有価証券報告書-第90期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/23 14:09
【資料】
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【項目】
120項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の回復や雇用・所得環境の改善が続く一方、中国を始めとするアジア新興国・資源国等の経済減速に加え、英国のEU離脱問題、米国の大統領選挙による為替の乱高下が生じるなど海外経済の影響により不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く環境におきましては、東日本大震災後の震災復興投資ブームが峠を越え、当社の主力ロータリーパーカッションドリル機の商談にもその影響が出ておりますが、今後も都市の再開発、全国規模の防災・減災対策、インフラ老朽化対策、鉄道・道路の延伸、リニア中央新幹線建設など、社会資本整備が不可欠で、建設投資は2019年までは現在と同一水準で推移すると云われております。
このような環境下、売上拡大と高収益維持のため、前連結会計年度期首に策定した2016中期経営計画に掲げる次のような個別戦略を鋭意推進しました。
・高いインフラ投資が見込まれる新興国市場向けの製品開発やヤンゴン支店の開設
・人材不足が深刻化する中、現場作業を効率化するボーリングロボットの開発
・高効率な海底資源探査技術の研究開発
・業務効率向上のためのITシステム更新
また、社員向けには人事給与制度を一新し、人材育成の強化、就業環境の改善などに積極的に取り組みました。
当連結会計年度の受注は、国内ではリニア中央新幹線建設工事の着工遅れによりコントロールボーリング関連の機材販売および工事受注が翌連結会計年度にずれ込んだこと、海外(中国)では新規商談の進行が遅れたことなどにより、ODA機材ならびに工事案件を積極的に成約したものの、前連結会計年度を下回りました。
売上高につきましては、前連結会計年度、完工高を稼いだ海外ODA工事が一服したこと、またコントロールボーリング関連の機材販売および工事の新規受注が翌連結会計年度にずれ込み同工事の完工が減少したことなどにより、前連結会計年度を下回りました。
以上の結果、連結受注高は、7,291百万円(前連結会計年度増減率△8.9%)、連結売上高は、6,795百万円(同△14.3%)となりました。利益面におきましては、売上高の減少と研究開発費などの販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は185百万円(同△75.3%)、経常利益は197百万円(同△73.3%)となりました。しかし、親会社株主に帰属する当期純利益は、繰延税金資産141百万円の計上により、298百万円(同△64.5%)となりました。
当年度の連結の業績は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
当連結会計年度(A)前連結会計年度(B)前連結会計年度比較
自 平成28年4月 1日自 平成27年4月 1日増減額増減率
至 平成29年3月31日至 平成28年3月31日(A)-(B)(A)/(B)-1
受注高7,2918,000△709△8.9%
売上高6,7957,931△1,135△14.3%
営業利益185751△565△75.3%
経常利益197739△542△73.3%
親会社株主に帰属する当期純利益298840△542△64.5%

(百万円未満は切り捨てて表示しております。)
(セグメントの業績)
①ボーリング機器関連
当セグメントにおきましては、受注については、主力RPD機に対する商談が減少したこと、リニア中央新幹線工事の着工遅れによりコントロールボーリング関連機材受注が翌連結会計年度にずれ込んだこと、海外(中国)では既存製品の改良に注力したため新規商談の進行が遅れたことなどにより、ODA機材案件を積極的に成約したものの、全体では前連結会計年度を下回りました。
売上高については、上述の受注高減少により前連結会計年度を下回りました。なお、前連結会計年度受注した高額機材が当連結会計年度の売上高に計上されたため、売上高の減少額は受注高の減少額より小幅にとどまりました。
セグメント利益については、上述の売上高減少と、経営改革推進に伴う人件費、研究開発費などの増加により前連結会計年度を下回りました。
(単位:百万円)
当連結会計年度(A)前連結会計年度(B)前連結会計年度比較
自 平成28年4月 1日自 平成27年4月1日増減額増減率
至 平成29年3月31日至 平成28年3月31日(A)-(B)(A)/(B)-1
受注高3,7924,782△990△20.7%
売上高4,2464,462△215△4.8%
セグメント利益90291△200△68.8%

(百万円未満は切り捨てて表示しております。)
②工事施工関連
当セグメントにおきましては、受注高については、トンネル先進調査工事や温泉掘削工事の好調が継続し、さらに期末に海外ODA工事を獲注したことにより、リニア中央新幹線建設工事の着工遅れによるコントロールボーリング工事の減少を補い、全体としては前連結会計年度を上回りました。
売上高については、前連結会計年度、完工高を稼いだ海外ODA工事が一服したこと、またコントロールボーリング工事の新規受注が翌連結会計年度にずれ込み同工事の完工が減少したことなどにより、前連結会計年度を下回りました。
セグメント利益については、上述の完工高減少に加え、比較的収益性の高い当社直営の工事売上高構成が少なくなったことなどにより、前連結会計年度から大幅に減少しました。
(単位:百万円)
当連結会計年度(A)前連結会計年度(B)前連結会計年度比較
自 平成28年4月 1日自 平成27年4月1日増減額増減率
至 平成29年3月31日至 平成28年3月31日(A)-(B)(A)/(B)-1
受注高3,4993,2182818.7%
売上高2,5493,469△920△26.5%
セグメント利益94460△366△79.5%

(百万円未満は切り捨てて表示しております。)
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて210百万円減少し、669百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、51百万円の収入(前連結会計年度は483百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、売上債権の減少270百万円、税金等調整前当期純利益の計上196百万円で、支出の主な内訳は、たな卸資産の増加471百万円、仕入債務の減少57百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、48百万円の支出(前連結会計年度は132百万円の支出)となりました。支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出94百万円で、収入の主な内訳は、有形及び無形固定資産の売却による収入6百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、212百万円の支出(前連結会計年度は428百万円の支出)となりました。長期借入金は、150百万円の調達を行う一方、約定弁済により236百万円の返済を実行いたしました。短期借入金は938百万円の調達に対し、974百万円の返済を実行し、また、配当金の支払額は72百万円、ファイナンス・リース債務の返済は17百万円であります。