有価証券報告書-第65期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/30 9:07
【資料】
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【項目】
147項目
(2)戦略
当社グループでは、調達から生産、供給に至るまでのバリューチェーン全体を対象として、気候変動によるリスクと機会を洗い出し、事業への影響度と対応策について考察・分析を実施しております。設定シナリオとして、IPCCやIEAが公表するシナリオを参考に、産業革命期頃の世界平均気温と比較して2100年頃までに4℃上昇するとする4℃シナリオと、脱炭素化社会への移行に伴い1.5℃~2℃未満に気温上昇が抑制される2℃未満シナリオの2つのシナリオを想定し、それぞれの世界観における2030年時点での当社グループへの影響について考察を実施しております。
4℃シナリオにおいては異常気象の激甚化に伴う洪水・高潮被害をはじめとする物理的リスクが拡大し、特にタイ・ベトナムにおける直接的な被害が顕著な影響として想定されます。一方で、2℃未満シナリオでは4℃シナリオと比較してその被害規模は縮小するものの、各国における炭素税の導入や電力価格の高騰により、若干の操業コストの増加を試算しております。また、その他IPCCの将来予測シナリオに基づいた複数のパラメータから、製品の環境性能向上による事業機会獲得の可能性を確認しております。
これらの分析結果は、具体的な対応策の検討・立案をはじめ、当社グループの環境課題に対するレジリエンスの検証に活用し、不確実な将来世界のあらゆる可能性に備えるとともに、今後も環境関連の社会動向を踏まえた分析を定期的に実施、評価の見直しと情報開示の充実化に努めてまいります。
要因具体的事象分類評価実施中の取り組み
今後検討する対策
2℃未満シナリオ4℃シナリオ
異常気象災害の増加洪水や高潮被害の規模拡大による自社拠点の被災と対応コストの発生リスク事業継続マネジメントシステム(BCMS)を構築したリスクマネジメントの実施
炭素税の導入操業に伴うCO2排出量への課税による支出の増加リスク温室効果ガス排出量の算定及び、エネルギー起源CO2排出量の目標水準の設定及びモニタリング
エネルギーミックスの変化再生可能エネルギー発電への移行に伴う電力価格の上昇リスク環境マネジメント体制の構築及び関係会社各社含む環境方針の設定と省エネ努力の推進
法令・規制の強化RoHS指令、REACH規則や、バッテリー規制に代表されるリサイクル規制をはじめとする法規制や政策の対象・範囲の拡大強化への対応による需要拡大と対応コストの発生リスク/
機会
グリーン調達の推進及び製品含有化学物質調査の実施
エシカル消費嗜好の拡大製品の環境性能向上やエネルギーマネジメントシステムへの対応による収益機会の増加機会環境配慮設計製品の研究開発及び、リサイクル活動(ゼロエミッション)や資源循環の推進

また、当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、次のとおりであります。
当社グループは、「コミュニケーションとセキュリティの技術で社会に貢献する」「顧客感動品質を創造し、世界中の人々に安心・安全・快適を提供し続ける」の2つを経営ビジョンに掲げております。これらの実現を図るため、国内に留まらず、海外市場の拡大を目指すとともに、より多様な視点で経営環境の変化に対応すべく、様々な知識・経験・思考・技能を有する人材の育成と確保は中長期的な企業価値向上において重要な戦略の一つであると認識しております。
当社グループは、経営計画を達成する上で、人材を重要な経営資本と捉えており、従業員にとって働きがいを感じることができる企業風土を実現していくことが、持続的な成長につながっていくものと考えております。そのため、当社グループでは、中長期的な人材育成、健康経営の推進、公正な評価と総合的な人事制度によりエンゲージメントの向上を目指しております。
人的資本への投資については、育成に関しては階層別研修とは別に専門人材教育を、また採用においては、多様性の実現に向けた専門キャリア人材採用を引き続き継続するなど、今後もこれらへの投資を維持拡大していく予定です。中核人材の登用等における多様性の確保の状況や人材育成の取り組み状況は当社ウェブサイトに開示しております。(https://www.aiphone.co.jp/sustainability/social/index_employee.html)
① 人材育成に係る取り組み
・専門人材のキャリア採用
当社を取り巻く環境は目まぐるしく変化しており、あらゆる環境の変化においても柔軟に対応していくため、海外市場拡大、開発力強化、新規事業への挑戦が求められ、その実現に向け、活力と多様性に富む人材ポートフォリオの構築が必須です。そのため、当社では新卒採用のみならず、ハード・ソフトエンジニア、IT人材など高い専門性や知見を有する専門人材のキャリア採用を推進いたします。
・カムバック制度
当社は、転職などによるキャリアアップや結婚・出産・育児等の家庭の事情などを理由として、定年退職前に退職した元従業員が再び就職できるようにする「カムバック制度」を2023年度から新設いたしました。これにより、退職者にはこれまでの経験や他社などで身に付けた様々なキャリアや知識を発揮できる機会を提供し、現従業員にとってもその経験や知識を得ることにもつながると考えております。
・地域限定総合職と女性リーダーシップ研修
女性従業員の更なる活躍に向け、地域限定総合職を新設いたしました。今後、一般事務職の女性が、当社総合職として更なる活躍を促すために2022年度から女性リーダーシップ研修を採り入れ、女性総合職のキャリアの選択肢を広げる支援をしております。
② 女性の管理職登用
当社グループは、女性の活躍が当社グループにとって組織の活性化、生産性向上において極めて重要であると考えております。しかしながら、当社グループを取り巻くこれまでの環境から、女性管理職の割合は、多様性の確保という観点からは十分とは言えず、課題と認識しております。これを踏まえ、今後、中核人材の育成に努め、女性管理職比率の改善については当社グループで2032年度までに20%とする目標を設定し、より多様性の拡充に努めてまいります。なお、当社グループ女性管理職比率の2022年度実績は7.3%であります。
③ 外国人の管理職登用
当社グループの外国人の管理職登用については、海外における事業規模や経営環境等を踏まえた適当な数の外国人登用は不可欠と考えており、海外グループ販社を中心に必要十分な外国人管理職数が登用されております。現状、こうした考えのもと、当社グループの外国人管理職比率については現状維持を基本としておりますが、今後、さらなる事業のグローバル化を進めるにあたり、必要に応じて外国人人材の管理職登用を進めてまいります。なお、当社グループ外国人管理職比率の2022年度実績は22.7%であります。
④ 中途採用者の管理職登用
当社グループの中途採用者の管理職登用については、採用時期によらず、能力や適性等を踏まえた総合的な評価により実施しております。
なお、現時点での管理職比率は当社が妥当と判断する比率を維持していることから、現状を維持することを基本としております。引き続き、経営環境の変化を適切に捉えるとともに、必要に応じてさらなる中途採用者の管理職登用を進めてまいります。なお、当社グループ中途採用者管理職比率の2022年度実績は42.7%であります。

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