有価証券報告書-第155期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/30 12:10
【資料】
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【項目】
149項目
1.経営方針
当社は2018年の創立100周年を機に新たなNSGグループ経営指針「Our Vision」を策定しました。Our Visionは、以下のとおり、「使命:NSGの存在意義」、「目指す姿:NSGのなりたい姿」及び「コアバリュー:働き方の基盤となる価値観」から構成されています。
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当社グループは、Our Visionを経営の指針とし、お客様と社会が求める多種多様なニーズに対して従来のガラスを超えるプラスアルファの価値やサービスを迅速かつ適切に提供することにより、持続的成長可能な社会の実現を目指しています。
2.NSGグループの中期ビジョン
NSGグループの使命である「快適な生活空間の創造で、より良い世界を築く」を実現するべく、当社グループは、進むべき方向性として、中期ビジョン「高付加価値の『ガラス製品とサービス』で社会に貢献するグローバル・ガラスメーカーとなる」ことを新たに掲げました。
これに基づいて、当社グループが「目指すべき貢献領域」として、以下の3分野を設定しています。
①快適空間の創造:快適で安全・健康な「人にやさしい生活空間」を創造する
②地球環境の保護:再生可能エネルギーの活用拡大や冷暖房負荷の軽減などを通して「地球にやさしい環境」を創造する
③情報通信分野:人々の暮らしをより便利にし、社会の進化をささえる情報通信関連分野に貢献する
また、企業の「ありたい姿」として以下の2項目を設定しています。
・常に変革に挑戦し、やり抜き結果を出す企業グループであり続ける
・事業活動を通じて、従業員が「成長」し、「働く喜び」を得られる企業グループであり続ける
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3.「中期ビジョン」実現のためのロードマップ
当社グループは、外部環境の変化を踏まえ、持続的な成長を目指せる事業体質を構築するため、2022年3月期から2024年3月期までの3年間を期間とする、新中期経営計画「リバイバル計画24(RP24)」を2021年5月13日に公表しました。
中期ビジョンの実現に向けて、ステップI(RP24、2022年3月期~2024年3月期の構造改革期)およびステップII(2025年3月期以降の持続的な成長サイクルの確立期)に分けて施策に取り組みます。RP24期間については構造改革期と位置づけ、収益構造の改革、財務基盤の回復、事業ポートフォリオの転換に集中的に取り組み、抜本的・本質的な施策を完遂することを基本方針としています。
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4.前中期経営計画の振り返り
当社グループは、2014年5月に発表した長期戦略ビジョン「VAガラスカンパニーへの変容・変革」(VAとは英語
のValue-Addedの頭文字に由来し高付加価値を意味)に基づき、2018年3月期から2020年3月期までの3年間を期
間とする「中期経営計画(MTP)フェーズ2」(以下、「MTPフェーズ2」)を策定し、その遂行に取り組みました。
MTPフェーズ2においては、VA No.1戦略の推進により、VA化が進展し収益性は着実に改善しました。建築用ガラスにおけるオンライン・コーティング分野での事業拡大や高付加価値自動車用ガラスの受注増加が進みました。成長をさらに加速させるため、太陽電池パネル用ガラスの生産能力増強などの戦略投資を実施するとともに、新規事業の育成を加速するため、ビジネス・イノベーション・センター(BIC)を立ち上げました。財務面では、2017年にA種種類株式を発行し自己資本の改善を図るとともに、金融費用削減目標を1年早く達成し、6期ぶりの復配を実施しました。
上記のとおり、2019年3月期までは順調に利益改善が見られた一方で、2020年3月期に入り、欧州を中心とした自動車生産台数の急減、建築用ガラス市場の需給バランスの悪化、さらには2020年初頭からの新型コロナウイルス感染拡大の影響も受け、最終年度である2020年3月期においてMTPの財務目標は達成できませんでした。
5.経営環境および新中期経営計画「リバイバル計画24(RP24)」における施策と目標
MTPにおいては、「VAガラスカンパニーへの変容・変革」に着手したものの、固定費が高く、市況変動に左右されやすい事業構造を十分に変革するには至りませんでした。当社グループは、この結果を踏まえ、より抜本的な構造変革の必要性を認識し、2022年3月期から2024年3月期までの期間を、持続的な成長を目指せる事業体質を構築するための重要な3年間と位置づけ、RP24を策定、実施することとしました。
(1)当社グループを取り巻く経営環境
新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大は、世界の人びとの生命を脅かしただけでなく、世界経済にも大きな影響を与えました。2020年中盤からは経済活動が順次再開され、当社グループに関連する需要も急速に回復しました。今後も緩やかな需要改善が続くと想定されますが、以前の需要水準に戻るまでにはなお時間を要するとみています。
板ガラス産業においては、新興国のガラスメーカーの参入による製品の汎用品化と競争の激化が進んでいます。また、地球温暖化に伴う気候変動が全世界的なリスクと認識され、ガラス製造工程から排出される温室効果ガスの削減は重要な経営課題の一つとなっています。
その一方で、高機能なガラスに対するニーズは高まっています。建築用ガラス分野では、自然エネルギー活用の拡大に伴う省エネ・創エネガラスの需要拡大、健康・衛生維持に貢献する製品ニーズの増加が、自動車用ガラス分野では100年に一度と言われる自動車分野での技術革新(CASE)に対応する製品への期待も高まっています。さらにはデジタルトランスフォーメーションが進み、大きく変わることが想定される「コロナ後の世界」の人々の生活や働き方においては、ライフサイエンス分野やIoT・クラウド分野でのガラスへの期待もより一層拡大していくと考えられます。
(2)RP24の主要施策
RP24では、以下の「3つの改革」と「2つの重点施策」を断行し、持続的成長が果たせる強い事業体質を構築します。
3つの改革:
① コスト構造改革本質的なコスト構造改革(人員削減、固定費削減、購買コスト削減等)に取り組み、一層のコスト低減を図る
② 事業構造改革高付加価値事業の拡大、新規成長分野の育成、投資・資産効率の重視により、持続的な成長サイクルの確立に向けた事業構造の変革を図る
③ 企業風土改革「顧客重視」、「迅速な意思決定とアクション」、「困難な課題の克服」を
重視し、常に変革に挑戦し、やり抜き結果を出す企業グループへの変革を図る

2つの重点施策:
① 財務基盤の回復・ 成長のための投資は戦略上の中核事業に絞り、優先順位をつけて実施
・ 徹底的なコスト見直しと生産性向上により、持続的に利益とフリー・
キャッシュ・フローを創出できる事業体質を構築
・ フリー・キャッシュ・フローと純利益の積み増しによる自己資本の改善を
目指すとともに、中長期的視点での財務基盤の強化も機動的に検討
② 高収益事業への
ポートフォリオ転換
・ 戦略上の非中核事業は大胆な縮小・撤退を検討
・ 投資・資産効率を重視し、限られた経営資源を成長・高付加価値分野に集中
・ 事業の高収益化とマネジメントコストの圧縮により、持続的成長基盤を構築

(3)財務目標
当社グループにとって喫緊の課題である、持続可能な財務基盤への回復を期し、毎期の安定的な純利益とフリー・キャッシュ・フローの創出により、自己資本比率10%以上への早期回復を図ります。さらに、中長期的視点で財務基盤の強化についても機動的に検討します。
・ 営業利益率改善: コスト構造改革・事業構造改革・ポートフォリオ転換による稼ぐ力の強化
・ 投資の選択と集中:設備投資総額の抑制、資産効率と成長性・付加価値性を重視した優先順位づけ
RP24期間の最終年度(2024年3月期)における財務目標は以下のとおりです。
営業利益率 ※18%
純利益 ※23年累計
300億円以上
自己資本比率10%以上
フリー・キャッシュ・フロー100億円以上

※1 無形資産償却後営業利益率
※2 親会社の所有者に帰属する当期損益
6.サステナビリティへの取り組み
当社グループでは、経営指針「Our Vision」に基づき、中長期的な企業の持続的成長と持続的社会の実現への貢献を両立するために認識すべき重要課題(マテリアリティ)として、「倫理・法令遵守」、「社会シフト・イノベーション」、「環境」、「安全で高品質な製品・サービス」、「人材」の5項目を設定しています。
このなかでも、環境については、気候変動への取り組みが世界的な課題となっており、当社グループとしても優先度の高い経営課題であると認識しています。創エネルギー・省エネルギーの推進に不可欠な製品は、今後より重要性が増すものと想定される中、当社グループは太陽電池パネル用ガラスやZEB/ZEHに対応した省エネルギーガラスなど、強みある製品群を有しており、更なる拡販に注力します。
また、製造工程からの温室効果ガスの排出については、2030年までに2018年対比で21%削減することを目指しており、この目標はSBT※イニシアティブに認定されています。これを実現するために、ガラス製造プロセスの最適化や省エネルギー技術の開発、再生可能エネルギーの使用拡大などによってRP24の期間中に年率2%以上の排出削減を行うことを目指しています。まずは実現可能な目標を設定して、この達成に全力を注ぎます。その後、将来のカーボンニュートラルに向けては、非連続的なイノベーションによってこれを達成していく、より具体的な道筋を早期に示していきたいと考えています。
あわせて、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同に向けて、「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」の4つの視点での社内評価、分析を早期に行い、経営基盤の整備を進めていきます。
※ SBT(Science-based Targets)とは、科学的知見と整合した温室効果ガスの削減目標
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