有価証券報告書-第18期(平成28年10月1日-平成29年9月30日)
有報資料
(1) 業績
当連結会計年度(平成28年10月1日から平成29年9月30日まで)におけるわが国経済は、依然として海外経済の不確実性からくる影響に留意しつつも、好調な企業業績や雇用・所得環境の改善傾向を背景に、緩やかな回復基調の中で推移いたしました。
当社グループは、原子力・火力発電所用バルブの製造とメンテナンスを主な事業としておりますが、東日本大震災の津波による東京電力福島第一原子力発電所事故以降、主力事業である原子力発電所(以下、「原発」)定期検査工事案件が激減したことから非常に厳しい事業運営を余儀なくされております。
しかし、大阪高裁が本年3月、関西電力高浜原発の運転差し止めの仮処分決定を取り消したことで、5月には同原発4号機が、6月には同じく3号機がそれぞれ再稼働しました。この結果、現在稼働中の原発は、一昨年に再稼働した九州電力川内原発1・2号機と、昨年再稼働した四国電力伊方原発3号機を含め3か所5基となりました。
一時のことを思えば状況の改善は著しく、特に関西電力の原発が再稼働したことは、地元であると同時にPWR(加圧水型原子炉)向けに多くの製品・サービスを納入してきた当社グループにとって当連結会計年度最大の朗報でした。そして来年前半には関西電力大飯原発3・4号機、九州電力玄海原発3号機の再稼働が予定されていることから、更なる事業環境の改善が進むものと考えております。
このような状況下、当連結会計年度におきましては、九州電力川内原発の再稼働後最初の定期検査工事、関西電力高浜原発3・4号機向け定期検査工事及び再稼働前点検工事、九州電力玄海原発3・4号機向け再稼働準備工事(3号機は来春再稼働予定、4号機は再稼働時期未定)を中心とした原発案件に加え、火力発電所のバルブ保守・補修需要に由来する、取替用バルブ・部品の製造及びメンテナンス工事等のバルブ事業を中心に、製鋼事業、除染事業の更なる拡大を図ることで、当連結会計年度業績予想値と中期経営計画のマイルストーン達成に向け全力で取り組んでまいりました。
しかし、原発の再稼働が実現してきたことで、再稼働準備等の特需的な案件は徐々に減少し、火力発電所向けも、先進超々臨界圧火力発電の建設計画減速等々で大型案件が乏しくなると共に全体的な案件数も減少気味であったことなどから、当連結会計年度の売上高は81億2百万円(前年同期比4.9%減)に留まりました。
採算面においても、収益が伸び悩む中にあって、当連結会計年度及び今後の工場操業度維持等のための不採算案件受注で、新たな受注損失引当金を計上するなど非常に厳しい状況となりましたが、原発関連とメンテナンス関連の案件で相応に限界利益を確保できたことに加え、固定費の圧縮や工場操業が安定的に推移したことなどを要因に、営業利益2億43百万円(前年同期比1.6%減)、経常利益2億87百万円(同2.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1億84百万円(同20.6%減)と、前年同期比4.9%の減収ながら、営業利益、経常利益共にほぼ前年並みとすることができました。
報告セグメント別の状況は、バルブ事業では、売上高は63億31百万円(前年同期比3.5%減)、セグメント利益は9億58百万円(同4.6%減)と減収減益となりましたが、前述のとおり、関西電力高浜原発3号機向け定期検査工事、同4号機向け再稼働前点検工事、九州電力川内原発1・2号機向け定期検査工事、北海道電力泊原発3号機中間点検工事、関西電力大飯原発の再稼働準備関連工事など、原発関連売上がバルブ事業の売上高の半分弱を占め、加えて原発定期検査を始めとしたバルブメンテナンス関連売上が中心となったことから、セグメント利益率は、ほぼ前年並みとなりました。
製鋼事業は、鋳鋼業界の状況が年々厳しさを増す中にあって、その影響が当連結会計年度業績にも顕れはじめており、需要減少と過当競争による市場価格下落で、売上高は11億48百万円(前年同期比18.9%減)で大幅な減収となり、採算面でも、セグメント利益は1億32百万円の赤字(前年同期は1億7百万円の赤字)で損失額は増加しました。
除染事業においては、被災地の避難指示区域が徐々に解除されていることに伴い大型案件が減少する状況にあり、地域除染に関連した案件は減少しましたが、地域除染により発生した廃棄物の減容化施設や中間貯蔵施設向け放射線管理等の復興関連の案件が増加したことから、売上高は6億32百万円(前年同期比15.7%増)、セグメント利益は70百万円(同37.9%増)と、増収増益となりました。
表:報告セグメント内の種類別売上高
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は41億9百万円で、前連結会計年度末に比して4億56百万円増加しました。
この内訳は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
減価償却を2億68百万円実施した上で税金等調整前当期純利益を2億69百万円計上したところに、売上債権の減少が7億37百万円あり、また、たな卸資産及び仕入債務の合計額が34百万円のキャッシュ・アウトとなったことから、13億55百万円のキャッシュ・イン(前連結会計年度は3百万円のキャッシュ・イン)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
工場空調既存設備の更新、基幹システムの高度化などの固定資産の取得を中心に2億78百万円のキャッシュ・アウト(前年同期は94百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
銀行からの長期借入金の返済を中心に、前連結会計年度に係る期末配当、当連結会計年度の中間配当の実施などにより、6億29百万円のキャッシュ・アウト(前年同期は8億86百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
当連結会計年度(平成28年10月1日から平成29年9月30日まで)におけるわが国経済は、依然として海外経済の不確実性からくる影響に留意しつつも、好調な企業業績や雇用・所得環境の改善傾向を背景に、緩やかな回復基調の中で推移いたしました。
当社グループは、原子力・火力発電所用バルブの製造とメンテナンスを主な事業としておりますが、東日本大震災の津波による東京電力福島第一原子力発電所事故以降、主力事業である原子力発電所(以下、「原発」)定期検査工事案件が激減したことから非常に厳しい事業運営を余儀なくされております。
しかし、大阪高裁が本年3月、関西電力高浜原発の運転差し止めの仮処分決定を取り消したことで、5月には同原発4号機が、6月には同じく3号機がそれぞれ再稼働しました。この結果、現在稼働中の原発は、一昨年に再稼働した九州電力川内原発1・2号機と、昨年再稼働した四国電力伊方原発3号機を含め3か所5基となりました。
一時のことを思えば状況の改善は著しく、特に関西電力の原発が再稼働したことは、地元であると同時にPWR(加圧水型原子炉)向けに多くの製品・サービスを納入してきた当社グループにとって当連結会計年度最大の朗報でした。そして来年前半には関西電力大飯原発3・4号機、九州電力玄海原発3号機の再稼働が予定されていることから、更なる事業環境の改善が進むものと考えております。
このような状況下、当連結会計年度におきましては、九州電力川内原発の再稼働後最初の定期検査工事、関西電力高浜原発3・4号機向け定期検査工事及び再稼働前点検工事、九州電力玄海原発3・4号機向け再稼働準備工事(3号機は来春再稼働予定、4号機は再稼働時期未定)を中心とした原発案件に加え、火力発電所のバルブ保守・補修需要に由来する、取替用バルブ・部品の製造及びメンテナンス工事等のバルブ事業を中心に、製鋼事業、除染事業の更なる拡大を図ることで、当連結会計年度業績予想値と中期経営計画のマイルストーン達成に向け全力で取り組んでまいりました。
しかし、原発の再稼働が実現してきたことで、再稼働準備等の特需的な案件は徐々に減少し、火力発電所向けも、先進超々臨界圧火力発電の建設計画減速等々で大型案件が乏しくなると共に全体的な案件数も減少気味であったことなどから、当連結会計年度の売上高は81億2百万円(前年同期比4.9%減)に留まりました。
採算面においても、収益が伸び悩む中にあって、当連結会計年度及び今後の工場操業度維持等のための不採算案件受注で、新たな受注損失引当金を計上するなど非常に厳しい状況となりましたが、原発関連とメンテナンス関連の案件で相応に限界利益を確保できたことに加え、固定費の圧縮や工場操業が安定的に推移したことなどを要因に、営業利益2億43百万円(前年同期比1.6%減)、経常利益2億87百万円(同2.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1億84百万円(同20.6%減)と、前年同期比4.9%の減収ながら、営業利益、経常利益共にほぼ前年並みとすることができました。
報告セグメント別の状況は、バルブ事業では、売上高は63億31百万円(前年同期比3.5%減)、セグメント利益は9億58百万円(同4.6%減)と減収減益となりましたが、前述のとおり、関西電力高浜原発3号機向け定期検査工事、同4号機向け再稼働前点検工事、九州電力川内原発1・2号機向け定期検査工事、北海道電力泊原発3号機中間点検工事、関西電力大飯原発の再稼働準備関連工事など、原発関連売上がバルブ事業の売上高の半分弱を占め、加えて原発定期検査を始めとしたバルブメンテナンス関連売上が中心となったことから、セグメント利益率は、ほぼ前年並みとなりました。
製鋼事業は、鋳鋼業界の状況が年々厳しさを増す中にあって、その影響が当連結会計年度業績にも顕れはじめており、需要減少と過当競争による市場価格下落で、売上高は11億48百万円(前年同期比18.9%減)で大幅な減収となり、採算面でも、セグメント利益は1億32百万円の赤字(前年同期は1億7百万円の赤字)で損失額は増加しました。
除染事業においては、被災地の避難指示区域が徐々に解除されていることに伴い大型案件が減少する状況にあり、地域除染に関連した案件は減少しましたが、地域除染により発生した廃棄物の減容化施設や中間貯蔵施設向け放射線管理等の復興関連の案件が増加したことから、売上高は6億32百万円(前年同期比15.7%増)、セグメント利益は70百万円(同37.9%増)と、増収増益となりました。
表:報告セグメント内の種類別売上高
| 報告セグメント | 種類別の売上高 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前年同期比(%) |
| バルブ事業 | バルブ(新製弁) | 1,401 | 1,638 | 16.9 |
| バルブ用取替補修部品 | 1,136 | 967 | △14.8 | |
| 原子力発電所定期検査工事 | 659 | 1,340 | 103.1 | |
| その他メンテナンス等の役務提供 | 3,361 | 2,385 | △29.0 | |
| 小計 | 6,558 | 6,331 | △3.5 | |
| 製鋼事業 | 鋳鋼製品 | 1,415 | 1,148 | △18.9 |
| 除染事業 | 地域除染等 | 546 | 632 | 15.7 |
| 消去又は全社 | - | △9 | - | |
| 合計 | 8,520 | 8,102 | △4.9 | |
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は41億9百万円で、前連結会計年度末に比して4億56百万円増加しました。
この内訳は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
減価償却を2億68百万円実施した上で税金等調整前当期純利益を2億69百万円計上したところに、売上債権の減少が7億37百万円あり、また、たな卸資産及び仕入債務の合計額が34百万円のキャッシュ・アウトとなったことから、13億55百万円のキャッシュ・イン(前連結会計年度は3百万円のキャッシュ・イン)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
工場空調既存設備の更新、基幹システムの高度化などの固定資産の取得を中心に2億78百万円のキャッシュ・アウト(前年同期は94百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
銀行からの長期借入金の返済を中心に、前連結会計年度に係る期末配当、当連結会計年度の中間配当の実施などにより、6億29百万円のキャッシュ・アウト(前年同期は8億86百万円のキャッシュ・アウト)となりました。