有価証券報告書-第165期(2025/06/01-2026/05/31)

【提出】
2026/08/26 10:10
【資料】
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【項目】
179項目

有報資料

(1)リスクマネジメント体制
当社グループのリスクマネジメント体制は、「第4 提出会社の状況 4[コーポレート・ガバナンスの状況等]」に記載のとおりです。経営戦略にかかわるリスクについては、経営戦略会議において、事業戦略を始めとする経営上の課題等について討議しております。日々の事業活動にかかわるリスクについては、事業推進会議において、「事業開発関係」、「営業関係」、「生産・品質関係」のテーマごとに諸課題の解決に向け議論しております。グループ会社にかかわるリスクについては、国内・海外グループ会社会議において各社の事業計画の進捗、業務執行状況の検証を行っております。これらのうち、特に重要な事象については、取締役会の下部組織である内部統制委員会にて、顧問弁護士も交えて審議し、取締役会に報告・提言しております。また、気候変動や人的資本を始めとしたサステナビリティにかかわるリスクについては、同じく取締役会の下部組織であるサステナビリティ委員会にて審議し、取締役会に報告・提言しております。
(2)リスクの内容と対応策
当社グループの業績及び財務状況等に影響を及ぼすリスク想定と対応策は以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
①品質・安定供給に関するリスク
⦅リスクの内容とシナリオ⦆
鉄道を始めとする社会・公共インフラにおいて、人命に関わる事象や大規模な障害が、当社グループまたはサプライチェーンの製品起因で発生した場合には、経営に極めて深刻な影響を及ぼす可能性があります。また、品質不具合や生産遅延により、当社の使命である安定したサプライヤーとしての供給責任を果たせない場合には、信用低下及び業績の悪化につながる可能性があります。
⦅対応策⦆
当社グループは、品質第一に徹し信用を高めることを経営理念に掲げております。当社の生産拠点である横浜製作所及び滋賀竜王製作所では品質マネジメントシステムを構築・運用し、ISO9001の認証を取得しております。品質管理及び生産管理については、事業推進会議において、経営層への情報の共有、リスクの抽出及び対策を議論し、速やかに実行することで、品質水準の確保、製品の安定供給を図っております。なお、製造物責任や製品リコールが発生した場合に備えて、必要な保険に加入し、品質問題が発生した場合の業績への影響を最小限に留める対応をしております。

②人材に関するリスク
⦅リスクの内容とシナリオ⦆
当社グループの成長を支える最も重要な経営資源は人材であると考えております。熟練技術者の退職や人材流出、採用活動や人材育成の停滞等により必要な人材の確保・育成ができない場合、技術継承が滞ることによる品質の低下、新たな事業領域の創出や新製品開発の停滞につながり、業界における競争力を維持できず、業績の悪化につながる可能性があります。
⦅対応策⦆
人材育成基本規程における基本方針に基づき、持続的な企業価値の増大に向けた人材育成に取り組んでおります。当社固有技術の維持・向上、技術継承の推進にあたり、技術者育成委員会を設置して、特に重要な専門技術分野毎に高度技術の継承施策を展開しています。また、具体的な取組みとして、従業員や組織の活性化を促進する人事制度・運営の見直しを進めております。従業員のエンゲージメント向上を目的として、求める人材像を明確にした上で、公正な評価・処遇制度への見直しや人材・組織開発等の各種施策展開を推進しております。


③コンプライアンス・人権に関するリスク
⦅リスクの内容とシナリオ⦆
当社グループが事業を行う上で、国内外の法令や規制違反を生じさせた場合、社会的な信用失墜につながり、取引の停止など事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、従業員に対するハラスメントの発生防止や対応が適切になされない場合、就業意欲の低下や離職を招き、信用失墜や競争力の低下につながります。また紛争鉱物・強制労働の問題に適切に対応できない場合に信用が低下し、取引の縮小・サプライチェーンからの除外につながる可能性があります。
⦅対応策⦆
当社グループは、倫理を重んじ社会・顧客に貢献することを経営理念に掲げており、企業倫理に基づくコンプライアンスの重要性を認識しております。具体的な対応として、当社の行動方針を各事業所に掲示するとともに、業務の基本ルールを定めた「コンプライアンスの手引き(東洋電機製造倫理規範)」を全役員・従業員がいつでも閲覧・確認できる体制を整備し、教育を通じてコンプライアンスに則った行動の周知徹底を図っております。また、内部通報窓口やハラスメント相談窓口を整備するなど、問題を早期に発見し必要な措置を講ずる体制を整えております。サプライチェーンにおける紛争鉱物や強制労働の問題への対応については、調達先への調査を実施して状況把握を行い、人権尊重に向けた取組みを適切に推進していきます。

④事業環境の変化に関するリスク
⦅リスクの内容とシナリオ⦆
当社グループは、国内外の社会・産業インフラを支える製品・サービスを提供しております。人口減少や働き方の変化、製品・サービスや生産設備におけるDX推進、脱炭素社会への移行など、当社グループを取り巻く事業環境は急激に変化しています。これら事業環境の変化への対応が遅れた場合、競争力が低下し、受注・売上の減少や、採算性の低下につながる可能性があります。
⦅対応策⦆
当社グループは、脱炭素化やサステナブル社会に資する技術開発、電動化への対応、ICT・デジタル技術の活用、アライアンス等の活用による競争力の強化に取り組んでおります。全社横断の新事業開発については、技術開発機能を担う技術センターと事業創出機能を担う事業開発センターを中核に推進するとともに、顧客ネットワークを活用した市場・競合動向の把握に努め、競争力の維持強化を図っております。

(注) 2026年6月1日付で「開発センター」を廃止し、「事業開発センター」と「技術センター」を設置
⑤技術・製品開発に関するリスク
⦅リスクの内容とシナリオ⦆
先進技術を取り入れた製品の適時投入や省エネや電動化などの脱炭素化への対応が遅れた場合、製品訴求力や市場競争力が低下する可能性があります。また、生産プロセスの刷新や新技術適用が進まない場合、生産性向上やコスト削減が進まず競争力および収益力低下につながる可能性があります。
⦅対応策⦆
当社グループは、お客様のニーズにお応えすべく、先進技術を活用した製品開発および既存製品・サービスの高度化に取り組んでおります。また、新事業領域の創出に向け、事業開発センターを中核として全社横断的な開発体制の強化と迅速化を図っており、重点開発テーマはプロジェクト体制を構築し経営資源を集中的に投入しております。加えて、脱炭素化やデジタル化への対応を加速するため、産学連携や外部パートナーとの協業等を活用し、技術力及び製品開発力の強化を推進しております。


⑥原材料調達等に関するリスク
⦅リスクの内容とシナリオ⦆
当社グループは、製品の製造およびサービスの提供にあたり、多種多様な原材料・部材を調達しています。中国のレアアース輸出管理措置等の地政学的リスク、世界経済情勢の変化、自然災害等により、原材料・部材の供給が停滞または遅延した場合には、生産・出荷に影響を及ぼす可能性があります。調達先の倒産や事業撤退等により代替調達が困難となった場合や、原材料価格、エネルギー価格、人件費等の上昇により調達コストが増加した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⦅対応策⦆
当社グループは、調達先の多様化や代替調達先の確保、重要部材の適正在庫の維持等により、安定調達の確保に努めております。重要部材については、取引先ネットワークを活用したサプライチェーンの多元化や代替材料の採用・使用拡大に取り組むとともに、市場動向を継続的にモニタリングしております。さらに、生産性向上や適正な価格転嫁等を通じて、調達コスト上昇による影響の低減に取り組んでおります。

⑦知的財産に関するリスク
⦅リスクの内容とシナリオ⦆
技術革新の加速や事業のグローバル化の進展に伴い、当社グループの知的財産権が第三者により侵害される可能性があります。一方、当社グループが第三者の知的財産権を侵害したと判断された場合には、損害賠償請求やライセンス費用の負担、製品の製造・販売の差し止め等により、当社グループの事業活動および業績に影響を及ぼす可能性があります。
⦅対応策⦆
当社グループは、知的財産権の重要性を認識し、その適切な保護に努めております。研究開発部門等が連携し、事業戦略に基づく特許出願等の権利化を推進するとともに、保有する知的財産権の監視を継続し、侵害が認められた場合には速やかに適切な対応を講じております。また、第三者の知的財産権を侵害することのないよう、事前調査や管理体制の強化等により知的財産に関するリスクの低減に努めております。

⑧環境規制・気候変動に関するリスク
⦅リスクの内容とシナリオ⦆
当社グループにおいて、環境関連法規制への違反・不適合が生じた場合、行政処分や是正対応に伴う費用負担が発生するほか、取引先や地域社会その他のステークホルダーからの信頼低下を招き、当社グループの事業活動および業績に影響を及ぼす可能性があります。また、製品・サービスの脱炭素化や生産活動における環境負荷低減等の気候変動対応が進まない場合、競争力の低下や受注機会の逸失につながるほか、ステークホルダーからの信頼低下を通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⦅対応策⦆
当社グループでは、事業活動における環境関連法規制への対応状況を継続的に監視し、環境リスクの低減に努めております。気候変動への対応については、サステナビリティ委員会において方針・目標の設定、施策の推進および進捗管理を実施しております。2025年3月に策定した「東洋電機グループ サステナブル調達ガイドライン」及び「グリーン調達ガイドライン」に基づき、当社のサプライチェーン全体で環境負荷の低減と持続可能な調達の推進に取り組んでおります。


⑨自然災害・感染症に関するリスク
⦅リスクの内容とシナリオ⦆
当社グループの生産拠点は、交通事業については関東地区に、産業事業については関西地区に、それぞれ集中しております。このため、いずれかの地域において大規模な自然災害や感染症等が発生した場合には、生産活動の停滞等により、当社グループの事業運営および生産能力に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、大規模な自然災害や感染症等の発生に伴う物流の停滞や原材料価格の高騰に加え、気候変動に起因する異常気象や気温上昇等により、製品・サービスの品質確保や安定供給に支障が生じた場合には、当社グループの受注・生産活動および業績に影響を及ぼす可能性があります。
⦅対応策⦆
当社グループでは、大規模災害等に対する予防策および緊急対応体制に関する方針・施策を取締役会において審議・決定しております。また、各生産拠点での防災訓練の実施や全社BCPの継続的な見直しを通じて事業継続体制の強化を図るとともに、サプライチェーンの強靱化にも取り組んでおります。さらに、気候変動をはじめとする事業環境の変化を踏まえ、製品・サービスの品質確保および安定供給に向けた体制の強化を推進しております。

⑩業務上の災害・事故に関するリスク
⦅リスクの内容とシナリオ⦆
当社グループにおいて長時間労働起因を含む労働災害、火災・設備トラブルの発生により、従業員の死傷や生産活動停止に至った場合、社会的信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。
⦅対応策⦆
当社グループでは、安全な作業環境の確保および労働災害ゼロの実現に向けて、「全社安全衛生管理方針」を定めております。各事業所の安全衛生委員会において具体的な安全対策を立案・実施するとともに、その取組内容を四半期ごとに開催する全社安全衛生委員会で共有し、全社的な安全衛生水準の向上を図っております。また、各事業所に時間管理適正化委員会を設置し、時間外労働の状況や勤務間インターバル制度の遵守状況を継続的に確認することで、長時間労働の抑制および従業員の健康確保に努めております。

⑪情報セキュリティに関するリスク
⦅リスクの内容とシナリオ⦆
当社グループは、個人情報や取引先に関する企業秘密、技術情報、営業情報等の重要情報を保有しております。これらの情報がサイバー攻撃(ランサムウェアやサプライチェーン攻撃等)や内部不正により漏洩、改ざん、滅失した場合には、社会的信用の低下、損害賠償責任の発生、取引機会の喪失等を通じて業績に影響を及ぼす可能性があります。また、サイバー攻撃等によりシステム停止や業務停止が発生した場合には、生産活動や営業活動に支障をきたし、事業継続に影響を及ぼす可能性があります。
⦅対応策⦆
当社グループでは、情報セキュリティを経営の重要課題と位置付け、情報セキュリティ宣言に基づき、法令遵守を前提に情報資産保護のための各種安全管理措置を講じています。また、情報セキュリティ委員会を中心に、リスク評価、従業員教育、内部監査等を継続的に実施し、情報セキュリティ対策の実施状況やインシデントの発生状況を内部統制委員会へ報告しております。さらに、複数の防御策による情報セキュリティ体制を構築するとともに、アクセス管理の強化などの技術的対策を推進し、グループ全体の情報セキュリティ水準の向上に取り組んでおります。


⑫海外事業に関するリスク
⦅リスクの内容とシナリオ⦆
当社グループは、中国、タイおよび米国に生産・営業拠点を有しております。このため、各国・地域における政治・経済情勢の変化、社会不安、自然災害等のカントリーリスクにより、事業活動、サプライチェーンの維持および従業員の安全確保に影響が生じる可能性があります。また、各国・地域における法令、規制および税制の改正やその運用の変更等により、海外グループ会社の事業運営に支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⦅対応策⦆
当社グループでは、本社と海外グループ会社との連携体制を構築し、各国・地域の政治・経済情勢、法規制の動向および社会情勢に関する情報収集・モニタリングを継続的に実施しております。また、リスクが顕在化した場合には、現地の法令や商慣習に精通した弁護士等の外部専門家と連携し、その影響の把握および適切な対応策の実施に努めております。これらの取組を通じて、カントリーリスクによる事業への影響の低減を図っております。

⑬財務・会計に関するリスク
⦅リスクの内容とシナリオ⦆
当社グループは、海外市場において事業を展開していることから、外国通貨建て取引について為替相場の変動による影響を受ける可能性があります。また、事業資金の一部を金融機関からの借入等により調達していることから、金利上昇に伴う支払利息の増加や、金融市場の混乱または当社グループの信用力低下等により、円滑な資金調達が困難となる可能性があります。さらに、保有する株式、土地、建物および生産設備等の固定資産については、市場価値の下落や事業収益性の低下等により、評価損または減損損失が発生する可能性があります。売上債権については、取引先の財務状況の悪化等により回収不能または回収遅延が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⦅対応策⦆
為替変動リスクに対しては、為替感応度および業績への影響を継続的にモニタリングするとともに、外国通貨建て資産の圧縮等を通じてリスクの低減に努めております。金利上昇リスクおよび資金流動性リスクに対しては、資金調達手法の最適化を進めるとともに、売上債権、棚卸資産および仕入債務の回転期間を管理することにより運転資金の効率化を図っております。また、資金繰りを日次で管理し、必要な手元流動性の確保に努めております。保有株式については、経営戦略会議において保有目的および保有効果を毎年検証し、その結果を取締役会に報告したうえで縮減を進めております。事業に関わる固定資産については、事業計画の進捗状況や収益性を定期的にモニタリングし、減損の兆候の早期把握に努めております。売上債権については、長期滞留債権の調査や取引先の信用状況の継続的なモニタリング等を実施し、与信管理の強化を図ることで回収リスクに対応しております。

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