有価証券報告書-第120期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/26 12:46
【資料】
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【項目】
141項目

対処すべき課題

当社グループは、株式会社地域経済活性化支援機構の再生支援の下で、企業価値の棄損を可及的に回避しつつ、透明・公正な手続により関係金融機関等に金融支援を依頼するとともに、連結子会社との株式交換によりグループ一体経営を強化した上で、スポンサーからの第三者割当増資を得て、財務基盤及び信用力の強化を図り、経営体制を刷新し、徹底したコスト削減を主軸とする抜本的な事業再構築に取り組み、当社事業の再生を図るべく、事業再生計画を策定致し推進しております。事業再生計画の概要は以下のとおりです。
事業再生計画は、当社の主力事業である鋼材事業(鋼板事業及び棒線事業)の収益力改善に向けて、徹底したコスト削減を図り、為替を含む市況の影響に耐え得る事業基盤を構築するとともに、優良な顧客基盤の活用に向けたグループ一体経営の強化及び財務体質の改善により、事業の再生を図ることを主要な内容としております。
事業再生計画における基本方針は、次の3点です。
① 業界トップクラスのロー・コスト経営の確立
当社は、厚板工場休止など不採算商品・事業からの撤退等により組織のスリム化を徹底いたしました。さらに、鉄源の多様化による安価な輸入主原料への切り替え、工場運営の効率化、及び組織運営体制・人事政策の改革等を実施し、電気炉業界内において最もロー・コストな経営体制の構築を目指します。
② グループ一体経営の強化による総合力の発揮
当社は、連結子会社らとの統合により、更なるロー・コスト経営を実現し、連結子会社らの競争優位性のある営業力を一体化させ、当社グループの総合力を発揮します。
また、物流機能や間接部門等についても、当社グループ全体の業務を統合し、更なるコスト競争力の向上を図ります。
③ 健全な財務体質への改善
関係金融機関等から約602億円の債権放棄を、さらにスポンサーによる総額約90億円の出資を、当初の計画通り受けましたことにより、当社グループの財務体質を大幅に改善することができました。
また、単独決算における負の利益剰余金を可及的速やかに解消するために、平成26年6月26日に開催しました当社の第120回定時株主総会において、資本剰余金の減少及び減少額の利益剰余金への振替(欠損の填補)について付議しました結果、承認可決され、単独決算における負の利益剰余金は解消されました。
当社は会社の支配に関する基本方針を定めており、その内容等は次のとおりであります。
(1) 基本方針の内容の概要
当社は、大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合に、これを受け入れるか否かについては、株主の皆様によって最終的に決定・判断されるべき事項であると認識しております。
当社は、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保・向上するためには、大規模買付者が意図する経営方針や事業計画の内容、株主の皆様や当社グループの経営に与える影響、当社グループを取り巻く多くの関係者に対する影響等について、事前の十分な情報開示がなされることが必要であると考えます。また、大規模買付者に対して質問や買収条件等の改善を要求し、あるいは株主の皆様にメリットのある相当な代替案が提示される機会を確保するため、相応の検討時間・交渉機会等も確保されている必要があると考えます。
そこで、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上のため必要かつ相当な手段をとることができるよう、必要なルール及び手続きを定めることとします。
(2) 基本方針の実現のための取り組みの概要
[当社株式の大規模な買付行為に関する適正ルール(買収防衛策)の導入]
当社は、平成20年6月27日開催の第114回定時株主総会において、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の大規模な買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の大規模な買付行為(以下、「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)に関する適正ルール(以下、「本プラン」といいます。)の導入を決議し、平成23年6月29日開催の第117回定時株主総会において内容を一部修正したうえで本プランの継続の件を付議しました結果、株主の皆様のご承認をいただきました。
① 本プランの概要
本プランは、大規模買付者に対し、以下に定めるルール(以下、「大規模買付ルール」といいます。)の遵守、具体的には①事前に大規模買付者が当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、②当社取締役会による一定の評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始することを求めるもので、以下の手続きを定めております。
a) 大規模買付者による当社への「意向表明書」の提出
b) 必要情報の提供
c) 検討期間(「取締役会評価期間」)の確保
60営業日 : 対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付けの場合
90営業日 : その他の大規模買付行為の場合
取締役会評価期間中、当社取締役会は、必要に応じてファイナンシャルアドバイザー、公認会計士、弁護士等の社外の専門家の助言を受け、また独立委員会の意見を聴取しながら、提供された大規模買付情報を十分に評価・検討し、当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ、開示します。また、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為の条件改善について交渉し、当社取締役会として株主の皆様へ代替案を提示することもあります。
② 大規模買付ルールが遵守されなかった場合の対抗措置
大規模買付ルールが遵守されない場合には、当社取締役会は、当社及び当社株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の無償割当て等、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置をとり、大規模買付行為の開始に対抗する場合があります。大規模買付ルールが遵守されている場合には、当社取締役会は仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、原則として具体的対抗措置を発動しません。
③ 本プランの有効期限
本プランの有効期限は、平成29年6月開催予定の当社定時株主総会終了の時点までとします。また、本プランは、その有効期間中であっても、当社取締役会または当社株主総会の決議により廃止されるものとしています。
(3) 上記取り組みに対する取締役会の判断およびその理由
本プランは、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、現に当社の経営を担っている当社取締役会の意見を提供し、さらには、当社株主の皆様が代替案の提示を受ける機会を保障することを目的としています。これにより、当社株主の皆様は、十分な情報のもとで、大規模買付行為に応じるか否かについての適切な判断をすることが可能となり、そのことが当社株主共同の利益の保護に繋がるものと考えます。従いまして、本プランを設定することは、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。