有価証券報告書-第71期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/27 13:53
【資料】
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【項目】
121項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度のグローバル経済は、先進国、新興国ともに緩やかな経済成長にとどまりました。米国では雇
用環境の改善、堅調な個人消費や住宅投資など景気回復の兆しが見えました。欧州ではBrexitの影響は軽微にと
どまっていますが、イタリアにおける銀行危機やギリシャのデフォルト懸念といった問題を抱えており、景気回
復の停滞感が続きました。中国では政府主導のインフラ投資や減税策により経済を底支えしてきましたが、成長
は鈍化しました。また日本国内も、期間全体では円高基調が続き、住宅投資や設備投資で回復傾向が見られたも
のの景気の停滞感がぬぐえない状況が続きました。
このような状況のもと当連結会計年度の売上高は、マイクロ電池や自動車市場向け光学部品及び粘着テープな
どの販売が順調に拡大した一方、民生用リチウムイオン電池や磁気テープなどの販売が減収となりました。また、熊本地震の影響によりプロジェクターが大幅な減収となったことに加え、円高による為替の影響などから、前年
同期比13.5%(21,100百万円)減(以下の比較はこれに同じ)の135,116百万円となりました。利益面では、プロ
ジェクターなどの販売減や円高による為替の影響がありましたが、成長分野の伸長による増益効果及び事業ポー
トフォリオの改善効果に加えて、引き続き原価低減に努めました。この結果、営業利益は3.6%(261百万円)増
の7,567百万円、経常利益は10.3%(690百万円)増の7,387百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は45.6%
(1,793百万円)増の5,724百万円となりました。
当連結会計年度の対米ドルの平均円レートは108円となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
(エネルギー)
マイクロ電池の販売はコイン形リチウム電池やメーター向け筒形リチウム電池などを中心に堅調に推移した一
方で、スマートフォン向け角形リチウムイオン電池などが減収となった結果、エネルギー全体の売上高は14.2%
(5,790百万円)減の34,992百万円となりました。営業利益は、リチウムイオン電池の減収や円高の影響がありま
したが、業務用マイクロ電池の増収が寄与し3.6%(71百万円)増の2,031百万円となりました。
(産業用部材料)
自動車市場向けの光学部品や粘着テープの販売が堅調に推移した一方で、磁気テープが大幅な減収となった結
果、産業用部材料全体の売上高は7.6%(3,527百万円)減の42,792百万円となりました。営業利益は粘着テープ
や自動車市場向けの光学部品の増益に加え、不採算事業を縮小したことなどから94.0%(1,437百万円)増の
2,965百万円となりました。
(電器・コンシューマー)
コンシューマー製品の一部で販売が増加したものの、熊本地震の影響によりプロジェクターが大幅減収となり、
電器・コンシューマー全体の売上高は17.0%(11,783百万円)減の57,332百万円となりました。営業利益はエス
テ家電の高付加価値品へのシフト、プロダクトミックス改善によるコンシューマー製品の増益などが寄与しまし
たが、プロジェクターの機会損失により32.7%(1,247百万円)減の2,571百万円となりました。
地域ごとの売上高は、次のとおりであります。
日本
健康・理美容品などの販売が減少したものの、リチウムイオン電池、コンシューマー向けアクセサリー及び光ディスクなどの販売が好調に推移したことにより、売上高は5.1%増の61,680百万円となりました。
米国
プロジェクターや磁気テープの販売が減少したことにより、売上高は30.9%減の14,035百万円となりました。
欧州
自動車向けの一次電池の販売が好調に推移したものの、磁気テープ、アクセサリ及びプロジェクターなどの販売が減少したことにより、売上高は16.8%減の12,673百万円となりました。
アジア他
自動車向けの一次電池や光学部品の販売が堅調に推移したものの、民生用リチウム電池及びプロジェクターなどの販売が減少したことにより、売上高は24.6%減の46,728百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の収入11,971百万円、投資活動による資金の支出2,342百万円、財務活動による資金の支出2,031百万円などにより、あわせて6,884百万円増加しました。この結果、当連結会計年度末の資金は48,901百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、11,971百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益6,703百万円、減価償却費4,323百万円、売上債権の減少3,617百万円による資金の増加と、仕入債務の減少719百万円による資金の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、2,342百万円の支出となりました。これは主に、定期預金の預入による支出3,118百万円、有形固定資産の取得による支出3,259百万円、投資有価証券の取得による支出1,507百万円による資金の減少と、有形固定資産売却による収入6,052百万円による資金の増加によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2,031百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払1,902百万円による資金の減少によるものです。