有価証券報告書-第71期(2025/01/01-2025/12/31)

【提出】
2026/03/16 10:00
【資料】
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【項目】
142項目

有報資料

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年3月16日)現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針 
技術と人の架け橋
当社グループのビジョンは、時代を超越した企業として、我々の想像力に富んだアイディアを実現し、世の中にパワーと勇気を与えるためのソリューションを提供する業界のリーダーとなることです。当社グループの使命は、お客様に、人々の生活の質を向上する、すなわち生活をより楽に、安全に、健康に、楽しくそして環境にやさしくするための製品や技術の開発を可能とするソリューションを提供することです。そして、私たちは、グローバル、スピード、フォーカスを経営における重要な価値観として定義しています。私たちは世界中の市場に対応し、迅速な意思決定と実行力をもってビジネスを展開しています。
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事業における競争優位性と当社グループの強み
当社グループが手掛けるコイルは電子部品の中でも最も基本的な役割を果たすため、電子機器になくてはならない存在です。コイルがなければ世の中の電子機器は動作しません。だからこそ、当社グループの製品はありとあらゆる用途で使われています。
一般にコイルは受動部品と呼ばれ、電子回路設計の一番最後に仕様が決まります。毎回求められるサイズとはたらきが異なりますので、毎回カスタム製品となります。これらのカスタム製品をお客様の要求する品質、納期、コストで実現するためには、技術やノウハウの引き出しの多さがものを言います。当社グループでは、中核となるコイルの「巻線技術」、端子の処理などの「表面処理技術」、ケースに入れて密閉する「成型技術」、ケースそのものを作る金型を作る「精密加工技術」、芯材そのものを作る「素材・材料技術」、シミュレーションを駆使して行う電子回路の「設計技術」、要求された仕様を満足していることを確認する「評価技術」、量産する「生産技術」を有しています。これら8つの要素技術を総称した「集合技術」を磨き込むことで、お客様のあらゆるご要望にワンストップでお応えする体制を整えています。
また、あらゆる電子機器を支える裏方として、製品の用途開発力も当社グループの強みです。当社グループは、創業期にラジオ部品を手掛け、テレビやカセットテープレコーダー、PC等へと製品用途を開発してきました。今では、車載関連でアンテナ、ABS、ヘッドランプ等に、またインダストリー関連で太陽光・風力発電システムや産業ロボット等に当社グループ製品が使われています。
さらに、当社グループは、1970年代に台湾・香港に進出して以来、グローバルに拠点を展開してきました。コイル製造は労働集約的な側面があるため、当初はコスト競争力の高い地域に生産拠点を開設してきました。やがてこれらの地域においても経済が成長し、今では市場としての重要性が高まっています。当社グループは、アジア・欧州・北米に各域内で設計・製造・販売を完結できる地産地消体制を整えています。
当社グループは、これら技術力、用途開発力、グローバル展開力を高め、目の前のお客様のご要望に一つ一つお応えしてきました。そうして取引実績が積み上がるうちに、有難いことにお客様から次の案件の引き合いをいただくようになってきています。当社グループは各地域・市場において主導的な地位にあるお客様との取引実績を有しています。

(2) 経営環境及び対処すべき課題等 
当社グループは、2024年2月に計画期間を3年間とする中期経営計画2024-2026を発表しました。本計画では、グリーンエネルギー関連を成長の柱と位置づけ大幅増収・増益を見込んでいました。ところが2024年初より、欧州のEV補助金停止や米国の環境政策転換などにより市場環境が急変し、生産拡大に向けた設備・人員の増強により損益分岐点が高まる中、案件の遅延や需要減退が収益を圧迫しました。こうした中、損益分岐点の改善と収益源の多様化を重点に据えて欧州・中国での人員削減を進め、さらに、2025年10月にインダストリー領域を補完するSchmidbauer Transformatoren- und Gerätebau GmbH(以下、「Schmidbauer」)を買収しました。このように、事業環境も当社グループの取り組みも当初想定から大きく変化しています。そこで、現時点における事業環境の認識に立脚した成長戦略を再提示し、これを着実に実行していくことが責務であると認識しています。
① 2035年にありたい姿“Top Position in Multiple Niches”に向けたニッチトップ戦略の推進
当社グループは、2035年までに環境、テクノロジー、地政学、人口動態等の潮流が当社グループ事業に影響すると認識しています。これらの潮流は、当社グループ事業に対して機会にもリスクにもなり得ると考えています。
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こうした中長期の事業環境の認識および当社グループ事業における機会とリスクを踏まえ、当社グループの強みを改めて確認します。前述のとおり、当社グループは創業以来、あらゆる電子機器に欠かせないコイル製品を提供してきました。技術力とグローバル拠点を活かしながら、お客様のご要望一つ一つに真摯に対応してきました。取引実績が次の案件の引き合いに繋がる好循環となっています。これらが当社グループの強みと考えています。
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⦅2035年にありたい姿 “Top Position in Multiple Niches”⦆
こうした潮流や当社グループの経営理念及び強みを踏まえ、当社グループは2035年にありたい姿として“Top Position in Multiple Niches”を掲げます。そして、その実現に向けニッチトップ戦略を推進します。本戦略では、収益基盤を強化し、メガトレンドによる成長を追求しつつ、複数のニッチ市場で主導的な地位を目指します。
Niche:カスタム性の高い製品が必要で、当社グループの強みを活かすことで差別化できる市場において
Top Position:シェア50%以上すなわち当該市場において主導的な地位を確立する
Multiple:一番の地位を確立する市場を複数抱える
⦅ニッチトップ戦略⦆
1. 高資本効率:既存事業領域におけるキャッシュ創出力向上。スピード向上の追求を通じた高効率化。
2. メガトレンド:メガトレンドに即した用途市場での案件獲得。従来のグリーンエネルギー関連(xEV、自然エネルギー)に加え、電力網・移送手段・データセンター・メディカル・ロボット等。
3. 新事業:自社開発の独自技術を製品化。模倣困難な価値を提供する新たな市場創出。VPコイル技術の医療への応用、量子センシング技術の高度計測への応用。
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② 中期経営計画2026-2028の推進
2035年までのニッチトップ戦略において、2028年までに完遂を目指す取り組みと数値目標を新たに中期経営計画2026-2028として掲げ、各種取り組みを遂行します。
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中期経営計画2026-2028
⦅ニッチトップ戦略の推進⦆
1. 高資本効率:プロセス高速化、損益分岐点改善と「転用」
2. メガトレンド:グリーンエネルギー関連、電力網、移送手段、データセンター、医療、ロボット等
3. 新事業:Schmidbauerとのシナジー創出
⦅地域戦略⦆ 営業・開発・製造の3機能を各地域で完結し、現地のニーズに即応できる「地産地消」体制
欧州:SchmidbauerのPMI、新領域における案件獲得
アジア:生産能力の最適化、中国ローカル案件獲得、インドにおける案件獲得、ベトナム生産能力拡大
北米:研究開発体制の強化、生産体制の強化
⦅財務戦略⦆ 最優先は「成長投資」、次いで「株主還元」。ネットD/Eレシオ0.6倍を目標に財務改善
成長投資:既存事業の資本効率を高めて資金を生み出し、メガトレンドや新事業へ投じる
株主還元:2025年に改訂した配当方針に則り、配当による利益の配分を行う
財務改善:ネットD/Eレシオ0.6倍を目標。ただし、M&Aなど成長投資の好機があれば、1.0倍までの一時的な上昇は許容。
⦅数値目標⦆
・2028年度の売上収益1,650億円、営業利益100億円、基本的1株当たり当期利益 (EPS) 174.0円
・2028年度の投下資本利益率 (ROIC) 6.7%
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③ コーポレート・ガバナンス体制の強化への継続的な取り組み
当社グループは、2003年に経営と監督の分離を明確にするために日本の上場企業第1号で委員会等設置会社に移行しました。また、当社グループの取締役会は、8名のうち6名が多様な専門知識をもつ社外取締役です。2名が女性取締役、欧州や中国といったビジネスの比重が高いエリアからの外国人取締役が2名となっています。このような取締役会の体制をはじめコーポレート・ガバナンスの一層の強化に努めています。
④ ESGの取り組み
当社グループの使命は、人々の生活の質を向上し、環境に優しい製品や技術の開発を可能とするソリューションを提供し続けることです。この使命を果たし、スミダグループの製品が省電力、脱炭素化に大きく貢献し続けることが重要課題と認識しています。
⦅最重要取り組み課題⦆
1.スミダグループの技術開発と製品を通して二酸化炭素削減に貢献する。
2.資源の有効活用、廃棄物の削減、代替エネルギーの活用を推進して業務を遂行する。
3.スミダグループのあらゆるステークホルダーと共に国連開発計画が策定した17の持続可能な開発目標を達成する努力をし続ける。
当社グループは、2030年度の温室効果ガス排出量(Scope 1&2)を2022年度比42%削減することを目指します。なお、2024年度には、排出量を2022年度比30.2%削減しています。
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