有価証券報告書-第123期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
① 企業戦略と関連付けた人材戦略
1) 経営戦略の実現に向けた人材価値の最大化
当社は戦略経営計画「FUSION30」において、5つの項目を重点テーマとして掲げております。「A.高収益領域での成長」「B.収益体質の強靭化」「C.さらなる成長に向けた重点領域の強化」の3つと、それらを支える「D.経営基盤の高度化」、そして「E.持続的成長と企業価値向上に向けた資本政策」です。
「FUSION30」ではめざす姿として「環境と空気の新たな価値」を世界へ提供することを掲げており、特にテーマの1つ目に掲げる「高収益領域での成長」においては、顧客のライフサイクル全体でどんな価値(課題解決)を提供できるかという顧客目線に立ち、空調機器を中心としたモノ売りからソリューションプロバイダへとビジネスモデルを変革することが重要となります。こういった変革を加速し、グループの持続的な成長を実現するためには、一部の職種・部門ではなく、一人ひとりが新たな挑戦・成果を生み出し、成長し続けるための環境づくり・人事施策の確立と、従業員のマインドセットの変革が必須となります。「FUSION30」は「D.経営基盤の高度化」の一つとして位置づけられる「人材価値の最大化」なくしては実現できない挑戦です。
2) 社内に蓄積された独自の良さ・強みを活かし、変革を推進するカルチャーの高度化
当社の“人”に関する強みとして「人を基軸におく経営(People-Centered Management)」という独自の考え方があります。当社は「人は無限の可能性をひめたかけがえのない存在であり、一人ひとりの成長の総和が企業の発展の基盤である」という信念のもと、企業の競争力の源泉、そして変革の担い手は“人”であるという考え方を創業以来貫いてきました。
そうした考え方のもと、当社は安易に人員整理を行わず、M&Aや外部人材の補充を一定活用しながらも、「社内にいる人材が成長し変革を実現する」ことを核心に据えてきました。変化に適応し続けるための人材育成に加え、思い切った配置転換、リスキリング、経験の長さや年齢などにとらわれない抜擢、あえて難易度の高い局面に挑ませる“修羅場経験”など、柔軟な人材活用を通じて人と組織の力を高め、変化を乗り越えてきました。既存の組織にとらわれない仕事の進め方や、部門の壁を越えたプロジェクト発令もその具体策の一つです。その結果、各人が積み重ねてきた知見や専門性、暗黙知、修羅場経験を通じて培った判断力・実行力が社内に厚く蓄積され、変化を推進する組織の力につながっています。
2024年には「人を基軸におく経営」に基づき、従業員に求める行動指針として“PCM Behaviors”を策定しました。PCM Behaviorsは、従業員が携わる事業や所属する組織に関わらず、時代を越えて求める行動指針です。その実践の積み重ねが「FUSION30」に掲げる事業変革を実現するための起点・基盤であると捉えています。
そのため当社では、「PCM Behaviorsの実践度」を全社の重点KPIとして定め、従業員を対象としたサーベイを実施しています。PCM Behaviorsの9項目について5段階で回答し、その結果をスコア換算した平均値を「実践度」として算出しています。2025年に実施したサーベイ(2025年6月実施、ダイキン工業全社員9,051人対象、回答率61%)では実践度は61%でした。このスコアを2030年までに75%に引き上げることを目標とし、浸透・定着のための取り組みを進めています。
社内に蓄積された強みを磨き高め、組織として最大限に活用できるカルチャーに加え、従業員一人ひとりがPCM Behaviorsを実践し続けることが他社にない当社の競争力の源泉であり、「FUSION30」で推進するソリューションプロバイダへの変革をはじめとする高収益領域・重点領域での事業拡大を実現するうえで、これまで以上に重要になると考えています。
注:「PCM Behaviors」の9項目について、「①常に実践している」「②多くの場面で実践している」「③ある程度実践している」「④あまり実践できていない」「⑤ほとんど実践できていない」の5段階で回答し、その結果をスコア換算した平均値を「実践度」として算出。
3) 「人材価値の最大化」に向けた重点施策の展開
上述した“人”に関する強みを活かしながら、「FUSION30」推進に向けて事業変革を加速し未来を切り拓くための人材力を強化していきます。具体的に以下3点の重点施策を中心に取り組みます。それぞれの施策は相互に連動しており、その基盤として「PCM Behaviorsの理解・実践」を位置づけています。PCM Behaviorsの実践度に加え、下記の重点施策に紐づく先行的指標と、事業成果に直結する指標(ソリューション事業売上比率等)を設定し、測定することで、当社の人材施策と事業成果の連動を示してまいります。
重点施策① 重点領域を支える人材の育成・配置・獲得の強化
重点領域の人材の育成・配置・獲得を推進し、事業発展を人材面から加速させます。育成においては、ソリューションビジネス、デジタル・DXなどの重点領域を担う人材の育成強化を行います。2030年度に、ソリューション人材を2030年度 12,500人以上(2025年度実績:7,300人)、デジタル人材を3,500人規模(2025年度実績:2,500人)の育成を目指します。
また、グローバル人材データベース(DAIKIN People)では、ダイキン工業全従業員に加え、グローバル全拠点において、各社上位3階層の経営幹部約1,000人を登録しております(2025年度時点)。データベースを最大活用し、事業戦略にマッチした人材の把握・探索や、一人ひとりの意欲・経験・スキルなどを踏まえた挑戦・成長につながるテーマへの配置、既存領域から新規領域への人材シフト等を進めていきます。並行して、新たな領域への挑戦につながる人材育成の加速や、多様な手法を活用し、グローバルでの採用力強化にも取り組んでいきます。
重点施策② 一人ひとりの働きがい、挑戦・成長につながる仕組みづくり、風土醸成
グローバルに広がる事業領域の中で、多様な能力をもった人材が縦横無尽に活躍し、従業員一人ひとりが挑戦・成長するための基盤を強固にしていきます。多様なメンバーがダイキンで働くことを選択し、挑戦し続けるための人事制度のブラッシュアップを継続してまいります。また、一人ひとりが経営理念・PCM Behaviorsを実践し、挑戦・成長し続けるための取り組みを強化し、その実践度を測定していきます。
重点施策③ 多様な個性と能力を伸ばすリーダー人材の育成強化
変化の激しい社会においては、多様な人材を束ねながら、変革を導くリーダーを継続的に配置することが必要です。幹部・リーダー育成プログラム等を強化し、それぞれの事業・地域の次世代を担う多様なリーダーの発掘・配置・育成を加速するとともに、経営の現地化を推進し、ビジネスの変革・成功につなげます。具体的には、幹部研修・経営層との対話等を通じ、資質・個性を見極め、2030年度で「グローバル幹部・リーダー候補 2,000人以上の発掘・育成(2025年度実績:600人)」を目標として定め、取り組みを進めてまいります。
② 従業員給与等の決定方針
ダイキン工業㈱では報酬水準・賃金の見直しにあたって、毎年の労働組合との賃金交渉で「業績見合いの世間相場」「業績の先行きに対する見通し」「景気・経済動向」「企業間競争力」「他社動向」等を踏まえ徹底して議論を行い、労使で賃上げ・賞与額を決定しています。また当社の賃金制度は過去に定昇を廃止しているため、より貢献する従業員へより厚く報いることが世の中以上に可能です。当社の事業拡大に伴い、成果を上げた従業員に報いるべく、競争力ある賃金・賞与の水準を維持しています。
直近3年間の賃上げ・賞与額(労働組合員平均)
① 企業戦略と関連付けた人材戦略
1) 経営戦略の実現に向けた人材価値の最大化
当社は戦略経営計画「FUSION30」において、5つの項目を重点テーマとして掲げております。「A.高収益領域での成長」「B.収益体質の強靭化」「C.さらなる成長に向けた重点領域の強化」の3つと、それらを支える「D.経営基盤の高度化」、そして「E.持続的成長と企業価値向上に向けた資本政策」です。
「FUSION30」ではめざす姿として「環境と空気の新たな価値」を世界へ提供することを掲げており、特にテーマの1つ目に掲げる「高収益領域での成長」においては、顧客のライフサイクル全体でどんな価値(課題解決)を提供できるかという顧客目線に立ち、空調機器を中心としたモノ売りからソリューションプロバイダへとビジネスモデルを変革することが重要となります。こういった変革を加速し、グループの持続的な成長を実現するためには、一部の職種・部門ではなく、一人ひとりが新たな挑戦・成果を生み出し、成長し続けるための環境づくり・人事施策の確立と、従業員のマインドセットの変革が必須となります。「FUSION30」は「D.経営基盤の高度化」の一つとして位置づけられる「人材価値の最大化」なくしては実現できない挑戦です。
2) 社内に蓄積された独自の良さ・強みを活かし、変革を推進するカルチャーの高度化
当社の“人”に関する強みとして「人を基軸におく経営(People-Centered Management)」という独自の考え方があります。当社は「人は無限の可能性をひめたかけがえのない存在であり、一人ひとりの成長の総和が企業の発展の基盤である」という信念のもと、企業の競争力の源泉、そして変革の担い手は“人”であるという考え方を創業以来貫いてきました。
そうした考え方のもと、当社は安易に人員整理を行わず、M&Aや外部人材の補充を一定活用しながらも、「社内にいる人材が成長し変革を実現する」ことを核心に据えてきました。変化に適応し続けるための人材育成に加え、思い切った配置転換、リスキリング、経験の長さや年齢などにとらわれない抜擢、あえて難易度の高い局面に挑ませる“修羅場経験”など、柔軟な人材活用を通じて人と組織の力を高め、変化を乗り越えてきました。既存の組織にとらわれない仕事の進め方や、部門の壁を越えたプロジェクト発令もその具体策の一つです。その結果、各人が積み重ねてきた知見や専門性、暗黙知、修羅場経験を通じて培った判断力・実行力が社内に厚く蓄積され、変化を推進する組織の力につながっています。
2024年には「人を基軸におく経営」に基づき、従業員に求める行動指針として“PCM Behaviors”を策定しました。PCM Behaviorsは、従業員が携わる事業や所属する組織に関わらず、時代を越えて求める行動指針です。その実践の積み重ねが「FUSION30」に掲げる事業変革を実現するための起点・基盤であると捉えています。
そのため当社では、「PCM Behaviorsの実践度」を全社の重点KPIとして定め、従業員を対象としたサーベイを実施しています。PCM Behaviorsの9項目について5段階で回答し、その結果をスコア換算した平均値を「実践度」として算出しています。2025年に実施したサーベイ(2025年6月実施、ダイキン工業全社員9,051人対象、回答率61%)では実践度は61%でした。このスコアを2030年までに75%に引き上げることを目標とし、浸透・定着のための取り組みを進めています。
社内に蓄積された強みを磨き高め、組織として最大限に活用できるカルチャーに加え、従業員一人ひとりがPCM Behaviorsを実践し続けることが他社にない当社の競争力の源泉であり、「FUSION30」で推進するソリューションプロバイダへの変革をはじめとする高収益領域・重点領域での事業拡大を実現するうえで、これまで以上に重要になると考えています。
| 「人を基軸におく経営」に基づく行動指針「PCM Behaviors」 実践度:61%(2025年度) | ||||||||||||||||||||||||||||
| Innovation & Growth: 挑戦・成長し続ける | Trust & Teamwork: 真の信頼関係・チームワークを築く | Winning & Achievement: 結果にこだわる | ||||||||||||||||||||||||||
| ~自ら成長しようと努力し続け 進んで未知の領域へ挑戦し、変革する人 | ~ダイキングループの夢に共感し対話と チームワークを大切にする人 | ~目標達成に向けた強い意志・執念・逞しさ と実行力で結果を出し続ける人 | ||||||||||||||||||||||||||
|
|
| ||||||||||||||||||||||||||
注:「PCM Behaviors」の9項目について、「①常に実践している」「②多くの場面で実践している」「③ある程度実践している」「④あまり実践できていない」「⑤ほとんど実践できていない」の5段階で回答し、その結果をスコア換算した平均値を「実践度」として算出。
3) 「人材価値の最大化」に向けた重点施策の展開
上述した“人”に関する強みを活かしながら、「FUSION30」推進に向けて事業変革を加速し未来を切り拓くための人材力を強化していきます。具体的に以下3点の重点施策を中心に取り組みます。それぞれの施策は相互に連動しており、その基盤として「PCM Behaviorsの理解・実践」を位置づけています。PCM Behaviorsの実践度に加え、下記の重点施策に紐づく先行的指標と、事業成果に直結する指標(ソリューション事業売上比率等)を設定し、測定することで、当社の人材施策と事業成果の連動を示してまいります。
重点施策① 重点領域を支える人材の育成・配置・獲得の強化
重点領域の人材の育成・配置・獲得を推進し、事業発展を人材面から加速させます。育成においては、ソリューションビジネス、デジタル・DXなどの重点領域を担う人材の育成強化を行います。2030年度に、ソリューション人材を2030年度 12,500人以上(2025年度実績:7,300人)、デジタル人材を3,500人規模(2025年度実績:2,500人)の育成を目指します。
また、グローバル人材データベース(DAIKIN People)では、ダイキン工業全従業員に加え、グローバル全拠点において、各社上位3階層の経営幹部約1,000人を登録しております(2025年度時点)。データベースを最大活用し、事業戦略にマッチした人材の把握・探索や、一人ひとりの意欲・経験・スキルなどを踏まえた挑戦・成長につながるテーマへの配置、既存領域から新規領域への人材シフト等を進めていきます。並行して、新たな領域への挑戦につながる人材育成の加速や、多様な手法を活用し、グローバルでの採用力強化にも取り組んでいきます。
重点施策② 一人ひとりの働きがい、挑戦・成長につながる仕組みづくり、風土醸成
グローバルに広がる事業領域の中で、多様な能力をもった人材が縦横無尽に活躍し、従業員一人ひとりが挑戦・成長するための基盤を強固にしていきます。多様なメンバーがダイキンで働くことを選択し、挑戦し続けるための人事制度のブラッシュアップを継続してまいります。また、一人ひとりが経営理念・PCM Behaviorsを実践し、挑戦・成長し続けるための取り組みを強化し、その実践度を測定していきます。
重点施策③ 多様な個性と能力を伸ばすリーダー人材の育成強化
変化の激しい社会においては、多様な人材を束ねながら、変革を導くリーダーを継続的に配置することが必要です。幹部・リーダー育成プログラム等を強化し、それぞれの事業・地域の次世代を担う多様なリーダーの発掘・配置・育成を加速するとともに、経営の現地化を推進し、ビジネスの変革・成功につなげます。具体的には、幹部研修・経営層との対話等を通じ、資質・個性を見極め、2030年度で「グローバル幹部・リーダー候補 2,000人以上の発掘・育成(2025年度実績:600人)」を目標として定め、取り組みを進めてまいります。
② 従業員給与等の決定方針
ダイキン工業㈱では報酬水準・賃金の見直しにあたって、毎年の労働組合との賃金交渉で「業績見合いの世間相場」「業績の先行きに対する見通し」「景気・経済動向」「企業間競争力」「他社動向」等を踏まえ徹底して議論を行い、労使で賃上げ・賞与額を決定しています。また当社の賃金制度は過去に定昇を廃止しているため、より貢献する従業員へより厚く報いることが世の中以上に可能です。当社の事業拡大に伴い、成果を上げた従業員に報いるべく、競争力ある賃金・賞与の水準を維持しています。
直近3年間の賃上げ・賞与額(労働組合員平均)
| 2024年 | 2025年 | 2026年 | |
| 賃上げ | 28,000円 (8.16%) | 22,600円 (6.09%) | 23,700円 (6.00%) |
| 賞与 | 225万円 (6.06ヵ月) | 235万円 (5.97ヵ月) | 235万円 (5.61ヵ月) |