有価証券報告書-第102期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/28 13:08
【資料】
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【項目】
124項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、米国では雇用や所得環境の改善や設備投資の持ち直しを背景に緩やかな景気回復基調が続き、ユーロ圏においても実質所得の伸び悩みがあったものの、雇用環境の改善や製造業を中心とした企業活動の活発化が見られました。アジア地域では、中国において公共投資や各種政策効果により景気減速に一服感が見られ、地域全体でも緩やかな回復基調が続きました。わが国経済は、個人消費の伸び悩みが続きましたが、アジア地域向けの輸出増や設備投資の持ち直しに支えられ、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
このような環境の中、当社グループは全社重点事業戦略として「付加価値を追求したLED照明事業の拡大」「光・環境事業における新規分野への展開」「海外重点地域への戦略的商品投入による事業の推進」の3項目を掲げて事業展開を推進してまいりました。
これらの結果、売上高は56,611百万円(前年度は58,206百万円で2.7%の減少)、営業利益は光・環境事業での在庫評価損を計上した要因もあり972百万円(前年度は2,082百万円で53.3%の減少)、経常利益は1,002百万円(前年度は1,931百万円で48.1%の減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は一部の照明機器におけるクレーム対策費用283百万円を計上した要因もあり335百万円(前年度は920百万円で63.5%の減少)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの算定方法を変更しており、前連結会計年度の報告セグメントについても変更後の算定方法により作成しております。
また、当連結会計年度より、「光応用」から「光・環境」へと報告セグメントの名称を変更しております。
<照明>照明事業は、LED照明事業において、国内では、屋外用器具や工場施設向け照明器具の更なる省電力化、高効率化を実現した商品開発に注力し、新商品の市場認知度を高めるべく、お客様へ出向いて商品説明を行う移動展示車の展開を図るなどの拡販推進策を実施しました。これらの取り組みにより、投光器や高天井用器具は民間需要を中心に堅調に推移しましたが、市場価格の下落の影響に加え、公共投資関連の受注が伸び悩んだことが要因となり、売上高は当初計画ほどの伸長には至りませんでした。海外では東南アジア地域向けに屋外照明用のLED商品を投入するとともに、マレーシアに現地法人を設立し営業展開の基盤整備を行いました。一方、HIDを中心とした従来型照明事業においては、ランプは国内でのメンテナンス需要に対応しましたが、照明機器はLED照明への需要シフトにより減少となりました。
これらの結果、売上高は41,074百万円(前年度は42,027百万円で2.3%の減少)、営業利益は2,612百万円(前年度は2,993百万円で12.7%の減少)となりました。
<光・環境>光・環境事業は、環境試験関連分野の深耕、殺菌、滅菌事業の拡大、UVキュア(紫外線硬化)事業の強化に取り組み、UV-LED照射器や小型電子線照射装置など新商品の新規分野への訴求も視野に入れて、専門展示会への出展を積極的に行いました。環境試験関連では自動車産業向けの環境試験装置の受注、殺菌、滅菌事業では殺菌装置システムの受注により売上高、営業利益ともほぼ前年同期並みの水準で推移しました。一方、UVキュア事業においては、FPD(フラットパネルディスプレイ)関連の照射装置などの受注により売上高は増加しましたが、一部大型の低利益案件の受注に対応したことおよび在庫評価損を計上した要因により営業利益は減少しました。また、電子線照射関連では海外現地法人において前年同期ほどの件名受注に至らなかったことが主因となり、売上高、営業利益とも減少しました。なお、情報機器事業においては、道路情報板関連の件名受注により売上高は微増となりました。
これらの結果、売上高は15,580百万円(前年度は16,232百万円で4.0%の減少)、営業利益は280百万円(前年度は1,020百万円で72.5%の減少)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,914百万円減少し、14,783百万円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当期において営業活動により増加した資金は957百万円となりました。
主な内訳は、収入要因として、減価償却費1,511百万円、たな卸資産の減少565百万円、支出要因として、売上債権の増加775百万円、仕入債務の減少364百万円であります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当期において投資活動により使用した資金は2,445百万円となりました。
主な要因は、技術開発棟(テクノセンター)建設投資等による、有形固定資産の取得による支出2,555百万円であります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当期において財務活動により使用した資金は324百万円となりました。
主な内訳は、収入要因として、長期借入れによる収入1,000百万円、支出要因として、この借入収入を元手とした子会社株式の追加取得(株式会社アイ・ライティング・システムの完全子会社化)による支出1,195百万円であります。