2.再生・循環型の生産・消費活動
3.人にやさしい調達活動
4.公正かつ柔軟な経営体制
5.働きがいのある職場環境
2)「5つの最重要課題」の選定プロセス
「5つの最重要課題」の選定に向けては、ISO26000、SDGs17原則、ESGの3つの視点から当社で推進すべき課題の検討を行い、SDGs/ESGマトリックス(https://www.milbon.com/ja/uploads/docs/esg-sdgsmatrix.pdf)として整理しました。その際には、サステナビリティ推進委員会が中心となり、社内各部門、社外有識者、経営層の意見を集約しております。その後、マトリックスの中から当社事業活動と関連性が高く、ステークホルダーからの期待が高い課題を再評価し、「社会課題の解決」「持続的な事業の成長」「社内基盤の構築」の3つのポイントから、「5つの最重要課題」を選定しました。「5つの最重要課題」においては「美しさを通じた心の豊かさの実現」を最重要課題「1」とし、中核課題に設定しています。美しさを提供することは当社の事業活動そのものであると同時に、人々が美しくあることは心の豊かさにつながるものであり、人々が心豊かに生きる社会は持続可能な社会の実現につながるものであると信じております。そのために、当社自身が持続可能であり続けるための最重要課題「4」「5」、事業活動におけるサプライチェーン全体で持続可能であり続けるための最重要課題「2」「3」を設定しております。
③5つの最重要課題におけるテーマ毎の指標(KPI)及び目標
当社は、5つの最重要課題それぞれに重点取り組みテーマを掲げ、テーマ毎にKPIと具体的な数値目標を設定しております。設定したKPIは、サステナビリティ推進委員会で定期的にモニタリングを実施し、進捗状況を確認するとともに、必要に応じてKPIの追加、見直しを検討しております。
| 重点取り組み テーマ | KPI | 2025年 実績 | 2026年 目標 | 2030年 目標 |
| 1.美しさを通じた心の豊かさの実現 | ||||
| リアルとデジタルを活用した知販ビジネスの確立 | milbon:iD会員登録者数 | 104万人 | 100万人 | - |
| ミルボン知販メソッド(スマートサロン)の 展開都市数(日本) | 60都市 83軒 | 100都市 500軒 | - | |
| ライフタイムビューティーパートナー育成 | スタジオ・イベント教育動画年間延べ利用人数 | 22.5万人 | 33.5万人 | - |
| エデュケーションiD会員登録者数 | 6.5万人 | 10万人 | - | |
| 2.再生・循環型の生産・消費活動 | ||||
| カーボンニュートラル生産体制の構築 | ゆめが丘工場のCO2排出量削減率 (2019年比) | 81.4%削減 | 75%削減 | カーボンニュートラル実現 |
| サステナブルな容器包装の設計 | 石油由来バージンプラスチック使用量削減率 (2020年比、売上高原単位) | 16.4%削減 | 15%削減 | 30%削減 |
| 3.人にやさしい調達活動 | ||||
| サステナブルなパーム油の調達 | RSPO認証パーム油採用率(MB+B&C) | 50.8% | 50% | 100% |
| サプライチェーンにおける人権の尊重 | デューデリジェンスによる人権侵害発生数 | 0件 | 可能な限り人権侵害ゼロ | 可能な限り人権侵害ゼロ |
| 4.公正かつ柔軟な経営体制 | ||||
| 取締役会の多様性の推進 | 社外取締役の登用 | 5名(5/12) | 継続的に3分の1以上登用 | - |
| 女性役員の積極登用 | 3名(3/15) | 継続的に登用 | - | |
| 国際性を含む、多様なスキルの確保 | 海外勤務経験を有する役員 6名(6/15) | 確保の実現 | - | |
| 取締役会の実効性向上 | 第三者機関評価を通じた、重要課題の選定と改善活動の進捗 | 継続実施中 | 毎年の課題設定に対して継続的な改善活動を行う | - |
| 5.働きがいのある職場環境 | ||||
| 働き続けられると感じる体制・制度の実現 | 若手社員の離職率(直近5年の若手社員(新卒~3年目)の離職率平均) | 12.8% | 9% | 6% |
| 有給休暇取得率 | 75.6% | 70% | 80% | |
| エンゲージメントサーベイ | 継続実施、重要項目及び目標の設定 | 重要指標3領域が「強み」として機能している状態 | - | |
(3)気候変動への対応
①ガバナンス及びリスク管理
当社は、気候変動を中長期にわたり経営戦略や財務計画に影響を与える現実的なリスクと捉え、サステナビリティコミットメントにおいて最重要課題の1つとして位置づけております。
サステナビリティに関する取り組みの内、気候変動に関するリスク及び機会については、サステナビリティ推進委員会が特定しております。活動状況は半期に1回サステナビリティ推進委員会を通じて経営会議及び取締役会へ報告し、取締役会の監督を受けております。
②戦略
2023年度に実施したシナリオ分析では、ミルボングループの中核である株式会社ミルボン単体を対象範囲として、平均気温が1.5℃及び4℃上昇することを想定し、2025年時点(短期)・2030年時点(中期)・2050年時点(長期)の3つの時期に関して、気候変動によるリスクと機会を検討しました。分析にはIEA・IPCCが示したシナリオを使用しており、1.5℃シナリオでは脱炭素社会への移行に伴う政策、規制、技術、市場、消費者意識の変化による影響を、4℃シナリオでは急性の変化(大雨や洪水の発生等)、慢性的な変化(平均気温の上昇や年間降水量の変化等)の双方による物理的影響を分析しています。
シナリオ分析では、約40のリスクと機会が存在することが明らかになったため、これらのリスクと機会に対する当社への影響の大きさを評価し、対応策を決定しました。シナリオ分析結果から、当社は1.5℃と4℃の双方のシナリオにおいて原料調達コスト増による影響を大きく受ける可能性があり、さらに1.5℃シナリオでは自社操業コスト増による影響も大きくなる可能性があることが分かりました。また、これらのリスクと機会については、5つの最重要課題にて設定した「再生・循環型の生産・消費活動」、「人にやさしい調達活動」の推進が、リスクの低減と機会の獲得に資するということも分かりました。今後は、定期的に状況をモニタリングし、必要に応じて新たな対応策を講じることでリスクの低減に努めていきます。
(シナリオ分析結果)
| リスク機会の内容 | リスク/機会 | 時間軸 | 影響度 | |
| 1.5℃シナリオ | ||||
| 原 料 調 達 | サプライヤーへのカーボンプライシングの導入・拡大による調達コスト増 | リスク | 2030年 | 大 |
| 森林保護への法規制による土地利用への制限に伴う調達コスト増 | リスク | 2025年 | 中 | |
| 原料のトレーサビリティに関する法規制強化による調達コスト増 | リスク | 2030年 | 中 | |
| 自 社 操 業 | 自社へのカーボンプライシングの導入・拡大による操業コスト増 | リスク | 2030年 | 小 |
| 電力小売価格の上昇によるエネルギーコスト増 | リスク | 2030年 | 中 | |
| 各国拠点での法規制強化によるコンプライアンスコスト増 | リスク | 2030年 | 中 | |
| サーキュラーエコノミーへの対応コスト増 | リスク | 2030年 | 中 | |
| 他社がカーボンプライシングの影響を受け、自社の競争が向上することによる売上増 | 機会 | 2030年 | 中 | |
| 自家発電導入による排出量とエネルギーコスト減 | 機会 | 2030年 | 中 | |
| 商品需要 | 環境配慮商品の売上増 | 機会 | 2030年 | 中 |
| 4℃シナリオ | ||||
| 原料調達 | 気候変動によるパーム油等植物由来原材料の調達コスト増 | リスク | 2050年 | 大 |
| 安定した原料調達のための取り組みによる調達コスト減 | 機会 | 2030年 | 中 | |
| 自社操業 | 損傷した生産設備の修復にかかるコスト増 | リスク | 2050年 | 小 |
| 洪水や台風被害による配送への影響による、売上減や在庫毀損によるコスト増 | リスク | 2050年 | 小 | |
(想定する対策等)
| 1.5℃シナリオ | ||
| 原 料 調 達 | 植物由来 原料 | ・国際情勢リスク、気候変動リスクにおいて、調達ルートやトレーサビリティを調査 ・原料確保のため、効率的な調達購買手法の検討 ・カーボンプライシングによるサプライヤーへのコスト増を概算、商品価格への上乗せ検 討、代替原料の検討 ・RSPO認証パーム油の積極採用。2030年までに認証パーム油、マスバランス品を100%採用目標 |
| 容器包装 原料 | ・石油由来バージンプラスチックを2030年までに30%削減する目標に向け、新製品容器への植物由来プラスチックや樹脂量削減の成型方法を積極採用 ・プラスチック容器のリサイクル処理方法の研究 ・カーボンプライシングによる容器包装原料のコスト増を概算、商品価格への上乗せ検討、代替原料の検討 | |
| 自 社 操 業 | 自社の エネルギー使用 | ・WEO2021,2022のNZEシナリオにおける炭素価格を用いて、Scope1・2にかかるカーボンプライシングコストを試算 ・電力コスト上昇の見通しから自家消費発電の割合を拡大 |
| 法規制対応 | ・各種規制の把握、コスト増の影響度によっては、他原料への切り替えや製品への転嫁も想定 ・EUを中心とした法規制への対応コストと社内体制の確立 | |
| 商品需要 | 商品開発 | ・生活者ニーズに対応した、商品機能向上と環境負荷低減する商品開発 |
| 4℃シナリオ | ||
| 原料調達 | 調達 | ・代替パーム油の研究や処方対応を検討 ・気候変動によるパーム油調達価格変動を概算 ・原料や調達ルート確保の研究 ・原料毎の気候変動による影響度を確認 ・主要天然原料の原産国における気候変動調査や保護活動 |
| 自社操業 | 災害対応 | ・被災によって生産設備が損傷した場合でも、保険の適用内で修復が可能であることを確認 ・災害時は一部物流倉庫への影響が懸念される為、代替輸送を予め想定 |
③気候変動に関する取り組みの指標(KPI)及び目標
気候変動に関する取り組みのKPIについては、1.5℃・4℃シナリオの分析結果から、最も影響が大きいと考えられる原材料調達コストの増加に対しては、5つの最重要課題に掲げている、石油由来バージンプラスチック容器包装の削減率や、RSPO認証パーム油採用率の達成を通じて引き続きリスク低減を図ります。
また、カーボンプライシング導入や電力価格高騰等による操業コストの増加リスクに対しては、5つの最重要課題に掲げているゆめが丘工場における2026年、2030年のCO2排出量削減目標に加えて、2050年のミルボングループのカーボンニュートラル目標を設定しました。ミルボングループにおけるScope1・2排出について、まずは、国内事業所の中で最もCO2排出量が多い当社生産拠点である、ゆめが丘工場の2030年カーボンニュートラルを達成します。さらに、2050年までにミルボングループのカーボンニュートラルを目指します。
当社グループの排出量算定範囲は、海外拠点を含む当社グループ全体を対象としており、2022年以降、Scope1、Scope2およびScope3のすべてについてカバレッジ100%で算定しています。
今後も、定期的にカーボンニュートラルの達成へ向けた取り組み状況をモニタリングし、対応策を講じることでリスクの低減に努めます。
(ミルボングループにおける2025年度CO2排出量実績(単位:t)※マーケット基準)
| Scope1 カバレッジ:全拠点のうち100% | 1,437 |
| Scope2 カバレッジ:全拠点のうち100% | 3,875 |
| Scope3 カバレッジ:全拠点のうち100% | 313,204 |
| 合計 | 318,516 |
(CO2削減目標(Scope1・2))
| ゆめが丘工場 ※2019年対比 | ミルボングループ |
| 2026年:75%削減(達成) 2030年:カーボンニュートラル | 2050年:カーボンニュートラル |
(4)人的資本、多様性に関する取り組み
①人的資本に関する基本的な考え方
ミルボンには、「すべては、ヘアデザイナーとともに」という創業以来の想いとともに、「つぶれない会社を創る」という信念があります。これは創業者・鴻池一郎が当社の創業前、企業の倒産劇に巻き込まれた親しい方々の悲惨な姿を目の当たりにした際に固く誓った想いであり、そこには「社員とその家族の幸せと仕事のやりがいの実現」という決意が込められています。だからこそ当社では創業以来、一貫して「人」を大切にした経営にこだわり続けています。
また、当社の美容室に徹底的に寄り添う独自のビジネスモデルの遂行には、「人」を起点とした独自の価値創造が不可欠であり、当社の歩みは、「人の成長こそが企業の成長につながる」ということを体現してきた歴史でもあります。そのため当社では、「人的資本」を経営及び企業の持続的成長に必要不可欠な最重要資本と捉え、 経営戦略と連動した人材戦略に取り組んでいます。
②中期事業構想(2022-2026)における人的資本に関する戦略、指標(KPI)及び目標
中期事業構想(2022-2026)の実現に向け、人材戦略基本方針~社員一人ひとりがミルボンのエンジンになる~「社員一人ひとりが、自主自立の精神で、“やりがい”をもって、ミルボンの持続的成長を支え、働き続けられる企業風土を醸成する」を掲げ、「5つの人材戦略重要テーマ」を設定し、社員の“働きがい”の醸成と“働き続けられる環境”の整備を進めております。「5つの人材戦略重要テーマ」と中期事業構想(2022-2026)を密接に連携させることで、持続的な成長の源泉となる新たな付加価値を創造し続け、美容室の増収増益に貢献します。

5つの人材戦略重要テーマにおける具体的な取り組み内容、指標(KPI)及び目標は以下のとおりです。
1)次期後継リーダー育成
当社は、2014年に10年後の後継体制を見据え、独自の次期経営責任者育成プログラムである「ミルボンコーポレートユニバーシティ(以下、MCU)」を立ち上げました。2015年からの4年間で同プログラムを受講した42名のうち、これまでに取締役3名、執行役員8名の任命につながっており、計画していた体制移行は着実に果たされています。
現在は、次の10年、20年先を見据え、サクセッションプランの再構築を進めています。
本年は、次期MCUの開始に先駆け、30代の若手リーダー候補を対象とした「MCU-Prep」を実施しました。公募を通じて選抜された24名が参加しており、2026年も同様に24名を対象に実施する予定です。これにより、2年間で計48名の次期経営リーダー候補の育成を図っています。
また、2024年には代表取締役を委員長とした人材開発委員会を新設し、人材および組織に関する課題や施策について継続的に議論する体制を整えました。今後も、全社視点でのリーダー育成と、一人ひとりの働きがいと活躍につながる研修・配置を推進することで、リーダーが継続的に生まれる企業体の実現に向けた改革を進めていきます。
指標(KPI)及び目標
| KPI | 2025年度実績 | 2026年目標 |
| 次期後継リーダー育成 | MCU-Prepの実施 サクセッションマネジメントの 仕組みを体系化 | MCU-Prepの継続 |
2)働きがいの醸成
当社では、2022年からエンゲージメントサーベイを導入し、コンプライアンス意識調査を含め、経営会議及び各部門への報告・対話、アクションプランの作成・実践を行っています。総合のエンゲージメントスコアは他社と比較しても高い組織状態を維持しております。その上で当社では、そうした評価に驕ることなくサーベイ評価項目における「理念経営」「外部適応」「変革活動」という3つの領域を「つぶれない会社」を体現するための当社重要指標に定め、それらの3領域の「期待度」「満足度」の双方が高く、強みとして機能している状態を目指しています。
若手社員の離職率は、昨今の労働市場の流動性の影響もみられる中、目標との乖離もみられており、全体の実績値が上昇しました。これを受け、人事部内に対策プロジェクトを新設し、新たに営業現場での心の状態を可視化するツールの導入も進め、総合的に対策を強化し、当社サステナビリティ最重要課題の1つとしても改善に取り組んでいます。
同様に最重要課題のひとつである有給休暇取得率の向上は、多様な働き方を推進するために、人事部内でプロジェクトを設立し、2024年度の年次有給休暇の計画的付与制度の拡充、2025年度の取得率の低い管理職層のデータ及びヒアリングによる分析等、継続的な取得率の向上を図っています。2025年度実績としては、2024年度から2.7%増の75.6%に向上しました。
今後も、エンゲージメントサーベイを通じた定量・定性データから得られる結果を踏まえ、さらなる働きがいの醸成と働き続けられる環境づくりを進めていきます。
指標(KPI)及び目標
| KPI | 2025年度実績 | 2026年目標 | 2030年目標 |
| 若手社員離職率 ※直近5年の若手社員 (新卒~3年目)の離職率平均 | 12.8% | 9% | 6% |
| 有給休暇取得率 | 75.6% | 70% | 80% |
| エンゲージメントサーベイ | エンゲージメントサーベイの継続 | 重要指標3領域が「強み」として機能している状態 | - |
3)タテヨコナナメの対話増進
当社では、直近10年間で従業員数が連結ベースで約1.8倍に増加し、部門や階層の拡大、ならびに多様な属性を持つメンバーの増加が進んでいます。こうした組織規模の拡大に伴い、コミュニケーションの希薄化によりリスクに対応するために、当社社員がもつべき指針である「THE MILBON WAY」の浸透と共有を目的に、海外子会社を含むグループ全社において定期的な勉強会を実施しています。
また、2025年は昨年に引き続き、代表取締役の坂下秀憲が自ら国内各拠点を訪問し、全社員と直接対話を行う「ミルボンパーソンディスカッション」を実施しました。本取り組みを通じて全社員との対話を完了し、経営と現場の相互理解を一層深めることができました。合わせて、両立支援座談会、キャリアガイダンス勉強会、社員向けIR説明会の実施等、各部門より社内エンゲージメントの向上に資する様々な施策が実施されています。
2026年も同様に、坂下と数名の社員によるフリーセッションの場を設けることを計画しており、今後も継続的な対話を通じて、一体感のある組織づくりを進めていきます。
指標(KPI)及び目標
| KPI | 2025年度実績 | 2026年目標 |
| 社内コミュニケーションの円滑化 | ミルボンパーソンディスカッションの実施(全21回) | 坂下と数名の社員によるフリーセッションの実施 |
4)DE&Iの推進
当社では、多様性が尊重される時代における価値創造の実現には、当社自身が多様性に富む企業となければならないと捉えており、「DE&Iの推進」はそうした進化への不可欠な取り組みであると考えております。
2025年は、ワーキングマザー向け社外メンター制度やベビーシッター支援制度の導入、管理監督者向けのイクボス研修の実施など、各種取り組みを推進しました。また2030年の女性管理職比率20%という目標に対して、2025年の実績は14.7%であり、未だ目標との乖離は見られるものの、実績値としては確実に向上をしております。今後も目標実現に向け、継続的な検討と施策の実行を図っていきます。
指標(KPI)及び目標
| KPI | 2025年度実績 | 2030年目標 |
| 女性管理職比率 | 14.7% | 20% |
5)提供価値向上への人・組織の強化
「提供価値向上への人・組織の強化」は、当社がサステナビリティ5つの最重要課題でも中心として掲げている「美しさを通じた心の豊かさの実現」に直結する重要なテーマであると捉えています。当社は1984年より、9カ月間に及ぶ新入社員研修をはじめとした人材育成に継続的に取り組み、40年にわたり「人」への惜しみない投資を重ねてきました。
2025年10月には、社員が入社から定年退職まで生涯にわたり学び続ける風土づくりの拠点として、新入社員研修の新たな実施の場でもある小田原人材開発センターの研修棟が完成しました。これにより、秋入社社員を対象とした研修も新たにスタートしています。
2026年からは、本研修棟の本格稼働が始まり、これまで以上の人材育成体制の充実化を図るとともに、グローバルビジョンの実現に向け、国内だけでなく海外子会社における社員研修の開発プロジェクトも発足しました。
今後も、さらなる人材育成体制の発展を通じて、提供価値の向上を図ってまいります。
実績
| 2025年度実績 |
| 小田原人材開発センターの本稼働 |
(5)水資源に関する取り組み
①水資源に関する基本的な考え方
当社では、主力であるヘアケア用剤をはじめとして、多くの製品において水を使用しており、お客様が製品を使用される際にはすすぎを必要とするなど、事業活動のあらゆる場面で水は切り離せない存在であると認識しております。水資源の保全においては、各事業地域の水ストレスの詳細把握や、節水、循環利用などの有効活用に努め、積極的な保全活動を推進していきます。
2025年現在においては、ミルボングループのなかで水資源の利用が最も多い当社基幹生産拠点である「ゆめが丘工場」において、管理計画に基づいた取水・排水量の把握、所在地域における水ストレスの調査、保全活動の推進を行っています。
今後は、連結子会社の生産拠点をはじめ、国内外の事業拠点を含めたグループ全体の取水・排出量の把握や所在地域ごとの水ストレス調査および対応策の検討に努めてまいります。
②水資源に関する具体的な取り組み
・ゆめが丘工場における水ストレス調査
2023年から継続して、ゆめが丘工場における水ストレスの調査を実施しています。調査の結果、ストレス度は「低(Low)」と判定されています(Aqueduct Country RankingにおけるBaseline Water Stressを用いて評価)。
今後は、国内だけでなく、タイや中国などの海外工場においても、水ストレス調査を実施する予定です。
・水消費量削減の取り組み
ゆめが丘工場において、環境負荷軽減の観点から2021年に新たな純水装置を導入しました。以前の装置と比較して純水の回収率が20%向上したことで、製造に使用する純水の使用量が2022年の1年間で昨年対比約2,000m³の削減を実現しました。その後、生産設備部品の洗浄をより効率的、効果的に改善させることを目的として2023年に新たに部品洗浄機を導入しました。手洗浄と比較し、洗浄力の向上、節水及び洗浄時間の短縮に繋がり、生産性の向上と合わせ、水使用量の削減を実現いたしました。
・排水への配慮
ゆめが丘工場では、公害を未然に防止し、地域住民の健康と生活環境の保全を目的とした環境保全協定を伊賀市と結んでおります。毎月、放流水が協定で定められた規制値内の値であるかの分析を第三者機関へ依頼しております。日常点検においては自社で検査を行い、規制値を下回る状態を維持するための取り組みを行っております。こうした対応のもと、河川放流と同等の処理基準をクリアした状態で下水への放流を行っております。
・排水経路の水質調査
ゆめが丘工場がある三重県伊賀市において、市民団体「魚と子どものネットワーク」とともに、工場で使用した水が海へ至るまでの直接的な排水経路となっている久米川および木津川の水質調査活動を継続的に行っています。2023年より毎年パックテストによる調査を実施しており、2025年5月に行った調査結果においても前年同様久米川および木津川の水質は化学的酸素要求量(COD)測定において数値に異常がないことを確認しました。
今後も、継続的に本調査をはじめとした実態把握及び環境負荷軽減に向けた活動に取り組みます。
③水資源に関する取り組みの指標(KPI)及び目標
2024年に水使用量削減目標を設定し、2026年までに国内生産拠点のゆめが丘工場において、水使用量原単位(水使用量(㎥)/ 生産量(t))を2021年対比4%以上の削減を維持することを目指します。
(水使用量原単位の実績及び目標)
| 2021年 (基準年度) 実績 | 2024年 実績 | 2025年 実績 | 2026年 目標 | |
| ゆめが丘工場 | 4.900 | 4.366 | 4.623 | 2021年対比4%以上の削減を維持 |