訂正有価証券報告書-第157期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)経営の基本方針
当社は2019年度に今後10年間を見据えた長期(10年)の基本方針を策定した上で、この達成を図るべく最初の3年の数値目標を策定しました。
①今までの中期経営計画との違いについて
今までの中期経営計画策定は市場の需要前提を出して、それに基づいて各事業が数字を組み立てていました。これに対して、今回の中期経営計画は「10年後に日工グループがありたい姿(ビジョン)」を描いた上で、最初の3年間に必要な数値目標(=中期経営計画)を決めたことが異なります。
長期の基本方針は1.国内収益基盤の強化、2.海外売上の確立、3.新規事業(M&A)の推進、4.働き方改革の実践、5.ROEをKPIに、が骨子となります。これら5つの方針を軸にして、コーポレートガバナンスの強化、透明性の高い活力ある企業運営を展開してまいります。
②長期(10年)基本方針で5つのポイント
長期計画の前提となる当社を取り巻く事業環境につきましては、当社グループに関係の深い建設関連業界は今まで民間建設投資が大幅に増加するなど総じて堅調に推移してきました。今後も首都圏再開発の継続や大阪万博の大型プロジェクトなどが見込まれます。しかし長期的にはこうしたプロジェクトも一服が見込まれ、既存事業の収益基盤強化と成長余地が高い海外売上確立、新規分野を伸ばすことが中期経営計画の達成に必要と考えております。
これらを踏まえて、長期経営計画での基本方針は以下と致します。
イ. 国内の収益基盤の強化は全部門のレベルアップにより製品力を向上させて、現状一桁の国内売上高営業利益率を10%にする。
ロ. 海外売上の確立は実績を積み上げているタイ、インドネシアにおいて攻め方を変えて強化する。
ハ. 新規事業の推進はM&Aだけでなく現在取り組んでいる新規事業に対して経営資源を投入、柱とすべく10年後に100億円の売上を創出する。
ニ. 働き方改革の実践は当社製品でお客様の働き方改革に貢献できるような製品を展開し、当社においては労働生産性を高めて余力を作り、新規領域に投入する。
ホ. 以上の結果として、10年後に時価総額500億円以上、ROEで8%以上を目指す。また配当性向を60%以上とし、株主還元も強化する。
③長期目標を達成するに当たっての経営者の認識
長期経営目標を達成するに当たり、当社の価値創造プロセス(=ビジネスモデル)との関連性を示せば、コアの4つの技術、すなわち混練、加熱、制御、搬送で参入障壁の高い独自技術(=競争力の源泉)をより強化させることが重要と考えております。これらは強固な財務基盤や顧客ニーズに応える研究・開発体制、ソリューションパートナーとしての顧客企業からの信頼、調達先とのパートナーシップ、代理店・協力工事店との協働に支えられています。
国内のアスファルトプラント(AP)関連事業は、顧客の8割が大手舗装会社で固定化しており、アスファルト合材製造量も4,000万トンをやや下回った水準が続くと考えられます。当面は更新需要が先延ばしされたAP需要の顕在化で国内は高原横這いの状況が続くと予想されますが、中長期的には成長余地が高い海外の拡大が不可欠と見ています。国内の当社APシェアは7割程度で競合先は1社ですが、リサイクル合材をメインに差別化したVPシリーズの拡販、新CSCでメンテナンス・サービスのビジネスモデル刷新を進めてまいります。海外は主力の中国に加えて、当社の中古機が大量に稼働するタイで現地法人設立を2020年2月に行なうなど顧客基盤の拡大を致します。
国内のコンクリートプラント(BP)関連事業は、生コンクリートの工場数が2019年度末で3,298箇所など2012年度末の3,456箇所から減少しており、中期的にも工場数は減少が予想されます。市場は成熟化しておりますが、競合2社と比べて静態シェアが低いため、シェアアップを図ることが重要な経営目標で2021年度にシェア50%以上を目指します。当社の強みである操作盤内製化やサービス・メンテナンス体制強化がシェアアップに寄与するものと考えております。また、最近はコンクリート二次製品や建設現場の人手不足でi-constructionのニーズも高まっており、これらの分野に注力致します。
また世界的に気候変動リスクへの対応が叫ばれる中、日工グループの事業内容は社会や環境の課題と深い関係があり、サステナビリティに基づいた企業の対応や自社が貢献出来る分野で価値を創出することも重要と認識しております。
最後に株主様からお預かりした資金を最大限活用して、その期待に応えるため、資本コストを全社で共有し、それを上回るリターンを上げることも重視致します。この結果として、10年後(2029年度末)には株式の時価総額500億円以上、ROE8%以上をKPIとして目指します。また現在の自己資本水準や手元流動性に鑑みて、成長投資と株主還元を同時に強化致します。配当性向は今まで30%程度を基準にしておりましたが、中期経営計画期間中は60%以上に引き上げます。これらが中長期の企業価値向上に欠かせないと考えております。
< 日工のビジネスモデル >
(2)中期経営計画のセグメント別見通し
前中期経営計画(2016~2018年度)は売上高こそ当初予想に近い実績となりましたが、利益項目を含めて実態として未達で厳しい結果に終わりました。中身を精査しますと、可能性を見込んでいた海外売上高や新規分野(発展領域)の伸び悩みが顕著でした。
前中期経営計画では以下を目標にして主力のAP、BPの新型プラントや操作盤を開発し、中国向けにAPリサイクル設備の拡販を行ないました。
・国内基盤の安定化 ・・・国内外の顧客価値を高めて、需要を連鎖する商品企画を立案
・(国内)成長戦略 ・・・各事業のコア技術、強みを融合し新たな商品価値を創造
・(海外)成長戦略 ・・・国外の顧客価値を高めて、需要を連鎖する商品企画を立案
現在の当社を取り巻く経営環境は、主力事業であるAP、BPの市場環境は微減傾向が継続しており、脱炭素社会に対する取り組み、働き方改革、人手不足、熟練工不足などの社会的な課題もあります。そのような状況で中期経営計画(2019~2021年度)の活動方針を作成しました。
中期経営計画である2019年度から2021年度における各セグメントの財務目標は次のとおりです。
現中期経営計画初年度である2019年度の連結業績は売上高351億円、営業利益20億円(営業利益率5.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益15億円、ROE5.2%となりました。セグメント別の営業利益はAP関連事業が高収益なメンテナンス事業の伸び悩みで計画比未達となりましたが、破砕機や防水板等のその他事業が好調で補いました。
※AP=アスファルトプラント、BP=バッチャープラント(コンクリートプラント)
※計画=中期経営計画、予想=連結業績予想
(3)会社の対処すべき課題
①アスファルトプラント関連事業の収益性向上
国内の既存事業の市場は集約化傾向であり、市場シェアの向上もさることながら収益性向上が最大の課題と認識しております。中でも、主力事業であるアスファルトプラントは国内シェア約7割と高いものの、同関連事業の2019年度営業利益率は6.4%に留まっており、収益性の改善のため、戦略製品であるVPシリーズの拡販及び製造原価低減などにより一層努めてまいります。
②コンクリートプラント関連事業の国内シェア拡大
コンクリートプラント関連事業は保守メンテナンスの時代へとユーザーニーズが変化しており、生コン出荷量、プラント出荷台数は減少傾向が続くと見ております。このような事業環境下、コンクリートプラントの現状動態シェア約40%を50%とすべく新しい高性能ミキサの開発による差別化、二次製品コンクリート工場へのアプローチ強化を進め、また、近年自然災害が多発していることから、被災地で活動できる新型モバイルプラントを開発し、昨年より市場投入しており、引き続き拡販に努めてまいります。
③メンテナンス事業のビジネスモデル変革
アスファルトプラント関連事業やコンクリートプラント関連事業の収益性を改善する上で、両事業の国内売上高で約6割を占めるメンテナンス事業のビジネスモデル変革も課題と見ております。土木、建設業界の人手不足や熟練工不足の問題が今後も続くと見られ、お客様の課題解決のためにもメンテナンス事業のビジネスモデル変革に取り組んでまいります。
さらに、ITを活用した省力化を推進させ、お客様の満足度を向上する取り組みを推進すべく、15年以上前から行なっているリモートメンテナンスをセンサー類の活用などにより、予防保全へと進化させてまいります。また、ウエアラブル端末のスマートグラスを利用してお客様と当社をつなぎ、リモート対応するなど、点検手法の改革にも取り組んでまいります。
④海外事業領域の開拓
現在の海外事業は中国での売上高が大半を占めており、米中関係悪化や新型コロナウイルスの影響により不安定な状況が予想されますものの、中国国内のインフラ投資は総じて旺盛と見ております。中国市場に加え、さらに海外市場領域の拡大を図るため、当社の中古機が多いタイに現地法人 Nikko Asia(Thailand)Co.,Ltd.を2020年2月に設立、新規プラントだけでなく中古機やリニューアル、メンテナンス・部品など様々なバリューチェーンへビジネスを広げてまいります。
⑤新規発展領域の拡充
国内砕石プラントの多くが更新時期を迎えており、定置式に替わり自走式破砕機の需要が増加しています。そうした需要拡大への対応として、販売力とサービス体制の強化、管理及びバックアップ体制の構築、モバイルセンターの製品在庫の充実やパーツセンター機能の強化を進め事業規模拡大に取り組んでまいります。
また、近年の気候変動による水害防止製品として、建物、地下などへの雨水侵入を防ぐ防水板の需要が急増しており、製造拠点を新設するなど増産体制を強化しております。防災関連商品として、超軽量のショベル・スコップを新発売するなど、防災関連製品の拡販を日工グループ全体で取り組んでまいります。
⑥環境負荷低減への取り組み
「脱炭素社会」を目指す取り組みとして、これまで燃焼効率を高めることによるアスファルトプラントの省エネ化を行なってまいりました。今後はカーボンニュートラルな代替燃料を使用するアスファルトプラントを更に拡販することにより、地球温暖化の要因となるCO2削減に根本から取り組んでまいります。
また、コンクリートプラント関連事業においては、環境負荷の高い建設現場から戻ってくる「戻りコン」、製造過程で発生する「残コン」などを処理する製品の普及に努めてまいります。
⑦成長投資と株主還元
財務面は現在、純資産約300億円と十分な規模にありますが、今後とも海外事業や新規事業等の成長投資や株主還元に充当してまいります。そのために、政策投資株の売却、キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)の改善でキャッシュ創出を図ります。これらにより捻出したキャッシュは成長投資や株主還元の強化に使わせて頂きます。
情報開示においての課題は財務情報に比べて数値化が遅れている非財務情報の開示を増やすことですが、2019年から統合報告書を作成しており、この充実を今後も続ける事で改善を進めてまいる方針です。
以上の対処すべき課題を踏まえた上で、目標とする経営指標の推移は以下となります。中期経営計画ではROEをKPIに設定し、2029年度にROE8%以上を目指します。
中期経営計画の数値計画
※計画=中期経営計画、予想=連結業績予想
※2019年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行いました。2019年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり配当金を算出しております。
(4)新型コロナウィルス感染拡大の影響
今般の新型コロナウィルスの感染拡大について、国内の建設関連業界全般については影響度合いは小さいものと予想しておりますが、中国でのアスファルトプラント関連事業は工場が実質1ヵ月停止していた事による影響が出ることが予想され、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、現在において顕在化した重要な影響はありません。
また、社員に感染者が出た場合、当社は受注製品ごとに設計を行い、それからモノづくりを行うという流れであるため、顧客への納期対応で大きな支障が出る可能性があります。
(1)経営の基本方針
当社は2019年度に今後10年間を見据えた長期(10年)の基本方針を策定した上で、この達成を図るべく最初の3年の数値目標を策定しました。
①今までの中期経営計画との違いについて今までの中期経営計画策定は市場の需要前提を出して、それに基づいて各事業が数字を組み立てていました。これに対して、今回の中期経営計画は「10年後に日工グループがありたい姿(ビジョン)」を描いた上で、最初の3年間に必要な数値目標(=中期経営計画)を決めたことが異なります。
長期の基本方針は1.国内収益基盤の強化、2.海外売上の確立、3.新規事業(M&A)の推進、4.働き方改革の実践、5.ROEをKPIに、が骨子となります。これら5つの方針を軸にして、コーポレートガバナンスの強化、透明性の高い活力ある企業運営を展開してまいります。
②長期(10年)基本方針で5つのポイント
長期計画の前提となる当社を取り巻く事業環境につきましては、当社グループに関係の深い建設関連業界は今まで民間建設投資が大幅に増加するなど総じて堅調に推移してきました。今後も首都圏再開発の継続や大阪万博の大型プロジェクトなどが見込まれます。しかし長期的にはこうしたプロジェクトも一服が見込まれ、既存事業の収益基盤強化と成長余地が高い海外売上確立、新規分野を伸ばすことが中期経営計画の達成に必要と考えております。
これらを踏まえて、長期経営計画での基本方針は以下と致します。
イ. 国内の収益基盤の強化は全部門のレベルアップにより製品力を向上させて、現状一桁の国内売上高営業利益率を10%にする。
ロ. 海外売上の確立は実績を積み上げているタイ、インドネシアにおいて攻め方を変えて強化する。
ハ. 新規事業の推進はM&Aだけでなく現在取り組んでいる新規事業に対して経営資源を投入、柱とすべく10年後に100億円の売上を創出する。
ニ. 働き方改革の実践は当社製品でお客様の働き方改革に貢献できるような製品を展開し、当社においては労働生産性を高めて余力を作り、新規領域に投入する。
ホ. 以上の結果として、10年後に時価総額500億円以上、ROEで8%以上を目指す。また配当性向を60%以上とし、株主還元も強化する。
③長期目標を達成するに当たっての経営者の認識
長期経営目標を達成するに当たり、当社の価値創造プロセス(=ビジネスモデル)との関連性を示せば、コアの4つの技術、すなわち混練、加熱、制御、搬送で参入障壁の高い独自技術(=競争力の源泉)をより強化させることが重要と考えております。これらは強固な財務基盤や顧客ニーズに応える研究・開発体制、ソリューションパートナーとしての顧客企業からの信頼、調達先とのパートナーシップ、代理店・協力工事店との協働に支えられています。
国内のアスファルトプラント(AP)関連事業は、顧客の8割が大手舗装会社で固定化しており、アスファルト合材製造量も4,000万トンをやや下回った水準が続くと考えられます。当面は更新需要が先延ばしされたAP需要の顕在化で国内は高原横這いの状況が続くと予想されますが、中長期的には成長余地が高い海外の拡大が不可欠と見ています。国内の当社APシェアは7割程度で競合先は1社ですが、リサイクル合材をメインに差別化したVPシリーズの拡販、新CSCでメンテナンス・サービスのビジネスモデル刷新を進めてまいります。海外は主力の中国に加えて、当社の中古機が大量に稼働するタイで現地法人設立を2020年2月に行なうなど顧客基盤の拡大を致します。
国内のコンクリートプラント(BP)関連事業は、生コンクリートの工場数が2019年度末で3,298箇所など2012年度末の3,456箇所から減少しており、中期的にも工場数は減少が予想されます。市場は成熟化しておりますが、競合2社と比べて静態シェアが低いため、シェアアップを図ることが重要な経営目標で2021年度にシェア50%以上を目指します。当社の強みである操作盤内製化やサービス・メンテナンス体制強化がシェアアップに寄与するものと考えております。また、最近はコンクリート二次製品や建設現場の人手不足でi-constructionのニーズも高まっており、これらの分野に注力致します。
また世界的に気候変動リスクへの対応が叫ばれる中、日工グループの事業内容は社会や環境の課題と深い関係があり、サステナビリティに基づいた企業の対応や自社が貢献出来る分野で価値を創出することも重要と認識しております。
最後に株主様からお預かりした資金を最大限活用して、その期待に応えるため、資本コストを全社で共有し、それを上回るリターンを上げることも重視致します。この結果として、10年後(2029年度末)には株式の時価総額500億円以上、ROE8%以上をKPIとして目指します。また現在の自己資本水準や手元流動性に鑑みて、成長投資と株主還元を同時に強化致します。配当性向は今まで30%程度を基準にしておりましたが、中期経営計画期間中は60%以上に引き上げます。これらが中長期の企業価値向上に欠かせないと考えております。
< 日工のビジネスモデル >

(2)中期経営計画のセグメント別見通し
前中期経営計画(2016~2018年度)は売上高こそ当初予想に近い実績となりましたが、利益項目を含めて実態として未達で厳しい結果に終わりました。中身を精査しますと、可能性を見込んでいた海外売上高や新規分野(発展領域)の伸び悩みが顕著でした。
前中期経営計画では以下を目標にして主力のAP、BPの新型プラントや操作盤を開発し、中国向けにAPリサイクル設備の拡販を行ないました。
・国内基盤の安定化 ・・・国内外の顧客価値を高めて、需要を連鎖する商品企画を立案
・(国内)成長戦略 ・・・各事業のコア技術、強みを融合し新たな商品価値を創造
・(海外)成長戦略 ・・・国外の顧客価値を高めて、需要を連鎖する商品企画を立案
現在の当社を取り巻く経営環境は、主力事業であるAP、BPの市場環境は微減傾向が継続しており、脱炭素社会に対する取り組み、働き方改革、人手不足、熟練工不足などの社会的な課題もあります。そのような状況で中期経営計画(2019~2021年度)の活動方針を作成しました。
中期経営計画である2019年度から2021年度における各セグメントの財務目標は次のとおりです。
現中期経営計画初年度である2019年度の連結業績は売上高351億円、営業利益20億円(営業利益率5.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益15億円、ROE5.2%となりました。セグメント別の営業利益はAP関連事業が高収益なメンテナンス事業の伸び悩みで計画比未達となりましたが、破砕機や防水板等のその他事業が好調で補いました。
※AP=アスファルトプラント、BP=バッチャープラント(コンクリートプラント)※計画=中期経営計画、予想=連結業績予想
(3)会社の対処すべき課題
①アスファルトプラント関連事業の収益性向上
国内の既存事業の市場は集約化傾向であり、市場シェアの向上もさることながら収益性向上が最大の課題と認識しております。中でも、主力事業であるアスファルトプラントは国内シェア約7割と高いものの、同関連事業の2019年度営業利益率は6.4%に留まっており、収益性の改善のため、戦略製品であるVPシリーズの拡販及び製造原価低減などにより一層努めてまいります。
②コンクリートプラント関連事業の国内シェア拡大
コンクリートプラント関連事業は保守メンテナンスの時代へとユーザーニーズが変化しており、生コン出荷量、プラント出荷台数は減少傾向が続くと見ております。このような事業環境下、コンクリートプラントの現状動態シェア約40%を50%とすべく新しい高性能ミキサの開発による差別化、二次製品コンクリート工場へのアプローチ強化を進め、また、近年自然災害が多発していることから、被災地で活動できる新型モバイルプラントを開発し、昨年より市場投入しており、引き続き拡販に努めてまいります。
③メンテナンス事業のビジネスモデル変革
アスファルトプラント関連事業やコンクリートプラント関連事業の収益性を改善する上で、両事業の国内売上高で約6割を占めるメンテナンス事業のビジネスモデル変革も課題と見ております。土木、建設業界の人手不足や熟練工不足の問題が今後も続くと見られ、お客様の課題解決のためにもメンテナンス事業のビジネスモデル変革に取り組んでまいります。
さらに、ITを活用した省力化を推進させ、お客様の満足度を向上する取り組みを推進すべく、15年以上前から行なっているリモートメンテナンスをセンサー類の活用などにより、予防保全へと進化させてまいります。また、ウエアラブル端末のスマートグラスを利用してお客様と当社をつなぎ、リモート対応するなど、点検手法の改革にも取り組んでまいります。
④海外事業領域の開拓
現在の海外事業は中国での売上高が大半を占めており、米中関係悪化や新型コロナウイルスの影響により不安定な状況が予想されますものの、中国国内のインフラ投資は総じて旺盛と見ております。中国市場に加え、さらに海外市場領域の拡大を図るため、当社の中古機が多いタイに現地法人 Nikko Asia(Thailand)Co.,Ltd.を2020年2月に設立、新規プラントだけでなく中古機やリニューアル、メンテナンス・部品など様々なバリューチェーンへビジネスを広げてまいります。
⑤新規発展領域の拡充
国内砕石プラントの多くが更新時期を迎えており、定置式に替わり自走式破砕機の需要が増加しています。そうした需要拡大への対応として、販売力とサービス体制の強化、管理及びバックアップ体制の構築、モバイルセンターの製品在庫の充実やパーツセンター機能の強化を進め事業規模拡大に取り組んでまいります。
また、近年の気候変動による水害防止製品として、建物、地下などへの雨水侵入を防ぐ防水板の需要が急増しており、製造拠点を新設するなど増産体制を強化しております。防災関連商品として、超軽量のショベル・スコップを新発売するなど、防災関連製品の拡販を日工グループ全体で取り組んでまいります。
⑥環境負荷低減への取り組み
「脱炭素社会」を目指す取り組みとして、これまで燃焼効率を高めることによるアスファルトプラントの省エネ化を行なってまいりました。今後はカーボンニュートラルな代替燃料を使用するアスファルトプラントを更に拡販することにより、地球温暖化の要因となるCO2削減に根本から取り組んでまいります。
また、コンクリートプラント関連事業においては、環境負荷の高い建設現場から戻ってくる「戻りコン」、製造過程で発生する「残コン」などを処理する製品の普及に努めてまいります。
⑦成長投資と株主還元
財務面は現在、純資産約300億円と十分な規模にありますが、今後とも海外事業や新規事業等の成長投資や株主還元に充当してまいります。そのために、政策投資株の売却、キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)の改善でキャッシュ創出を図ります。これらにより捻出したキャッシュは成長投資や株主還元の強化に使わせて頂きます。
情報開示においての課題は財務情報に比べて数値化が遅れている非財務情報の開示を増やすことですが、2019年から統合報告書を作成しており、この充実を今後も続ける事で改善を進めてまいる方針です。
以上の対処すべき課題を踏まえた上で、目標とする経営指標の推移は以下となります。中期経営計画ではROEをKPIに設定し、2029年度にROE8%以上を目指します。
中期経営計画の数値計画
※計画=中期経営計画、予想=連結業績予想※2019年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行いました。2019年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり配当金を算出しております。
(4)新型コロナウィルス感染拡大の影響
今般の新型コロナウィルスの感染拡大について、国内の建設関連業界全般については影響度合いは小さいものと予想しておりますが、中国でのアスファルトプラント関連事業は工場が実質1ヵ月停止していた事による影響が出ることが予想され、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、現在において顕在化した重要な影響はありません。
また、社員に感染者が出た場合、当社は受注製品ごとに設計を行い、それからモノづくりを行うという流れであるため、顧客への納期対応で大きな支障が出る可能性があります。