有価証券報告書-第91期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 13:35
【資料】
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【項目】
180項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、成形システムビルダとして発展し、人と社会に貢献することを企業理念として掲げております。
この企業理念を基本姿勢として、金属その他各種素材に対応する独創的な成形システムの開発・製造・販売・サービスを通じて、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会などのステークホルダーと長期的な信頼関係を構築して、企業理念に掲げる人と社会への貢献を実現していく所存です。
(2) 目標とする経営指標
当社グループでは2026年度より新たな中期経営計画(2026年度~2030年度)をスタートさせました。
中期経営計画の最終事業年度となる2030年度における売上高は900億円、営業利益は81億円を目指します。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
新たな中期経営計画は下記に記載の前中期経営計画の振り返りを踏まえて策定しております。
<前中期経営計画(2023年度~2025年度)の振り返り>前中期経営計画については、自動車の「電動化」や「軽量化」といった次世代自動車のモノづくりや、顧客の生産設備の自動化やデジタル化による生産性向上、顧客の生産現場における省エネ・脱炭素といった環境負荷低減等、顧客や社会の課題に対し、当社の技術や製品により解決策を提供することで企業価値を高めるという経営方針のもと、EV・環境関連、自動機やサービスといった成長分野の強化に取り組んでまいりました。その結果、中期経営計画最終年度の2025年度において、売上は786億円と計画目標の750億円を達成しましたが、営業利益についてはEV需要の減速、原材料や人件費高騰の影響等により57億円と計画目標の62億円には未達となりました。
<環境の激変>自動車産業は、BEV需要の落ち込みと中国製BEVの低価格攻勢により、従来のBEVへの集中投資からHEV/PHEVを含むマルチパス戦略へと見直しを余儀なくされています。また、自動車の主要開発領域が「車体ハード」から「電池・ソフトウエア」へのシフトが進んでおり、自動車産業の構造的変化は設計やサプライチェーンにも大きな変化をもたらしています。さらに、米国通商政策や世界のブロック経済化の流れなど不確実性の高まりから投資行動にも慎重姿勢が見られる状況です。
今後の成長に向けた課題認識として、社会的には、世界経済の不確実性が高まり、企業活動における環境や人権への意識の高まり、企業のESG対応見直しの動き、人的投資の重要性の高まり等があげられます。ビジネス環境では、自動車軽量化に向けた成形素材の変化や一体化成形の広がり、地域紛争や政治的対立によるサプライチェーンの制約、AI活用拡大やDX化の進展、環境負荷を抑えた機械装置ニーズの高まり、といった課題が認識されています。
<経営理念の設定>当社はこれらの環境認識を前提に、経営理念を改めて設定したうえで、2030年までの中期経営計画『AIDA Growth 30』を推進してまいります。
従来の「成形システムビルダとして発展し、人と社会に貢献する」という企業理念は維持しつつ、以下の4つのマテリアリティを定義します。
① 素材に新たな価値を吹き込む、成形によって価値を創造する
② 社会課題をテクノロジーにより解決し経済価値を生み出す
③ プレス生産現場の生産性・安全性を具現化し、安全で人や環境にやさしい設備を提供する
④ 働く楽しさ・歓びを日常生活の一部として感じ、社員が企業と共に成長できる環境を作る
これらのマテリアリティをベースとして、以下のとおり経営理念を再設定しました。
<経営理念>
■パーパス成形が価値創造を生む社会へ
<先駆者としての役割は、プレス機械を提供し続け、その責務を負う>
■ビジョン社会的価値と経済的価値のトレードオンを目指す
<時代変化に合わせた目指す未来>
■ミッションプレス現場の課題解決、生産性・安全性の両立
<生産現場の課題を解決する使命>
■バリュー品質にこだわりを
<共有する価値観、AIDAらしさ>

世界情勢が急激に変化し、地域紛争、グローバリゼーションの変化、世界の分断等への対応が求められるなか、産業界に対し当社は、地域に根差した活動と地産地消、自社技術と相乗効果の最大化、コア・コンピタンスの維持拡大、AI活用を広げDX化と合わせた活用、環境負荷低減に向けた製品づくり、に取り組んでまいります。
<中期経営計画『AIDA Growth 30』におけるコンセプト>新たな中期経営計画におけるコンセプトは以下のとおりです。
従業員の働く幸せワーク・ライフ・バランスからワーク・イン・ライフへ
お客さまへの価値提供成形が価値を生み出す機械の提供
社会課題への取り組みイノベーションで社会の困りごとを解決
当社の存在意義と責務感動する成形を

具体的には、働く楽しさ、楽しみを日常生活の一部として感じられる環境づくり、つまり、ワーク・イン・ライフ思考への転換、社会課題解決を通じた価値創造によるお客さまや社会への貢献、人的資本経営の具現化、に取り組んでまいります。

(4) 当面の対処すべき課題の内容等
今回の新中期経営計画においては下記の6つの成長戦略を打ち出しました。
① プレス事業のコア・コンピタンス強化
② FA事業の拡大
③ サービス事業の拡大
④ 人的資本経営
⑤ 知的財産活用
⑥ 価値創造
これらの成長戦略を推進するための基本施策を以下のとおり展開してまいります。
① 3事業経営コア強化
<プレス事業>AIDAが持つコア・コンピタンスをさらに強化し、精密(高速)プレスのテクノロジーをさらに進化させます。また、生産体制について、高速プレス生産を津久井工場に集約させ、相模工場等における大型機・中型機の生産能力を拡充します。長年培ってきた素形材に関する知見と技術力を活かし、市場における成形素材の変化に対応してまいります。アルミ材やハイテン材の成形においては生産システム提案を展開します。
海外で課題となっていたFA製品の地産地消を拡大すべく、AIDAグループ生産工場エリアにFA生産拠点を展開し、FA生産システムを市場に提供していきます。高速プレス周辺において、モーターコア生産自動化システムを拡充し、グローバルでユーザーへのアプローチを強化します。
また、AIを活用しシステム監視による予知保全や操作性向上を実現するなど、システムの知能化を進めます。サーボモーター分野についてはREJとの連携強化等により特殊モーターを新規開発し、ニッチ市場を開拓します。
<サービス事業>FA事業との連携によりレトロフィットによる生産合理化の提案を強化します。また、グローバルに展開するユーザーに対し、各地域に根差したサービス活動を展開します。新興国でプレス生産方式や安全操作に関する教育活動を広げ(プレスアカデミー開催)、レトロフィットの拡販につなげます。
② 経営基盤強化
<人的資本経営>当社は人財こそが最も重要な財産と位置づけ、従業員が最大限に能力を発揮できるよう「働きがい」向上のための環境整備を進めます。働く楽しさや歓びを日常生活の一部として感じられる環境、働くことそのものに価値と喜びを見いだせる職場づくりにより、ワーク・ライフ・バランスからワーク・イン・ライフへというマインド変革を図ります。
個人の主体性を持った働き方を後押しするとともに、ゼネラリストだけでなく高い専門性を持つスペシャリストが能力を最大限発揮できる職場環境を整備するとともに、多様な業務経験を持つ人財の活用も進めてまいります。
<知的財産活用>従来知的財産を守るために取得してきた特許権や商標権等の知的財産を事業拡大や価値創造に活用いたします。
<価値創造>長い時間軸で価値を創造する長期戦略を構築します。投資やM&Aによる技術的シナジーを創出するとともに、企業が社会とともに持続的に成長する事業運営を行います。
<変化に強い組織>市場環境の変化に応じて、成長分野や高付加価値分野に機動的にリソースをシフトできる組織を目指します。そのための人財のリスキリングと多能化を推進します。
<サプライチェーン強化>経済のブロック化や地政学的リスクに対応すべく、グローバルで現地生産や現地調達を強化するとともに、サプライチェーンの複線化を進めます。
<デジタル・DX>社内人財のAI・DXスキルを向上させ業務の効率化を進めます。さらにDX・AI製品の拡販に向けたサブスクリプションビジネスの運営体制を整備いたします。
③ 資本政策
成長の実現と企業価値向上を後押しする財務戦略を推進いたします。グローバル市場の変化に対応したポートフォリオ改革を進めるための投資を積極的に行ってまいりますが、投資規律と資本効率を重視しつつ、適切な株主還元を実現するバランスのとれたキャピタルアロケーションを行います。
投資が生み出した利益は積極的に成長投資に活用しつつ、DOE3%以上を目指し安定配当を維持します。また、ROE8%以上を当面の目標とし持続的成長を図るなか、資本効率改善への取り組みとして、目標ROEを前提とする適正自己資本に向けバランスシートをマネージします。ネット現預金の適正水準を200億円とし、超過分を成長投資や株主還元に振り向けていきます。
資本政策の取組状況については、株主資本コスト、資本収益性(ROE、ROIC、EBITDA率)、市場評価(PBR、PER、株価)といった指標で検証してまいります。
④ 環境対策・社会貢献
当社は事業活動における脱炭素化や省エネを推進するとともに、これまでに培われた技術・開発力を活かし、当社製品を通じて社会のEV普及や代替エネルギー対策を後押ししております。また、ユーザーの皆様の生産現場における環境負荷低減、生産性向上、安全性向上を実現する製品やソリューションの提供を行っており、社会やユーザーの皆様の課題を解決することを通じて持続的成長を実現してまいります。

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