有価証券報告書-第60期(平成26年1月1日-平成26年12月31日)

【提出】
2015/03/23 9:00
【資料】
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【項目】
125項目

対処すべき課題

① 混沌とする世界情勢
米国経済は回復傾向にあるものの、欧州経済は債務危機からなかなか上昇基調に乗れず、一方、世界経済を牽引してきた新興国は成長の曲がり角に立っています。こうした世界情勢の中ですが、新興国経済の高い潜在成長力は変わっておらず、中国等の新興国が経済成長に伴い、生産拠点としての位置付けから販売市場としての重要性が増している流れに変化はありません。これらの状況に鑑み、当社グループではその時々の変化やトレンドに応じた迅速な対応を取るために事業計画への取り組み方も調整する必要があると考えています。
② 企業価値向上
(新規分野での事業拡大)
車載関連では今まで培った技術をベースに新しいアプリケーションへの挑戦を行い、家電製品関連では成長分野に特化して収益性重視に取り組んでいきます。また、インダストリー分野では産業機器、エネルギー、メディカル・ヘルスケア、認証システム、セキュリティーおよび照明機器等の分野でビジネス拡大を図ります。
(販売)
車載関連ビジネスに加え、エネルギー、メディカル、セキュリティー等先端分野のポテンシャルが非常に高い米国での売上の拡大、スペックイン活動の徹底および中国メーカー向けビジネス拡大のための代理店網の再構築により中国での売上の拡大を図ります。
(製造)
従来から進めてきた生産ラインの自動化をより加速させていきます。特に生産量の変動が比較的少なく、製品ライフも長い車載関連製品は徹底した自動化を進めます。また、購買体制については、システム面およびサプライヤー別購買窓口の統一、サプライヤーのグローバルでの最適化を進めることにより、会社全体としての購買力を向上させます。シルクロード構想に沿った、継続的なサテライト工場を中心としたローコスト地域への生産移管を進めることによって、直接労務費を削減していきます。加えて、アジア、ヨーロッパ各々で進めている更なるローコスト地域開発を進め、生産移管をすることによって、より大きな直接労務費の削減が可能であると考え、低コスト製造拠点展開を進め、製造コストの削減を図ります。
(開発)
開発体制を再構築し、人員拡充、新製品、生産技術開発を加速させ、収益性の高い市場向け製品開発し、市場投入を図ります。
(財務)
グループ全体のキャッシュ・フローを定期的に予測し、その予測に基づき、プーリングにより資金を集約してグループ内での効率的な活用、借入金の圧縮を図ります。更に、在庫の削減、売掛金、買掛金の回転期間を改善することにより、資金効率を高めていきます。
③ コーポレートガバナンス強化への継続的な取り組み
昨今日本で起きた企業の不祥事の事例に鑑みれば、コーポレートガバナンスに対する当社グループの姿勢は適切であると改めて認識しています。経営の透明性および効率性を確保し、ステークホルダーの期待に応え、継続的に企業価値を高めていくことがコーポレートガバナンスの基本であり、経営の最重要課題の一つと位置づけています。特に、業務執行権限を大幅に委譲した「執行」「監督」分離体制の下でのガバナンスの役割は極めて重要であり、両者が効果的かつ効率的に機能する仕組みを常に追求し、より適切なガバナンスの実現を図っています。
④ 企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)の追求
企業の社会的責任もまた経営の最重要課題の一つです。現在、企業に求められる法的・経済的・社会的責任はより高次なものとなり、積極的な社会への貢献、具体的な行動が求められている現況下、誠実(integrity)、規律(discipline)、常識(common sense)という基本的な考え方に基づいた事業の遂行により社会的責任を果たしていくとともに、法務・コンプライアンス機能の強化、環境や社会問題への積極的な取り組みを通じ、社会的な信頼をさらに高めるべく様々な取り組みに努めています。