有価証券報告書-第90期(2024/04/01-2025/03/31)
2.重要なサステナビリティ項目
当社グループは、SDGsなどで示された社会課題、外部イニシアティブやガイドライン等から抽出したESG課題に対して、SASBのマテリアリティマップ項目やCDPの開示要請、FTSE・MSCI等ESGインデックスの評価ウェイト項目を分析するとともに、自社にとっての重要度を総合的に検討し、3つのテーマ「ものづくり」「環境」「人」とそれを支える「グループの経営基盤」から構成される11個のESGマテリアリティを特定しました。なお、「中期経営計画2027」の策定に合わせてESGマテリアリティの見直し検討を行い、11個のESGマテリアリティに関しては変更せず継続しますが、従前テーマの「人」に分類していた“人権の尊重”はリスク管理の側面が強いことから、「グループの経営基盤」に移動しました。引き続き「三和グローバルビジョン2030」の実現に向けて、様々な施策を推進していきます。
それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは以下のとおりです。
(1)ものづくり
当社グループは、シャッター、ドア、間仕切などの開口部商品を世界中で提供することにより、災害や犯罪から命や財産を守り、安全・安心・快適で暮らしやすい社会の実現に貢献しています。気候変動に起因する自然災害やパンデミックによる行動変容、防犯意識の高まりなどの影響もあり、人々の安全・安心な暮らしを守り支えるための回復力のある社会=レジリエントな社会への希求はますます高まっており、当社グループの“防ぎ、守り、区切る”商品とサービスを通じたものづくりが貢献できる領域は拡大しています。
[「ものづくり」のESGマテリアリティ]
①商品、サービスを通じた気候変動・防災への貢献
当社グループは、気候変動に対してCO2をはじめとする温室効果ガスの排出を抑制する“緩和”と、気候変動がもたらす様々な現象に対応する“適応”の2つのアプローチから、気候変動問題に貢献する様々な商品をグローバルに提供しています。例えば、“緩和”への対応として、速い開閉速度で建物の空調効率を向上させる高速シートシャッターや、搬入口でトラックの荷台と高さを合わせて空気の流出入を抑制するドックレベラーなど、日・米・欧・アジアの各地域のニーズに応じた商品展開で世界中の工場や倉庫の省エネに貢献しています。一方で、“適応”への対応としては、気候変動の影響により大型台風や集中豪雨による浸水被害が増えていることから、これらの水害リスク低減への対策として、浸水高さや設置場所に応じた様々な防水商品を提供しています。あわせて、気候変動の進行に伴い、風害などの災害リスクが高まると予測されていることから、日本では高い耐風性能をもつシャッター、オーバースライダーや窓シャッターのほか、既設シャッターへ後付けできる補強部材などをラインアップしています。日本と同様に台風の多い米国においても、耐風性能の高いガレージドア、セクショナルドア、窓商品を提供することで、様々な開口部の風害リスク軽減に貢献しています。
また、当社グループの使命が目指す“安全・安心・快適”な社会を阻害する火災や地震などの災害に対して、当社グループの商品やサービスは様々な側面から貢献しています。例えば、当社グループの防火シャッターや防火ドアは、世界中のオフィス、商業施設、学校、病院など多くの人が集まる場所の火災時の延焼防止、安全な区画形成に貢献しており、いつどこで起こるか分からない地震に対しても、リスクを低減するための耐震仕様商品を多数取り揃えています。あわせて、建築物における防災機能を維持するために重要な役割を担っているメンテナンス・サービスについても注力しており、レジリエントなまちの実現に貢献しています。
②品質の確保・向上
当社グループは、メーカーとしての最大の責務である品質安全を追求するため、開発から販売、製造、施工、メンテナンス・サービスに至る全てのプロセスにおいて、品質・安全性の向上に努めています。当社グループのシャッター、ドア、間仕切などの商品は、いずれも工場で生産した段階では半製品で、施工技術者の取付作業が完了して初めて完成品になるという特長があります。そのため、商品自体の品質はもとより、施工品質、メンテナンス・サービス品質の向上は、お客様に安心して使い続けていただくために重要であると考えています。
(2)環境
世界28の国と地域において事業を営む当社グループにとって、エネルギー、水、その他天然資源の安定供給への懸念などが当社グループの事業基盤へのリスクであることを認識するとともに、自らの事業活動が地球環境に与える影響軽減のための対策を講じることは極めて重要な使命であると考えています。CO2排出量、水使用量、廃棄物排出量の削減を通じて環境負荷低減への取り組みを進めるほか、資源循環型社会への転換へ向けて、使用原材料の削減、歩留まり向上、商品の長寿命化、梱包の簡素化、グリーン調達の推進、リサイクルしやすい設計の採用などに努めています。
[「環境」のESGマテリアリティ]
①脱炭素社会へ向けた取り組み
当社グループは、環境保全の基本方針(三和グループ環境方針)の基本理念である「三和グループは、世界中の人々の暮らしと地球環境の調和を目指し、グローバルな視野に立って、気候変動等の環境問題への適切な対応、環境に配慮した事業活動や商品・サービスの提供を行うことにより、持続可能な社会の実現に貢献します。」のもと、環境保全への取り組みを推進しています。特に、温室効果ガス排出に伴う気候変動問題は人類共通の世界課題であることから、2022年5月にカーボンニュートラルに向けた方針を発表、2025年5月にはCO2排出量削減に関する2027年度環境目標を発表しました。
2027年度目標:三和シヤッター工業のCO2排出量(Scope1+2)を、2019年度比で20%削減する
2030年度目標:三和シヤッター工業のCO2排出量(Scope1+2)を、2019年度比で30%削減する
2050年度目標:三和グループとして事業活動に伴うCO2排出量実質ゼロを目指す
Scope1削減への取り組みとして、省エネ設備への更新、生産性向上による設備稼働時間の削減、エコカーへの切り替え等、Scope2削減への取り組みとして、再生可能エネルギーの活用、LED照明への切り替え等を積極的に推進しています。
②水資源の保全
世界規模の気候変動の影響や急激な人口増加による水需要の増大により、水資源の不足や枯渇が社会問題として深刻化しています。グローバルに事業を展開する三和グループでは、水資源の保全や有効活用が重要であると考え、水使用量の削減に努めています。当社グループは、主に金属部材を切断・成形し組み立てるという生産活動の特性上、生産量に比べて水使用量は少ないと言えますが、塗装など一部の工程では一定量の水使用が必要となります。継続的な水使用量削減に向け、各生産拠点で水の使用に関する管理の強化、生産工程の改善、水の再利用などにより使用量の削減に取り組んでいます。
③廃棄物の削減
当社グループは、限りある地球資源を有効活用し循環型社会を実現するため、全ての事業プロセスにおける廃棄物の排出削減やリサイクルの推進に努めることで、環境負荷低減を図っています。廃棄物の削減に取り組むことは、原材料やエネルギー資源の効率的な活用につながるとともに、処分時のエネルギー及び温室効果ガス削減に寄与すると考え、分別・リサイクルの徹底、歩留まり向上、運搬用品の再利用等を推進しています。
(3)人
当社グループの商品は、建物の開口部や設置場所に応じてサイズ・仕様・材質などを決定する一品一様な製品づくりが求められます。また、現場に納入し取り付けを行うことにより初めて商品としての機能を発揮することから、その機能を維持するための保守点検や修理など、開発、設計、生産から施工、メンテナンス・サービスに至る多数の「人」の力が、当社グループの価値提供を支えています。労働人口が減少し雇用の流動化が加速する中、「中期経営計画2027」の基本戦略において「サステナビリティ経営と人的資本経営の推進」を掲げており、「人」への積極的な投資を通じて持続的な企業価値の向上を目指しています。
[「人」のESGマテリアリティ]
①人材育成
「人」のESGマテリアリティとして「人材育成」を設定し、従業員の保有する能力を最大限に発揮できるような制度や能力開発プログラムにより個の成長を促しています。現場に即した実務的な研修、経営的な思考力を養う研修、スキルマップによる自己啓発支援等、多面的な育成機会と成長への自律的な行動を発揮できる仕組みを整備しています。三和シヤッター工業では、2019年度より定期採用の新入社員を対象に『三和プロ人材育成プラン』を導入し、約2年間かけて営業・製造・設計・施工の実務経験を積むジョブローテーションを実施しています。階層別教育として、次世代リーダー育成研修、管理職マネジメント力強化研修、女性向けキャリアアップ研修等、目的別教育として、経営幹部育成のための「三和経営塾」やグローバル人材育成のための海外実地研修等を行っています。2024年10月より、業務効率の向上、ITリテラシーの底上げを目的としたeラーニングをスタートしており、新たな事業創出や生産性向上につなげていきます。また、施工技術者には、専門の研修施設である施工研修センターにおいて、各種施工研修を実施しており、年間延べ1,000名を超える施工技術者がスキルアップに努めています。
②ダイバーシティの推進
「人」のESGマテリアリティとして「ダイバーシティの推進」を設定し、当社グループの成長ドライバーとなる女性やグローバル社員などの多様な人材一人ひとりが最大限に力を発揮できるよう様々な施策を展開しています。特に日本国内におけるジェンダー平等、多様性の確保が課題であると認識し、女性社員向けキャリアアップ研修を2022年度より実施し、将来の女性管理職候補となる人材育成とそれぞれのキャリア形成の意欲を醸成しています。また、三和シヤッター工業では法定を超えた育児短時間勤務制度(小学校6年生まで)やテレワークを始めとした柔軟な働き方を支援する制度や、新任管理者向けのダイバーシティ研修を通じた女性の働きやすい職場づくり、男性の育児休業取得の推進等にも取り組んでいます。
③安全と健康
「人」のESGマテリアリティとして「安全と健康」を設定し、従業員、協力会社社員、施工技術者など当社グループの事業活動に関わる人々の安全衛生への取り組みと、従業員一人ひとりの心と体の健康づくりを推進しています。ものづくりに携わる企業として、労働災害の撲滅に向けた安全教育の実施とルールの徹底、ヒヤリハット事例の共有、作業負担軽減のための環境改善等に努めるほか、当社グループの健康課題である肥満率と喫煙率の低減を目指して、積極的な受診勧奨やウォーキングキャンペーン、禁煙サポートプログラムの実施などを行っています。2024年3月には、生活習慣病の重症化ハイリスク者を分母とした検査受診者及び治療開始者の割合を新しいKPIとして設定し、より生活習慣病の重症化リスクの高い層にターゲットを絞り行動変容を促しています。
(4)グループの経営基盤
透明性と健全性の高い経営体制の構築、人権の尊重、コンプライアンスの徹底と適切なリスク管理を通じた公正で誠実な企業活動は、上記3つのテーマ(ものづくり、環境、人)への積極的な取り組みを進めるにあたり基盤を成すものです。また、当社グループの事業活動を支える多くのステークホルダーとの活発なコミュニケーションを図り、得られた評価を事業活動に反映していくことで、持続的な企業価値の向上につなげていきます。
[「グループの経営基盤」のESGマテリアリティ]
①コーポレート・ガバナンス
企業価値の向上に向けて、より透明性の高い公正で効率的な経営の実現と、業務執行における迅速かつ的確な意思決定を目的に、コーポレート・ガバナンス体制を構築しています。詳細については、「第4.提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。
②人権の尊重
当社グループは、人権の尊重はあらゆる事業活動の重要な基盤の一つであり、当社グループに関わる全ての人々の基本的人権を尊重し、心身の健康や安全を確保することは重要な責務であると考えていることから、「三和グループ人権方針」を定め、社内外に公表しています。また、2023年度より主要調達先および工場協力会社を対象とした人権デュー・デリジェンスアンケートを毎年実施しており、結果を踏まえた対応策を講じ、継続的な改善に努めています。2024年度は、主要調達先12社および工場協力会社47社の計59社を対象とした人権デュー・デリジェンスアンケートを実施しました。アンケート結果から、三和ホールディングスWebサイト上に設置したグリーバンスメカニズムに関する周知が不十分であったことが明らかになったため、再度、相談方法についての周知を行いました。
三和グループ人権方針の全文は三和ホールディングスWebサイトに掲載しています。
https://www.sanwa-hldgs.co.jp/csr/governance/human_rights.html
③コンプライアンス
当社グループは、コンプライアンスを企業存続の根幹をなすものであると認識し、法令違反や不正を防止するための体制強化、意識向上のための取り組みを推進しています。使命、経営理念、行動指針の精神、価値観を具体的な行動に移す際に守るべきことをまとめた「三和グループコンプライアンス行動規範」を制定し、毎年11月に実施している「コンプライアンス月間」での取り組み、階層別のコンプライアンス教育、派遣社員を含む全従業員向けのeラーニング等を通じてコンプライアンス意識の浸透を図っています。
当社グループは、SDGsなどで示された社会課題、外部イニシアティブやガイドライン等から抽出したESG課題に対して、SASBのマテリアリティマップ項目やCDPの開示要請、FTSE・MSCI等ESGインデックスの評価ウェイト項目を分析するとともに、自社にとっての重要度を総合的に検討し、3つのテーマ「ものづくり」「環境」「人」とそれを支える「グループの経営基盤」から構成される11個のESGマテリアリティを特定しました。なお、「中期経営計画2027」の策定に合わせてESGマテリアリティの見直し検討を行い、11個のESGマテリアリティに関しては変更せず継続しますが、従前テーマの「人」に分類していた“人権の尊重”はリスク管理の側面が強いことから、「グループの経営基盤」に移動しました。引き続き「三和グローバルビジョン2030」の実現に向けて、様々な施策を推進していきます。
それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは以下のとおりです。
(1)ものづくり
当社グループは、シャッター、ドア、間仕切などの開口部商品を世界中で提供することにより、災害や犯罪から命や財産を守り、安全・安心・快適で暮らしやすい社会の実現に貢献しています。気候変動に起因する自然災害やパンデミックによる行動変容、防犯意識の高まりなどの影響もあり、人々の安全・安心な暮らしを守り支えるための回復力のある社会=レジリエントな社会への希求はますます高まっており、当社グループの“防ぎ、守り、区切る”商品とサービスを通じたものづくりが貢献できる領域は拡大しています。
[「ものづくり」のESGマテリアリティ]
①商品、サービスを通じた気候変動・防災への貢献
当社グループは、気候変動に対してCO2をはじめとする温室効果ガスの排出を抑制する“緩和”と、気候変動がもたらす様々な現象に対応する“適応”の2つのアプローチから、気候変動問題に貢献する様々な商品をグローバルに提供しています。例えば、“緩和”への対応として、速い開閉速度で建物の空調効率を向上させる高速シートシャッターや、搬入口でトラックの荷台と高さを合わせて空気の流出入を抑制するドックレベラーなど、日・米・欧・アジアの各地域のニーズに応じた商品展開で世界中の工場や倉庫の省エネに貢献しています。一方で、“適応”への対応としては、気候変動の影響により大型台風や集中豪雨による浸水被害が増えていることから、これらの水害リスク低減への対策として、浸水高さや設置場所に応じた様々な防水商品を提供しています。あわせて、気候変動の進行に伴い、風害などの災害リスクが高まると予測されていることから、日本では高い耐風性能をもつシャッター、オーバースライダーや窓シャッターのほか、既設シャッターへ後付けできる補強部材などをラインアップしています。日本と同様に台風の多い米国においても、耐風性能の高いガレージドア、セクショナルドア、窓商品を提供することで、様々な開口部の風害リスク軽減に貢献しています。
また、当社グループの使命が目指す“安全・安心・快適”な社会を阻害する火災や地震などの災害に対して、当社グループの商品やサービスは様々な側面から貢献しています。例えば、当社グループの防火シャッターや防火ドアは、世界中のオフィス、商業施設、学校、病院など多くの人が集まる場所の火災時の延焼防止、安全な区画形成に貢献しており、いつどこで起こるか分からない地震に対しても、リスクを低減するための耐震仕様商品を多数取り揃えています。あわせて、建築物における防災機能を維持するために重要な役割を担っているメンテナンス・サービスについても注力しており、レジリエントなまちの実現に貢献しています。
②品質の確保・向上
当社グループは、メーカーとしての最大の責務である品質安全を追求するため、開発から販売、製造、施工、メンテナンス・サービスに至る全てのプロセスにおいて、品質・安全性の向上に努めています。当社グループのシャッター、ドア、間仕切などの商品は、いずれも工場で生産した段階では半製品で、施工技術者の取付作業が完了して初めて完成品になるという特長があります。そのため、商品自体の品質はもとより、施工品質、メンテナンス・サービス品質の向上は、お客様に安心して使い続けていただくために重要であると考えています。
(2)環境
世界28の国と地域において事業を営む当社グループにとって、エネルギー、水、その他天然資源の安定供給への懸念などが当社グループの事業基盤へのリスクであることを認識するとともに、自らの事業活動が地球環境に与える影響軽減のための対策を講じることは極めて重要な使命であると考えています。CO2排出量、水使用量、廃棄物排出量の削減を通じて環境負荷低減への取り組みを進めるほか、資源循環型社会への転換へ向けて、使用原材料の削減、歩留まり向上、商品の長寿命化、梱包の簡素化、グリーン調達の推進、リサイクルしやすい設計の採用などに努めています。
[「環境」のESGマテリアリティ]
①脱炭素社会へ向けた取り組み
当社グループは、環境保全の基本方針(三和グループ環境方針)の基本理念である「三和グループは、世界中の人々の暮らしと地球環境の調和を目指し、グローバルな視野に立って、気候変動等の環境問題への適切な対応、環境に配慮した事業活動や商品・サービスの提供を行うことにより、持続可能な社会の実現に貢献します。」のもと、環境保全への取り組みを推進しています。特に、温室効果ガス排出に伴う気候変動問題は人類共通の世界課題であることから、2022年5月にカーボンニュートラルに向けた方針を発表、2025年5月にはCO2排出量削減に関する2027年度環境目標を発表しました。
2027年度目標:三和シヤッター工業のCO2排出量(Scope1+2)を、2019年度比で20%削減する
2030年度目標:三和シヤッター工業のCO2排出量(Scope1+2)を、2019年度比で30%削減する
2050年度目標:三和グループとして事業活動に伴うCO2排出量実質ゼロを目指す
Scope1削減への取り組みとして、省エネ設備への更新、生産性向上による設備稼働時間の削減、エコカーへの切り替え等、Scope2削減への取り組みとして、再生可能エネルギーの活用、LED照明への切り替え等を積極的に推進しています。
②水資源の保全
世界規模の気候変動の影響や急激な人口増加による水需要の増大により、水資源の不足や枯渇が社会問題として深刻化しています。グローバルに事業を展開する三和グループでは、水資源の保全や有効活用が重要であると考え、水使用量の削減に努めています。当社グループは、主に金属部材を切断・成形し組み立てるという生産活動の特性上、生産量に比べて水使用量は少ないと言えますが、塗装など一部の工程では一定量の水使用が必要となります。継続的な水使用量削減に向け、各生産拠点で水の使用に関する管理の強化、生産工程の改善、水の再利用などにより使用量の削減に取り組んでいます。
③廃棄物の削減
当社グループは、限りある地球資源を有効活用し循環型社会を実現するため、全ての事業プロセスにおける廃棄物の排出削減やリサイクルの推進に努めることで、環境負荷低減を図っています。廃棄物の削減に取り組むことは、原材料やエネルギー資源の効率的な活用につながるとともに、処分時のエネルギー及び温室効果ガス削減に寄与すると考え、分別・リサイクルの徹底、歩留まり向上、運搬用品の再利用等を推進しています。
(3)人
当社グループの商品は、建物の開口部や設置場所に応じてサイズ・仕様・材質などを決定する一品一様な製品づくりが求められます。また、現場に納入し取り付けを行うことにより初めて商品としての機能を発揮することから、その機能を維持するための保守点検や修理など、開発、設計、生産から施工、メンテナンス・サービスに至る多数の「人」の力が、当社グループの価値提供を支えています。労働人口が減少し雇用の流動化が加速する中、「中期経営計画2027」の基本戦略において「サステナビリティ経営と人的資本経営の推進」を掲げており、「人」への積極的な投資を通じて持続的な企業価値の向上を目指しています。
[「人」のESGマテリアリティ]
①人材育成
「人」のESGマテリアリティとして「人材育成」を設定し、従業員の保有する能力を最大限に発揮できるような制度や能力開発プログラムにより個の成長を促しています。現場に即した実務的な研修、経営的な思考力を養う研修、スキルマップによる自己啓発支援等、多面的な育成機会と成長への自律的な行動を発揮できる仕組みを整備しています。三和シヤッター工業では、2019年度より定期採用の新入社員を対象に『三和プロ人材育成プラン』を導入し、約2年間かけて営業・製造・設計・施工の実務経験を積むジョブローテーションを実施しています。階層別教育として、次世代リーダー育成研修、管理職マネジメント力強化研修、女性向けキャリアアップ研修等、目的別教育として、経営幹部育成のための「三和経営塾」やグローバル人材育成のための海外実地研修等を行っています。2024年10月より、業務効率の向上、ITリテラシーの底上げを目的としたeラーニングをスタートしており、新たな事業創出や生産性向上につなげていきます。また、施工技術者には、専門の研修施設である施工研修センターにおいて、各種施工研修を実施しており、年間延べ1,000名を超える施工技術者がスキルアップに努めています。
②ダイバーシティの推進
「人」のESGマテリアリティとして「ダイバーシティの推進」を設定し、当社グループの成長ドライバーとなる女性やグローバル社員などの多様な人材一人ひとりが最大限に力を発揮できるよう様々な施策を展開しています。特に日本国内におけるジェンダー平等、多様性の確保が課題であると認識し、女性社員向けキャリアアップ研修を2022年度より実施し、将来の女性管理職候補となる人材育成とそれぞれのキャリア形成の意欲を醸成しています。また、三和シヤッター工業では法定を超えた育児短時間勤務制度(小学校6年生まで)やテレワークを始めとした柔軟な働き方を支援する制度や、新任管理者向けのダイバーシティ研修を通じた女性の働きやすい職場づくり、男性の育児休業取得の推進等にも取り組んでいます。
③安全と健康
「人」のESGマテリアリティとして「安全と健康」を設定し、従業員、協力会社社員、施工技術者など当社グループの事業活動に関わる人々の安全衛生への取り組みと、従業員一人ひとりの心と体の健康づくりを推進しています。ものづくりに携わる企業として、労働災害の撲滅に向けた安全教育の実施とルールの徹底、ヒヤリハット事例の共有、作業負担軽減のための環境改善等に努めるほか、当社グループの健康課題である肥満率と喫煙率の低減を目指して、積極的な受診勧奨やウォーキングキャンペーン、禁煙サポートプログラムの実施などを行っています。2024年3月には、生活習慣病の重症化ハイリスク者を分母とした検査受診者及び治療開始者の割合を新しいKPIとして設定し、より生活習慣病の重症化リスクの高い層にターゲットを絞り行動変容を促しています。
(4)グループの経営基盤
透明性と健全性の高い経営体制の構築、人権の尊重、コンプライアンスの徹底と適切なリスク管理を通じた公正で誠実な企業活動は、上記3つのテーマ(ものづくり、環境、人)への積極的な取り組みを進めるにあたり基盤を成すものです。また、当社グループの事業活動を支える多くのステークホルダーとの活発なコミュニケーションを図り、得られた評価を事業活動に反映していくことで、持続的な企業価値の向上につなげていきます。
[「グループの経営基盤」のESGマテリアリティ]
①コーポレート・ガバナンス
企業価値の向上に向けて、より透明性の高い公正で効率的な経営の実現と、業務執行における迅速かつ的確な意思決定を目的に、コーポレート・ガバナンス体制を構築しています。詳細については、「第4.提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。
②人権の尊重
当社グループは、人権の尊重はあらゆる事業活動の重要な基盤の一つであり、当社グループに関わる全ての人々の基本的人権を尊重し、心身の健康や安全を確保することは重要な責務であると考えていることから、「三和グループ人権方針」を定め、社内外に公表しています。また、2023年度より主要調達先および工場協力会社を対象とした人権デュー・デリジェンスアンケートを毎年実施しており、結果を踏まえた対応策を講じ、継続的な改善に努めています。2024年度は、主要調達先12社および工場協力会社47社の計59社を対象とした人権デュー・デリジェンスアンケートを実施しました。アンケート結果から、三和ホールディングスWebサイト上に設置したグリーバンスメカニズムに関する周知が不十分であったことが明らかになったため、再度、相談方法についての周知を行いました。
三和グループ人権方針の全文は三和ホールディングスWebサイトに掲載しています。
https://www.sanwa-hldgs.co.jp/csr/governance/human_rights.html
③コンプライアンス
当社グループは、コンプライアンスを企業存続の根幹をなすものであると認識し、法令違反や不正を防止するための体制強化、意識向上のための取り組みを推進しています。使命、経営理念、行動指針の精神、価値観を具体的な行動に移す際に守るべきことをまとめた「三和グループコンプライアンス行動規範」を制定し、毎年11月に実施している「コンプライアンス月間」での取り組み、階層別のコンプライアンス教育、派遣社員を含む全従業員向けのeラーニング等を通じてコンプライアンス意識の浸透を図っています。