有価証券報告書-第21期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、今般中長期的な事業環境の見通しを踏まえ、2018年度から2020年度までの中期経営計画を策定いたしました。本計画の概要は以下のとおりであります。
新中期経営計画(2018-2020)の概要
Ⅰ 前中期経営計画(2015-2017)の総括
・当社の前中期経営計画では、チタン事業を成長の核としてグローバル市場において市場成長を上回るシェア拡大を目指すことを基本方針としました。
・この方針のもと、拡大する航空機用需要の捕捉に努め、販売数量及び販売シェアの拡大を成し遂げるとともに、事業戦略の柱として掲げたコスト合理化及び生産性向上についても当初目標を達成いたしました。しかしながら、スポンジチタンの世界的需給ギャップの継続に加え、自国通貨安を背景にした競合国の安値攻勢から、想定以上の市況下落に見舞われ業績目標は未達となりました。
・このような事業環境が当面は継続するとの認識のもと、新中期経営計画では、コスト削減を主体とした競争力強化により、いかなる環境下でも安定業績を確保し、持続的成長を実現できる事業基盤を構築することが課題と考えております。
Ⅱ 新中期経営計画(2018-2020)の基本方針
1.事業環境認識
・主力のチタン事業では、世界的需給ギャップが当面継続し、非常に厳しい競争環境が継続するものの、航空機用ではサプライチェーンの在庫調整もほぼ完了し、チタンを多用する新型機の導入が本格化していることから、スポンジチタン需要の年率5%程度の成長が見込まれています。
また、一般産業用においても、電力用、熱交換器用需要を主体に年率2%程度の成長が見込まれており、スポンジチタン生産水準の堅調な拡大が期待できます。
・ポリシリコン事業でも、半導体用ポリシリコンの世界的な需給ギャップが当面継続すると想定しています。当社としては、主要顧客との安定した取引関係を事業のベースとしつつ、更なる品質の向上に努め、拡販機会を追求することになります。
・高機能材料事業では、半導体需要の増大を背景に、高純度チタン需要の年率4%程度の拡大が見込まれます。
また、素材加工プロセスの革新による積層造形(3Dプリンター)用金属粉末需要については、今後10年間で年率30%程度の本格的拡大も見込まれ、当社チタン合金粉末(合金TILOP)事業にとっての本格的展開の機会となります。
・一方、原油、原料市況が高含みで推移しています。
原油、原料市況は各々の商品の需給見通し次第ではありますが、当社製品コストに相応の影響は避けられないと考えています。
2.新中期経営計画の基本方針
これらの事業環境認識から、チタン事業、ポリシリコン事業の厳しい競争環境が継続することを覚悟する一方、航空機用を主体とした成長するチタン需要の着実な捕捉と高機能材料事業の拡大を成長戦略の柱と位置付け、下記を基本方針とした新中期経営計画を策定しました。
Ⅲ 事業分野別取り組み
1.チタン事業
(1)事業方針
(2)事業戦略
① 主要顧客とのパートナーシップ強化による高水準シェアの維持と拡販
・技術交流など技術営業力強化による顧客ニーズへのきめ細かい対応
・顧客との連携強化による拡販機会の追求
② 徹底的なコスト削減・生産性向上
コスト削減目標 2017 → 2020年度 30億円
生産性向上目標 2017 → 2020年度 20%向上(一人当たりスポンジチタン生産量)
・AI等の先端技術の導入による生産プロセスの革新、継続的な生産性向上
・積極的な合理化投資によるコスト低減の更なる追求
③ 次代に備えた体質強化
・研究開発体制の充実と生産プロセスの高度化
・将来の設備高稼動に備えた健全化投資並びに補修
④ 2021年度以降を見据えたスポンジチタン生産能力増強(供給上方対応力の確保)検討
1)大型還元炉の更なる生産性向上
・2020年度目標 41,000トン(現状実力39,000トン+5%)
・小型還元炉の再稼動と合わせ48,000トン体制
2)更なる生産能力増強についても検討
・海外拠点の新設も視野に入れたグローバル供給体制(生産安定性、電力コスト、BCP対応などを勘案)
2.ポリシリコン事業
(1)事業方針
(2)事業戦略
・安定品質、安定生産を優先する中で、徹底したコスト管理による競争力の強化
・顧客ニーズへの着実な対応による関係強化
・新しい顧客ニーズに対応しながら顧客開拓等による拡販機会の追求
3.高機能材料事業
(1)事業方針
(2)事業戦略
① 高純度チタンの顧客対応力強化
・高品質メニューの開発による新規需要の開拓
・技術営業力の強化によるパートナーシップの深化
② チタン合金粉末(合金TILOP)事業化推進
・合金TILOP専用工場の新設
・拡販のための製販一体推進チームの設置
・プロセス開発、製品差別化のための研究開発の推進
4.全社的取り組み
(1)間接部門の生産性向上・業務効率化
・仕事の進め方の抜本的改革、ITツールの見直し、業務効率化ソフトウェア(RPA)の積極導入により、徹底した生産性向上・業務効率化を追求
→ 間接部門の業務効率化目標 業務負荷の20%削減(2017 → 2020年度)
(2)人材育成
・熟練者の経験やノウハウ等の可視化・共有化による技能伝承と技術スタッフの強化
・次代を担うリーダーの計画的な育成に向けた人事施策の拡充
(3)技術開発力の強化
・生産プロセス技術の高度化に特化した新組織の設置と積極的な研究開発投資
・AI等の先端技術導入のための横断チームの組成と全社的活用
(4)原料の安価調達、活用
・安価原料の活用技術の開発、調達先拡大による柔軟性確保、契約期間の延長(長期契約)など
Ⅳ 業績目標
1.損益
・2018年度は、原油、原料市況の上昇などにより、2017年度対比で業績悪化の見通し
・2020年度に向け利益水準の向上を目指す
成長 :拡大するチタン需要の捕捉、高機能材料事業の規模拡大
収益性:積極的な合理化投資、間接部門の徹底した効率化、技術開発等によるコスト低減の追求
2.キャッシュフロー
3ヵ年(2018-2020年度)のキャッシュフロー
設備投資と減価償却費
借入金合計とD/Eレシオ
3.株主還元方針
配当性向(※):安定性に配慮しつつ25~35%を目安
当社は、今般中長期的な事業環境の見通しを踏まえ、2018年度から2020年度までの中期経営計画を策定いたしました。本計画の概要は以下のとおりであります。
新中期経営計画(2018-2020)の概要
Ⅰ 前中期経営計画(2015-2017)の総括
・当社の前中期経営計画では、チタン事業を成長の核としてグローバル市場において市場成長を上回るシェア拡大を目指すことを基本方針としました。
・この方針のもと、拡大する航空機用需要の捕捉に努め、販売数量及び販売シェアの拡大を成し遂げるとともに、事業戦略の柱として掲げたコスト合理化及び生産性向上についても当初目標を達成いたしました。しかしながら、スポンジチタンの世界的需給ギャップの継続に加え、自国通貨安を背景にした競合国の安値攻勢から、想定以上の市況下落に見舞われ業績目標は未達となりました。
・このような事業環境が当面は継続するとの認識のもと、新中期経営計画では、コスト削減を主体とした競争力強化により、いかなる環境下でも安定業績を確保し、持続的成長を実現できる事業基盤を構築することが課題と考えております。
Ⅱ 新中期経営計画(2018-2020)の基本方針
1.事業環境認識
・主力のチタン事業では、世界的需給ギャップが当面継続し、非常に厳しい競争環境が継続するものの、航空機用ではサプライチェーンの在庫調整もほぼ完了し、チタンを多用する新型機の導入が本格化していることから、スポンジチタン需要の年率5%程度の成長が見込まれています。
また、一般産業用においても、電力用、熱交換器用需要を主体に年率2%程度の成長が見込まれており、スポンジチタン生産水準の堅調な拡大が期待できます。
・ポリシリコン事業でも、半導体用ポリシリコンの世界的な需給ギャップが当面継続すると想定しています。当社としては、主要顧客との安定した取引関係を事業のベースとしつつ、更なる品質の向上に努め、拡販機会を追求することになります。
・高機能材料事業では、半導体需要の増大を背景に、高純度チタン需要の年率4%程度の拡大が見込まれます。
また、素材加工プロセスの革新による積層造形(3Dプリンター)用金属粉末需要については、今後10年間で年率30%程度の本格的拡大も見込まれ、当社チタン合金粉末(合金TILOP)事業にとっての本格的展開の機会となります。
・一方、原油、原料市況が高含みで推移しています。
原油、原料市況は各々の商品の需給見通し次第ではありますが、当社製品コストに相応の影響は避けられないと考えています。
2.新中期経営計画の基本方針
これらの事業環境認識から、チタン事業、ポリシリコン事業の厳しい競争環境が継続することを覚悟する一方、航空機用を主体とした成長するチタン需要の着実な捕捉と高機能材料事業の拡大を成長戦略の柱と位置付け、下記を基本方針とした新中期経営計画を策定しました。
| ① 次代の成長に備えたスリムで筋肉質な経営基盤の構築 ② 徹底したコスト削減による世界最強のチタンコスト競争力の確立 ③ ポリシリコンの安定生産と品質の更なる向上による顧客ニーズへの対応と拡販機会の追求 ④ 需要の伸びが見込める高機能材料事業の成長機会の捕捉とチタン合金粉末の早期事業化 |
Ⅲ 事業分野別取り組み
1.チタン事業
(1)事業方針
| 顧客とのパートナーシップ強化による伸び行く需要の着実な捕捉と徹底したコスト削減により世界最強のコスト競争力を獲得し、確固たる事業基盤を構築する |
(2)事業戦略
① 主要顧客とのパートナーシップ強化による高水準シェアの維持と拡販
・技術交流など技術営業力強化による顧客ニーズへのきめ細かい対応
・顧客との連携強化による拡販機会の追求
② 徹底的なコスト削減・生産性向上
コスト削減目標 2017 → 2020年度 30億円
生産性向上目標 2017 → 2020年度 20%向上(一人当たりスポンジチタン生産量)
・AI等の先端技術の導入による生産プロセスの革新、継続的な生産性向上
・積極的な合理化投資によるコスト低減の更なる追求
③ 次代に備えた体質強化
・研究開発体制の充実と生産プロセスの高度化
・将来の設備高稼動に備えた健全化投資並びに補修
④ 2021年度以降を見据えたスポンジチタン生産能力増強(供給上方対応力の確保)検討
1)大型還元炉の更なる生産性向上
・2020年度目標 41,000トン(現状実力39,000トン+5%)
・小型還元炉の再稼動と合わせ48,000トン体制
2)更なる生産能力増強についても検討
・海外拠点の新設も視野に入れたグローバル供給体制(生産安定性、電力コスト、BCP対応などを勘案)
2.ポリシリコン事業
(1)事業方針
| 安定生産と更なる品質向上に注力。顧客ニーズに対応しつつ、拡販機会を追求 |
(2)事業戦略
・安定品質、安定生産を優先する中で、徹底したコスト管理による競争力の強化
・顧客ニーズへの着実な対応による関係強化
・新しい顧客ニーズに対応しながら顧客開拓等による拡販機会の追求
3.高機能材料事業
(1)事業方針
| 高純度チタン:顧客ニーズに対応した特長ある製品の開発と戦略的関係の深化による拡販 チタン合金粉末(合金TILOP):将来の主力事業として位置付け、早期参入と事業規模の追求 |
(2)事業戦略
① 高純度チタンの顧客対応力強化
・高品質メニューの開発による新規需要の開拓
・技術営業力の強化によるパートナーシップの深化
② チタン合金粉末(合金TILOP)事業化推進
・合金TILOP専用工場の新設
・拡販のための製販一体推進チームの設置
・プロセス開発、製品差別化のための研究開発の推進
4.全社的取り組み
(1)間接部門の生産性向上・業務効率化
・仕事の進め方の抜本的改革、ITツールの見直し、業務効率化ソフトウェア(RPA)の積極導入により、徹底した生産性向上・業務効率化を追求
→ 間接部門の業務効率化目標 業務負荷の20%削減(2017 → 2020年度)
(2)人材育成
・熟練者の経験やノウハウ等の可視化・共有化による技能伝承と技術スタッフの強化
・次代を担うリーダーの計画的な育成に向けた人事施策の拡充
(3)技術開発力の強化
・生産プロセス技術の高度化に特化した新組織の設置と積極的な研究開発投資
・AI等の先端技術導入のための横断チームの組成と全社的活用
(4)原料の安価調達、活用
・安価原料の活用技術の開発、調達先拡大による柔軟性確保、契約期間の延長(長期契約)など
Ⅳ 業績目標
1.損益
| ⦅ ⦆内は売上高営業利益率 | (参考) | (億円) | ||||
| 2020年度目標 | 2018年度見通し | 2017年度実績 | |||||||
| チタン | 341 | 295 | 304.8 | ||||||
| ポリシリコン | 107 | 100 | 106.2 | ||||||
| 高機能材料 | 40 | 27 | 23.2 | ||||||
| 売上高 | 488 | 422 | 434.3 | ||||||
| チタン | ⦅12%⦆ | 41 | ⦅ 4%⦆ | 10 | ⦅ 9%⦆ | 26.4 | |||
| ポリシリコン | ⦅ 1%⦆ | 1 | ⦅ 1%⦆ | 1 | ⦅ 1%⦆ | 0.8 | |||
| 高機能材料 | ⦅20%⦆ | 8 | ⦅21%⦆ | 6 | ⦅26%⦆ | 5.9 | |||
| 営業利益 | ⦅10%⦆ | 50 | ⦅ 4%⦆ | 17 | ⦅ 8%⦆ | 33.2 | |||
| 経常利益 | 49 | 16 | 28.0 | ||||||
| 当期純利益 | 32 | 10 | 18.5 | ||||||
| ROE(自己資本利益率) | 8% | 3% | 5% | ||||||
| 為替レートの前提 | 110円/$ | 107円/$ | 111円/$ | ||||||
・2018年度は、原油、原料市況の上昇などにより、2017年度対比で業績悪化の見通し
・2020年度に向け利益水準の向上を目指す
成長 :拡大するチタン需要の捕捉、高機能材料事業の規模拡大
収益性:積極的な合理化投資、間接部門の徹底した効率化、技術開発等によるコスト低減の追求
2.キャッシュフロー
3ヵ年(2018-2020年度)のキャッシュフロー
設備投資と減価償却費
| (億円) |
| 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 3ヵ年計 | |||
| 設備投資 | 28 | 54 | 35 | 117 | 減価償却費内で、合理化/戦略投資に注力 | |
| 減価償却費 | 40 | 44 | 45 | 129 |
借入金合計とD/Eレシオ
| 2020年度末 | 2017年度末 | ||
| 借入金合計 | 340億円 | 435億円 | |
| D/Eレシオ | 0.8倍 | 1.1倍 |
3.株主還元方針
配当性向(※):安定性に配慮しつつ25~35%を目安