有価証券報告書-第123期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 12:27
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【項目】
167項目
事業を取り巻く経営環境は、国内においては、個人消費や設備投資による民需の下支えにより安定した状態が継続しております。個人消費は雇用や所得の改善の中で持ち直しが見られ、企業部門では収益改善の停滞が見られる中、省力化や技術革新の設備投資が増加しております。海外においては、中国や欧州での景気減速や米国の対中貿易制裁、英国のEU離脱問題などによる景気への影響懸念が強まっております。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループが経営の基本とするのは住友の事業精神であります。住友の事業精神に掲げられている「信用を重んじ確実を旨とする」「浮利に趨り軽進すべからず」の二点は、時代・景況の如何を問わず、いかなる環境においても事業のあるべき姿を示しております。当社グループは、この精神に則り、着実に事業構造の改革を進め、強固な企業体質を築いてまいります。
当社グループは「顧客価値創造」に徹してお客様の長期的信頼を得ることが、当社グループの持続的な発展と企業価値向上につながり、株主の皆様及び従業員・地域社会の期待に応えることになると考えております。
世界を舞台としてレベルの高い安定的な成長を確実なものとするため、一流商品を継続的にお客様に提供する「組織的知識創造型企業」をめざします。マーケティング、開発、生産効率を強化して、究極の「ものづくり」に取り組んでまいります。
(2) 中長期的な経営戦略、目標とする経営指標及び会社の対処すべき課題
①「中期経営計画2019」
「中期経営計画2019」では、2019年度に売上高8,000億円、営業利益率7.5%を達成することを財務目標としております。なお、ROICを引き続き当社グループの経営指標とし、ROIC>WACCの達成を継続するとともに、ROIC7.5%以上の確保をめざします。
上記の目標達成のため、①「着実な成長」の実現、②「高収益企業体」への転換、③「たゆみなき業務品質改善」による一流の商品・サービスの創出、④積極的な「M&A及び事業提携」等の実施、⑤「CSRの積極推進」を計画の基本方針に掲げ、一流の商品とサービスをグローバルに提供し、ステークホルダーの評価、信頼を通じて社会に貢献してまいります。
注力する分野としては、当社グループの広範囲な事業領域の中でも、エネルギー環境分野及び搬送システム分野を注力領域と定め、同分野への積極的展開を図ってまいります。
計画遂行においては、引き続き財務規律を維持するとともに、強化された財務体質を活かして成長に向けた投資を積極的に行ってまいります。具体的には「中期経営計画2016」における投資計画を370億円上回る、1,320億円の設備投資、開発投資を3年間で実施する計画であります。
なお、中期経営計画期間3か年における配当性向は30%を目標に設定しております。
② 2019年度の重点課題
「中期経営計画2019」の最終年度となる2019年度は、その計画達成に向けて、以下の施策に取り組んでまいります。
(a) 「着実な成長」の実現
事業拡大に向けた施策として、事業ごとの役割に応じて、投資を重点的かつタイムリーに実施することで競争力を維持強化し、グループ全体として着実な成長を図ってまいります。
また、機種ごとに培った固有技術に加え、材料、制御などの共通技術のブラッシュアップによる商品力強化を進めてまいります。そのために必要な設備投資、開発投資及び人材確保については、計画よりも前倒しで実施してまいります。
(b) 「高収益企業体への転換」
ポートフォリオ・マネジメントを継続し、グループ内での役割のもと、各事業の成長段階や外部環境を踏まえて目標利益と重点課題を明確にし、経営資源の再配分と事業構造改革を推進してまいります。機械コンポーネント事業や精密機械事業などの当社グループをリードする事業群においては、高い目標を設定して高成長高収益を牽引するとともに、全ての事業部門、機種、地域において達成すべき目標を設定し、その達成を通じて高収益体質への変革、事業の骨太化を図ります。
(c) 「たゆみなき業務品質改善」による一流の商品・サービスの創出
(ア) 製品及びサービスの品質の向上並びに業務プロセス変革の推進
当社グループは、総力を挙げて製品及びサービスの品質管理の徹底及びその向上に取り組み、あらためて品質第一の経営を実践してまいります。
また、事業部門間連携の施策として、アフターマーケット事業の強化をグループ共通課題と位置付け、顧客ニーズをグループ内で共有し積極的に活用するための営業プロセス変革を推進してまいります。さらに、技術開発部門、情報システム部門を中心に、ICT、IoTプロジェクトを進め、必要なインフラ整備にも取り組んでまいります。
(イ) コンプライアンスの徹底
当社グループは、コンプライアンスの徹底を最重要課題として引き続き実施してまいります。コンプライアンスマニュアルを改訂し、当社及びグループ各社の役員及び従業員に配付し、教育してまいります。また、各部門で実施しているコンプライアンス教育においては、コンプライアンス違反事例の教育を加えて実施するなど、グループ全体にコンプライアンス意識の一層の周知徹底を図ってまいります。
なお、当社及び当社グループ会社において、製品及びサービスに関し不適切な検査等が行われたことにつきましては、株主のみなさまに多大のご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。当社は、この事態を厳粛かつ真摯に受け止め、社外取締役を委員長とする特別調査委員会を設置し、不適切な検査等が生じた背景及び原因の究明を行いました。また、同委員会の提言を受け、当社グループとしての再発防止策を策定いたしました。関与した従業員につきましては、就業規則に基づく厳正な処分を行い、役員の一部においては、報酬の一部を返上いたしました。今後は、再発防止策を確実に実行し、業務品質の改善及びコンプライアンス最優先の経営方針の再徹底を図り、信頼の回復に全力を挙げて取り組んでまいります。
(ウ) 安全への取組み
当社グループは、安全衛生改革基本計画を2010年度に策定し、2017年度から2019年度までを第三次実行計画として安全衛生諸活動に取り組んでおります。この実行計画の目標を達成できるように努め、すべての働く人が心身ともに健康で、安全・安心して働ける快適な職場の実現に向けて取り組んでまいります。
(d) 積極的な「M&A及び事業提携」等の実施
グループ内での事業間シナジーの効果を実現すべく、必要に応じて組織統合や組織間連携を図る一方で、各事業の成長のために積極的に機会を捉えて、M&A及び他社との事業提携、協業も実施してまいります。
(e) 「CSRの積極推進」
2019年度は、CSR中期計画最終年度に当たり、4つの重点取組分野である「商品・サービス」、「環境」、「社会」、「人材」について以下の施策に取り組んでまいります。
「商品・サービス」では、社会課題の解決に資する商品・サービスの企画、開発に向けて2017年度から実施している各事業部門との対話を継続し、その結果を当社グループの社会貢献の課題へと総括してまいります。
「環境」では、商品のライフサイクルの中で特に環境負荷が大きい、使用過程におけるCO2排出量を削減するために、商品の環境性能評価を実施し、環境性能の向上を推進してまいります。また、ESG投資の動きに対応するため、当社の環境活動の成果を積極的に社外に発信するように注力してまいります。
「社会」では、社会からの信頼を獲得できるよう、取引先にも各種法令及び社会規範の遵守を求め、取引先との持続可能な関係の構築に取り組んでおります。2019年度も引き続き、取引先向けのCSR調達ガイドラインの説明会を、規模を拡大して実施してまいります。
「人材」では、ダイバーシティ推進活動を軸とし、多様な人材を活かす職場づくりを進めてまいります。
女性の活躍推進に向けた取組みとしては、「意識」、「制度」、「環境」の3つを柱として、女性管理職育成プログラム、仕事と家庭の両立支援、女性向けワークショップなどを通じての主体的なキャリア形成を支援してまいります。
より良い組織風土の醸成に向けた取組みとしては、多様な人材をマネジメントするための管理職研修の導入、男性の育児休業取得促進、全従業員のダイバーシティ理解促進のためのeラーニング実施など、幅広い活動を推進してまいります。
また、働き方改革の一環として、2019年4月から導入している在宅勤務制度の対象を、本社の管理職から段階的に拡大していくほか、引き続き長時間労働の削減にも取り組んでまいります。
さらに、健康な職場づくり推進のため、「健康づくり協議会」を設置し、重要課題であるメンタルヘルス疾患と循環器疾患の対策に取り組むなど、健康管理マネジメントシステムの円滑な運用を推進してまいります。
今後もこれらの取組みを統合して社内外へ発信し、当社グループのCSRの一層の浸透に努めてまいります。

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