有価証券報告書-第105期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは1933年に「加藤発條製作所」として創業し、自動車産業及び電機通信産業向けの精密金属ばねの生産からスタートしました。1969年には合成樹脂を素材としたファスナー類の開発及び製造にも事業拡大、1990年代には医療機器分野に進出し、産業・社会の発展に貢献してまいりました。
当社グループは、「弾性を創造するパイオニア(Pioneer)」をコーポレート・アイデンティティとして、金属や樹脂をはじめあらゆる素材の「弾性(Elasticity)」を科学することにより、自動車産業や医療関連など広く産業・社会に貢献することを経営の基本方針としております。
今後も当社のコア事業である自動車産業で培った高度な弾性技術を用いて、適切で戦略的な多角化を図りつつ、広く産業・社会に貢献してまいります。
(2) 経営戦略等
当社グループは、自動車産業向け部品供給を事業の中核とし、グローバルな展開を急速に進める同業界のニーズを先取りしつつ、多様かつ高度なご要請に積極的にお応えしていくことを中長期的な経営戦略として位置付けております。
当社グループは、上記の中長期的な経営戦略を明確化するために3年先までの中期経営計画を毎年ローリング方式で策定しております。
〈中期経営計画 2021年度~2023年度〉
当社グループの中期経営計画では、「弾性を創造するパイオニアとして、広く産業や社会に貢献する」をビジョンに掲げ、5つの基本方針に基づき、5つの経営戦略を立てております。
経営指標としては2024年3月期までに連結売上高700億円、連結営業利益105億円、ROE8%以上、連結配当性向30%以上としております。
<基本方針>1.既存事業の変革
2.新規/次世代事業への挑戦
3.経営基盤強化
4.将来に向けた積極投資
5.ESG経営の推進
<経営戦略>1.商品・顧客戦略
2.事業戦略
3.地域別戦略
4.成長投資戦略
5.経営資本戦略
(3) 経営環境
当社の主要な取引先である自動車業界においては、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)対応の加速、部品メーカー同士のコラボレーション、半導体・電子部品各社の自動車業界への参入など、100年に一度の大変革期と言われております。世界経済は2021年度も引き続き新型コロナウイルスの影響が懸念され、当社を取り巻く環境でも、半導体供給課題等による自動車業界各社の減産、原材料費の高騰と供給量不足、輸出物流の混乱、労務費上昇及び米中貿易摩擦などから不透明感が継続しております。
このような経営環境において、当社グループのコア事業である自動車関連事業は、①多角化推進②非日系OEM売上シェア向上③次世代商品の開発に対する取り組みを速やかに推進する必要があります。
また、多角化推進では医療事業の強化を図るとともに、新規事業の開拓にも取り組んでまいります。当社グループといたしましては、コア技術である弾性技術の開発に注力し、メーカーの原点である「良い製品を安く造る」ことについては、DXやIoTを積極的に導入し、高い生産性を追求するほか、総コスト削減の徹底により収益基盤の強化にも取り組んでまいります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
①お客様サービスの向上
自動車メーカーのグローバル展開が進み、部品会社間の競争が国内外を問わず激化している中で、当社グループがサプライヤーとして成長発展していくためには、お客様に満足頂けるトップクラスの品質、価格、納期及び新製品をも含めた開発力の向上が不可欠と認識しております。
品質面では、IATF16949:2016の認証を維持し、品質マネジメントシステムに沿った保証体制を継続的に整
備してまいります。また、価格面では、開発から製造までの一貫した合理化を積極的に推進することで、競争力確保を図ってまいります。
②商品群別戦略の強化
当社は市場の変化に迅速に対応し、事業分野ごとに開発・製造・販売・品質保証に至るまで一体運営を進めるために、SBU(戦略的ビジネスユニット)制を導入しております。単品の精密ばね、工業用ファスナーから樹脂・金属を組み合わせたユニット部品へのシフトを進めながら、より付加価値の高い製品の比重をグローバルに高め、今後の自動運転技術などの次世代車向け商品にも着実に取り組んでまいります。
③グローバル体制の拡充
自動車メーカーからの部品供給要請は、国境・系列を越えて今後も高度化・加速化するものと思われます。
当社グループとしては、既に拠点を持つアセアン、中国、北米、欧州でのビジネスを拡大、深化させるとともに、提携関係先とのアライアンスも活用しながら、海外売上高の拡大と収益基盤拡充に繋げてまいります。
④ESG経営の推進
企業に対する社会的な責任として、ESG経営(環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance))の推進が求められており、当社は2019年9月に「ESG経営推進委員会」を設置し、2020年11月にはCSRレポートを発行いたしました。利益を追求するだけでなく、当社の利害関係者の方々と協力し、地域・社会に貢献できる企業を目指してまいります。
〈環境 Environment〉
環境対応については、ISO14001:2015の認証を取得し、全てのお客様及び環境法規制の要請に応える体制
を築き上げております。また、CO₂排出量削減や資源の有効活用など、脱炭素社会と循環型社会を目指した活動
を推進してまいります。
〈社会 Social〉
当社は国内外グループで地域と密接に関わり、社会貢献に努めております。非営利的な活動として、周辺地域の清掃活動実施や生活困窮者への食糧支援、寄付などを実施する他、事業活動については、安全かつ高品質な製品を提供することで社会の発展に寄与しております。2021年1月には「ダイバーシティの推進」に向けた取り組みの一つとして女性活躍推進法に基づく優良企業認定「えるぼし」最高位(3段階)を取得いたしました。当社は、引き続き誰もが働き易く活躍できる職場環境の整備を進めてまいります。
〈ガバナンス Governance〉
当社グループは、中長期的な企業価値の向上を目指すため、コーポレート・ガバナンス体制の構築に努めております。2016年に監査等委員会設置会社に移行、2017年に取締役への株式報酬制度の導入、2018年に取締役の1/3を独立社外取締役体制化、2019年に指名・報酬諮問委員会を設置、2020年には女性取締役が就任するなど、ガバナンス強化を推進してまいりました。今後も当社グループは株主、顧客、従業員、取引先など様々なステークホルダーとの関係において、透明性を確保した企業経営の基本的枠組みのあり方を発展させてまいります。
⑤医療機器事業の展開
子会社の㈱パイオラックス メディカル デバイス(PMD)では、IVR(血管内治療)からスタートしましたが、消化器に使用する内視鏡治療、脳外科用の整形分野へと業容を拡大し、血管や管腔を利用し身体になるべく傷をつけずに治療する「低侵襲治療」に取り組んでおります。大学病院等との共同研究により、商品企画力・営業力の強化を図りつつ、高齢化社会のニーズを捉え、「人に優しい弾性材料」で作られた医療用具の開発・製造・販売を推進してまいります。
(1) 経営方針
当社グループは1933年に「加藤発條製作所」として創業し、自動車産業及び電機通信産業向けの精密金属ばねの生産からスタートしました。1969年には合成樹脂を素材としたファスナー類の開発及び製造にも事業拡大、1990年代には医療機器分野に進出し、産業・社会の発展に貢献してまいりました。
当社グループは、「弾性を創造するパイオニア(Pioneer)」をコーポレート・アイデンティティとして、金属や樹脂をはじめあらゆる素材の「弾性(Elasticity)」を科学することにより、自動車産業や医療関連など広く産業・社会に貢献することを経営の基本方針としております。
今後も当社のコア事業である自動車産業で培った高度な弾性技術を用いて、適切で戦略的な多角化を図りつつ、広く産業・社会に貢献してまいります。
(2) 経営戦略等
当社グループは、自動車産業向け部品供給を事業の中核とし、グローバルな展開を急速に進める同業界のニーズを先取りしつつ、多様かつ高度なご要請に積極的にお応えしていくことを中長期的な経営戦略として位置付けております。
当社グループは、上記の中長期的な経営戦略を明確化するために3年先までの中期経営計画を毎年ローリング方式で策定しております。
〈中期経営計画 2021年度~2023年度〉
当社グループの中期経営計画では、「弾性を創造するパイオニアとして、広く産業や社会に貢献する」をビジョンに掲げ、5つの基本方針に基づき、5つの経営戦略を立てております。
経営指標としては2024年3月期までに連結売上高700億円、連結営業利益105億円、ROE8%以上、連結配当性向30%以上としております。
<基本方針>1.既存事業の変革
2.新規/次世代事業への挑戦
3.経営基盤強化
4.将来に向けた積極投資
5.ESG経営の推進
<経営戦略>1.商品・顧客戦略
2.事業戦略
3.地域別戦略
4.成長投資戦略
5.経営資本戦略
(3) 経営環境
当社の主要な取引先である自動車業界においては、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)対応の加速、部品メーカー同士のコラボレーション、半導体・電子部品各社の自動車業界への参入など、100年に一度の大変革期と言われております。世界経済は2021年度も引き続き新型コロナウイルスの影響が懸念され、当社を取り巻く環境でも、半導体供給課題等による自動車業界各社の減産、原材料費の高騰と供給量不足、輸出物流の混乱、労務費上昇及び米中貿易摩擦などから不透明感が継続しております。
このような経営環境において、当社グループのコア事業である自動車関連事業は、①多角化推進②非日系OEM売上シェア向上③次世代商品の開発に対する取り組みを速やかに推進する必要があります。
また、多角化推進では医療事業の強化を図るとともに、新規事業の開拓にも取り組んでまいります。当社グループといたしましては、コア技術である弾性技術の開発に注力し、メーカーの原点である「良い製品を安く造る」ことについては、DXやIoTを積極的に導入し、高い生産性を追求するほか、総コスト削減の徹底により収益基盤の強化にも取り組んでまいります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
①お客様サービスの向上
自動車メーカーのグローバル展開が進み、部品会社間の競争が国内外を問わず激化している中で、当社グループがサプライヤーとして成長発展していくためには、お客様に満足頂けるトップクラスの品質、価格、納期及び新製品をも含めた開発力の向上が不可欠と認識しております。
品質面では、IATF16949:2016の認証を維持し、品質マネジメントシステムに沿った保証体制を継続的に整
備してまいります。また、価格面では、開発から製造までの一貫した合理化を積極的に推進することで、競争力確保を図ってまいります。
②商品群別戦略の強化
当社は市場の変化に迅速に対応し、事業分野ごとに開発・製造・販売・品質保証に至るまで一体運営を進めるために、SBU(戦略的ビジネスユニット)制を導入しております。単品の精密ばね、工業用ファスナーから樹脂・金属を組み合わせたユニット部品へのシフトを進めながら、より付加価値の高い製品の比重をグローバルに高め、今後の自動運転技術などの次世代車向け商品にも着実に取り組んでまいります。
③グローバル体制の拡充
自動車メーカーからの部品供給要請は、国境・系列を越えて今後も高度化・加速化するものと思われます。
当社グループとしては、既に拠点を持つアセアン、中国、北米、欧州でのビジネスを拡大、深化させるとともに、提携関係先とのアライアンスも活用しながら、海外売上高の拡大と収益基盤拡充に繋げてまいります。
④ESG経営の推進
企業に対する社会的な責任として、ESG経営(環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance))の推進が求められており、当社は2019年9月に「ESG経営推進委員会」を設置し、2020年11月にはCSRレポートを発行いたしました。利益を追求するだけでなく、当社の利害関係者の方々と協力し、地域・社会に貢献できる企業を目指してまいります。
〈環境 Environment〉
環境対応については、ISO14001:2015の認証を取得し、全てのお客様及び環境法規制の要請に応える体制
を築き上げております。また、CO₂排出量削減や資源の有効活用など、脱炭素社会と循環型社会を目指した活動
を推進してまいります。
〈社会 Social〉
当社は国内外グループで地域と密接に関わり、社会貢献に努めております。非営利的な活動として、周辺地域の清掃活動実施や生活困窮者への食糧支援、寄付などを実施する他、事業活動については、安全かつ高品質な製品を提供することで社会の発展に寄与しております。2021年1月には「ダイバーシティの推進」に向けた取り組みの一つとして女性活躍推進法に基づく優良企業認定「えるぼし」最高位(3段階)を取得いたしました。当社は、引き続き誰もが働き易く活躍できる職場環境の整備を進めてまいります。
〈ガバナンス Governance〉
当社グループは、中長期的な企業価値の向上を目指すため、コーポレート・ガバナンス体制の構築に努めております。2016年に監査等委員会設置会社に移行、2017年に取締役への株式報酬制度の導入、2018年に取締役の1/3を独立社外取締役体制化、2019年に指名・報酬諮問委員会を設置、2020年には女性取締役が就任するなど、ガバナンス強化を推進してまいりました。今後も当社グループは株主、顧客、従業員、取引先など様々なステークホルダーとの関係において、透明性を確保した企業経営の基本的枠組みのあり方を発展させてまいります。
⑤医療機器事業の展開
子会社の㈱パイオラックス メディカル デバイス(PMD)では、IVR(血管内治療)からスタートしましたが、消化器に使用する内視鏡治療、脳外科用の整形分野へと業容を拡大し、血管や管腔を利用し身体になるべく傷をつけずに治療する「低侵襲治療」に取り組んでおります。大学病院等との共同研究により、商品企画力・営業力の強化を図りつつ、高齢化社会のニーズを捉え、「人に優しい弾性材料」で作られた医療用具の開発・製造・販売を推進してまいります。