有価証券報告書-第90期(2024/10/01-2025/09/30)
(2) 重要なサステナビリティ項目と戦略
(2つのサステナビリティ)

① 事業を通じたサステナビリティ
② 事業の土台となるサステナビリティ
(マテリアリティの特定)
当社は、農林業用機械、工業用機械、防災機器の製造・販売を主な事業として、世界的な課題解決に向け取り組んでいますが、更に持続的な企業価値向上に向けマテリアリティを定めました。
ESGへの取り組みを基盤に、事業を通じたサステナビリティを進めるために社会と事業の接点における重要事項(マテリアリティ)を明確化し、ステークホルダーの皆様とベクトルを一つにして取り組むことで、更なる成長を目指します。
○ 特定したマテリアリティ
イ.事業を通じたサステナビリティ
ロ.事業の土台となるサステナビリティ
(「食・水・環境」分野の社会課題解決)
食料、水、温暖化、ウイルス、環境といった世界的課題解決に向け、当社のコア技術であるポンプとエンジンを更に進化させ、SDGsにつながる事業領域を将来にわたって継続的に拡大します。
世界的食糧難、水資源の活用、昨今多発している災害への対応、ウイルスへの対応、脱CO2などに対しては、当社の製品が大きく貢献できるものとの認識に立ち、ESG経営、SDGsの達成に向けた取り組みをより一層推進し、グローバル市場において社会貢献型企業であると認知いただけるよう活動を継続します。
(人と環境の理想的な調和)
当社グループは農林業向け機械の開発・製造を通じて社会へ貢献してきましたが、気候変動など地球環境保全が農林業に与える影響は大きく、重要な経営課題であることを認識し、積極的に取り組んでいます。
① CO2排出量50%削減へ向けた取り組み
当社では、2030年長期経営ビジョンの目標の一つにCO2排出量50%削減(2020年9月期比、Scope2)を掲げています。2022年9月期、当社の主力工場である千葉工場(千葉県東金市)及び2番目に生産量の多いグループ企業である日本クライス株式会社(千葉県東金市)では、使用する電力を再生可能エネルギー由来の電力へ変更しました。
これにより、自社の生産活動により発生するCO2排出量の40%相当(約2,300t-CO2)を削減できました。今後は、西部丸山株式会社(岡山県苫田郡鏡野町)に太陽光発電設備を導入し、また全拠点において再生可能エネルギー由来の電力へ変更を検討するなど、CO2削減に向けた取り組みを進めていきます。
② 環境への取り組み
・ 環境方針
地球温暖化、資源枯渇、環境汚染などの地球環境問題が依然として社会の深刻な問題となっています。当社グループは「誠意をもって人と事に當ろう」の社是、「人と環境の理想的な調和をめざして」のテーマのもと、地球環境保全活動にも積極的に取り組んでいます。
③ 小型軽量化を実現した世界初の2ストローク水素エンジンの安定運転に成功
カーボンニュートラル社会の実現に向け、小型屋外作業機においても電動化が進んでいます。しかし、高負荷で長時間の作業が必要なプロ向け作業機では過酷な使用条件が求められるため、すべてを電動に置き換えることは困難と言われています。
当社で安定運転に成功した小型2ストローク水素エンジンは、エンジンを真横や逆さにしても問題のない作業性と、水素を燃料とすることで排出するガスがほぼ水となり、作業機のクリーン化を実現し、プロ向けのニーズに応えています。
現在は、製品化に向け水素エンジンを用いた実作業での信頼性、耐久性の検証を行っております。また、運用が可能な水素充填方法の検討とリサーチを進めて販売の可能性を探ってまいります。
④ 廃消火器の回収・リサイクル
当社グループは、全国に指定引取場所を22拠点、処理施設を3拠点設け、一般社団法人日本消火器工業会の廃消火器リサイクルシステムの回収・処分方法に則って回収・処分を行っています。当社グループの廃消火器回収率は90%以上に達するほか、薬剤のリサイクル率は95%以上に達しており、年間約500トンの薬剤を新たな消火器の原料として再利用しております。
当社敷地内に新たに消火薬剤の回収・製造を行う工場を建設し、新工場では従来の工場よりも天井を高くし、作業環境の改善と作業性の向上を図っています。
⑤ TCFD宣言
イ.TCFDへの取組方針
当社グループは、「食・水・環境」分野の社会課題解決をマテリアリティの一つとしており、世界規模で大きく影響を及ぼす気候変動への対応を重要な経営課題、大きな社会的責任として受け止めております。
「誠意をもって人と事に當ろう」の社是のもと、人と環境の理想的な調和をめざして、グループ一丸となって取り組んでまいります。
ロ.ガバナンス
事業を通じた脱炭素社会への取り組みは、取締役会を最高決議機関とし、役員で構成されるサステナビリティ委員会に加え、次世代を担うミドルマネジメントで構成したサステナビリティ推進委員会により議論と活動推進を行います。
自社のGHG排出量の実態を正確に把握し、営業・生産・管理の各本部が相互に連携し、気候変動に関する様々な課題に誠意をもって取り組んでいきます。その輪は、お取引先様を始めとした全てのステークホルダーへ広げ、展開をしてまいります。
ハ.戦略
気候変動がもたらす様々な事象は、短中期・長期的なリスクとして年々顕在化されていきます。
「食・水・環境」分野の社会課題解決をマテリアリティとする当社グループでは、事業活動である農業・工業・防災製品の製造販売を通じて、世界規模の社会問題である気候変動へ「果敢な行動と挑戦」をしていきます。
気候変動に関する取り組みの為、「1.5℃/2℃シナリオ」、「4℃シナリオ」の外部シナリオを選定し、カーボンニュートラルの目標が掲げられた2050年に向けた事業への影響度の分析を実施しました。
ニ.リスクと機会創出
日本政府によるカーボンニュートラルの目標が掲げられた2050年時点における、事業への影響度分析を行いました。
[気候関連リスク] 低炭素経済へ向かう企業のリスク
[気候関連機会] 気候変動に関連する経営改革の機会
ホ.指標・目標
当社グループでは、2050年のカーボンニュートラルを目指して、事業を通じた活動によるGHG排出量の削減を目標に、丸山グループ一丸となり取り組んでいきます。
具体的には、GHG排出量削減に向けた取り組みとして、Scope3において、CO2削減に向けた実施フローを策定し、取引先と共有していきます。また、自社開発を行っている環境配慮型エンジンを製品に実装し、既存エンジンから排出されているGHG排出量を削減いたします。
(社会・従業員との共栄)
当社グループは社会の一員として、持続的成長には、すべてのステークホルダーとの対話が必要であると認識しています。特に、成長の担い手となる従業員の力が不可欠です。そのため、当社グループでは多様な人材が長く活躍し続けられる労働環境と、一人ひとりの創造力とチームワークを最大限に高める企業風土の確立に努めています。
① 人的資本に関する考え方・戦略
丸山グループは、社会になくてはならない企業である事を目指し、「食・水・環境」の各分野の課題解決に向け、創業以来、全従業員と歩んでまいりました。
その根本には社是「誠意をもって人と事に當ろう」があり、創業以来、脈々と全従業員に意識され事業活動を展開してまいりました。
今後、ブランドステートメントである「次の100 年を創る-All for the Future-」を実践し、より良い社会を創るためには、働き甲斐と自己成長が実感できる企業であることが必要不可欠と考えております。
当社グループでは、事業を通じたサステナビリティとして[「食・水・環境」分野の社会課題解決]と掲げ、これを支える土台のESG経営として、E:人と環境の理想的な調和
S:社会・従業員との共栄
G:ガバナンスの強化
を定義しております。
この中の[S]においては取組みテーマの一つとして、
・多様な人材の能力開発と働き甲斐を実現する
としており、これをなしうるベく、KPIを定め活動しております。(17ページ参照)
当社グループでは、中長期的な企業価値の向上には、多様な人材の活躍と能力開発を促進することが不可欠です。多様性を尊重し、従業員が持つ個性や強みを最大限に活かすことで、イノベーションを創出し、持続的な成長を実現します。人材の活性化、人材育成・教育を目的に2017年10月に人材育成委員会を発足させ、1~2カ月に1回程度の開催頻度で、体系的な従業員の育成に向けた取り組み、従業員満足度向上への施策の検討を進めています。その中でも本部毎のキャリア育成体系の確立やキャリアプランに即したコア人材育成への取り組みの具体化を進めています。
更に、働き方改革、同一労働・同一賃金、育児・介護休業などへの対応を図るため、2020年10月から人事制度改革に着手し、従業員満足度調査の結果に基づいた規程類の見直しや労働協約に関わる様々な案件について適宜、協議を進めています。具体的には、能力や会社への貢献度により賃金が決まる属人的な要素を排除した仕組みや65歳定年制、年次有給休暇の時間単位取得制度の導入など、サステナブルな成長の実現を目指しています。
② 健康経営
当社グループは、社会になくてはならない企業を目指し、「食・水・環境」の各分野の課題解決に向け、創業以来、全従業員と歩んできました。ブランドステートメントである「次の100年を創る -All for
the Future-」を実践し、より良い社会を創るには、従業員とその家族が健康で、働き甲斐を実感できることが必要不可欠と考えています。
当社グループは、健康経営を通じて従業員が長く安心して、活き活きと働き続けられる企業を目指し、従業員の健康づくりを推進しており、経済産業省と日本健康会議が共同で選出する「健康経営優良法人認定制度」の大規模法人部門で「健康経営優良法人」に2021年以降4年連続で認定されました。
・ 推進体制
代表取締役社長を健康経営推進最高責任者(CHO)とし、関連部署及び健康保険組合、産業医と連携し、健康経営に取り組んでいます。

③ 女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画
男女ともに全従業員が活躍できる雇用環境の整備を行うため、次のとおり行動計画を策定しています。
イ.計画期間
2021年10月1日から2026年3月31日までの4年6カ月
ロ.目標と取組内容及び実施時期
目標1(職業生活に関する機会の提供に関する目標):採用者に占める女性の割合を30%以上とする。
目標2(職業生活と家庭生活との両立に関する目標):全社員の有給休暇取得率を75%以上とする。
(コーポレート・ガバナンスの強化)
当社では、「誠意をもって人と事に當ろう」という「社是」にあるように、誠実に社会的責任を果たすことで、社会から広く信頼を得ることを経営の最重要課題として取り組んでいます。そして当社では、株主・お客様・お取引先様・地域社会・従業員などの立場を踏まえた上で、透明・公正・果断な意思決定を行うために、コーポレート・ガバナンスの実効性を高め、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を積極的に推進しています。
(2つのサステナビリティ)

① 事業を通じたサステナビリティ
| 食 | 水 | 環境 |
| 安心安全な「食」を 世界に届けることに貢献する | 限りある「水資源」の 保全に貢献する | 「環境」と「生命」を守るとともに、カーボンニュートラルな社会の 実現に貢献する |
| 食料の安定的な生産、農業の安全性向上に貢献し、農林業の未来を見据えた製品開発を行ってまいります。 | 水資源を有効活用し、水を変える技術を通じて環境負荷低減に貢献してまいります。 | 安全で過ごしやすい快適な生活環境の創出に貢献してまいります。 |
| 製品の自動化・安全化 | 水を変える製品展開 | 環境衛生用製品展開 |
| グローバル市場への更なる展開 | 水資源の再利用製品展開 | 製品のリサイクル |
② 事業の土台となるサステナビリティ
| E | 取り組みテーマ ●カーボンニュートラルな社会を実現する ●省資源化の実現と資源循環への取り組み ●持続可能な調達活動・グリーン調達の取り組み |
| S | 取り組みテーマ ●多様な人材の能力開発と働き甲斐を実現する ●製品の品質と安全性の向上 ●サプライチェーンマネジメントの強化 |
| G | 取り組みテーマ ●コーポレートガバナンスの強化 ●リスクマネジメントの強化 |
(マテリアリティの特定)
当社は、農林業用機械、工業用機械、防災機器の製造・販売を主な事業として、世界的な課題解決に向け取り組んでいますが、更に持続的な企業価値向上に向けマテリアリティを定めました。
ESGへの取り組みを基盤に、事業を通じたサステナビリティを進めるために社会と事業の接点における重要事項(マテリアリティ)を明確化し、ステークホルダーの皆様とベクトルを一つにして取り組むことで、更なる成長を目指します。
○ 特定したマテリアリティ
イ.事業を通じたサステナビリティ
| 区分 | マテリアリティ | 活動重要テーマ | No. | KPI | 2030年度目標 | 2025年度進捗 |
| 事業 | 「食・水・環境」 分野の社会課題解決 | 安心安全な「食」を世界に届けることに貢献する | 1 | 世界の食糧生産増加に貢献するスマート農業製品の開発と生産 | スマート農業製品の市場導入機種の拡大 | ラジコン草刈機や大型防除機の自動操舵システムの開発 |
| 2 | 海外農業市場の機械化への貢献と販路拡大 | 海外売上高比率40% | 海外売上高比率:22.5% | |||
| 限りある「水資源」の保全に貢献する | 3 | 水の力を最大限引き出すMUFB技術の開発と販売 | 総売上高に対するMUFB売上高割合の拡大 | MUFB売上高の割合:0.5% | ||
| 4 | 節水が期待できる高圧ポンプの市場投入 | 超高圧タイプのリリース | 超高圧ポンプリリースに向けた試作機の製作中 | |||
| 5 | 災害時に生活用水を生成するRO装置の販売 | 各自治体や、災害弱者施設への導入 | 海水対応RO装置の市場リリース完了 | |||
| 「環境」と「生命」を守るとともに、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献する | 6 | コア・テクノロジーを活かした環境衛生機器(洗浄・除菌・消臭)の市場投入 | 防災関連分野、環境衛生分野市場への導入機種拡大 | 各分野への関連機器投入に向けた開発の継続 | ||
| 7 | 温室効果ガス排出を最大限低減した内燃機関の開発 | 新型エンジンを搭載した製品の実用化 | EFI技術を搭載したエンジン製品開発と、水素エンジン実用化に向けた製品開発の継続 | |||
| 8 | バッテリを搭載した製品の開発と生産 | バッテリ製品の市場導入機種の拡大 | 2024年度 38機種 → 2025年度 43機種 |
ロ.事業の土台となるサステナビリティ
| 区分 | マテリアリティ | 活動重要 テーマ | No. | KPI | 2030年度目標 | 2025年度進捗 |
| E (環境) | 人と環境の理想的な調和 | カーボンニュートラルな社会を実現する | 9 | 自社内で使用する電力の再生可能エネルギーへの転換 | 全体電力量の90%使用 | 再生可能エネルギー使用率:57.2% |
| 10 | 自社から排出されるCO2量の削減 | 40%削減(Scope1) 50%削減(Scope2) | Scorp1削減率:9.5% Scorp2削減率:57.2% (2020年度比) | |||
| 省資源化の実現と資源循環への取組み | 11 | 生産活動により排出される廃棄物量の削減 | 生産高原単位、廃棄物量20%削減 | 生産設備更新により一時的に廃棄物量が拡大 | ||
| 12 | 廃消火器の回収と、消火薬剤リサイクルの継続 | 自社販売消火器のリサイクル薬剤使用の継続 | 自社製造消火器のリサイクル薬剤使用率:100% | |||
| 持続可能な調達活動・グリーン調達の取組み | 13 | 製品の有害化学物質管理の強化 | サプライヤーからの有害化学物質管理のための宣言書の取得と自社内での管理体制の構築 | 宣言書取得に向けてのサプライヤーへの説明と社内体制の整備 | ||
| S (社会) | 社会・従業員との共栄 | 多様な人材の能力開発と働き甲斐を実現する | 14 | 成長機会の創造と人材育成 | 海外を含めたグループ各社経営幹部層へのサクセッションプラン拡大 | サクセッションプランの運用スタート |
| 15 | 多様な発想や価値観を持つ人材育成のためのDE&Iの推進 ①人事制度の充実、整備 ②女性採用比率の向上 ③女性管理職の増加 ④キャリア採用の拡大 ⑤グローバル人材の確保 | ①柔軟な働き方ができる制度の確立 ②30%以上(2027年度) ③7名以上 ④30名 ⑤30名 | ①年次有給休暇の時間単位取得制度の導入 ②女性採用比率:11.5% ③女性管理職人数:5名 ④キャリア採用人数:11名 ⑤グローバル人材在籍人数:24名 | |||
| 16 | 従業員全員が健康的に働ける環境づくりの推進 ①健康経営推進 ②ホワイト500認定 ③有休取得率の向上 ④男性育休取得率の向上 | ①健康経営プロジェクトによる啓蒙活動の継続 ②ホワイト500認定取得 ③90%(2027年度) ④50%(2027年度) | ①毎月の健康セミナー動画の配信 ②認定に向けたプロジェクト活動の実施継続 ③有休取得率:73.2% ④男性育休取得率:76.9% | |||
| 17 | 高度化するデジタル時代に対応できるDX、AI人材の育成 | デジタル、AIスキルを身につけた人材の拡大(全社員の15%) | IT系資格取得促進の取組中 | |||
| 製品の品質と安全性の向上 | 18 | 製品安全への取組みの充実 安全で信頼性の高い製品開発、生産 | 重大事故とリコール件数の削減 | 重大事故件数:0件 リコール件数:2件 | ||
| サプライチェーンマネジメントの強化 | 19 | CSR調達の推進 | 取引先のCSRアンケート実施とフォローアップの徹底 | CSRアンケート実施に向けた社内体制の整備 | ||
| G (ガバナンス) | ガバナンスの強化 | コーポレートガバナンスの強化 | 20 | 法令順守とガバナンスのグローバル展開 | 法令に関する確認統制機能の強化と海外を含むグループ内での重大な法令違反ゼロの継続 | 確認統制機能の整備完了 重大な法令違反件数:発生ゼロ |
| リスクマネジメントの強化 | 21 | 災害発生時の対応力強化 | 各部門におけるBCP訓練実施の継続 | BCMの運用と事業継続計画の見直し | ||
| 22 | 情報セキュリティの強化と個人情報の適正管理 | 個人情報漏洩事故発生件数ゼロの継続 | 個人情報漏洩事故件数:発生ゼロ |
(「食・水・環境」分野の社会課題解決)
食料、水、温暖化、ウイルス、環境といった世界的課題解決に向け、当社のコア技術であるポンプとエンジンを更に進化させ、SDGsにつながる事業領域を将来にわたって継続的に拡大します。
世界的食糧難、水資源の活用、昨今多発している災害への対応、ウイルスへの対応、脱CO2などに対しては、当社の製品が大きく貢献できるものとの認識に立ち、ESG経営、SDGsの達成に向けた取り組みをより一層推進し、グローバル市場において社会貢献型企業であると認知いただけるよう活動を継続します。
| 食 | 世界的な人口増加に対応し、食料の生産性向上に向け、当社がこれまで培ってきた農業用機械と新しい技術により貢献 |
| 水 | ウルトラファインバブルや逆浸透膜などを活用し、水の力を最大限に発揮する製品開発で水資源保全に貢献 |
| 環境 | 農業で使用する化学肥料の削減や二酸化炭素排出量の削減に向けたエンジンなどの開発を通じて環境保全に貢献 |
(人と環境の理想的な調和)
当社グループは農林業向け機械の開発・製造を通じて社会へ貢献してきましたが、気候変動など地球環境保全が農林業に与える影響は大きく、重要な経営課題であることを認識し、積極的に取り組んでいます。
① CO2排出量50%削減へ向けた取り組み
当社では、2030年長期経営ビジョンの目標の一つにCO2排出量50%削減(2020年9月期比、Scope2)を掲げています。2022年9月期、当社の主力工場である千葉工場(千葉県東金市)及び2番目に生産量の多いグループ企業である日本クライス株式会社(千葉県東金市)では、使用する電力を再生可能エネルギー由来の電力へ変更しました。
これにより、自社の生産活動により発生するCO2排出量の40%相当(約2,300t-CO2)を削減できました。今後は、西部丸山株式会社(岡山県苫田郡鏡野町)に太陽光発電設備を導入し、また全拠点において再生可能エネルギー由来の電力へ変更を検討するなど、CO2削減に向けた取り組みを進めていきます。
② 環境への取り組み
・ 環境方針
地球温暖化、資源枯渇、環境汚染などの地球環境問題が依然として社会の深刻な問題となっています。当社グループは「誠意をもって人と事に當ろう」の社是、「人と環境の理想的な調和をめざして」のテーマのもと、地球環境保全活動にも積極的に取り組んでいます。
| 丸山製作所グループの環境方針 株式会社丸山製作所は、「農業用機械、工業用機械、消防用機械」などを提供する事業を通じて、より豊かな社会に貢献するとともに地球環境負荷の低減に積極的に取り組みます。 ・環境管理のPDCAサイクルを確立・運用し、環境パフォーマンス向上を目的に継続的改善を図ります。 ・行政、利害関係者等からの環境関連の規制・規則・協定などを順守します。 ・廃棄物の削減及びリサイクルを促進し、省資源・省エネルギー化を図り、またそれら環境に配慮した製品開発に取り組むことで地球温暖化、資源枯渇、環境汚染の低減及び環境保護に努めます。 ・従業員に対し、環境意識の向上のため、啓蒙活動を継続的に行います。 |
③ 小型軽量化を実現した世界初の2ストローク水素エンジンの安定運転に成功
カーボンニュートラル社会の実現に向け、小型屋外作業機においても電動化が進んでいます。しかし、高負荷で長時間の作業が必要なプロ向け作業機では過酷な使用条件が求められるため、すべてを電動に置き換えることは困難と言われています。
当社で安定運転に成功した小型2ストローク水素エンジンは、エンジンを真横や逆さにしても問題のない作業性と、水素を燃料とすることで排出するガスがほぼ水となり、作業機のクリーン化を実現し、プロ向けのニーズに応えています。
現在は、製品化に向け水素エンジンを用いた実作業での信頼性、耐久性の検証を行っております。また、運用が可能な水素充填方法の検討とリサーチを進めて販売の可能性を探ってまいります。
④ 廃消火器の回収・リサイクル
当社グループは、全国に指定引取場所を22拠点、処理施設を3拠点設け、一般社団法人日本消火器工業会の廃消火器リサイクルシステムの回収・処分方法に則って回収・処分を行っています。当社グループの廃消火器回収率は90%以上に達するほか、薬剤のリサイクル率は95%以上に達しており、年間約500トンの薬剤を新たな消火器の原料として再利用しております。
当社敷地内に新たに消火薬剤の回収・製造を行う工場を建設し、新工場では従来の工場よりも天井を高くし、作業環境の改善と作業性の向上を図っています。
⑤ TCFD宣言
イ.TCFDへの取組方針
当社グループは、「食・水・環境」分野の社会課題解決をマテリアリティの一つとしており、世界規模で大きく影響を及ぼす気候変動への対応を重要な経営課題、大きな社会的責任として受け止めております。
「誠意をもって人と事に當ろう」の社是のもと、人と環境の理想的な調和をめざして、グループ一丸となって取り組んでまいります。
ロ.ガバナンス
事業を通じた脱炭素社会への取り組みは、取締役会を最高決議機関とし、役員で構成されるサステナビリティ委員会に加え、次世代を担うミドルマネジメントで構成したサステナビリティ推進委員会により議論と活動推進を行います。
自社のGHG排出量の実態を正確に把握し、営業・生産・管理の各本部が相互に連携し、気候変動に関する様々な課題に誠意をもって取り組んでいきます。その輪は、お取引先様を始めとした全てのステークホルダーへ広げ、展開をしてまいります。
ハ.戦略
気候変動がもたらす様々な事象は、短中期・長期的なリスクとして年々顕在化されていきます。
「食・水・環境」分野の社会課題解決をマテリアリティとする当社グループでは、事業活動である農業・工業・防災製品の製造販売を通じて、世界規模の社会問題である気候変動へ「果敢な行動と挑戦」をしていきます。
気候変動に関する取り組みの為、「1.5℃/2℃シナリオ」、「4℃シナリオ」の外部シナリオを選定し、カーボンニュートラルの目標が掲げられた2050年に向けた事業への影響度の分析を実施しました。
| 分類 | 参照した 外部シナリオ | シナリオ 説明 | シナリオ分析の概要 | ||
| 社会情勢 | 自然環境 | 市場動向 | |||
| 1.5℃/2℃ シナリオ | IPCC AR6 SSP1-1.9 | 社会・市民の意思により2℃以下の温暖化の抑制を達成する | ○株主・顧客の環境志向が高まる ○政府から気候関連の法規制が強化される ○法規制により企業・個人への負担が増加する ○法規制へ対応できない企業は淘汰される | ○気温の上昇による自然災害が増加する ○農作物の品種や種類などが変容していく ○温暖化により農地が移り変わる | ○脱(低)炭素製品の需要が増加する ○脱(低)炭素対応への設備投資が増加する ○防災意識が高まり、防災製品の需要が増加する ○原材料、エネルギーコストが増加する |
| IPCC AR6 SSP1-2.6 | |||||
| 4℃ シナリオ | IPCC AR6 SSP5-8.5 | 経済成長が優先され温暖化が4℃を超えてしまう | ○各国・各社の急激な経済成長がおき、貧富の差がさらに大きくなる ○エネルギー資源が枯渇する | ○自然災害が激増、農業従事者・農地が激減する ○農作物の収穫量が大幅に減少する ○生態系がくずれ、生物や自然が減少する ○食糧難に陥る | ○防災製品の需要が増加する ○減少した農作物の収穫量を補うべく、生産性向上のための製品の需要が増加する ○原材料、エネルギーコストが増加する |
ニ.リスクと機会創出
日本政府によるカーボンニュートラルの目標が掲げられた2050年時点における、事業への影響度分析を行いました。
[気候関連リスク] 低炭素経済へ向かう企業のリスク
| 大分類 | 小分類 | 指標 | シナリオ及びリスク | 求められる対応や同行 | 2℃ 影響 | 4℃ 影響 | |
| 移行リスク | 政策 /規制 | ①炭素税の導入・上昇 | コスト | 直材、生産、輸送、幅広く影響しコストが上昇 | CO2を排出しない手法、排出削減の取組 | 大 | 大 |
| ②CO2排出削減の法規制 | 設備投資 | CO2排出の規制、省エネへの取り組みにより設備投資が増加 | 設備更新やプロセスの最適化による生産性の向上 | 小 | 大 | ||
| 技術 | ③排気ガス規制への対応 | コスト | 規制強化により、製品開発および部品に関するコストの増加 | 新たな技術の導入と開発、他社との協業 | 小 | 大 | |
| ④低炭素技術への入れ替え | 設備投資 | 環境対応材料への変更によるコスト増加 | 設備更新やプロセスの最適化による生産性の向上 | 小 | 大 | ||
| 市場 | ⑤原材料の高騰 | コスト | コストの増加や調達難 | 部品の共通化や内製化の促進 | 中 | 大 | |
| ⑥消費者の行動変化 | 収益 | 気候変動による環境負荷を考慮した製品の価格高騰に伴う需要の減少 | 環境配慮製品のシェアの拡大 | 大 | 大 | ||
| ⑦国内労働人口の減少 | 収益 | 農業従事者の減少 | 農業規模の集約・企業化による機械の大型化、自動化の需要増 | 大 | 大 | ||
| 評判 | ⑧ステークホルダーの評判変化 | 資本 | 気候変動への対策が不十分な場合、投資家の評判悪化、資金調達が困難 | ESGレポートの公開と整備 | 中 | 大 | |
| 物理的リスク | 急性 (短・中期) | ⑨水ストレスによる生産量の減少 | コスト | 水不足により水の確保が困難となり、価格が高騰 | ポンプ技術のさらなる付加価値上昇 | 大 | 大 |
| ⑩異常気象の激甚化 | 収益 | 暴風雨などの異常気象の頻発で、被害を受ける産地が多発 | 農業分野における防災製品の開発 | 大 | 大 | ||
| 慢性 (長期) | ⑪平均気温の上昇 | 収益 | 作物の品質劣化や収量低下が発生 | 機械による品質向上と収穫量増の提案 | 大 | 大 | |
| ⑫農業従事者の生産性低下 | コスト | 気温上昇により労働生産性が低下、コスト増加による価格高騰 | 機械による自動化、生産性向上の提案 | 大 | 大 |
[気候関連機会] 気候変動に関連する経営改革の機会
| 大分類 | 小分類 | 指標 | 見込める機会 | 1.5/2℃影響 |
| 製品 | 環境負荷を考慮した製品への更新 | 収益 | 環境配慮製品需要拡大によるシェアアップ | 大 |
| 農業人口減少による 省力・高効率製品の需要増加 | 収益 | 高効率な大型・IoT製品の需要増による販売の拡大 | 大 | |
| 市場 | 低炭素製品の需要増加 | 収益 | 低炭素製品の需要増加による収益増 | 大 |
| 収益 | 次世代エンジンの市販・普及 | 大 | ||
| 評価 | 気候変動対策が法令や株式市場での 必須項目となる | 資本 | 気候変動へ事業で取り組む会社が評価される | 大 |
| 資源 | 水資源の再生・活用 | 収益 | MUFB・RO製品の普及促進 | 大 |
ホ.指標・目標
当社グループでは、2050年のカーボンニュートラルを目指して、事業を通じた活動によるGHG排出量の削減を目標に、丸山グループ一丸となり取り組んでいきます。
具体的には、GHG排出量削減に向けた取り組みとして、Scope3において、CO2削減に向けた実施フローを策定し、取引先と共有していきます。また、自社開発を行っている環境配慮型エンジンを製品に実装し、既存エンジンから排出されているGHG排出量を削減いたします。
| 項目 | 内容 | 基準 | 目標 | 進捗 |
| 2030年 | 2025年 | |||
| GHG排出量(総量) | Scope1 | 2020年 | 40%減 | 9.5%減 |
| Scope2 | 2020年 | 50%減 | 57.2%減 |
| 項目 | 取り組み |
| GHG排出量削減に向けた取り組み | Scope3において、CO2削減に向けた実施フローを策定し、取引先と共有してまいります。 また、自社開発を行っている環境配慮型エンジンを製品に実装し、既存エンジンから排出されているGHG排出量を削減いたします。 |
(社会・従業員との共栄)
当社グループは社会の一員として、持続的成長には、すべてのステークホルダーとの対話が必要であると認識しています。特に、成長の担い手となる従業員の力が不可欠です。そのため、当社グループでは多様な人材が長く活躍し続けられる労働環境と、一人ひとりの創造力とチームワークを最大限に高める企業風土の確立に努めています。
① 人的資本に関する考え方・戦略
丸山グループは、社会になくてはならない企業である事を目指し、「食・水・環境」の各分野の課題解決に向け、創業以来、全従業員と歩んでまいりました。
その根本には社是「誠意をもって人と事に當ろう」があり、創業以来、脈々と全従業員に意識され事業活動を展開してまいりました。
今後、ブランドステートメントである「次の100 年を創る-All for the Future-」を実践し、より良い社会を創るためには、働き甲斐と自己成長が実感できる企業であることが必要不可欠と考えております。
当社グループでは、事業を通じたサステナビリティとして[「食・水・環境」分野の社会課題解決]と掲げ、これを支える土台のESG経営として、E:人と環境の理想的な調和
S:社会・従業員との共栄
G:ガバナンスの強化
を定義しております。
この中の[S]においては取組みテーマの一つとして、
・多様な人材の能力開発と働き甲斐を実現する
としており、これをなしうるベく、KPIを定め活動しております。(17ページ参照)
当社グループでは、中長期的な企業価値の向上には、多様な人材の活躍と能力開発を促進することが不可欠です。多様性を尊重し、従業員が持つ個性や強みを最大限に活かすことで、イノベーションを創出し、持続的な成長を実現します。人材の活性化、人材育成・教育を目的に2017年10月に人材育成委員会を発足させ、1~2カ月に1回程度の開催頻度で、体系的な従業員の育成に向けた取り組み、従業員満足度向上への施策の検討を進めています。その中でも本部毎のキャリア育成体系の確立やキャリアプランに即したコア人材育成への取り組みの具体化を進めています。
更に、働き方改革、同一労働・同一賃金、育児・介護休業などへの対応を図るため、2020年10月から人事制度改革に着手し、従業員満足度調査の結果に基づいた規程類の見直しや労働協約に関わる様々な案件について適宜、協議を進めています。具体的には、能力や会社への貢献度により賃金が決まる属人的な要素を排除した仕組みや65歳定年制、年次有給休暇の時間単位取得制度の導入など、サステナブルな成長の実現を目指しています。
② 健康経営
当社グループは、社会になくてはならない企業を目指し、「食・水・環境」の各分野の課題解決に向け、創業以来、全従業員と歩んできました。ブランドステートメントである「次の100年を創る -All for
the Future-」を実践し、より良い社会を創るには、従業員とその家族が健康で、働き甲斐を実感できることが必要不可欠と考えています。
当社グループは、健康経営を通じて従業員が長く安心して、活き活きと働き続けられる企業を目指し、従業員の健康づくりを推進しており、経済産業省と日本健康会議が共同で選出する「健康経営優良法人認定制度」の大規模法人部門で「健康経営優良法人」に2021年以降4年連続で認定されました。
・ 推進体制
代表取締役社長を健康経営推進最高責任者(CHO)とし、関連部署及び健康保険組合、産業医と連携し、健康経営に取り組んでいます。

③ 女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画
男女ともに全従業員が活躍できる雇用環境の整備を行うため、次のとおり行動計画を策定しています。
イ.計画期間
2021年10月1日から2026年3月31日までの4年6カ月
ロ.目標と取組内容及び実施時期
目標1(職業生活に関する機会の提供に関する目標):採用者に占める女性の割合を30%以上とする。
| 実施時期 | 取り組み内容 |
| 2021年10月~ | 女子学生の応募を増やすため、ホームページの採用ページの内容を見直す。 |
| 2022年10月~ | 女性の採用拡大に向けた、インターンシップを実施する。 |
| 2023年4月~ | 女子学生を対象とした会社説明会を実施する。 |
| 2024年10月~ | 技能職女性育成研修を実施する。 |
目標2(職業生活と家庭生活との両立に関する目標):全社員の有給休暇取得率を75%以上とする。
| 実施時期 | 取り組み内容 |
| 2021年10月~ | 全従業員に1人1年間で8日以上の有給休暇取得促進を促す。 |
| 2022年10月~ | 四半期ごとの有給休暇取得日数を上司に情報提供する。 |
| 2023年10月~ | 有給休暇取得状況の結果を振り返り取得率向上計画を策定する。 |
| 2024年10月~ | 有給休暇取得率目標達成に向けた計画の見直しを行う。 |
| 2025年10月~ | 有給休暇取得率向上のための業務の削減案を検討する。 |
(コーポレート・ガバナンスの強化)
当社では、「誠意をもって人と事に當ろう」という「社是」にあるように、誠実に社会的責任を果たすことで、社会から広く信頼を得ることを経営の最重要課題として取り組んでいます。そして当社では、株主・お客様・お取引先様・地域社会・従業員などの立場を踏まえた上で、透明・公正・果断な意思決定を行うために、コーポレート・ガバナンスの実効性を高め、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を積極的に推進しています。