有価証券報告書-第69期(2023/01/01-2023/12/31)
2.重要性がある会計方針
本連結財務諸表において適用する重要性がある会計方針は、以下の(1)会計方針の変更に記載するものを除き、連結財務諸表が表示されている全ての会計期間において継続的に適用しています。
(1)会計方針の変更
当社グループは、当連結会計年度から「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール(IAS第12号の改訂)」を適用しています。
本改訂は、経済協力開発機構(OECD)が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税制から生じる法人所得税に係る繰延税金に関する会計処理について、一時的な強制的例外を定めるとともに、第2の柱のエクスポージャーに関する新たな開示を求めています。
強制的例外は遡及的に適用されます。しかしながら、当連結会計年度末現在、当社グループが営業活動を行っているいずれの法域においても、追徴課税を実施するための新たな法律は施行されておらず、また関連する繰延税金は認識されていないため、遡及適用による当社グループの連結財務諸表への影響はありません。
(2)連結の基礎
当社の連結財務諸表には、当社及び当社の子会社の財務諸表が含まれています。
子会社とは、当社グループが直接的又は間接的に支配している全ての投資先をいいます。当社グループが投資先に対するパワーを有し、当社グループが投資先の関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ投資先に対しパワーを行使することにより投資先のリターンに影響を及ぼす能力を有している場合、当社グループは投資先を支配しています。
各子会社が採用する会計方針は、当社グループが採用した会計方針と統一しています。
当社グループ内部での債権債務残高、取引及び未実現損益は、連結財務諸表の作成にあたり消去しています。
(3)企業結合
当社グループは、企業結合の会計処理として取得法を適用し、取得企業が被取得企業に対する支配を獲得した時点で、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債(偶発負債を含む)を取得した時点の公正価値で測定しています。被取得企業に対する非支配持分は、被取得企業の識別可能な純資産に対する比例的持分で測定しています。
のれんは当初認識時には、①移転された対価、②被取得企業に対する非支配持分及び③段階取得の場合には取得企業が以前に保有していた被取得企業の持分の取得日における公正価値の合計額から、④取得した識別可能な資産から引き受けた負債の公正価値の正味の金額を差し引いた超過額をもって測定しています。
取得関連費用は、即時に費用処理しています。
支配の喪失を伴わない子会社に対する持分変動があった場合、資本取引として会計処理しています。一方、支配の喪失を伴う子会社に対する持分変動があった場合、当該子会社の資産及び負債、子会社に関連する非支配持分及びその他の包括利益累計額の認識を中止し、当該持分変動から生じた利得又は損失を純損益として計上しています。
共通支配下における企業結合、すなわち、全ての結合企業又は結合事業が最終的に企業結合の前後で同じ当事者によって支配されその支配が一時的なものではない企業結合については、帳簿価額に基づき会計処理をしています。
(4)外貨換算
当社グループは、外貨建取引を取引日時点の直物為替レートを適用し機能通貨に換算しています。
外貨建貨幣性資産及び負債は、各連結会計年度末日時点の直物為替レートを適用し機能通貨に換算しています。当該換算から生じる為替差額は純損益として計上しています。ただし、包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産、有効な範囲内におけるキャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資ヘッジから生じる為替差額はその他の包括利益として計上しています。外貨建非貨幣性資産及び負債は、取得日の直物為替レートを適用し換算しています。機能通貨が日本円以外の子会社の資産及び負債は各連結会計年度末日の直物為替レートを用いて換算され、収益及び費用は為替レートが著しく変動している場合を除き、会計期間中の平均為替レートを用いて換算されます。換算から生じる差額はその他の包括利益で計上され、在外子会社の処分時にその他の包括利益の累計額を純損益に振替えています。
(5)収益
当社グループは、下記の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引金額を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する
当社グループは、多くの車載関連機器、インダストリー分野、家電分野で使用されるコイル部品を主要な製品として製造販売しており、これらの分野の製品を販売する国内外の様々なメーカーを顧客としています。
このようなコイル製品の販売については、製品を顧客に引渡した時点で顧客が当該製品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、当該製品の引渡時点で収益を認識しています。また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引、リベート及び返品等を控除した金額で測定しています。
一部のグループ会社においては、顧客の要請に基づき仕様設計等の開発サービス及び特定の工具製造を請け負っています。
当該開発・工具製造サービスについてはコイル製品販売と区別され、開発期間等一定の期間にわたり収益を認識しています。
(6)金融商品
当社グループは、金融商品の契約条項の当事者になった取引日の時点で金融資産又は金融負債を当初認識しています。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産又は金融負債以外の金融資産の取得又は金融負債の発行に直接起因する取引費用は、当初認識時に金融資産の公正価値に加算し又は金融負債の公正価値から減算しています。
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利が消滅した時、実質的に全ての金融資産の所有に係るリスクと経済価値が移転している取引において金融資産に係る契約上のキャッシュ・フローを受け取る権利を移転した時に金融資産の認識を中止しています。
①金融資産の分類
当社グループは金融資産を純損益又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産又は償却原価で測定する金融資産に分類しています。
全ての金融資産(当初認識後に取引価格で測定される重大な金融要素を有しない営業債権及び契約資産を除く)は、以下の要件を満たす場合には償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は公正価値で測定する金融資産に分類しています。
公正価値で測定する資本性金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定しなければならない売買目的で保有される資本性金融資産を除き、当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行っている場合にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
負債性金融商品への投資は以下の条件をともに満たし、かつ純損益を通じて公正価値を測定するものとして指定されていない場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
・その資産を契約上のキャッシュ・フローの回収と金融資産の売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有している。
・金融資産の契約条件により、所定の日に、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが生じる。
i) 償却原価で測定する金融資産
当社グループは、固定又は決定可能な支払金額を有するデリバティブ以外の金融資産のうち、現金及び現金同等物、営業債権並びにその他の債権を償却原価で測定する金融資産に分類しています。当初測定後、貸付金及び債権は実効金利法による償却原価から減損損失を控除した金額にて測定しています。実効金利法により利息収益は純損益として計上しています。
ⅱ) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
当社グループは、償却原価で測定する金融資産以外の金融資産で純損益を通じて公正価値で測定しなくてはならない金融資産及び当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択をした投資有価証券以外の資本性金融資産を、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。当該金融資産は公正価値に取引費用も含め当初測定され、当初認識後及び認識の中止後において公正価値で測定した変動額を包括利益計算書にて公正価値の純変動として表示しています。
ⅲ) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
当社グループは、当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択をした投資有価証券をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。当該投資有価証券は公正価値で当初認識され、関連する取引費用を発生時に純損益で計上しています。当初認識後は公正価値で再測定し、当初認識後の公正価値の変動はその他の包括利益として計上しています。認識の中止後も純損益への振替は行いません。
ⅳ) 純損益を通じて公正価値で測定するデリバティブ金融資産
デリバティブ取引については公正価値で当初認識され、関連する取引費用を発生時に純損益で計上しています。当初認識後は公正価値で再測定し、当初認識後の公正価値の変動は純損益として計上しています。
②金融負債の分類
当社グループの金融負債は、原則として公正価値から直接帰属する取引費用を控除し測定しています。当初測定後は実効金利法による償却原価で測定しています。
ただし、デリバティブ金融負債は当初認識時に純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類
しています。純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は公正価値で当初認識され、関連する取
引費用を発生時に純損益として計上しています。当初認識後は公正価値で再測定し、当初認識後
の公正価値の変動は純損益として計上しています。
③ヘッジ会計
当社グループは、為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジする目的でヘッジ会計を適用しています。
当社グループは、ヘッジ会計を適用するにあたり、リスク管理目的、ヘッジ取引を実行する際の戦略等、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係、及びヘッジ関係の有効性の評価方法についてヘッジ開始時に文書化を行っています。また、ヘッジ手段として指定したデリバティブ等がヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を相殺するために極めて有効であるかどうかについて、ヘッジ開始時及び開始後も継続的に評価を実施しています。
ヘッジ手段が失効、売却、終了又は行使された場合等、ヘッジ会計の要件を満たさなくなった場合には、ヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しています。
当社グループは、以下の種類のヘッジ会計を適用しています。
i)キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段として指定されるデリバティブは公正価値で測定され、ヘッジが有効である部分の変動額をその他の包括利益に含めて表示しています。
ヘッジの非有効部分が生じた場合には当該非有効部分を直ちに純損益として認識します。ヘッジの有効部分の累積額は、ヘッジ対象が純損益に影響を与える時点でその他の包括利益累計額から純損益に振替えています。
ⅱ)在外営業活動体に対する純投資ヘッジ
ヘッジ手段として指定される借入金は各連結会計年度末の直物為替レートで測定され、ヘッジが有効である部分の変動額をその他の包括利益に含めて表示しています。
ヘッジの非有効部分については直ちに純損益として計上しています。
ヘッジの有効部分の累積額は、在外営業活動体の処分時にその他の包括利益累計額から純損益に振替えています。
④金融資産の減損
i)金融商品及び金融資産
当社グループは、以下の金融商品について予想信用損失に対する損失評価引当金を認識しています。
・償却原価で測定する金融資産
・契約資産
当社グループは、全期間の予想信用損失と等しい金額を貸倒引当金として認識しています。ただし、当初認識時点から信用リスクが著しく増加していない場合には、12か月の予想信用損失を貸倒引当金として認識しています。また、重大な金融要素を含んでいない営業債権及び契約資産については、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無に関わらず、常に全期間の予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を認識しています。金融商品の信用リスクが当初認識以降に著しく増加しているか否かを判定する際、及び予想信用損失を見積もる際に、当社グループは、過度のコストや労力を掛けずに入手可能で、目的適合性があり合理的で裏付け可能な関連情報を考慮します。これには、当社グループの過去の経験や十分な情報に基づいた信用評価に基づく定量的情報と定性的情報及び分析が含まれ、将来予測的な情報も含まれます。
当社グループは、金融資産が30日超期日超過している場合にその信用リスクが著しく増大しているとみなしています。
当社グループは、次のいずれかの場合に原則として金融資産が債務不履行になっていると判断しています。これらの判断には、過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮しています。
- 当社グループが担保権の実行(担保がある場合)等を行わなければ、借手が当社グループに対する借入を全額返済する可能性が低い場合
- 金融資産が90日超期日超過している場合
全期間の予想信用損失とは、金融商品の予想残存期間にわたり発生する可能性のある全ての不履行事象によって生じる予想信用損失です。
12か月の予想信用損失とは、報告日から12か月以内(金融商品の契約期間が12か月未満の場合にはより短い期間)に発生する可能性のある不履行事象によって生じる予想信用損失です。
予想信用損失の見積りを行ううえで検討する最長期間は、当社グループが信用リスクに晒される最長の契約期間です。
ⅱ)予想信用損失の測定
予想信用損失は、信用損失を発生確率で加重平均した見積りです。
ⅲ)信用減損金融資産
各報告日において、当社グループは、償却原価で測定される金融資産及び、その他の包括利益を通じて公正価値が測定される負債性証券が信用減損しているか否かを評価しています。金融資産の将来キャッシュ・フローの見積りに悪影響を及ぼす1つ以上の事象が発生した場合には、金融資産は信用減損しています。
金融資産の信用減損の証拠には以下の観察可能なデータが含まれます。
- 債務者又は発行企業の著しい財政的困難
- 債務不履行又は90日超期日超過等の契約不履行
- 債務者の財政的困難等の状況がなければ実施されなかったであろう、当社グループによる貸付金の条件緩和
- 債務者が倒産する又はその他の財政的な再編を行う可能性が高いこと
- 財政的困難を原因として有価証券の活発な市場が消滅したこと
ⅳ)予想信用損失に対する損失評価引当金の財政状態計算書上の表示
償却原価で測定する金融資産に対する損失評価引当金は、資産の帳簿価額の総額から控除し、損失は純損益で認識します。
ⅴ)直接償却
金融資産の全部又は一部を回収する合理的な見込みがない場合、金融資産の帳簿価額の総額を直接償却しています。また、回収の合理的な見込みがあるか否かに基づき直接償却の時期及び金額を個々に評価しています。当社グループは、直接償却した金額を大幅に回収することは見込んでいませんが、直接償却された金融資産であっても、当社グループの未収金回収手続きに従い、回収活動の対象となります。
(7)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。
(8)棚卸資産
当社グループは、棚卸資産の取得原価に、購入原価及び加工費並びに棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他の全ての原価を含めています。棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定し、原価の算定にあたっては、主として総平均法を使用しています。また、正味実現可能価額は、通常の事業過程における予想売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除して算定しています。
(9)有形固定資産
当社グループは、有形固定資産に対し原価モデルを適用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しています。
有形固定資産の取得原価には、資産の取得に直接関連する費用並びに解体、除去及び原状回復費用並びに資産計上の要件を満たす借入コストが含まれています。
土地等の償却を行わない資産を除き、各資産はそれぞれの見積耐用年数にわたって定額法で減価償却を行っています。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、以下のとおりです。
・建物及び構築物 :3 - 65年
・機械装置及び運搬具:2 - 17年
・工具、器具及び備品:2 - 20年
なお、見積耐用年数、減価償却方法及び残存価額は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は会計上の見積りの変更の影響を将来に向かって認識しています。
(10)のれん
当社グループは、のれんを取得原価から減損損失累計額を控除した金額で計上しています。当初認識時におけるのれんの測定は、注記2「重要性がある会計方針」(3)「企業結合」をご参照ください。
のれんは償却を行わず、年次及び配分した資金生成単位又は資金生成単位グループに減損の兆候がある場合はその時点で減損テストを実施しています。減損については、注記2「重要性がある会計方針」(13)「非金融資産の減損」もご参照ください。
(11)無形資産
当社グループは、無形資産に対し原価モデルを適用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しています。
耐用年数を確定できる無形資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却を行っています。
なお、見積耐用年数、償却方法及び残存価額は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更の影響を将来に向かって認識しています。
耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産の償却は行わず、年次及び減損の兆候がある場合はその時点で減損テストを実施しています。減損については、注記2「重要性がある会計方針」(13)「非金融資産の減損」もご参照ください。
①研究開発費用
当社グループは、研究関連支出を即時に費用処理しています。開発関連支出は、信頼性をもって測定することができ、かつ製品又は工程が技術的及び商業的に実現可能であり、将来的に経済的便益を得られる可能性が高く、当社グループが開発を完成させ、当該資産を使用又は販売する意図及びそのための十分な資源を有している場合にのみ資産計上しています。それ以外の支出は、即時に費用処理しています。
開発関連資産は、2年から10年の見積耐用年数により定額法で償却しています。
②その他の無形資産
当社グループは、個別に取得した無形資産を取得価額で当初測定しています。企業結合において取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しています。
主なその他の無形資産はソフトウェア並びに企業結合により認識した無形資産(カスタマーリレーションシップ等)であり、ソフトウェアについては主に5年、企業結合により認識した無形資産については15年の見積耐用年数により定額法で償却しています。
(12)リース
当社グループは、借手としてのリース取引について、リース開始日に使用権資産及びリース債務を認識しています。
リース債務は、リース開始日現在で支払われていないリース料を借手の追加借入利子率を用いて割り引いた現在価値で測定しており、連結財政状態計算書において「1年内返済予定のリース債務」又は「リース債務」として表示しています。
使用権資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で、連結財政状態計算書において「使用権資産」として表示しています。使用権資産は、リース債務の当初測定額にリース開始日以前に支払ったリース料等、借手に発生した当初直接コスト及びリースの契約条件で要求されている原状回復義務等のコストを調整した取得原価で測定しています。
使用権資産は、リース開始日から使用権資産の耐用年数の終了時又はリース期間の終了時のいずれか早い方までにわたって、定額法で減価償却を行っています。
リース料は、利息法に基づき金融費用とリース債務の返済額に配分し、金融費用は連結損益計算書において認識しています。
ただし、リース期間が12か月以内の短期リース及び原資産が少額のリースについては、使用権資産及びリース債務を認識せず、リース契約に基づいて費用計上しています。
(13)非金融資産の減損
当社グループは、各連結会計年度末において非金融資産(棚卸資産、繰延税金資産及び確定給付制度に係る資産を除く)についての減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候が存在する場合には、減損テストを実施しています。ただし、のれん及び耐用年数を確定できない又は未だ使用可能ではない無形資産については、減損の兆候を識別した時及び兆候の有無にかかわらず年次で減損テストを実施しています。
減損テストでは、回収可能価額を見積り、帳簿価額と回収可能価額の比較を行います。資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額は、使用価値と処分費用控除後の公正価値のうちいずれか高い方の金額で算定しています。
使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを、税引前加重平均資本コスト等を基礎に外部情報及び内部情報を用いて事業に係るリスク等を適切に反映した割引率で、現在価値に割り引くことにより算定しています。のれん以外の資産の資金生成単位については、他の資産、資金生成単位又は資金生成単位グループのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資産グループとしています。企業結合から生じたのれんはシナジーが得られると期待される資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しています。
減損テストの結果、資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合には減損損失を認識しています。のれんを含む資金生成単位又は資金生成単位グループの減損損失の認識にあたっては、まず、その単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分しています。
減損損失の戻入れは、過去の会計期間に計上した減損損失を戻入れする可能性を示す兆候が存在し、資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額の見積りを行った結果、回収可能価額が帳簿価額を上回る場合に行っています。戻入れ金額は、戻入れが発生した時点まで減価償却又は償却を続けた場合における帳簿価額を上限としています。なお、のれんに係る減損損失は戻入れを行いません。
(14)従業員給付
①退職給付
当社グループは、従業員の退職給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を採用しています。
確定給付制度
確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用は、予測単位積増方式を用いて算定しています。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した連結会計年度末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しています。
確定給付制度に係る資産又は確定給付制度に係る負債は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した額を連結財政状態計算書で表示しています。また、確定給付制度の制度資産に係る利息収益、確定給付制度債務に係る利息費用、及び当期勤務費用は純損益として計上しています。
確定給付負債(資産)の純額の再測定により発生した増減額は、発生した会計期間において全額その他の包括利益として計上しています。また過去勤務費用は発生した会計期間に全額純損益として計上しています。
確定拠出制度
確定拠出制度については、確定拠出制度に支払うべき拠出額を、従業員が関連する勤務を提供した時に費用として認識しています。
②短期従業員給付
当社グループは、短期従業員給付を割引計算せず、関連するサービスが提供された時点で純損益として計上しています。
賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的又は推定的な債務を有し、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として計上しています。
③株式に基づく報酬
当社グループは、当社の執行役及び当社グループの従業員に対する報酬制度として、持分決済型のストック・オプション制度を採用しています。ストック・オプションは、付与日における付与した資本性金融商品の公正価値に基づき受け取るサービスの公正価値を見積り、最終的に権利確定すると予想されるストック・オプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって純損益として計上し、同額を資本の増加として計上しています。
(15)引当金
当社グループは、過去の事象の結果として、当社グループが法的又は推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に引当金を認識しています。
引当金の貨幣の時間的価値が重要な場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いています。時の経過に伴う割引額の振戻しは金融費用として計上しています。
(16)法人所得税
法人所得税は、当期税金と繰延税金から構成されています。これらは、直接資本又はその他の包括利益で計上される項目を除き、純損益として計上しています。
当社グループの当期税金は、期末日時点において施行又は実質的に施行されている税率を使用し、税務当局に納付又は税務当局から還付されると予想される額で算定しています。
当社グループの繰延税金は、会計上の資産及び負債の帳簿価額と税務上の資産及び負債の金額との一時差異に基づいて、期末日に施行又は実質的に施行される法律に従い一時差異が解消される時に適用されることが予測される税率を用いて算定しています。
繰延税金資産は、将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で全ての将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除を対象として認識し、各連結会計期間末日に見直しを行っています。
ただし、繰延税金資産は、企業結合以外の取引で、会計上の利益にも課税所得にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合には認識していません。
子会社等に対する持分に係る将来減算一時差異は、以下の両方を満たす可能性が高い範囲内でのみ繰延税金資産を認識しています。
・当該一時差異が、予測し得る期間内に解消される場合
・当該一時差異を使用することができ、課税所得が稼得される場合
繰延税金負債は、以下の場合を除き、全ての将来加算一時差異について認識しています。
・のれんの当初認識時
・企業結合以外の取引で、会計上の利益にも課税所得にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合
・子会社等に対する持分に係る将来加算一時差異で、親会社が一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産及び繰延税金負債は、当期税金資産及び当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ以下のいずれかの場合に相殺しています。
・法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合
・異なる納税主体に課されているものの、これらの納税主体が当期税金資産及び当期税金負債を純額ベースで決済することを意図している、若しくは当期税金資産を実現させると同時に当期税金負債を決済することを意図している場合
当社グループでは従来、リース及び資産除去債務にかかる繰延税金について当初認識に関する適用除外を適用して会計処理していましたが、2023年1月1日以後開始される連結会計年度に適用されるIAS第12号第15項及び第24項の狭い範囲での改訂を受けて、当初認識の免除規定を適用せず、繰延税金負債及び繰延税金資産をそれぞれ認識しています。ただし、それぞれの残高はIAS第12号第74項に基づく相殺の対象となるため、連結財政状態計算書の表示における実質的な影響はありません。したがって、この変更による当連結会計年度の期首時点での利益剰余金への影響はありません。当社グループへの主な影響は、認識された繰延税金資産及び繰延税金負債の開示に関係しています。
なお、当社グループは、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して、認識及び情報開示に対する例外を適用しています。
(17)普通株式
当社グループは、普通株式を資本に分類しています。普通株式の発行に直接関連して発生した費用は資本から控除しています。
(18)自己株式
当社グループは、自己株式を取得原価で評価し、資本から控除しています。自己株式の購入、売却又は消却において、利得又は損失を認識していません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は資本に計上しています。
(19)1株当たり利益
当社の基本的1株当たり利益は、親会社の所有者に帰属する利益を、その会計期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しています。
当社の希薄化後1株当たり利益は、希薄化効果を有する全ての潜在的普通株式による影響を調整して算定しています。
(20)配当金
当社は、当社の株主に対する配当を取締役会により承認された日の属する会計期間の負債として認識しています。
本連結財務諸表において適用する重要性がある会計方針は、以下の(1)会計方針の変更に記載するものを除き、連結財務諸表が表示されている全ての会計期間において継続的に適用しています。
(1)会計方針の変更
当社グループは、当連結会計年度から「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール(IAS第12号の改訂)」を適用しています。
本改訂は、経済協力開発機構(OECD)が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税制から生じる法人所得税に係る繰延税金に関する会計処理について、一時的な強制的例外を定めるとともに、第2の柱のエクスポージャーに関する新たな開示を求めています。
強制的例外は遡及的に適用されます。しかしながら、当連結会計年度末現在、当社グループが営業活動を行っているいずれの法域においても、追徴課税を実施するための新たな法律は施行されておらず、また関連する繰延税金は認識されていないため、遡及適用による当社グループの連結財務諸表への影響はありません。
(2)連結の基礎
当社の連結財務諸表には、当社及び当社の子会社の財務諸表が含まれています。
子会社とは、当社グループが直接的又は間接的に支配している全ての投資先をいいます。当社グループが投資先に対するパワーを有し、当社グループが投資先の関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ投資先に対しパワーを行使することにより投資先のリターンに影響を及ぼす能力を有している場合、当社グループは投資先を支配しています。
各子会社が採用する会計方針は、当社グループが採用した会計方針と統一しています。
当社グループ内部での債権債務残高、取引及び未実現損益は、連結財務諸表の作成にあたり消去しています。
(3)企業結合
当社グループは、企業結合の会計処理として取得法を適用し、取得企業が被取得企業に対する支配を獲得した時点で、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債(偶発負債を含む)を取得した時点の公正価値で測定しています。被取得企業に対する非支配持分は、被取得企業の識別可能な純資産に対する比例的持分で測定しています。
のれんは当初認識時には、①移転された対価、②被取得企業に対する非支配持分及び③段階取得の場合には取得企業が以前に保有していた被取得企業の持分の取得日における公正価値の合計額から、④取得した識別可能な資産から引き受けた負債の公正価値の正味の金額を差し引いた超過額をもって測定しています。
取得関連費用は、即時に費用処理しています。
支配の喪失を伴わない子会社に対する持分変動があった場合、資本取引として会計処理しています。一方、支配の喪失を伴う子会社に対する持分変動があった場合、当該子会社の資産及び負債、子会社に関連する非支配持分及びその他の包括利益累計額の認識を中止し、当該持分変動から生じた利得又は損失を純損益として計上しています。
共通支配下における企業結合、すなわち、全ての結合企業又は結合事業が最終的に企業結合の前後で同じ当事者によって支配されその支配が一時的なものではない企業結合については、帳簿価額に基づき会計処理をしています。
(4)外貨換算
当社グループは、外貨建取引を取引日時点の直物為替レートを適用し機能通貨に換算しています。
外貨建貨幣性資産及び負債は、各連結会計年度末日時点の直物為替レートを適用し機能通貨に換算しています。当該換算から生じる為替差額は純損益として計上しています。ただし、包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産、有効な範囲内におけるキャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資ヘッジから生じる為替差額はその他の包括利益として計上しています。外貨建非貨幣性資産及び負債は、取得日の直物為替レートを適用し換算しています。機能通貨が日本円以外の子会社の資産及び負債は各連結会計年度末日の直物為替レートを用いて換算され、収益及び費用は為替レートが著しく変動している場合を除き、会計期間中の平均為替レートを用いて換算されます。換算から生じる差額はその他の包括利益で計上され、在外子会社の処分時にその他の包括利益の累計額を純損益に振替えています。
(5)収益
当社グループは、下記の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引金額を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する
当社グループは、多くの車載関連機器、インダストリー分野、家電分野で使用されるコイル部品を主要な製品として製造販売しており、これらの分野の製品を販売する国内外の様々なメーカーを顧客としています。
このようなコイル製品の販売については、製品を顧客に引渡した時点で顧客が当該製品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、当該製品の引渡時点で収益を認識しています。また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引、リベート及び返品等を控除した金額で測定しています。
一部のグループ会社においては、顧客の要請に基づき仕様設計等の開発サービス及び特定の工具製造を請け負っています。
当該開発・工具製造サービスについてはコイル製品販売と区別され、開発期間等一定の期間にわたり収益を認識しています。
(6)金融商品
当社グループは、金融商品の契約条項の当事者になった取引日の時点で金融資産又は金融負債を当初認識しています。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産又は金融負債以外の金融資産の取得又は金融負債の発行に直接起因する取引費用は、当初認識時に金融資産の公正価値に加算し又は金融負債の公正価値から減算しています。
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利が消滅した時、実質的に全ての金融資産の所有に係るリスクと経済価値が移転している取引において金融資産に係る契約上のキャッシュ・フローを受け取る権利を移転した時に金融資産の認識を中止しています。
①金融資産の分類
当社グループは金融資産を純損益又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産又は償却原価で測定する金融資産に分類しています。
全ての金融資産(当初認識後に取引価格で測定される重大な金融要素を有しない営業債権及び契約資産を除く)は、以下の要件を満たす場合には償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は公正価値で測定する金融資産に分類しています。
公正価値で測定する資本性金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定しなければならない売買目的で保有される資本性金融資産を除き、当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行っている場合にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
負債性金融商品への投資は以下の条件をともに満たし、かつ純損益を通じて公正価値を測定するものとして指定されていない場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
・その資産を契約上のキャッシュ・フローの回収と金融資産の売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有している。
・金融資産の契約条件により、所定の日に、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが生じる。
i) 償却原価で測定する金融資産
当社グループは、固定又は決定可能な支払金額を有するデリバティブ以外の金融資産のうち、現金及び現金同等物、営業債権並びにその他の債権を償却原価で測定する金融資産に分類しています。当初測定後、貸付金及び債権は実効金利法による償却原価から減損損失を控除した金額にて測定しています。実効金利法により利息収益は純損益として計上しています。
ⅱ) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
当社グループは、償却原価で測定する金融資産以外の金融資産で純損益を通じて公正価値で測定しなくてはならない金融資産及び当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択をした投資有価証券以外の資本性金融資産を、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。当該金融資産は公正価値に取引費用も含め当初測定され、当初認識後及び認識の中止後において公正価値で測定した変動額を包括利益計算書にて公正価値の純変動として表示しています。
ⅲ) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
当社グループは、当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択をした投資有価証券をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。当該投資有価証券は公正価値で当初認識され、関連する取引費用を発生時に純損益で計上しています。当初認識後は公正価値で再測定し、当初認識後の公正価値の変動はその他の包括利益として計上しています。認識の中止後も純損益への振替は行いません。
ⅳ) 純損益を通じて公正価値で測定するデリバティブ金融資産
デリバティブ取引については公正価値で当初認識され、関連する取引費用を発生時に純損益で計上しています。当初認識後は公正価値で再測定し、当初認識後の公正価値の変動は純損益として計上しています。
②金融負債の分類
当社グループの金融負債は、原則として公正価値から直接帰属する取引費用を控除し測定しています。当初測定後は実効金利法による償却原価で測定しています。
ただし、デリバティブ金融負債は当初認識時に純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類
しています。純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は公正価値で当初認識され、関連する取
引費用を発生時に純損益として計上しています。当初認識後は公正価値で再測定し、当初認識後
の公正価値の変動は純損益として計上しています。
③ヘッジ会計
当社グループは、為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジする目的でヘッジ会計を適用しています。
当社グループは、ヘッジ会計を適用するにあたり、リスク管理目的、ヘッジ取引を実行する際の戦略等、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係、及びヘッジ関係の有効性の評価方法についてヘッジ開始時に文書化を行っています。また、ヘッジ手段として指定したデリバティブ等がヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を相殺するために極めて有効であるかどうかについて、ヘッジ開始時及び開始後も継続的に評価を実施しています。
ヘッジ手段が失効、売却、終了又は行使された場合等、ヘッジ会計の要件を満たさなくなった場合には、ヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しています。
当社グループは、以下の種類のヘッジ会計を適用しています。
i)キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段として指定されるデリバティブは公正価値で測定され、ヘッジが有効である部分の変動額をその他の包括利益に含めて表示しています。
ヘッジの非有効部分が生じた場合には当該非有効部分を直ちに純損益として認識します。ヘッジの有効部分の累積額は、ヘッジ対象が純損益に影響を与える時点でその他の包括利益累計額から純損益に振替えています。
ⅱ)在外営業活動体に対する純投資ヘッジ
ヘッジ手段として指定される借入金は各連結会計年度末の直物為替レートで測定され、ヘッジが有効である部分の変動額をその他の包括利益に含めて表示しています。
ヘッジの非有効部分については直ちに純損益として計上しています。
ヘッジの有効部分の累積額は、在外営業活動体の処分時にその他の包括利益累計額から純損益に振替えています。
④金融資産の減損
i)金融商品及び金融資産
当社グループは、以下の金融商品について予想信用損失に対する損失評価引当金を認識しています。
・償却原価で測定する金融資産
・契約資産
当社グループは、全期間の予想信用損失と等しい金額を貸倒引当金として認識しています。ただし、当初認識時点から信用リスクが著しく増加していない場合には、12か月の予想信用損失を貸倒引当金として認識しています。また、重大な金融要素を含んでいない営業債権及び契約資産については、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無に関わらず、常に全期間の予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を認識しています。金融商品の信用リスクが当初認識以降に著しく増加しているか否かを判定する際、及び予想信用損失を見積もる際に、当社グループは、過度のコストや労力を掛けずに入手可能で、目的適合性があり合理的で裏付け可能な関連情報を考慮します。これには、当社グループの過去の経験や十分な情報に基づいた信用評価に基づく定量的情報と定性的情報及び分析が含まれ、将来予測的な情報も含まれます。
当社グループは、金融資産が30日超期日超過している場合にその信用リスクが著しく増大しているとみなしています。
当社グループは、次のいずれかの場合に原則として金融資産が債務不履行になっていると判断しています。これらの判断には、過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮しています。
- 当社グループが担保権の実行(担保がある場合)等を行わなければ、借手が当社グループに対する借入を全額返済する可能性が低い場合
- 金融資産が90日超期日超過している場合
全期間の予想信用損失とは、金融商品の予想残存期間にわたり発生する可能性のある全ての不履行事象によって生じる予想信用損失です。
12か月の予想信用損失とは、報告日から12か月以内(金融商品の契約期間が12か月未満の場合にはより短い期間)に発生する可能性のある不履行事象によって生じる予想信用損失です。
予想信用損失の見積りを行ううえで検討する最長期間は、当社グループが信用リスクに晒される最長の契約期間です。
ⅱ)予想信用損失の測定
予想信用損失は、信用損失を発生確率で加重平均した見積りです。
ⅲ)信用減損金融資産
各報告日において、当社グループは、償却原価で測定される金融資産及び、その他の包括利益を通じて公正価値が測定される負債性証券が信用減損しているか否かを評価しています。金融資産の将来キャッシュ・フローの見積りに悪影響を及ぼす1つ以上の事象が発生した場合には、金融資産は信用減損しています。
金融資産の信用減損の証拠には以下の観察可能なデータが含まれます。
- 債務者又は発行企業の著しい財政的困難
- 債務不履行又は90日超期日超過等の契約不履行
- 債務者の財政的困難等の状況がなければ実施されなかったであろう、当社グループによる貸付金の条件緩和
- 債務者が倒産する又はその他の財政的な再編を行う可能性が高いこと
- 財政的困難を原因として有価証券の活発な市場が消滅したこと
ⅳ)予想信用損失に対する損失評価引当金の財政状態計算書上の表示
償却原価で測定する金融資産に対する損失評価引当金は、資産の帳簿価額の総額から控除し、損失は純損益で認識します。
ⅴ)直接償却
金融資産の全部又は一部を回収する合理的な見込みがない場合、金融資産の帳簿価額の総額を直接償却しています。また、回収の合理的な見込みがあるか否かに基づき直接償却の時期及び金額を個々に評価しています。当社グループは、直接償却した金額を大幅に回収することは見込んでいませんが、直接償却された金融資産であっても、当社グループの未収金回収手続きに従い、回収活動の対象となります。
(7)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。
(8)棚卸資産
当社グループは、棚卸資産の取得原価に、購入原価及び加工費並びに棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他の全ての原価を含めています。棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定し、原価の算定にあたっては、主として総平均法を使用しています。また、正味実現可能価額は、通常の事業過程における予想売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除して算定しています。
(9)有形固定資産
当社グループは、有形固定資産に対し原価モデルを適用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しています。
有形固定資産の取得原価には、資産の取得に直接関連する費用並びに解体、除去及び原状回復費用並びに資産計上の要件を満たす借入コストが含まれています。
土地等の償却を行わない資産を除き、各資産はそれぞれの見積耐用年数にわたって定額法で減価償却を行っています。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、以下のとおりです。
・建物及び構築物 :3 - 65年
・機械装置及び運搬具:2 - 17年
・工具、器具及び備品:2 - 20年
なお、見積耐用年数、減価償却方法及び残存価額は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は会計上の見積りの変更の影響を将来に向かって認識しています。
(10)のれん
当社グループは、のれんを取得原価から減損損失累計額を控除した金額で計上しています。当初認識時におけるのれんの測定は、注記2「重要性がある会計方針」(3)「企業結合」をご参照ください。
のれんは償却を行わず、年次及び配分した資金生成単位又は資金生成単位グループに減損の兆候がある場合はその時点で減損テストを実施しています。減損については、注記2「重要性がある会計方針」(13)「非金融資産の減損」もご参照ください。
(11)無形資産
当社グループは、無形資産に対し原価モデルを適用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しています。
耐用年数を確定できる無形資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却を行っています。
なお、見積耐用年数、償却方法及び残存価額は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更の影響を将来に向かって認識しています。
耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産の償却は行わず、年次及び減損の兆候がある場合はその時点で減損テストを実施しています。減損については、注記2「重要性がある会計方針」(13)「非金融資産の減損」もご参照ください。
①研究開発費用
当社グループは、研究関連支出を即時に費用処理しています。開発関連支出は、信頼性をもって測定することができ、かつ製品又は工程が技術的及び商業的に実現可能であり、将来的に経済的便益を得られる可能性が高く、当社グループが開発を完成させ、当該資産を使用又は販売する意図及びそのための十分な資源を有している場合にのみ資産計上しています。それ以外の支出は、即時に費用処理しています。
開発関連資産は、2年から10年の見積耐用年数により定額法で償却しています。
②その他の無形資産
当社グループは、個別に取得した無形資産を取得価額で当初測定しています。企業結合において取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しています。
主なその他の無形資産はソフトウェア並びに企業結合により認識した無形資産(カスタマーリレーションシップ等)であり、ソフトウェアについては主に5年、企業結合により認識した無形資産については15年の見積耐用年数により定額法で償却しています。
(12)リース
当社グループは、借手としてのリース取引について、リース開始日に使用権資産及びリース債務を認識しています。
リース債務は、リース開始日現在で支払われていないリース料を借手の追加借入利子率を用いて割り引いた現在価値で測定しており、連結財政状態計算書において「1年内返済予定のリース債務」又は「リース債務」として表示しています。
使用権資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で、連結財政状態計算書において「使用権資産」として表示しています。使用権資産は、リース債務の当初測定額にリース開始日以前に支払ったリース料等、借手に発生した当初直接コスト及びリースの契約条件で要求されている原状回復義務等のコストを調整した取得原価で測定しています。
使用権資産は、リース開始日から使用権資産の耐用年数の終了時又はリース期間の終了時のいずれか早い方までにわたって、定額法で減価償却を行っています。
リース料は、利息法に基づき金融費用とリース債務の返済額に配分し、金融費用は連結損益計算書において認識しています。
ただし、リース期間が12か月以内の短期リース及び原資産が少額のリースについては、使用権資産及びリース債務を認識せず、リース契約に基づいて費用計上しています。
(13)非金融資産の減損
当社グループは、各連結会計年度末において非金融資産(棚卸資産、繰延税金資産及び確定給付制度に係る資産を除く)についての減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候が存在する場合には、減損テストを実施しています。ただし、のれん及び耐用年数を確定できない又は未だ使用可能ではない無形資産については、減損の兆候を識別した時及び兆候の有無にかかわらず年次で減損テストを実施しています。
減損テストでは、回収可能価額を見積り、帳簿価額と回収可能価額の比較を行います。資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額は、使用価値と処分費用控除後の公正価値のうちいずれか高い方の金額で算定しています。
使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを、税引前加重平均資本コスト等を基礎に外部情報及び内部情報を用いて事業に係るリスク等を適切に反映した割引率で、現在価値に割り引くことにより算定しています。のれん以外の資産の資金生成単位については、他の資産、資金生成単位又は資金生成単位グループのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資産グループとしています。企業結合から生じたのれんはシナジーが得られると期待される資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しています。
減損テストの結果、資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合には減損損失を認識しています。のれんを含む資金生成単位又は資金生成単位グループの減損損失の認識にあたっては、まず、その単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分しています。
減損損失の戻入れは、過去の会計期間に計上した減損損失を戻入れする可能性を示す兆候が存在し、資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額の見積りを行った結果、回収可能価額が帳簿価額を上回る場合に行っています。戻入れ金額は、戻入れが発生した時点まで減価償却又は償却を続けた場合における帳簿価額を上限としています。なお、のれんに係る減損損失は戻入れを行いません。
(14)従業員給付
①退職給付
当社グループは、従業員の退職給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を採用しています。
確定給付制度
確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用は、予測単位積増方式を用いて算定しています。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した連結会計年度末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しています。
確定給付制度に係る資産又は確定給付制度に係る負債は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した額を連結財政状態計算書で表示しています。また、確定給付制度の制度資産に係る利息収益、確定給付制度債務に係る利息費用、及び当期勤務費用は純損益として計上しています。
確定給付負債(資産)の純額の再測定により発生した増減額は、発生した会計期間において全額その他の包括利益として計上しています。また過去勤務費用は発生した会計期間に全額純損益として計上しています。
確定拠出制度
確定拠出制度については、確定拠出制度に支払うべき拠出額を、従業員が関連する勤務を提供した時に費用として認識しています。
②短期従業員給付
当社グループは、短期従業員給付を割引計算せず、関連するサービスが提供された時点で純損益として計上しています。
賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的又は推定的な債務を有し、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として計上しています。
③株式に基づく報酬
当社グループは、当社の執行役及び当社グループの従業員に対する報酬制度として、持分決済型のストック・オプション制度を採用しています。ストック・オプションは、付与日における付与した資本性金融商品の公正価値に基づき受け取るサービスの公正価値を見積り、最終的に権利確定すると予想されるストック・オプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって純損益として計上し、同額を資本の増加として計上しています。
(15)引当金
当社グループは、過去の事象の結果として、当社グループが法的又は推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に引当金を認識しています。
引当金の貨幣の時間的価値が重要な場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いています。時の経過に伴う割引額の振戻しは金融費用として計上しています。
(16)法人所得税
法人所得税は、当期税金と繰延税金から構成されています。これらは、直接資本又はその他の包括利益で計上される項目を除き、純損益として計上しています。
当社グループの当期税金は、期末日時点において施行又は実質的に施行されている税率を使用し、税務当局に納付又は税務当局から還付されると予想される額で算定しています。
当社グループの繰延税金は、会計上の資産及び負債の帳簿価額と税務上の資産及び負債の金額との一時差異に基づいて、期末日に施行又は実質的に施行される法律に従い一時差異が解消される時に適用されることが予測される税率を用いて算定しています。
繰延税金資産は、将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で全ての将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除を対象として認識し、各連結会計期間末日に見直しを行っています。
ただし、繰延税金資産は、企業結合以外の取引で、会計上の利益にも課税所得にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合には認識していません。
子会社等に対する持分に係る将来減算一時差異は、以下の両方を満たす可能性が高い範囲内でのみ繰延税金資産を認識しています。
・当該一時差異が、予測し得る期間内に解消される場合
・当該一時差異を使用することができ、課税所得が稼得される場合
繰延税金負債は、以下の場合を除き、全ての将来加算一時差異について認識しています。
・のれんの当初認識時
・企業結合以外の取引で、会計上の利益にも課税所得にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合
・子会社等に対する持分に係る将来加算一時差異で、親会社が一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産及び繰延税金負債は、当期税金資産及び当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ以下のいずれかの場合に相殺しています。
・法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合
・異なる納税主体に課されているものの、これらの納税主体が当期税金資産及び当期税金負債を純額ベースで決済することを意図している、若しくは当期税金資産を実現させると同時に当期税金負債を決済することを意図している場合
当社グループでは従来、リース及び資産除去債務にかかる繰延税金について当初認識に関する適用除外を適用して会計処理していましたが、2023年1月1日以後開始される連結会計年度に適用されるIAS第12号第15項及び第24項の狭い範囲での改訂を受けて、当初認識の免除規定を適用せず、繰延税金負債及び繰延税金資産をそれぞれ認識しています。ただし、それぞれの残高はIAS第12号第74項に基づく相殺の対象となるため、連結財政状態計算書の表示における実質的な影響はありません。したがって、この変更による当連結会計年度の期首時点での利益剰余金への影響はありません。当社グループへの主な影響は、認識された繰延税金資産及び繰延税金負債の開示に関係しています。
なお、当社グループは、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して、認識及び情報開示に対する例外を適用しています。
(17)普通株式
当社グループは、普通株式を資本に分類しています。普通株式の発行に直接関連して発生した費用は資本から控除しています。
(18)自己株式
当社グループは、自己株式を取得原価で評価し、資本から控除しています。自己株式の購入、売却又は消却において、利得又は損失を認識していません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は資本に計上しています。
(19)1株当たり利益
当社の基本的1株当たり利益は、親会社の所有者に帰属する利益を、その会計期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しています。
当社の希薄化後1株当たり利益は、希薄化効果を有する全ての潜在的普通株式による影響を調整して算定しています。
(20)配当金
当社は、当社の株主に対する配当を取締役会により承認された日の属する会計期間の負債として認識しています。