有価証券報告書-第112期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/25 15:41
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166項目
③戦略
当社グループは、持続的成長の実現及び中期経営計画(2024年度~2026年度)の達成に向け、国内スマートメーター事業の高シェア維持と安定的な収益拡大、海外スマートメーター事業の更なる拡大と収益の安定化、並びに第三の事業の柱であるソリューション事業の基盤強化と拡大を推進しております。
これら事業戦略の推進主体は人材及び組織であり、重要な経営資源(人的資本)として位置づけております。
競争優位性の確立や事業構造の変革を伴う外部環境変化への即応に当たっては、人材や組織への投資を個別の戦略として捉えるのではなく、当社グループの持続的成長に向けた経営戦略の一部であり、中期経営計画達成のための重要な手段と位置づけ、その強化に取り組んでおります。
■中期経営計画達成に向けた人的資本戦略

当社グループでは、人的資本戦略の具体化にあたり、時間軸の異なる二つの観点から施策を整理しております。すなわち、①中期経営計画の達成に向けた短期的な人的資本戦略と、②中長期的な事業構造の変革に対応する人的資本戦略であります。
①では、当面の事業運営に必要な人材の確保、人材育成強化、リテンション及び従業員のモチベーションアップによる生産性の向上を図るとともに、多様性の確保・DE&Iなどの強化も必要となります。
一方、②では、DXやGXなど、社会全体のマクロ的な構造転換や変革に追随する人的資本面での対応を想定しています。これらは、求められる実現タイミングは異なりますが、段階的に移行するのではなく、同時並行での推進が必要との認識に立ち施策を推進しております。
人的資本戦略の具体化に当たり、社員に求める「人材要件」の再定義が必要であるとの認識のもと、人材要件(求める人材像)をあらためて定義するとともに、以下の人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針を掲げ取り組んでおります。
<人材育成に関する方針>社会に対する新たな価値の創出に向け、「挑戦」「迅速」「革新」を体現し得る人材の育成を図るため、仕事という経験の場、学びの機会の付与を通じて主体性を培い、自律型人材を育成する。
<社内環境整備に関する方針>多様な人材が会社からの必要なサポートを受けながら、個人が持つ強みや特性を活かして活躍できる職場環境・制度の整備を推進する。
パーパスを土台とした価値創造プロセスの実践とビジョンの実現に向け、求める人材像に合致する人材の獲得、育成に加え、安心して働くことができる職場環境の提供が有機的に連携し合うことで、個人の成長が会社の持続的成長につながる人的資本経営を実践しています。
■個人の成長が会社の成長につながる

(a) 集う(人材獲得)
2017年からの5年間の新卒入社者について、「仕事を進めるうえで重視する価値観」を分析したところ、傾向として「調和・秩序」を挙げる人材の割合が非常に高いことが明らかになりました。事業の安定的な運営にあたってはこうした特徴を尊重する一方、「Global Energy Solution Leader」を目指す当社にとっては、社会への新たな価値の提供に向けて価値創出に果敢に挑戦する人材の増加が不可欠であり、「価値創出や結果」を重視する人材の獲得拡大が喫緊の課題と認識しております。
こうした考えのもと、2022年度より採用戦略を抜本的に見直し、当社の経営理念体系(経営理念・パーパス、ビジョン、当社が重視する4つの「価値観」等)への理解を採用前段階から醸成するとともに、価値創出に向けて自らの価値観に基づいて判断・考動できる人材(自律型人材)の獲得に向けた取組を行っております。
具体的には、新卒採用市場の動向を踏まえた採用活動の早期化や採用アプローチの多様化、及び新卒採用における媒体やHPなどによる訴求力強化等の取組に加え、初任給の引き上げや住宅手当等の福利厚生の拡充等、採用競争力の強化を図っております。
人材獲得を取り巻く外部環境は年々変化しており、そうした変化を的確に把握しながら、毎年度の採用戦略を立案・実行しております。
また、経験者採用においては、組織力強化等における即戦力人材の獲得に向けて、職種特性に応じた専門エージェントの活用やリファラル採用など採用ルートの多様化を推進しており、今後も、経験者採用市場の動向等を踏まえ、スピーディかつ柔軟に取り組んでまいります。
(b) 「育む」(人材育成)
当社が求める「自律型人材」の規模拡大に向けて、2025年4月より「スキルセットを軸とした人材育成の仕組み」を導入しました。
職種(営業・技術・生産・管理)と資格(当社では職群と呼ぶ)ごとの「期待役割」と「スキルセット」を定義したことで、目標達成に向けて各人が果たすべき役割や自身に求められるスキルセットが明確になり、アウトプットの質向上や主体的な能力開発が期待できます。
従業員の能力開発→行動力発揮→業績向上→適切な評価→処遇反映のグッドスパイラルを継続して回していくことを目指しております。
2025年度は導入初年度として、制度の適切かつ有効な運用に向けて、その中心的役割を果たす上司に対し理解・醸成に取り組んだところです。スキルセットは知識・スキルだけではなく、資質・能力も含めた総称であり、仕事をする上での基本の型を定義しております。この基本の型、仕事力を高めていくことで、さらなる行動力の発揮に繋げていく考えです。
今後、仕事力の向上を目指し、社員一人ひとりにあわせた仕事の場を通じた育成(OJT)の実践と、スキルセットに関連する学習メニューの活用により、育成の仕組みを推進し、自律的な成長を支援してまいります。
また、中長期的な事業変革に対する人的資本戦略として、DXへの取組である、業務のスマート化を推進する人材の育成に取り組んでおります。2025年度から2029年度までを3つのフェーズに分け、全社員のDXリテラシーの向上、AI・データ活用、業務改善の実践に段階的に取り組みます。デジタル技術を駆使する「自律型人材」の育成を図ることで、組織風土の変革を加速させ、収益体質の強化を通じた事業の持続的成長を実現することを目的としています。2025年5月にはDX認定も取得しております。
2025年度2026年度2027年度
コンセプト風土醸成と下地作り
(点のデジタル化)
風土醸成と下地作り
(線のデジタル化)
スマートワーク
(面のデジタル化)
ねらい効率化、デジタル体験自動化、生産性向上省人化、ROE向上

第1フェーズである2025年度は、「風土醸成と下地づくり」をコンセプトに、①DXリテラシー:4プログラム、②DX推進スキル:2プログラム、計6つのプログラムを展開し、 281名の全社員の39%の社員が体験しております。
体験後のアンケートにおいて、84%の社員がDXに対する前向きな意識変化があったという結果が得られています。今後も、更なるDX推進の取組を進め、デジタル技術を駆使する「自律型人材」の育成に取り組んでまいります。
(c) 個が輝く職場環境づくり
当社グループでは、人権尊重を事業活動の根幹と位置づけ、「大崎電気グループ企業行動憲章」において「グローバル社会におけるすべての人々の人権を尊重し、いかなる差別も行わない」ことを宣言しております。
また、「大崎電気グループ 人権方針」にもとづく施策の実効性を高めるため、サプライチェーンを含む事業活動全体におよぶ人権への「負の影響」の特定・分析・評価するとともに、該当事象がある場合の是正・緩和または予防する措置を実施するための人権デューデリジェンスのしくみの構築と運用の強化に取り組んでいます。
2025年度には、人権デューデリジェンスを構成する重要な取組である「人権への負の影響評価および人権課題の特定」に向けて、「人権に関する負の影響 セルフアセスメント」を実施しました(初年度の取組であり、大崎電気工業単体を対象に実施)。その結果、当社が優先的に取り組むべき人権課題として、「調達先に対するサプライチェーンCSRガイドライン(サプライチェーンにおける人権方針の浸透を図る)の実践要請」「非人道的な扱いや差別的な行為が発生した際の対応手順」「人権に関する社内啓発・浸透活動」を特定しました。
こうした結果を踏まえ、サステナビリティ推進委員会の下部「人財活躍推進ワーキンググループ」の取組を通じて特定した課題の解決に継続して取り組み、2026年度中の完了を目指しております。
また、当社グループは、人権方針を遂行していくうえで、ステークホルダーのみなさまと継続的に対話していくことの重要性を認識しています。自社の事業活動が人権に及ぼす影響について、影響を受ける人々の視点から理解し、適正に対処できるよう、積極的にステークホルダーとの関係構築に努めております。また、人権に対する当社の考え方や期待については、すべてのステークホルダーのみなさまに対して明確に伝えていきます。
また、ハラスメント防止の取組においても、事業成果創出の土台でもある組織風土向上に向けて「いかなるハラスメントも許さない」という姿勢のもと、①規則の見直し等による、枠組みの整備、②外部の専門会社と連携した、体制の強化、③ハラスメント教育の実践、を3つの柱として、社員一人ひとりの意識醸成、ハラスメント防止に向けた取組を実施しております。ハラスメント教育においては、全従業員に対し、あらためて基礎編、応用編のe-ラーニングを実施し、受講率は、基礎編100%、応用編99%の状況となっております。
加えて、「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に認定されるなど、従業員の心身の健康と安全に配慮した取組を継続実践するとともに、従業員の意見を反映した作業服への刷新など、働きやすい職場環境の整備に取り組んでおり、育児の短時間勤務におけるフレキシブル活用化や男性の育児休業取得率向上など、ワークライフバランスの取組も推進しております。また、従業員の多様性を尊重し幅広く活躍できる職場をめざすとともに、「同一労働同一賃金」の徹底を図るため、人財の育成や従業員のキャリアアップのためのサポートを推進しています。
その他にも、安全衛生の取組を重要な経営課題と位置づけ、「大崎電気グループ企業行動憲章」にもとづき従業員はもとより大崎電気グループのサプライチェーンに携わるすべての人々が安心、安全、やりがいを持って働ける職場環境を整備しています。2025年度の当社の労働基準違反件数、労働災害件数は共に0件、休業災害度数率(労働災害による休業者数÷延べ労働時間×100万時間)は0.99です。
このように、個が輝くための土台としての職場環境の改善・向上や組織風土向上に取り組んでおります。
当社における、給与・賞与の決定方針並びにダイバーシティの推進、エンゲージメントの取組状況については以下のとおりです。
■給与・賞与の決定方針
当社は、職群というそれぞれの役割に基づく資格体系としており、役割が大きくなるほど、報酬が高くなる設定としております。人事評価については、業務目標に対する業務実績と、パフォーマンスを創出する行動力を評価し、業務実績評価は実績払いとしての賞与へ、行動力評価は将来への期待として昇給へ反映しております。
基本給については、それぞれの職群においても習熟度の違いがある事から、上限額・下限額による範囲において、昇給により社員は成長・習熟度を高めていく仕組みとしております。
また、賞与については、2024年4月の評価・報酬制度の見直しにより、より高い成果をあげた社員に対する処遇を企図し、これまでの倍となるインセンティブ付与を実施しております。あわせて、高い業務目標に対し未達の場合でも標準評価を担保可能な仕組みとすることで、よりチャレンジを促す仕組みとしております。
■ダイバーシティの推進
これまでにない新たな価値の創出に向けて、「多様性」が競争優位の源泉の一つとの考えに基づき、ダイバーシティを推進しております。
●女性活躍の推進
女性社員比率の向上及び女性が活躍できる職場環境の整備、組織風土の確立に向け、女性社員の採用拡大、ライフイベントや家庭と仕事の両立支援、女性社員のキャリア意識向上や男性社員の意識変革などに取り組んでいます。
また、女性管理職割合の向上については、ターゲット人材の動機付け及び計画的育成による管理職登用また経験者採用による登用により推進していくとともに、計画的育成により各職群の人材パイプラインの充実を図ってまいります。
●シニア人材(定年年齢到達後社員)の活躍推進
当社は、定年60歳年齢に達した社員を対象に再雇用制度を導入しています。2025年度は、対象者の82.4%が再雇用を希望し、就業を継続しています。
これまで培った知見・技術の発揮による組織貢献とともに、知見・技術の後継への継承も見据え、シニア人材の活躍推進に取り組んでまいります。
●障がいを持つ社員の活躍推進
当社における障がい者雇用率は、1.91%(2025年度)となっており、法定雇用率を下回る状況にあります。今後も多様な人材が集う組織風土の確立に向け、障がいを持つ社員の雇用拡大に取り組んでまいります。
■エンゲージメント
中期経営計画達成に向けた取組を加速するなかで、社員が経営理念体系や上位方針を正しく理解し、制度や仕組みが有機的に機能しながら社員の成長実感や貢献実感につながっているかを定点観測するために、2023年度よりエンゲージメント・サーベイを本格的に実施しています。
スコアについては、調査を開始した2023年度から、総じてスコアが年々向上しており、特に「仕事」「会社」のスコア上昇により、総合スコアは2023年度の3.60から、2025年度の3.77と0.17ポイント向上しています。また、2025年度より、「企業理念・価値観」についても統合し調査を実施しておりますが、3.78と好結果の状況となっております。
今後も施策の継続・拡充を通じて、従業員エンゲージメントの更なる向上、並びに価値観の浸透・実践に取り組んでまいります。
エンゲージメント・サーベイ スコア概要
項目2023年度
スコア
2024年度
スコア
2025年度
スコア
増減
(2023・2025)
総合スコア3.603.643.77+0.17
仕事3.553.573.87+0.32
職場3.693.733.71+0.02
会社3.563.613.74+0.18
企業理念・価値観--3.78-

※ 調査回答は1~5までの5段階評価。3.50以上をポジティブな水準として評価

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