有価証券報告書-第115期(2023/04/01-2024/03/31)
(4) 戦略
① TCFD提言への取組
(気候変動に関するリスク・機会の特定プロセス)
岩通グループの事業は、「情報通信事業」「電子計測事業」「印刷システム事業」の大きく3つから構成されています。それぞれの事業及びサプライチェーンにおいて、気候変動に関して想定されるリスク・機会が異なる可能性を考慮し、事業別にリスク・機会の抽出及び特定を実施しました。その結果、気候変動に関するリスク及び機会は各事業共通であると判断されることから、岩通グループの共通のリスク・機会として特定しています。
また、岩通グループの気候変動におけるリスク及び機会に関する2030年時点での財務影響評価については、移行リスク(1.5℃シナリオ)、物理的リスク(4.0℃シナリオ)にて分析、検討しています。
(事業に関する気候変動リスク・機会)
岩通グループの気候変動に伴うリスク及び機会は、気候変動に関する1.5℃及び4.0℃の2つのシナリオにおいて分析及び抽出を行っています。
岩通グループの主要事業である「情報通信事業」「電子計測事業」「印刷システム事業」は、サプライヤーでの部品・材料の製造等からユーザーの製品使用まで、多くの電力を使用します。そのため、1.5℃シナリオにおける移行リスクとして、「GHG排出に関する規制強化」や「エネルギー需給の変化」、「次世代技術の進歩普及」を想定しました。
また、4.0℃シナリオにおける物理的リスクとしては、気候変動関連災害による工場・事業所への影響を主なリスクとして捉えました。なお、4.0℃シナリオにおいて特定された機会はありません。
気候変動に伴う機会(1.5℃シナリオ)として、「GHG排出に関する規制強化」や「低炭素製品の需要変化」、「次世代技術の進歩普及」を想定しました。
特定した事業へのリスク・機会及び対応策
(気候変動のリスク・機会により想定される財務インパクト)
岩通グループが想定した気候変動に関する1.5℃、4.0℃シナリオにおける移行リスク、物理的リスク、機会が表出した際の財務的インパクトは以下のとおりです。
1.5℃シナリオにおける移行リスクでは「GHG排出に関する規制強化による製品のCO2排出量削減のための開発費の増加、炭素税による課税」及び「エネルギー需給の変化に伴うエネルギー価格の高騰による収益性の変化」を、4.0℃シナリオにおける物理的リスクでは「自然災害の激甚化」を、岩通グループの事業に影響を与える財務インパクトとして想定しています。
② ビジネスと人権への取組
(人権リスクの特定)
岩通グループでは、事業活動に関わる全ての人々の人権を尊重した経営を行うべきであると考え、「あらゆる人やモノを繋ぐコミュニケーションで、生きがい溢れる社会創りに貢献する」という企業理念のもと取組を進めてきましたが、近年、重要性が高まっている人権への配慮を事業に反映していくため、2023年3月、「岩通グループ人権方針」を策定しました。
また、本方針のもと、2030年度には、サプライヤーを含めたバリューチェーンにおいて人権尊重が徹底された状態となることを目指すため、ESG委員会を中心に人権ワーキングチームを発足し、「ビジネスと人権に関する指導原則」の対応プロセスにのっとり、人権リスクの評価・特定を行いました。
特定された人権リスクのうち、岩通グループが直接的に影響を与えうるリスクとして「労働安全衛生」、「各種ハラスメント」を想定しています。サプライヤーにおけるリスクとしては「賃金の不足・未払、生活賃金」、「労働安全衛生」、「社会保障を受ける権利」、「強制的な労働」を想定しています。
また、バリューチェーン横断的に影響を与えるリスクとして「プライバシーの権利」、「ジェンダー」、「サプライチェーン上の人権問題」、「環境・気候変動に関する人権問題」を想定しています。
今後は、想定される人権リスクに対する対策を検討・整備し、人権尊重の取組を推進していきます。
③ 人的資本への取組
岩通グループは、人財の多様化と育成が中長期的な企業価値向上につながると考えています。そのため、国籍や人種、性別、年齢、信条、宗教、性的指向、学歴、障がいの有無等に関わらず、意欲と将来性のある優秀な人財を採用し、多様な個性と人権を尊重しながら活躍を推進しています。
また、「人」とは財産であり、社員一人ひとりの成長がグループの成長につながると考え、マテリアリティに基づく活動テーマとして「人財育成と技術継承」を掲げ、社員と共に会社も成長し続けることを目指し、社内環境の整備や人財育成を推進しています。
① TCFD提言への取組
(気候変動に関するリスク・機会の特定プロセス)
岩通グループの事業は、「情報通信事業」「電子計測事業」「印刷システム事業」の大きく3つから構成されています。それぞれの事業及びサプライチェーンにおいて、気候変動に関して想定されるリスク・機会が異なる可能性を考慮し、事業別にリスク・機会の抽出及び特定を実施しました。その結果、気候変動に関するリスク及び機会は各事業共通であると判断されることから、岩通グループの共通のリスク・機会として特定しています。
また、岩通グループの気候変動におけるリスク及び機会に関する2030年時点での財務影響評価については、移行リスク(1.5℃シナリオ)、物理的リスク(4.0℃シナリオ)にて分析、検討しています。
(事業に関する気候変動リスク・機会)
岩通グループの気候変動に伴うリスク及び機会は、気候変動に関する1.5℃及び4.0℃の2つのシナリオにおいて分析及び抽出を行っています。
岩通グループの主要事業である「情報通信事業」「電子計測事業」「印刷システム事業」は、サプライヤーでの部品・材料の製造等からユーザーの製品使用まで、多くの電力を使用します。そのため、1.5℃シナリオにおける移行リスクとして、「GHG排出に関する規制強化」や「エネルギー需給の変化」、「次世代技術の進歩普及」を想定しました。
また、4.0℃シナリオにおける物理的リスクとしては、気候変動関連災害による工場・事業所への影響を主なリスクとして捉えました。なお、4.0℃シナリオにおいて特定された機会はありません。
気候変動に伴う機会(1.5℃シナリオ)として、「GHG排出に関する規制強化」や「低炭素製品の需要変化」、「次世代技術の進歩普及」を想定しました。
特定した事業へのリスク・機会及び対応策
| 気候変動リスク 機会の分類 | シナ リオ | 気候変動により 想定される影響 | 対応策 | |
| 移行リスク | ・GHG排出に関する規制強化 | 1.5℃ | ・顧客のCO2排出量削減要求やカーボンプライシング導入に伴う開発コストの増加 ・顧客のCO2排出量削減要求等に適切に対応できない場合の取引停止、事業機会の損出 ・炭素税導入に伴うエネルギー使用コストの増加 | ・製品の省エネルギー化推進とその実現による事業機会の獲得 ・老朽設備の更新及び最新機器の導入によるエネルギー使用量の削減 |
| ・エネルギー需給の変化 | ・燃料の高騰及び再生可能エネルギー比率増加による燃料費/電気代の増加 | ・省エネルギー化推進及び再生可能エネルギー発電設備の導入 | ||
| ・次世代技術の進歩普及 | ・部品/材料の低炭素化対応に伴う調達価格の上昇 | ・調達方法及び設計の見直しによる長期的なコストダウン施策の実施 | ||
| 物理的リスク | ・地球温暖化による環境変化 | 4.0℃ | ・熱中症、気候変動起因疾病及び体調不良者の増加 | ・空調の見直しを主とした労働環境の再整備 |
| ・自然災害の激甚化 | ・自然災害による工場 事業所の操業停止又は稼働率低減による売上高の減少 | ・災害発生シミュレーションの実施及び災害対応マニュアルの整備 | ||
| 機会 | ・GHG排出に関する規制強化 | 1.5℃ | ・顧客のサプライチェーンガイドライン及びカーボンプライシングへの早期対応による競争力の強化 | ・サステナビリティ調達ガイドラインの制定及び製品アセスメントの強化による環境配慮型製品の開発推進 |
| ・低炭素製品の需要変化 | ・電気自動車(EV)等パワー半導体使用機器の普及に伴うパワーエレクトロニクス計測器の需要増加 ・パワーエレクトロニクス計測器の市場拡大に伴う多様なニーズの発生 | ・当社パワーエレクトロニクス計測器の性能向上及びラインナップの拡充 | ||
| ・次世代技術の進歩普及 | ・先進的な省エネルギー技術の確立及び普及 ・顧客要求が高いSBT認定取得による当社の評価向上 | ・新たな省エネルギー技術を当社製品に取り入れることによる商品力の向上 ・SBT認定取得及びCO2削減目標達成施策の実施 | ||
(気候変動のリスク・機会により想定される財務インパクト)
岩通グループが想定した気候変動に関する1.5℃、4.0℃シナリオにおける移行リスク、物理的リスク、機会が表出した際の財務的インパクトは以下のとおりです。
1.5℃シナリオにおける移行リスクでは「GHG排出に関する規制強化による製品のCO2排出量削減のための開発費の増加、炭素税による課税」及び「エネルギー需給の変化に伴うエネルギー価格の高騰による収益性の変化」を、4.0℃シナリオにおける物理的リスクでは「自然災害の激甚化」を、岩通グループの事業に影響を与える財務インパクトとして想定しています。
② ビジネスと人権への取組
(人権リスクの特定)
岩通グループでは、事業活動に関わる全ての人々の人権を尊重した経営を行うべきであると考え、「あらゆる人やモノを繋ぐコミュニケーションで、生きがい溢れる社会創りに貢献する」という企業理念のもと取組を進めてきましたが、近年、重要性が高まっている人権への配慮を事業に反映していくため、2023年3月、「岩通グループ人権方針」を策定しました。
また、本方針のもと、2030年度には、サプライヤーを含めたバリューチェーンにおいて人権尊重が徹底された状態となることを目指すため、ESG委員会を中心に人権ワーキングチームを発足し、「ビジネスと人権に関する指導原則」の対応プロセスにのっとり、人権リスクの評価・特定を行いました。
特定された人権リスクのうち、岩通グループが直接的に影響を与えうるリスクとして「労働安全衛生」、「各種ハラスメント」を想定しています。サプライヤーにおけるリスクとしては「賃金の不足・未払、生活賃金」、「労働安全衛生」、「社会保障を受ける権利」、「強制的な労働」を想定しています。
また、バリューチェーン横断的に影響を与えるリスクとして「プライバシーの権利」、「ジェンダー」、「サプライチェーン上の人権問題」、「環境・気候変動に関する人権問題」を想定しています。
今後は、想定される人権リスクに対する対策を検討・整備し、人権尊重の取組を推進していきます。
③ 人的資本への取組
岩通グループは、人財の多様化と育成が中長期的な企業価値向上につながると考えています。そのため、国籍や人種、性別、年齢、信条、宗教、性的指向、学歴、障がいの有無等に関わらず、意欲と将来性のある優秀な人財を採用し、多様な個性と人権を尊重しながら活躍を推進しています。
また、「人」とは財産であり、社員一人ひとりの成長がグループの成長につながると考え、マテリアリティに基づく活動テーマとして「人財育成と技術継承」を掲げ、社員と共に会社も成長し続けることを目指し、社内環境の整備や人財育成を推進しています。