有価証券報告書-第60期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/28 13:00
【資料】
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【項目】
130項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針・経営戦略等
当社グループは、地域の発展、ひいてはわが国経済の発展に寄与すべく、既存事業の収益力の強化と、国内外を問わない新規事業展開への挑戦を続け、競争力を高めてまいります。㈱麻生においては、当社グループの中核企業として、今後ともグループの企業価値向上に励んでまいります。具体的には、優秀な人材の獲得や継続的な成長を促す人事制度の構築、そして国際対応力を備えた人材の育成に取り組むとともに、業務の適正化および効率性を確保する組織体制の再構築を通して、グループ全体のリスクマネジメント強化に取り組んでまいります。当社グループの使命である「社会システム変革への貢献」のため、グループ全体の企業価値のさらなる向上と持続的な成長を果たすべく、新たな価値創造を支える経営基盤を一層強固にする取り組みに励んでまいります。
(2)経営環境
令和3年度は、新型コロナウイルス感染症への各種政策により、景気の持ち直しが期待される一方で、変異株の台頭によるさらなる感染症拡大など経済社会活動への影響も懸念され、今後の動向は依然として不確実性が高い状況で推移するものと予想されております。当社グループの基幹産業でありますセメント事業におきましては、防災・減災、国土強靭化対策工事や都市部での再開発工事が継続することなどにより、官公需、民需ともに横ばいで推移するものと見込んでおります。また、医療環境におきましては、医療財政逼迫の中、診療報酬のマイナス改定による医療費の引き締め、地域医療構想による地域毎の病床機能管理、医師の働き方改革による診療の制限等、病院経営を取り巻く環境は今後も大変厳しい状況が続くと予想されます。さらに新型コロナウイルス感染症の蔓延による診療制限や患者の受診控え、自粛生活による一部疾患の減少などにより、医業収益は大幅に落ち込んでおります。政府による補助金や診療報酬上の緊急措置により損益は下支えされているものの、落ち込んだ医業収益の回復の兆しは見えません。令和3年度には、ワクチン接種による経営環境の回復が期待されていますが、一方で新たな変異株が台頭しており、まだまだ先行きは見通せない状況が続くものと見込んでおります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループといたしましては、このような情勢のもと、麻生セメント㈱におきまして、安全第一を最優先に行動し、人材育成、業績志向、顧客志向を価値観の中核に据え、日々の行動に反映し、製品の安定供給を推進してまいります。また、販売価格の適正化及び廃棄物等の受入による循環型社会への貢献に積極的に取り組み、企業の持続的発展を目指してまいります。飯塚病院におきましては、令和2年度に実施した手術支援ロボット導入等、高度化する医療技術に対応するための投資による病院機能の充実、並びに医師及び医療サービスを提供する専門スタッフの安定確保と育成に全力で取り組み、地域医療の充実に一層貢献してまいります。また、新型コロナウイルス感染症との戦いが続く中、職員や患者の安全確保のための対策など新型感染症への対応力も高めながら、病院の強靭化のための投資も積極的に行います。さらに、従来からのTQM活動に代表される改善活動の推進によって提供する医療の質を高め、日本の医療の改善・改革に寄与する取り組みも継続的に行うとともに積極的な周辺医療機関との交流等情報収集に努めつつ、地域包括ケア体制の構築を目指してまいります。