有価証券報告書-第69期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 17:15
【資料】
PDFをみる
【項目】
122項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度のグローバル経済は、米国経済が下支えとなり緩やかながらも回復が続きましたが、年度後半では原油価格の大幅下落を受けてロシアなどの資源国経済が減速したことや、中国では投資抑制に伴う成長ペースの低下が鮮明になるなど、先行きの不透明感が高まりました。米国ではドル高進行や原油価格の急落による輸出・資源関連企業の投資抑制などの不安要素はあるものの雇用情勢の改善による個人消費の増勢から堅調に推移した一方で、欧州においては内需の伸び悩みなどから低成長基調が継続しました。また、中国においても過剰投資や過剰信用など構造問題への取り組みによる不動産投資のスローダウンから経済成長率は低下傾向で推移しました。国内においては消費税率引き上げ後の落ち込みがありましたが、消費税の再増税延期など政府による各種施策により緩やかながらも回復基調が継続しています。
このような状況のもと、当連結会計年度の売上高は、スマートフォンの急激な市場構造の変化から民生用リチウムイオン電池が大幅な減収となったほか、日本及び欧州におけるコンシューマー製品などが低調に推移しました。しかしながら成長分野のひとつである自動車市場向けの電池や光学部品が前期に対して大きく伸長したことに加えプロジェクター関連事業が堅調に推移したことなどから、前期比5.1%(7,552百万円)増(以下の比較はこれに同じ)の156,033百万円となりました。利益面では、固定費削減などの原価低減に努めましたが、民生用リチウムイオン電池の販売減の影響などにより営業利益は29.4%(2,166百万円)減の5,190百万円となり、経常利益は32.2%(2,596百万円)減の5,470百万円となりました。当期純利益は固定資産売却益、投資有価証券売却益などの特別利益を計上した一方、事業構造改善費用、固定資産の減損損失などの特別損失を計上したことから、8.2%(612百万円)減の6,820百万円となりました。
なお、当連結会計年度の対米ドルの平均円レートは110円となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
(エネルギー)
自動車市場向けのセンサー用コイン形リチウム電池が好調に推移するなどマイクロ電池が伸長しましたが、民生用リチウムイオン電池の主要用途であるスマートフォンの市場構造の急激な変化により、ハイエンドスマートフォン用の角形リチウムイオン電池の受注が落ち込んだことから、エネルギー全体の売上高は3.2%(1,267百万円)減の37,721百万円となりました。営業利益は、原価低減に努めたものの角形リチウムイオン電池の販売低迷の影響から58.2%(1,437百万円)減の1,031百万円となりました。
(産業用部材料)
需要が減少傾向にある磁気テープが減収となったものの、成長分野のひとつである自動車市場向けのカメラレンズといった光学部品が期初見通しよりも好調に推移した結果、産業用部材料全体の売上高は3.5%(1,664百万円)増の48,840百万円となりました。営業利益は光学部品事業などの収益性が向上しましたが、磁気テープなどの販売減の影響もあり8.7%(173百万円)減の1,825百万円となりました。
(電器・コンシューマー)
日本及び欧州のコンシューマー製品が市場低迷の影響などにより販売減少となりましたが、プロジェクター関連事業や健康・理美容機器が好調に推移したことなどにより、電器・コンシューマー全体の売上高は11.5%(7,155百万円)増の69,472百万円となりました。営業利益はプロジェクター関連事業などが寄与しましたが、コンシューマー製品の販売減に加え、円安進行による調達コスト増などの影響もあり、19.2%(556百万円)減の2,334百万円となりました。
地域ごとの売上高は、次のとおりであります。
日本
プロジェクター関連事業が堅調に推移したものの、コンシューマー製品が低調に推移したことなどにより、売上高は1.4%減の58,940百万円となりました。
米国
自動車市場向けの電池が好調に推移したほかプロジェクター関連事業が堅調に推移したことなどにより、売上高は16.0%増の20,313百万円となりました。
欧州
磁気テープの販売数量が減少したものの、自動車市場向けの電池が好調に推移したほかプロジェクター関連事業が堅調に推移したことなどにより、売上高は17.1%増の17,072百万円となりました。
アジア他
リチウムイオン電池が減収となったものの、自動車市場向けの光学部品が好調に推移したことなどにより、売上高は5.5%増の59,708百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の収入5,926百万円、投資活動による資金の収入17,827百万円、財務活動による資金の支出6,499百万円などにより、あわせて19,267百万円増加しました。この結果、当連結会計年度末の資金は38,187百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、5,926百万円の収入となりました。これは主に、減価償却費5,073百万円、たな卸資産の減少3,979百万円などによる資金の増加と、仕入債務の減少1,955百万円、法人税等の支払1,469百万円などによる資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、17,827百万円の収入となりました。これは主に、東京ビルなどの有形固定資産の売却による20,646百万円の資金の増加と、有形固定資産の取得による5,575百万円の資金の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、6,499百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払4,994百万円、短期借入金の返済1,788百万円などによる資金の減少によるものであります。