有価証券報告書-第66期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/28 15:00
【資料】
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【項目】
141項目

有報資料

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、変化する事業環境の中で、世界に点在する当社グループ企業の全従業員が、共通する使命感、価値観のもとでグループとしての一体感を高めていくことを目的に、Mission、Vision、Values、いわゆるMVVを制定しております。
◆グループ・ミッション(使命):“Engineering for Sustainable Growth of the Global Community”
世界水準のエンジニアリングの提供によって、多様な顧客各社の課題を総合的に解決し、顧客ニーズの充足を実現するとともに、エネルギー・素材等の供給と環境保全を調和させ、持続性のある地球社会の実現に貢献します。
◆グループ・ビジョン(目指す企業像):“Global Leading Engineering Partner”
世界第一級のエンジニアリング企業グループとして、顧客の立場に立脚し共に課題を解決することによって、品質、HSE(健康・安全・環境)、納期、価格等を含む総合的な価値を提供し、顧客にとって最も信頼できる継続的なパートナーとなります。
◆グループ・バリュー(価値観・行動基準):“Integrity, Creativity, Diversity, Learning, Team”
東洋エンジニアリンググループで働く一人ひとりの役職員は、これらの価値観を共有して行動します。
Integrity:誠意と責任を持って業務を遂行します。
Creativity:知恵と創造力を発揮し、顧客とともに、もしくは自ら、新たな価値を創造します。
Diversity:個性、人格、ならびに各国、各地域の文化、慣習を尊重します。
Learning:進取の気性で、新たな経験、技能、知識を獲得します。
Team:自社グループ内はもとより、顧客や協業先とのチームプレイを通じて、成果を実現しま
す。


上記の経営方針に基づき、当社グループは、5つの強み(プロジェクトマネジメント力・技術力・アライアンス構築力・総合エンジニアリング力・グローバル対応力)を発揮し、プラント事業とインフラ事業を中心に、多様化、個別化する顧客の課題に対し、最適なソリューションを提供しています。
(2) 経営環境
当連結会計年度における日本経済を含む世界経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、上半期は急速に、かつ大幅に悪化しましたが、下半期以降、感染状況に応じた各国の経済金融対策と企業レベルの経営努力とによって持ち直しの方向にあります。今後、変異株の拡大が懸念されますが、各国の追加経済対策とワクチン接種の普及などが、世界経済の回復を後押しすることが期待され、2021年下半期以降から新型コロナウイルス感染症拡大前の経済水準に戻るものとみられます。
当社グループの事業環境としては、プラント事業分野では、国内および海外において、アップストリーム(産油・産ガス国におけるエネルギー開発・各種関連設備)およびダウンストリーム(石油化学プラントや化学肥料プラント等)ともに、新型コロナウイルス感染症の拡大や原油価格の低迷、更にカーボンニュートラルへの政策転換により、設備投資計画の見直しや投資決定の遅延等の影響を受け、受注環境は極めて厳しい状況にあります。インフラ事業分野においては、少なからず新型コロナウイルス感染症拡大の影響は受けているものの、国内でバイオマス発電所等の再生可能エネルギーの設備投資が見込まれており、また、海外においても東南アジア、ブラジル等で電力需要増大の影響を受けた設備投資計画が見込まれます。
(3) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
プラント事業分野においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、短期的に顧客の投資計画の見直しや最終投資決定が遅れる等の影響が出ておりますが、肥料、化学製品は社会活動に不可欠であり、中長期的には需要は回復することが見込まれます。一方、インフラ事業分野においては、電力需要に大きな変動はなく、今後も需要は底堅く推移するものと見込んでおります。
当社グループは、米国向けエチレン製造設備プロジェクトの大幅な収支悪化を受け、2018年度から再生計画を進めてまいりました。この再生計画では、プラントに偏重していた事業ポートフォリオを、プラント事業とインフラ事業の2本柱とする取り組みを進め、これら2事業の連結粗利益および事業本部人員比率は、2019年度末にはほぼ半々になりました。一方、組織力強化に向けたグループ全体での業務最適化を進めた結果、当社グループの各EPC拠点の業績寄与の割合が拡大してきました。事業の根幹であるリスクマネジメントを更に強化するため、受注管理および実行管理の徹底を図っており、その結果、足元のEPC案件での粗利益率は、再生計画実施以前の案件と比較し、大幅に向上しております。
前述のとおり再生計画は一定の役割を終えたと認識し、当社グループは、ポストコロナとカーボンニュートラルへの移行を見据え、今般、2021~2025年度の5年間にわたる中期経営計画を策定しました。
昨年来の原油価格の低迷と新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、従来型のプラント事業の受注面で苦戦を強いられましたが、世界的な人口増加と経済成長を考えますと、石油化学関連設備やアンモニア、肥料設備等の需要は依然として底堅く推移すると見込まれます。一方で、カーボンニュートラルの政策に対しては、当社グループとして様々な形で貢献できる部分があり、ビジネスチャンスに繋がるものと捉えております。
中期経営計画では、環境調和型社会と豊かな暮らし(経済性・利便性)の両立を目指し、「EPC強靭化」戦略と「新技術・事業開拓」戦略の二重螺旋を紡いで深化させてまいります。その取り組みによって、地球・社会ひいては当社グループのサステナビリティを実現し、結果として、安定的な収益を上げて2025年度の目標数値(KGI:Key Goal Indicator)を達成します。
◆ 「EPC強靭化」戦略
中期経営計画の戦略の一つが、「EPC強靭化」です。当社グループは、EPC案件を受注し、それを完遂することを主軸に60年間の歴史を重ねてまいりました。そういう中で、当社グループの拠点は長い歴史と経験を有し、EPC案件を遂行する上での位置づけが徐々に変わってきております。かつての設計や調達等の下請けといった限定的な関与から、プロジェクトパートナーへ、更には独自に受注したEPC案件を自律的に完遂する実行力を持つ存在へと成長してきました。現在、こうした拠点群が育ってきております。国内では医薬分野、海外ではインド、東南アジア、ブラジル等のマーケットで引き続き見込まれる需要の増加に対して、各拠点が強みとする領域を軸に、拠点独自あるいは拠点間協業を拡大して、拠点を中心にしたEPCオペレーション体制を構築してまいります。
一方、2019年度から本格的に着手したDXoT(Digital Transformation of TOYO)は、EPC遂行における大幅な効率化・高付加価値化、更にリスクの予見に重点をおいて開発が進展中であり、一部は実装を進め、複数の案件でその効果が実感されつつあります。
グループオペレーションの深化とDXoTを掛け合わせることで、顧客満足度とEPC事業の競争力の双方を高めてまいります。
◆ 「新技術・事業開拓」戦略
中期経営計画のもう一つの戦略が、「新技術・事業開拓」です。当社グループは、再生可能エネルギーの大規模メガソーラーやバイオマス発電、更に交通システム、医薬等の非石油化学系EPC事業の拡大を図っており、また、DX-PLANT®(プラント運転データの見える化・活用支援サービス)やHERO(Hybrid Energy system Re-Optimization、数理最適化技術を利用したプラント省エネサービス)といったEPC案件での経験に裏打ちされた技術サービスを提供してまいります。
それらに加え、カーボンニュートラルの様々な分野に取り組んでおりますが、その中でも特に技術的な強みである合成ガス技術やCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage、二酸化炭素回収・貯留)技術を活かした領域として、SAF(Sustainable Aviation Fuel、再生可能代替航空燃料)や燃料アンモニア(燃料用途としてのアンモニア)に注力しております。
SAFは木質バイオマス等を原料とするバイオジェット燃料で、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)事業において、日本国内での開発実証実験を行い、2030年頃の商用化実現に向けて取り組んでおります。
当社グループの得意分野であるアンモニアは、従来、肥料や化学品の原料として用いられてきましたが、それ自体を燃料として発電や船舶での利用可能性が高まっており、将来的には水素エネルギーの貯蔵・輸送媒体として利用することが期待されております。また、そのようなブルーアンモニアを活用する上で鍵となるCO2-EOR(EOR=Enhanced Oil Recovery、二酸化炭素圧入による油ガス田の増進回収技術)に関して当社グループはこの分野で長年の知見があり、50件以上の実績を有しております。
こうしたSAFや燃料アンモニアといった事業領域では、それぞれの製品を製造する設備を建設するといったEPC事業に留まらず、カーボンニュートラルの実現に向けて、顧客を含む様々なメンバーとともにマーケットやバリューチェーンを構築していくことを目指してまいります。
当社グループは「地球と社会のサステナビリティに貢献するエンジニアリング会社」というミッションと、SDGsの観点から、「環境調和型社会を目指す」「人々の暮らしを豊かにする」「多彩な人がいきいきと働く」「インテグリティのある組織を作る」という4つのマテリアリティ(重要課題)を設定しております。
「多彩な人がいきいきと働く」と「インテグリティのある組織を作る」は企業活動の礎であり、これらを着実に実現していくことで今回の中期経営計画の推進力としてまいります。その推進力をもとにした「EPC強靭化」戦略と「新技術・事業開拓」戦略の相乗効果によって、「環境調和型社会を目指す」ことと「人々の暮らしを豊かにする」ことの両立を実現し、当社グループが関わる各案件で、「TOYOに頼んで本当に良かった」と顧客に感じてもらえるような付加価値を提供することで、グループ全体のサステナビリティを向上させてまいります。
(4) 2022年3月期連結業績予想
(百万円)
連結
受注高280,000
完成工事高240,000
営業利益2,500
経常利益2,500
親会社株主に帰属する当期純利益1,500

受注高については、「(2)経営環境」および「(3)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題」に記載した全般的状況を踏まえて算出しました。
業績予想については、保有プロジェクトの進捗を中心に算出しました。新規受注見込案件による収支の計上は限定的にみております。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、工事の進捗等に影響が生じている一部の保有プロジェクトについては、その影響を予想に織り込みました。
[本業績見通しにおける想定為替レート]
1米ドル=108円

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