有価証券報告書-第97期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 9:10
【資料】
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【項目】
78項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「調和と誠実の精神をもって、社会のニーズに沿った新たな付加価値とより高い品質を日々創造、提供し、お客様をはじめとする社会の信頼に応え、社業の発展を期するとともに、バンドーグループの従業員たることに誇りを持ち、社会に貢献することを期する」ことを経営理念としております。
この理念のもとに、当社グループは、ゴム・プラスチック製品メーカーのパイオニアとして、お客様のニーズに応えるべく、新技術や新製品を開発し、これらを社会に提供することにより、当社グループの企業価値を高め、お客様をはじめとして、株主、取引先、従業員および社会の期待に応えるとともに、企業倫理を遵守し、環境保全に配慮した事業経営をすすめることにより、企業としての社会的責任を全うしてまいりたいと考えております。
(2)目標とする経営指標(2022年度)
当社グループは、2018年度から2022年度までを中長期経営計画“Breakthroughs for the future”(未来への躍進)の第2ステージ(BF-2)と位置づけ、次のとおり経営目標を設定し、全社一丸となって、この目標の達成を目指してまいります。
売上収益(連結)……………120,000百万円
コア営業利益(連結)………12,000百万円
ROE(連結) …………………12.0%
新事業・新製品比率…………30%以上(うち新事業10%以上)
※コア営業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
(3)経営環境および会社の対処すべき課題(BF-2の基本戦略)
今後の見通しにつきましては、全世界的な新型コロナウイルスの感染拡大の影響や、前年度から継続している米中貿易摩擦などの影響により、世界経済は厳しい状況が続くと予想されます。
当社グループの主要な市場である自動車分野におきましては、各国の自動車生産台数が総じて前年度を下回る状況で推移しており、感染の収束時期によっては、さらに厳しい状況も想定されます。産業機械分野におきましても、設備投資需要の動向は不透明であり、楽観視できる状況にはありません。
このような情勢のもと、当社製品は多様な市場の産業基盤を支えているとの使命感を持ち、従業員の健康を守り、生産体制の維持に努めるとともに、事態の収束後の積極的な事業展開への準備を進めつつ、中長期経営計画“Breakthroughs for the future”(未来への躍進)の4つの指針のもと、経営目標の達成を目指してまいります。
指針1.新事業の創出
医療機器・ヘルスケア機器事業と電子資材事業を中心として新事業の創出に優先的に経営資源を配分し、事業ポートフォリオの転換を図ってまいります。
具体的には、医療機器・ヘルスケア機器事業においては、子会社化した株式会社Aimedic MMTの医療機器事業基盤、医療機器販売力を活用して、伸縮性ひずみセンサ「C-STRETCH®(シーストレッチ)」の製品化・事業化を加速させるとともに、当社グループの有する基盤技術とのシナジーを発揮し、新製品の事業化を進めてまいります。また、電子資材事業においては、引き続き、精密研磨材「TOPX®(トップエックス)」、光学用透明粘着剤シート「Free Crystal®(フリークリスタル)」、高熱伝導放熱シート「HEATEX®(ヒートエクス)」、低温焼成型金属ナノ粒子製品「FlowMetal®(フローメタル)」などの事業化に取り組んでまいります。
指針2.コア事業の拡大
高付加価値製品を提供し、お客様の利便性向上を図るとともに、重点市場におけるリーディングカンパニーに対する販売拡大に注力することにより、市場地位トップを目指してまいります。
自動車部品事業においては、引き続き、海外拠点を中心として補修品市場の販売拡大に注力するほか、補機駆動用ベルトに続く収益の柱を構築してまいります。また、産業資材事業においては、新たに開発した非付着性に優れた軽搬送用ベルト「ミスターNスティック™」や運搬物の付着・堆積対策に最適な超非付着性コンベヤベルト「イージーリリース®Neo」の販売を拡大するほか、大型農業機械向け変速ベルトの未開拓市場の攻略を積極的に進めてまいります。今後につきましても、市場別のお客様ニーズを捉えた高付加価値製品を連続して開発するほか、海外拠点にもECサイトを拡充するなど、お客様に役立つ独自の価値を創出し続け販売を拡大してまいります。
指針3.ものづくりの深化と進化
コア事業をグローバルに成長させるとともに収益力を向上させるため、革新製法の開発やグローバル全体最適を目指した製造原価の低減など、ものづくりの技術と体制を進化させてまいります。
当連結会計年度は、連結売上原価率70%以下の定着を図るため、自動車用ベルトや一般産業用伝動ベルトなどの主要製品の既存製造ラインについて、生産性・採算を重視したありたい姿の目標を設定し、革新製法の開発や自働化ラインの構築などの原価低減を推進してまいりました。また、需要地生産を基本とした世界最適生産体制の構築も推進してまいりました。今後につきましても、工場のIoT化による工数軽減、AIの活用などの新しい技術を取り入れながら、引き続き、品質の向上とコスト競争力の強化を推進してまいります。
指針4.個人と組織の働き方改革
働く環境と制度の整備、人材の育成と意識改革を通じて、自律的で創造的な働き方を推進してまいります。
当連結会計年度は、働き方改革部を通じて、全社の現行業務の分析や業務改善提案の募集などを実施いたしました。その結果をもとに、作業効率の向上が期待できる業務についてRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入するなど、全社における業務のスリム化と改善を図り、総労働時間の削減を進めました。
また、2019年10月には、従業員の子育て支援を積極的に推進している子育てサポート企業として「くるみん認定」を取得いたしました。今後につきましても、業務の効率化と働き方改革を推進し、従業員一人ひとりの心身の健康がグループ発展の基盤となり生産性の向上に寄与するという考えのもと、引き続き、職場環境の改善や、従業員の健康増進に取り組み、従業員一人ひとりが能力を最大限発揮できる組織を目指してまいります。