有価証券報告書-第35期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/23 12:46
【資料】
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【項目】
164項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、年々重要度が高まる海洋石油・ガス開発の分野において、浮体式設備の設計・建造・据付、販売、リース及びオペレーションを中核事業とし、海洋石油・ガス開発プロジェクトに関わるトータルサービスを世界各国の石油開発会社に提供しております。
事業の展開にあたっては次の経営目標を掲げ、21世紀の資源エネルギーを支えるグローバル企業として、幅広く社会に貢献してまいります。
・ 浮体式設備の分野で、世界的に信頼される企業を目指します。
・ 浮体式設備の建造・販売、リース、オペレーション等の営業形態の多様化により、事業ポートフォリオの最適化を図り、当社グループの安定的発展を推進します。
・ 事業領域を拡大し、顧客に対してトータルソリューションを提供します。
・ 上記の企業活動を通じ、海洋開発事業の担い手として広く社会に貢献します。
(2) 経営環境等
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により国内外の経済活動が抑制され企業収益が減少するなど、極めて厳しい状況となりました。世界経済も、欧米を中心に経済活動の再開とともに一時は回復基調にあったものの、新型コロナウイルス感染再拡大の影響を受け回復の鈍化が見られるなど、依然として先行きが不透明な状況にあります。
原油価格は、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う原油需要の低下や、OPECとロシアなどによる協調減産交渉の決裂等により、WTIが一時マイナスになったものの、その後は、主要国の経済活動再開で需要環境が改善する中、産油国の減産が合意に至ったことで、6月以降は1バレル40米ドルを挟んだ動きが続き、足元では、新型コロナウイルス感染症ワクチンの実用化による経済活動の正常化に対する期待から60米ドル前後まで回復しております。原油価格の下落は、短期的には石油会社による新規開発の遅延や停滞といった形で当社グループの収益に影響する可能性があるものの、エネルギー資源の持続的な供給の観点から、石油会社による深海域を中心とした開発は継続的に行われると考えられ、当社グループの主要事業である浮体式海洋石油・ガス生産設備に関する事業は中長期的に安定した成長が期待されます。
(3) 経営戦略等
当社は事業モデルの進化により、サステナブルな社会の実現に貢献することを当社の長期ビジョンとして描いております。長期ビジョンの実現に向けて、「本業の収益力徹底強化」、「新規事業の研究開発・育成への投資」及び「環境・社会的要請への取組」という3つの中長期戦略のサイクルを回し続ける事で事業モデルの進化を目指します。
2021年からの3カ年の新たな中期経営計画においては、重要テーマとして①アセット・インテグリティ(安定操業を実現する生産設備の設計・建造及び機能の維持)の改善、②デジタライゼーション戦略推進、③研究開発:FPSOに次ぐ将来の収益源の育成、④環境・社会的要請への取り組みの4つを設定いたしました。
・アセット・インテグリティの改善:
船齢が上昇している初期ブラジル船の集中メンテナンス及び継続的なアセット・マネジメントにより、安全に石油・ガスを生産し続ける為のトータルサービス提供に注力いたします。
・デジタライゼーション戦略推進:
「更なるFPSO操業の先鋭化・効率化」、「操業から上流工程へデジタル適用領域拡大」及び「デジタルソリューション事業の立ち上げ」をデジタル戦略の柱として事業モデルを進化させます。
・研究開発:
FPSOに次ぐ将来の収益源の育成に向け、独自の浮体構造及び係留技術(TLP)を活用した浮体式洋上風力発電設備の事業化への取り組みを加速させ、また次世代のエネルギーとして期待される海底資源(メタンハイドレート)の回収技術開発を進めます。
・環境・社会的要請への取り組み:
国連の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals (SDGs))が掲げる17の目標のうち、当社が最も貢献できると考える5つの目標を選定し、達成に向けた重点的な取り組みを推進いたします。
目標5、「ジェンダー平等を実現しよう」
目標7、「エネルギーを皆に、そしてクリーンに」
目標8、「働きがいも経済成長も」
目標13、「気候変動に具体的対策を」
目標14、「海の豊かさを守ろう」
これらの活動の成果として、2023年に達成すべき数値目標は親会社株主に帰属する当期純利益200百万米ドル、ROE 12%を掲げております。
指標2023年度目標2020年度実績目標との差異
ROE12%-(※1)-

※1 2020年度のROEの実績については、親会社に帰属する純損失を計上したことから「-」としております。
(4) 対処すべき課題
① アセット・インテグリティの確保
浮体式海洋石油・ガス生産設備を大規模な海洋油田の開発に利用するプロジェクトは増加しており、FPSO等も大型化・複雑化する傾向にあります。こうしたなか、当社グループは、プロジェクト獲得を推進し、事業の発展と拡大を図ってまいります。
また、大規模な海洋油田の開発が進んだことによりFPSO等の使用年数は長期化しております。初期に設置されたFPSO等の船齢は上昇し、場合によっては当時の技術力が現在と比べ成熟していなかったこと等から事前に予期することが困難な事態の発生により生産が中断する可能性があります。
しかしながら、石油・ガスの安定かつ安全な生産は当社グループの最重要課題の一つであり、集中メンテナンス等各種対応を通じてFPSO等のアセット・インテグリティの確保に努めてまいります。
② プロジェクト・マネジメントの強化と人材の育成
FPSO等の設計・建造・据付に関する事業では、設置されるフィールドの多様な海気象条件や受注先である石油開発会社のニーズに応じて、多岐にわたる要素技術を組み合わせて最適化を図ると共に、サブコントラクターといわれる多数の外注先に対して品質、予算、工程及び納期を管理するなど、総合的なマネジメントを徹底することが重要であります。このため、当社グループではプロジェクト・マネジメント力の強化に努めており、特にプロジェクト・マネジャーをはじめとする人材の育成を図ってまいります。
③ 資金調達の多様化
FPSO等のチャータープロジェクトの増加及び大型化に伴って当社グループの資金需要は拡大しており、当社では、増資や金融機関からの借り入れによる資金調達力の強化に努めております。チャータープロジェクトの遂行に際してプロジェクトファイナンスを活用すると共に、総合商社をはじめとするパートナーとの提携など、資金調達手法についても多様化を進めていく方針であります。

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