有価証券報告書-第118期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/29 14:49
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【項目】
122項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度の世界経済は、米国は個人消費が堅調に推移したことにより景気拡大の動きが持続しており、欧州においても堅調な景気回復が持続しております。また、中国経済は固定資産投資や自動車需要が減少しておりますが、旺盛な個人消費効果などが景気を下支えしており堅調に推移しております。一方で欧米での政治的な混乱・北朝鮮情勢等の地政学的リスクにより世界情勢の先行きが不安定な状況も継続しております。
国内経済は、好調な企業業績や雇用・所得環境の改善などを背景に安定的な成長が続き、1965年からの「いざなぎ景気」を超え戦後2番目の長さの景気回復が続いております。
また、当社の主たる需要先である鉄鋼業界は、建設関連や自動車・産業機械等の製造業向けの需要が旺盛であったことにより好調に推移しました。
当社においては、合金鉄の製品市況が好調に推移したことに加え、為替が想定より円安だったことなどにより対前年比増収増益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は22.0%増加し71,346百万円(前年度実績58,486百万円)となりました。営業利益は461.1%増加し9,639百万円(前年度実績1,717百万円)、経常利益は472.4%増加し9,239百万円(前年度実績1,614百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は7,988百万円(前年度実績116百万円の損失)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
(合金鉄事業)
2017年の世界66ヵ国の粗鋼生産量は16億7,472万トンと前年比で5.5%の増加となりました。 中国において低品位の違法鋼材である“地条鋼”の生産排除などを要因とした過剰生産能力削減が進んだ上、堅調な景気を背景に国内需要が回復していることにより、前年比5.7%増の8億3,173万トンとなったこと、またインドの粗鋼生産量が初めて1億トンに達したことなどが主な増加要因となりました。
一方、国内の粗鋼生産も、オリンピック・パラリンピック関連需要の現出による建設関連需要や自動車、産業機械などをはじめとした製造業向けの堅調な需要に支えられ、前年比では0.1%微減の1億466万トンとなりました。国内の経済状況には明るい兆しも見られますが、世界の政治的地政学的リスク、欧米の保護主義的な動き等、鉄鋼業を取り巻く環境には不透明な要素が存在しますので、今後の動向を注意深く見守っていく必要があります。
当事業の当期業績は、一昨年後半からのマンガン系合金鉄市況が回復したこと、中央電気工業の環境事業も堅調に推移したことにより、売上高、営業利益ともに前年に比べ大幅に増加しました。
(機能材料事業)
フェロボロンの販売は、主力のアモルファス向けが減少したため、前年を下回りました。
酸化ジルコニウムの販売は電子部品向けや触媒向けが順調に推移し前年を上回りましたが、ほう素についてはガラス向けが減少しており、前年を下回りました。
マンガン酸リチウムの販売は、電気自動車用電池向けが不振となり前年を下回りました。
また、中央電気工業株式会社のハイブリッド自動車用ニッケル水素電池向け水素吸蔵合金の販売は順調に推移し、前年を上回りました。
以上の結果、当事業の当期業績は売上高が前年に比べ減少しましたが、営業利益は前年を上回りました。
(環境システム事業)
顧客の稼働が順調であったことに伴い、モバイル型イオン交換塔の再生数量、家庭用燃料電池(エネファーム)向け水精製器の販売が順調に推移しました。しかし、対前年比では大型設備の売上がなかったことと、樹脂販売が減少したため、当事業の当期業績は、売上高、営業利益ともに減少しました。
(その他の事業)
その他の事業は、前年比で売上高は増加しましたが、営業利益は減少しました。
また、当連結会計年度におけるセグメントの売上高及び営業利益は次のとおりです。
(単位:百万円、%)
区分第117期(前連結会計年度)
(平成28.1.1~28.12.31)
第118期(当連結会計年度)
(平成29.1.1~29.12.31)
増減率
売上高営業利益売上高営業利益売上高営業利益
金 額構成比金 額構成比金 額構成比金 額構成比
合金鉄事業37,02963.31337.751,15071.77,78980.838.15,755.9
機能材料事業10,78818.552230.49,95214.01,16912.1△7.8123.7
環境システム事業2,3364.079846.51,7742.54604.8△24.1△42.3
その他の事業8,33114.226415.48,46711.82202.31.6△16.5
合 計58,486100.01,717100.071,346100.09,639100.022.0461.1


(2)キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,510百万円の支出となりました(前連結会計年度は14,485百万円の収入)。主な増加要因は、仕入債務の増加による増加1,546百万円であります。主な減少要因は、たな卸資産の増加による減少8,284百万円、売上債権の増加による減少6,261百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、5,923百万円の支出となりました(前連結会計年度は1,171百万円の支出)。主な増加要因は、定期預金の払戻による収入934百万円、貸付金の回収による収入898百万円、主な減少要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出3,924百万円、定期預金の預入による支出2,879百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、4,227百万円の支出となりました(前連結会計年度は3,284百万円の支出)。主な減少要因は、長期借入金の返済による支出2,705百万円、配当金の支払額1,464百万円であります。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ11,861百万円減少し8,640百万円となりました。