有価証券報告書-第63期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/28 13:10
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【項目】
112項目

業績等の概要

(1) 業績
当期のわが国経済は、一部に改善の遅れが見られるものの、金融及び財政政策などの経済対策を背景とした企業収益や雇用環境の改善により緩やかに回復基調が継続し、足元の民間設備投資や公共投資は、いずれも底堅く推移しました。一方で、中国をはじめとするアジア新興国等の景気下振れリスクや、英国のEU離脱問題、米国トランプ政権の政策動向などの影響を受けた海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動が懸念され、景気に対する先行きは不透明な状況が継続しました。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、水処理関連事業に係る国内公共投資は、下水処理における再生可能エネルギーの利活用を行う施設などの需要が顕在化してきており、廃棄物処理関連事業に係る国内公共投資は、引き続き、主として老朽化施設の更新工事や改良工事が堅調に推移しました。また、企業収益の改善を背景に、水処理関連事業及び化学・食品機械関連事業に係る国内の民間設備投資は、堅調に推移しました。
このような状況のもと、当社グループでは、平成28年度から平成32年度までの5ヵ年の中期経営計画において掲げた基本方針である「①主力事業のリノベーション」、「②海外展開・新規事業での着実なビジネスの拡大」、「③神戸製鋼グループとの連携強化」に沿って、諸施策を着実に実施しております。
主力事業のリノベーションにつきましては、水処理・廃棄物処理の双方から総合的に提案を行うことができる環境関連分野において、当社グループの強みを活かした営業展開を行ってまいりました。また、施設の設計・施工から運転維持管理まで長期間に亘るDBO・長期包括運営事業案件などのストックビジネス拡大に注力しました。本年3月には、廃棄物処理施設関連分野において、株式会社IHI環境エンジニアリングと包括的業務提携契約を締結しました。化学・食品機械関連事業においては、製造技能や商品開発力の向上、並びに、コストダウンなどの「ものづくり力」の強化に引き続き注力し、高シェア事業の更なる地位向上、受注量の拡大に努めてまいりました。
海外展開につきましては、ベトナムにおいては、下水処理設備の建設が計画通り進捗しました。また、ベトナムを起点としたカンボジアなどの事業エリアにおいて水処理関連の営業活動を展開してまいりました。英国においては、EU離脱問題等の影響により廃棄物発電案件の事業性が不透明になる中、案件を選別したうえで、営業活動を継続しております。
新規事業につきましては、福井県大野市において昨年4月に木質バイオマス発電事業の営業運転を開始し、順調に稼働しております。ユーグレナ(微細藻類)に関しましては、「神戸ユーグレナ」ブランドを立ち上げ、専用のWEBサイトを開設し、当社固有のユーグレナの原料供給を開始しました。また、水素関連ビジネスへの取り組みとしましては、再生可能エネルギー活用を目的とした案件を中心に営業を拡大しております。
神戸製鋼グループとの連携強化につきましては、グループ内に保有している技術を活用し、廃棄物処理などから生じる再生可能エネルギーの利活用におけるエネルギー回収率の更なる向上などに取り組んでおります。
当期の連結業績につきましては、受注高は前期に比べ22,429百万円増(28.5%増)の101,003百万円、受注残高は前期に比べ22,305百万円増(50.0%増)の66,905百万円となりました。
また、売上高は前期に比べ4,306百万円減(5.2%減)の78,698百万円、営業利益は前期に比べ622百万円減の2,984百万円、経常利益は前期に比べ613百万円減の3,010百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べ157百万円減の2,061百万円となりました。
報告セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(水処理関連事業)
受注高は前期に比べ234百万円減の35,124百万円、受注残高は前期に比べ1,677百万円増の18,787百万円となりました。
また、売上高は前期に比べ1,757百万円減の33,447百万円となり、経常利益は、前期に比べ159百万円減の61百万円となりました。
(廃棄物処理関連事業)
受注高は複数の大型案件の受注があり、前期に比べ19,614百万円増の56,647百万円、受注残高は前期に比べ19,472百万円増の43,346百万円となりました。
また、売上高は、4,425百万円減の37,175百万円となり、経常利益は前期に比べ885百万円減の2,421百万円となりました。
(化学・食品機械関連事業)
受注高は前期に比べ1,796百万円増の9,289百万円、受注残高は前期に比べ504百万円増の4,770百万円となりました。
また、好調な事業環境等を背景に売上高は前期に比べ1,925百万円増の8,785百万円、経常利益は増収やコスト改善効果などにより、前期に比べ537百万円増の814百万円となりました。
(注)上記金額には消費税等を含んでおりません。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、仕入債務の減少、短期借入金の減少等による支出要因はありましたが、売上債権の減少等の収入要因により、前連結会計年度末に比べ608百万円増(43.1%増)の2,019百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果取得した資金は、5,110百万円(前年同期は5,346百万円の支出)となりました。
これは主に税金等調整前当期純利益3,010百万円、売上債権の減少3,554百万円、仕入債務の減少6,438百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、1,251百万円(前年同期は1,098百万円の支出)となりました。
これは主に有形固定資産の取得による支出1,685百万円、短期貸付金の減少による収入912百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、3,257百万円(前年同期は6,297百万円の取得)となりました。
これは主に短期借入金の減少による支出5,130百万円、長期借入れによる収入2,683百万円によるものであります。