有価証券報告書-第127期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、以下の「経営理念」、「行動指針」及び「グループビジョン」を経営の基本方針としております。
<経営理念>当社グループは、公正な競争を通じて付加価値を創出し経済社会の発展を担うとともに、社会にとって有用な存在であり続けます。
<行動指針>① 法令や社会的規範を守り、高い倫理観を持って行動します。
② 安全・防災・環境問題は企業の存在の基本条件と位置づけ、生産活動に優先して取り組みます。
③ 社会的に有用な商品・サービスを開発、提供し、顧客の満足度と豊かさを実現します。
④ 従業員の人格・個性を尊重するとともに、安全で働きやすい環境を確保し、ゆとりと豊かさを実現します。
⑤ 社会および株主とのコミュニケーションを大切にし、企業情報を積極的かつ公正に開示します。
⑥ 良き企業市民として積極的に社会貢献活動に取り組みます。
<グループビジョン>当社グループは、鉄鋼事業を中核に発展してきた企業集団であり、今後ともお客様と将来の夢を共有し、社会にとって有用な付加価値の高い製品を開発、商品化し、お客様に安定的に提供していく努力を継続してまいります。
(2) 経営環境
今後のわが国経済の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の流行が続く中で三度目となる緊急事態宣言が発出、宣言期間も延長されるなど、依然として厳しい状況が続いております。鉄鋼業界においては、国内鋼材需要は建築向けでは中小案件の低迷が続くものと予想しておりますが、製造業向けでは一部で回復基調が続くものと期待しております。国内鋼材市況も、中国をはじめとする海外市況の上伸を背景に上昇を続けておりますが、一方で、スクラップなど主原料価格も高騰しており、鋼材スプレッドの悪化が懸念されます。
中長期的には、中国における内需縮小や東南アジアでの中国ミルの能力増強などにより、構造的に生産能力過剰な構造となっており、世界的な需給バランスの悪化が見込まれます。中国ミルの生産能力の増強により鉄鉱石・石炭の価格水準は高位で推移することが見込まれ、原料高製品安の構造が継続されるものと思われます。国内においては高齢化や人口減少に伴う鋼材需要の減少や市場縮小に伴う競合先との競争激化などが懸念されます。一方、中長期的に鋼材需要が減少する見通しにおいても、国内では鉄スクラップは一定量が継続して発生することが見込まれることから、原料価格の優位性が確保できるとともに、環境保全・リサイクル面でも貢献できると考えております。
当社グループ製品の最終需要分野は、主として建築、次に建設機械、産業機械等の製造業です。建築は基本的に国内の需要動向に影響されます。当社グループの販売形態は、全国各地の中間流通業者(問屋)や中間加工業者(溶断業者)と取引する「店売販売」が中心であり、問屋や溶断業者の営業・物流機能を活用し、地場の様々な中小最終ユーザーへ多種多様な製品をきめ細かく販売しております。また、「店売販売」の電気炉メーカーは条鋼、形鋼類の生産がほとんどでありますが、当社グループは鋼板類を生産、販売する特徴を有しております。
(3) 対処すべき課題
このような厳しい経営環境のもと、短期的には、主原料価格の高騰に対し鋼材販売価格を引き上げ、鋼材スプレッドの改善を図るとともに、鋼材需要状況に応じた鉄源のフレキシブルな調達、生産能率の改善によるコストミニマム操業や固定費の圧縮などが課題であります。中長期的には、原料面で自家電気炉鉄源の比率アップと外部鉄源の安定調達が課題となります。鋼材生産に必要な鉄源の大半を外部からの購入で賄っておりますが、鉄スクラップを原料とした自社の電気炉鉄源能力の拡大が収益向上に繋がると考えております。販売面では高付加価値製品へのシフト・販売品種構成の最適化、グループ会社における加工ビジネス強化などが課題であります。また、日本製鉄グループとのパートナー関係の維持・深化に関しても連携策の領域拡大に取り組んでまいります。財務面においては、中期経営計画の重点施策の実施や成長戦略投資の実行によりグループ連結収益の最大化を図り、株主還元の改善や財務体質の健全性を確保していくことが課題であると認識しております。
さらに、さる4月27日に公表しました『中部鋼鈑株式会社との包括的業務提携契約締結に関するお知らせ』のとおり、当社は中部鋼鈑株式会社後の間で、両社の競争力強化と両社の重点課題に取り組むための協働関係の構築につき合意し、包括的業務提携契約を締結いたしました。将来的な国内鉄鋼需要の減少や国際的な競争激化に対応していくために、製造品種が鋼板中心である両社が協力して提携策を実行し相互にメリットを得ることを狙いとするもので、特に、地球温暖化対策の観点から将来的に拡大が予想される電気炉鉄源での連携に取り組んでまいります。具体的には、当社が電気炉特性を活かした厚板の製造の一部を中部鋼鈑に委託することや現在中部鋼鈑に製造委託しているスラブの鋼種や数量の拡大を図ります。そのほか、原材料調達や製品物流面での相互協力など多岐に亘って提携検討を行います。さらに、電気炉メーカーとして「脱炭素社会」『循環型社会』に貢献すべく、両社の重点課題に取り組むための協働関係の構築につき合意し、中部鋼鈑の電気炉更新計画への当社の協力やカーボンニュートラルに向けた協働など環境面でのSDGsへの取り組みを両社で進めてまいります。
(4) 中期経営計画における取り組み
上記のような課題に対し、当社グループは中期経営計画 (2019年度~2021年度) において以下の重点施策を推進し、企業価値の向上に努めております。
<中期経営計画の重点施策>① 自家電気炉鉄源の比率アップと購入鉄源の更なる安定調達
当社グループは鉄のリサイクルを通じて循環型社会の構築に寄与するため、電気炉生産の充実を目指しております。ハード面では、排ガス分析システムの導入や集塵機増強などの成長戦略投資を実行することで最適生産を目指しています。ソフト面では、船町工場全体の人員を再配置することにより、電気炉操業時間の拡大を検討しております。
購入鉄源に関しては、安定的に調達できる新規ソース開拓のため、品質確性や購入検討を進めております。
② グループの販売品種構成の最適化と高付加価値商品の拡販
鋼板製品ではグループ一貫利益を前提に、数量構成の最適化を目指します。地域戦略と加工強化に力点を置き、一貫収益の高い品種の拡販にグループ会社と協働して取り組みます。高級鋼分野では棒線製品はエンドユーザーとのタイアップでの継続的な拡販、鋼板製品では他メーカーとの共同開発案件等での拡販を進めます。
③ 圧延受委託をはじめとする双方のメリットを追求した日本製鉄グループとのパートナー関係の維持・深化
新たな受託品種の取り組みや船町工場敷地内のNSTコイルセンター株式会社との新たな事業連携の展開などを検討しております。
④ 加工ビジネス(C形鋼・パイプ製品・縞板製品)のグループ一体での推進・強化
グループ一貫利益の更なる拡大を目指し、重点戦略商品であるC形鋼・パイプ製品は、付加価値の高い特殊色製品や加工品製品の比率向上、縞板製品は加工品比率の向上を進めます。全国に跨る当社グループの営業拠点も活用し、グループ全体で拡販を図ります。
⑤ 当社及びグループ会社の製造・加工拠点を活かした地場密着営業の推進
少子高齢化、人手不足が進行する国内においては、需要家の効率的な生産のために、必要なものを、必要な時に、必要な量だけお届けすることが重要になります。鉄鋼製品の小ロット、短納期デリバリーが一層強く求められてきており、鋼材メーカーにとってもその対応が重要課題となっております。
当社グループは、鋼材生産、二次加工鋼材生産、陸海運輸、鋼材商社や建設資材商社などの子会社を有しており、グループ全体が有機的に連携して、地場に密着した営業に努めます。
<2022年3月期の連結財務目標>
※ 設備投資額には、主要な非連結子会社(当社の完全子会社)である株式会社中山棒線の設備投資額4億円を含めております。
(1) 経営方針
当社グループは、以下の「経営理念」、「行動指針」及び「グループビジョン」を経営の基本方針としております。
<経営理念>当社グループは、公正な競争を通じて付加価値を創出し経済社会の発展を担うとともに、社会にとって有用な存在であり続けます。
<行動指針>① 法令や社会的規範を守り、高い倫理観を持って行動します。
② 安全・防災・環境問題は企業の存在の基本条件と位置づけ、生産活動に優先して取り組みます。
③ 社会的に有用な商品・サービスを開発、提供し、顧客の満足度と豊かさを実現します。
④ 従業員の人格・個性を尊重するとともに、安全で働きやすい環境を確保し、ゆとりと豊かさを実現します。
⑤ 社会および株主とのコミュニケーションを大切にし、企業情報を積極的かつ公正に開示します。
⑥ 良き企業市民として積極的に社会貢献活動に取り組みます。
<グループビジョン>当社グループは、鉄鋼事業を中核に発展してきた企業集団であり、今後ともお客様と将来の夢を共有し、社会にとって有用な付加価値の高い製品を開発、商品化し、お客様に安定的に提供していく努力を継続してまいります。
(2) 経営環境
今後のわが国経済の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の流行が続く中で三度目となる緊急事態宣言が発出、宣言期間も延長されるなど、依然として厳しい状況が続いております。鉄鋼業界においては、国内鋼材需要は建築向けでは中小案件の低迷が続くものと予想しておりますが、製造業向けでは一部で回復基調が続くものと期待しております。国内鋼材市況も、中国をはじめとする海外市況の上伸を背景に上昇を続けておりますが、一方で、スクラップなど主原料価格も高騰しており、鋼材スプレッドの悪化が懸念されます。
中長期的には、中国における内需縮小や東南アジアでの中国ミルの能力増強などにより、構造的に生産能力過剰な構造となっており、世界的な需給バランスの悪化が見込まれます。中国ミルの生産能力の増強により鉄鉱石・石炭の価格水準は高位で推移することが見込まれ、原料高製品安の構造が継続されるものと思われます。国内においては高齢化や人口減少に伴う鋼材需要の減少や市場縮小に伴う競合先との競争激化などが懸念されます。一方、中長期的に鋼材需要が減少する見通しにおいても、国内では鉄スクラップは一定量が継続して発生することが見込まれることから、原料価格の優位性が確保できるとともに、環境保全・リサイクル面でも貢献できると考えております。
当社グループ製品の最終需要分野は、主として建築、次に建設機械、産業機械等の製造業です。建築は基本的に国内の需要動向に影響されます。当社グループの販売形態は、全国各地の中間流通業者(問屋)や中間加工業者(溶断業者)と取引する「店売販売」が中心であり、問屋や溶断業者の営業・物流機能を活用し、地場の様々な中小最終ユーザーへ多種多様な製品をきめ細かく販売しております。また、「店売販売」の電気炉メーカーは条鋼、形鋼類の生産がほとんどでありますが、当社グループは鋼板類を生産、販売する特徴を有しております。
(3) 対処すべき課題
このような厳しい経営環境のもと、短期的には、主原料価格の高騰に対し鋼材販売価格を引き上げ、鋼材スプレッドの改善を図るとともに、鋼材需要状況に応じた鉄源のフレキシブルな調達、生産能率の改善によるコストミニマム操業や固定費の圧縮などが課題であります。中長期的には、原料面で自家電気炉鉄源の比率アップと外部鉄源の安定調達が課題となります。鋼材生産に必要な鉄源の大半を外部からの購入で賄っておりますが、鉄スクラップを原料とした自社の電気炉鉄源能力の拡大が収益向上に繋がると考えております。販売面では高付加価値製品へのシフト・販売品種構成の最適化、グループ会社における加工ビジネス強化などが課題であります。また、日本製鉄グループとのパートナー関係の維持・深化に関しても連携策の領域拡大に取り組んでまいります。財務面においては、中期経営計画の重点施策の実施や成長戦略投資の実行によりグループ連結収益の最大化を図り、株主還元の改善や財務体質の健全性を確保していくことが課題であると認識しております。
さらに、さる4月27日に公表しました『中部鋼鈑株式会社との包括的業務提携契約締結に関するお知らせ』のとおり、当社は中部鋼鈑株式会社後の間で、両社の競争力強化と両社の重点課題に取り組むための協働関係の構築につき合意し、包括的業務提携契約を締結いたしました。将来的な国内鉄鋼需要の減少や国際的な競争激化に対応していくために、製造品種が鋼板中心である両社が協力して提携策を実行し相互にメリットを得ることを狙いとするもので、特に、地球温暖化対策の観点から将来的に拡大が予想される電気炉鉄源での連携に取り組んでまいります。具体的には、当社が電気炉特性を活かした厚板の製造の一部を中部鋼鈑に委託することや現在中部鋼鈑に製造委託しているスラブの鋼種や数量の拡大を図ります。そのほか、原材料調達や製品物流面での相互協力など多岐に亘って提携検討を行います。さらに、電気炉メーカーとして「脱炭素社会」『循環型社会』に貢献すべく、両社の重点課題に取り組むための協働関係の構築につき合意し、中部鋼鈑の電気炉更新計画への当社の協力やカーボンニュートラルに向けた協働など環境面でのSDGsへの取り組みを両社で進めてまいります。
(4) 中期経営計画における取り組み
上記のような課題に対し、当社グループは中期経営計画 (2019年度~2021年度) において以下の重点施策を推進し、企業価値の向上に努めております。
<中期経営計画の重点施策>① 自家電気炉鉄源の比率アップと購入鉄源の更なる安定調達
当社グループは鉄のリサイクルを通じて循環型社会の構築に寄与するため、電気炉生産の充実を目指しております。ハード面では、排ガス分析システムの導入や集塵機増強などの成長戦略投資を実行することで最適生産を目指しています。ソフト面では、船町工場全体の人員を再配置することにより、電気炉操業時間の拡大を検討しております。
購入鉄源に関しては、安定的に調達できる新規ソース開拓のため、品質確性や購入検討を進めております。
② グループの販売品種構成の最適化と高付加価値商品の拡販
鋼板製品ではグループ一貫利益を前提に、数量構成の最適化を目指します。地域戦略と加工強化に力点を置き、一貫収益の高い品種の拡販にグループ会社と協働して取り組みます。高級鋼分野では棒線製品はエンドユーザーとのタイアップでの継続的な拡販、鋼板製品では他メーカーとの共同開発案件等での拡販を進めます。
③ 圧延受委託をはじめとする双方のメリットを追求した日本製鉄グループとのパートナー関係の維持・深化
新たな受託品種の取り組みや船町工場敷地内のNSTコイルセンター株式会社との新たな事業連携の展開などを検討しております。
④ 加工ビジネス(C形鋼・パイプ製品・縞板製品)のグループ一体での推進・強化
グループ一貫利益の更なる拡大を目指し、重点戦略商品であるC形鋼・パイプ製品は、付加価値の高い特殊色製品や加工品製品の比率向上、縞板製品は加工品比率の向上を進めます。全国に跨る当社グループの営業拠点も活用し、グループ全体で拡販を図ります。
⑤ 当社及びグループ会社の製造・加工拠点を活かした地場密着営業の推進
少子高齢化、人手不足が進行する国内においては、需要家の効率的な生産のために、必要なものを、必要な時に、必要な量だけお届けすることが重要になります。鉄鋼製品の小ロット、短納期デリバリーが一層強く求められてきており、鋼材メーカーにとってもその対応が重要課題となっております。
当社グループは、鋼材生産、二次加工鋼材生産、陸海運輸、鋼材商社や建設資材商社などの子会社を有しており、グループ全体が有機的に連携して、地場に密着した営業に努めます。
<2022年3月期の連結財務目標>
| 2021年3月期 実績 | 2022年3月期 目標 | ||
| (1) グループ連結収益の最大化 | 経常利益額 | 26億円 | 80億円 |
| (2) 成長戦略投資の実行 | 設備投資額(※) | 36億円 | 150億円程度/3年 |
| (3) 財務体質の健全性確保(実質無借金の継続) | Net有利子負債 | △115億円 | △75億円 |
| (4) 株主還元の改善 | 配当性向 | 13.8% | 20%以上 |
| (5) 資本コストに見合った資本効率の確保 | ROE | 2.8% | 6% |
※ 設備投資額には、主要な非連結子会社(当社の完全子会社)である株式会社中山棒線の設備投資額4億円を含めております。