有価証券報告書-第53期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
(1)リスク管理体制と運用状況
当社は、2026年4月27日付で公表した「改善計画・状況報告書(改訂版)」に基づき、グループ全体におけるリスク情報の把握、報告、審議及びモニタリングの体制・プロセスを見直しました。具体的には、重要なリスク情報の報告ルートの明確化、取締役会への重要リスク情報の報告及び内部監査によるリスク管理体制の確認等を含む新たな運用を順次開始しています。これにより、リスク発生時の対応力不足による損失拡大等を防止するとともに、危機事象の発生時においても事業継続及び早期復旧を可能とする実効性のある体制及び仕組みを構築し、その実効性の向上に取り組んでいます。当社は、これらの体制及びプロセスの運用状況を継続的にモニタリングし、その結果及び事業環境の変化を踏まえて、ガバナンスの強化と企業価値の向上を図るとともに、グループの持続的な成長及びステークホルダーからの信頼獲得・向上を目指しています。
図1 全社リスク管理体制図

上記管理体制図に掲載された組織等の役割は、以下のとおりです。
・取締役会
「年次活動基本方針及び年次活動計画」や「委員会運営に係るKPI」などのリスク管理に関する重要事項について、レビュー及び承認を行います。また、リスク管理委員会からの定期報告を受け、リスク管理体制の適切な運営状況や重大インシデントの傾向等に対する監督機能を発揮します。さらに、全社的なリスク管理の枠組みを定める「ニデックグローバルリスク管理基本方針」や「リスク管理規程」の改廃に係る決議を行います。
・経営会議
グループ経営の業務執行に係る意思決定機関として、リスク管理委員会から付議・報告される重要なリスクの評価結果及び対応戦略について審議し、経営資源の配分を含む対応方針を決定します。また、決定した対応戦略に基づく施策の進捗状況をモニタリングし、事業運営への影響が重大なリスクについては、取締役会に対して適時に報告を行います。
・リスク管理委員会
リスク管理最高責任者を委員長とし、担当業務におけるリスクに対する管理体制や実務実態に即した議論の促進を担う委員により構成されます。グループ経営の業務執行及び専門的な目線で議論し、リスク管理に必要な資源配分の適切性を常時見直します。また、重要なリスクに対する対応の戦略等について経営機関への諮問又は審議を行うとともに、委員会の運営状況や課題、重大インシデントの傾向等を取締役会へ定期的に報告します。
・リスク管理責任者
Nidecグループにおけるリスク管理活動について責任を負い、リスク管理活動を推進します。リスク管理委員会の委員長として委員会を主催し、議論を統括するとともに、経営会議や取締役会等の経営機関への報告の役割を担います。
・リスク管理委員会事務局(リスク管理室)
当社のリスク管理委員会の事務局業務を担い、委員長の指示により、委員会の招集手続き、事務処理及び議事録の作成等を担当します。また、グループグローバル業務主管部署と協力し、下位階層(事業本部・グループ会社本社階層および拠点・事業所階層)における体制の整備に関する支援を行います。
・リスク管理推進責任者/リスク管理マネジャー
リスク管理の各階層において、事業本部・グループ会社本社階層(L2)の「リスク管理推進責任者」、および拠点・事業所階層(L1)の「リスク管理マネジャー」として、それぞれの階層におけるリスク管理活動について責任を負い、リスク管理体制の整備と推進を行います。
・グループグローバル業務主管部署
各担当役員(CxO)の管掌のもと、担当業務領域のリスクオーナーとして、当該領域のリスク情報の集約・分析及びモニタリングを行うとともに、リスク管理体制の整備に関してニデックグループに対する指導及び支援を担います。
(2)事業等のリスク
NIDECの経営成績、株価、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてNIDECが判断したものです。
1)ガバナンスリスク
※特別注意銘柄指定による上場廃止リスクへの対応
当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)特別注意銘柄の指定について」に記載のとおり、株式会社東京証券取引所より特別注意銘柄に指定されています。指定を受けた理由、指定日及び指定期間の詳細については、同項をご参照ください。
当社は、同項に記載のとおり、特別注意銘柄の指定解除に向け、内部管理体制等の改善に取り組んでいます。ただし、株式会社東京証券取引所の有価証券上場規程に基づく審査の結果、内部管理体制等が適切に整備され、運用されていると認められない場合には、当該指定が継続され、又は当社株式が上場廃止となる可能性があります。当社は、指定解除に向け、内部管理体制等の実効性を確保するための取組を着実に推進してまいります。
2)経営戦略リスク
3)事業運営リスク
4)偶発的リスク
当社は、2026年4月27日付で公表した「改善計画・状況報告書(改訂版)」に基づき、グループ全体におけるリスク情報の把握、報告、審議及びモニタリングの体制・プロセスを見直しました。具体的には、重要なリスク情報の報告ルートの明確化、取締役会への重要リスク情報の報告及び内部監査によるリスク管理体制の確認等を含む新たな運用を順次開始しています。これにより、リスク発生時の対応力不足による損失拡大等を防止するとともに、危機事象の発生時においても事業継続及び早期復旧を可能とする実効性のある体制及び仕組みを構築し、その実効性の向上に取り組んでいます。当社は、これらの体制及びプロセスの運用状況を継続的にモニタリングし、その結果及び事業環境の変化を踏まえて、ガバナンスの強化と企業価値の向上を図るとともに、グループの持続的な成長及びステークホルダーからの信頼獲得・向上を目指しています。
図1 全社リスク管理体制図

上記管理体制図に掲載された組織等の役割は、以下のとおりです。
・取締役会
「年次活動基本方針及び年次活動計画」や「委員会運営に係るKPI」などのリスク管理に関する重要事項について、レビュー及び承認を行います。また、リスク管理委員会からの定期報告を受け、リスク管理体制の適切な運営状況や重大インシデントの傾向等に対する監督機能を発揮します。さらに、全社的なリスク管理の枠組みを定める「ニデックグローバルリスク管理基本方針」や「リスク管理規程」の改廃に係る決議を行います。
・経営会議
グループ経営の業務執行に係る意思決定機関として、リスク管理委員会から付議・報告される重要なリスクの評価結果及び対応戦略について審議し、経営資源の配分を含む対応方針を決定します。また、決定した対応戦略に基づく施策の進捗状況をモニタリングし、事業運営への影響が重大なリスクについては、取締役会に対して適時に報告を行います。
・リスク管理委員会
リスク管理最高責任者を委員長とし、担当業務におけるリスクに対する管理体制や実務実態に即した議論の促進を担う委員により構成されます。グループ経営の業務執行及び専門的な目線で議論し、リスク管理に必要な資源配分の適切性を常時見直します。また、重要なリスクに対する対応の戦略等について経営機関への諮問又は審議を行うとともに、委員会の運営状況や課題、重大インシデントの傾向等を取締役会へ定期的に報告します。
・リスク管理責任者
Nidecグループにおけるリスク管理活動について責任を負い、リスク管理活動を推進します。リスク管理委員会の委員長として委員会を主催し、議論を統括するとともに、経営会議や取締役会等の経営機関への報告の役割を担います。
・リスク管理委員会事務局(リスク管理室)
当社のリスク管理委員会の事務局業務を担い、委員長の指示により、委員会の招集手続き、事務処理及び議事録の作成等を担当します。また、グループグローバル業務主管部署と協力し、下位階層(事業本部・グループ会社本社階層および拠点・事業所階層)における体制の整備に関する支援を行います。
・リスク管理推進責任者/リスク管理マネジャー
リスク管理の各階層において、事業本部・グループ会社本社階層(L2)の「リスク管理推進責任者」、および拠点・事業所階層(L1)の「リスク管理マネジャー」として、それぞれの階層におけるリスク管理活動について責任を負い、リスク管理体制の整備と推進を行います。
・グループグローバル業務主管部署
各担当役員(CxO)の管掌のもと、担当業務領域のリスクオーナーとして、当該領域のリスク情報の集約・分析及びモニタリングを行うとともに、リスク管理体制の整備に関してニデックグループに対する指導及び支援を担います。
(2)事業等のリスク
NIDECの経営成績、株価、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてNIDECが判断したものです。
| リスク項目 |
| 1) ガバナンスリスク |
| ① 内部統制に係るリスク※株式会社東京証券取引所による措置に関するリスクは欄外に記載 |
| ② 適正決算に係るリスク |
| ③ 経営継承に係るリスク |
| 2) 経営戦略リスク |
| ① 先行投資に係るリスク |
| ② M&Aに係るリスク |
| ③ 政治・経済状況の変動に係るリスク |
| ④ 技術環境・産業構造の変化に係るリスク |
| ⑤ 競合に係るリスク |
| 3) 事業運営リスク |
| ① 関税に係るリスク |
| ② 製品の品質に係るリスク |
| ③ 情報セキュリティに係るリスク |
| ④ 高度な専門性を有した人材の採用・保持に係るリスク |
| ⑤ 研究開発に係るリスク |
| ⑥ 原材料・部品調達に係るリスク |
| ⑦ 知的財産権に係る訴訟リスク |
| ⑧ 人権に係るリスク |
| ⑨ 為替に係るリスク |
| ⑩ 金利の変動に係るリスク |
| ⑪ 資金の流動性に係るリスク |
| ⑫ 繰延税金資産の不確実性に係るリスク |
| 4) 偶発的リスク |
| ① 自然災害・人的災害に係るリスク |
| ② 気候変動に係るリスク |
1)ガバナンスリスク
| ①内部統制に係るリスク |
| リスク内容 |
| (貿易コンプライアンスに関する内部統制) 前連結会計年度に、当社の連結子会社において、製造したモータの原産国申告の誤りに伴う未払関税額の過少計上が判明し、問題認識後に適時に連結財務諸表に反映できなかった親会社としての当社に主な原因があったものと認識し、前連結会計年度の全社的な内部統制(情報と伝達)及び経理決算プロセスの内部統制に開示すべき重要な不備を識別しました。当社は、以下の再発防止策を実施してはいるものの、当連結会計年度において新たに全社的な内部統制(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達及びモニタリング)及び全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセスに係る内部統制に開示すべき重要な不備を識別したことから、開示すべき重要な不備の是正には至っていないものと評価しております。 (1)コンプライアンス最優先の意識/企業風土の醸成 ・当社取締役会から当社グループ内に対する明確なメッセージの発信 ・人事処分を通じたコンプライアンスを最優先にした対応の必要性の周知徹底 ・法務コンプライアンス部門の機能強化・権限強化 (2)組織・体制の強化 ・貿易コンプライアンス体制の強化 ・グローバルコンプライアンス体制の強化 (3)手順・規程・仕組みの改善 ・当社グループのレポーティングラインの改善 ・当社グループ法務・コンプライアンス部門間の情報共有 ・内部統制の適切な整備 (4)人事処分 ・適切な人事処分の実施 また、当連結会計年度において、上記連結子会社以外における貿易コンプライアンス上の類似問題の有無等について外部専門家に委嘱して調査を行ったところ、当社グループの対米輸出において原産地国表示の誤りが発見されました。このため、当社の各拠点からの対米輸出(2021年3月期から2026年3月期まで)に係る主要な輸入拠点の全取引を対象に統計的サンプリング調査を実施した結果、米国への輸入申告における関税分類、原産地国、通商優遇協定に基づく特恵適用及び輸入価格に関し、一部に誤りがあることが判明しました。 この誤りは、関係者の貿易知識やコンプライアンス意識が十分でなかったことに加え、当社グループにおいて貿易業務の標準化が十分でなかったことが原因として挙げられることから、全社的な内部統制(統制環境及び統制活動)に係る不備を識別しております。この不備は、当社の財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高いことから、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。 当社は、再発防止の取り組みを今後も継続的に実行し、内部統制の強化を図ってまいりますが、内部統制には固有の限界があるため、再発防止の取り組みが有効に機能しなかった場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。 |
| ①内部統制に係るリスク |
| リスク内容 |
| (資産性にリスクのある資産に関する評価減の時期の恣意的な調整等の連結財務諸表全体に重要な影響を及ぼす可能性のある不適切な会計処理に関する内部統制) 当社は、当社及びグループ会社の一部の経営陣の関与又は認識の下で行われた資産性にリスクのある資産に関する評価減の時期の恣意的な調整等、連結財務諸表全体に重要な影響を及ぼす可能性のある不適切な会計処理の疑義を認識したため、2025年9月3日に日本弁護士連合会が定める「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠した第三者委員会の設置を決議し、第三者委員会から2026年2月27日に調査報告書、同年4月17日に調査報告書追補を受領しました。その結果、過年度を含め、当社グループの多岐にわたる拠点で多数の会計不正(以下、調査報告書及び調査報告書追補で明らかになった事実を「本事案」といいます。)が判明しました。判明した会計不正の主な内容は以下のとおりであり、その内容は多岐にわたっていました。 ・将来の使用見込み及び販売見込みが極めて低く資産性がない原材料及び製品等について資産性が認められると偽ることによる棚卸資産評価損の計上回避 ・固定資産の減損テストの前提となる売上計画の中に実現確度が低い案件を含めることによる減損損失の計上回避 ・転用困難な固定資産についての虚偽の説明による減損損失の計上回避 ・製品の開発中止に伴う契約損失引当金の未計上 ・不良債権に係る貸倒引当金の未計上 ・棚卸資産の実地棚卸結果を偽ることによる棚卸資産の過大計上 ・固定資産に計上することが適切ではない人件費を付随費用として資産計上し減価償却を通じて費用化することによる費用計上時期を先延ばし ・将来の経済的便益の獲得に寄与しないと判断されていた品質改善費用や研究開発費用の意図的な資産計上 ・未出荷販売としての実態を伴わない売上の先行計上 当社は、本事案に関する第三者委員会による調査及び第三者委員会の管理・監督の下で会計処理の適切性を調査する自己点検により判明した事実とその原因分析に関する報告等を踏まえ、財務報告に係る内部統制の再評価を行った結果、当社及び連結子会社の全社的な内部統制(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達及びモニタリング)と全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセスに係る内部統制の不備を識別しており、これらの不備は、当社の財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高いことから、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。 また、全社的な内部統制(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達及びモニタリング)と全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセスに係る内部統制の不備の影響が重要かつ広範であり、業務プロセスに係る内部統制が有効に機能する基盤を欠いていた状況であり、評価対象とした全ての業務プロセスについても不備を識別し、いずれも財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高いため、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。 当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を十分に認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために再発防止策を速やかに策定し、その実行に取り組んでおります。もっとも、当連結会計年度末において再発防止策の実行は完了しておらず、内部統制には固有の限界があるため、再発防止の取り組みが有効に機能しなかった場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。 なお、当社は、当社及びグループ会社において、不適切な会計処理等に関与、指示、又は認識していた、あるいは会計監査人に対して虚偽の説明を行った役職員の一部を特定し、適切な人事的是正措置を決定するための評価及び人事的是正措置を進めているものの、その一部は完了しておりません。その結果、不適切な会計処理等に関与、指示、又は認識していた、あるいは会計監査人に対して虚偽の説明を行った役職員の一部は、現時点において、当社及びグループ会社の財務報告プロセスにおいて責任ある立場を担っているため、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。 |
| ①内部統制に係るリスク |
| 主要な対応策 |
| 当社は、2026年3月期の全社的な内部統制(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達及びモニタリング)及び全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセス、並びに経理決算プロセスの開示すべき重要な不備を是正するため、以下の対応策を策定しております。これらの対応策を確実に実行し、その実行状況を継続的にモニタリングすることにより、これらのリスクの回避及び最小化に努めております。 (貿易コンプライアンスに関する内部統制) (1)教育研修の実施 ・貿易コンプライアンスに関する研修の実施 ・コンプライアンスの重要性についての継続的な発信 (2)SOP(標準業務手順書)の策定・展開 ・「関税対応マニュアル」及び「関税対応ハンドブック」の策定・展開 ・SOP(標準業務手順書)の策定・展開 (資産性にリスクのある資産に関する評価減の時期の恣意的な調整等の連結財務諸表全体に重要な影響を及ぼす可能性のある不適切な会計処理に関する内部統制) (1)企業風土の変革、コンプライアンス教育の充実 ①企業風土の変革 ・企業風土改革を推進する新組織の設立による従業員からの意見収集 ・階層別企業風土研修の実施 ・社員との対話機会の創出 ・経営層による行動変革 ・社員による行動変革 ・当社各部門・グループ会社・グローバル各社での改善活動 ・施策の実施状況の透明性確保 ②コンプライアンス教育の充実 ・入社時・定期研修におけるコンプライアンス教育の充実 ・グループ全体へのコンプライアンス教育の徹底と本事案の継続的な周知 ③責任の明確化 ・役員責任調査委員会の設置 ・執行役員より下の階層の職員及び当社グループ会社役職員に対する必要な処分の実施 ・第三者委員会の調査報告書等を受けての人事対応 |
| ①内部統制に係るリスク |
| 主要な対応策 |
| (2)人事関連制度の見直し ①人事評価制度の見直し ・業績以外の目標設定と評価の徹底 ・制度理解向上施策の実施 ②役員報酬評価基準の見直しと報酬決定プロセスの実効性強化 ・役員報酬評価基準の見直し ・報酬決定プロセスの実効性向上のための対応策実施 ③執行役員指名の基準見直しと実効性の強化 ・選任基準の見直し及び解任基準の策定 ・執行役員選任プロセスの実効性向上のための対応策実施 (3)事業計画策定・管理方法の見直し ①中期経営計画・事業計画策定プロセスの再整備 ・中期経営計画・事業計画策定ルールの再定義及び明文化 ・中期経営計画・事業計画検討体制(チーム制)の構築 ・中期経営計画・事業計画策定プロセスの強化 ②予実管理プロセスの適正化 ・予実管理における業績管理値の変更 ・実績分析及び対策の検討、次期計画精度向上のための対応策実施 ③事業評価基準の見直し ・計数項目の見直し ・評価項目の追加 |
| ①内部統制に係るリスク |
| 主要な対応策 |
| (4)取締役会及び監査等委員会の実効性向上 ・業績目標の妥当性に対する取締役会の監督の実効性向上のための対応策実施 ・重要リスク情報共有体制の整備と監督機能の強化 ・監査等委員会の実効性向上のための対応策実施 ・取締役会の専門性の多様化による監督機能の強化 ・社外取締役のサポート体制の拡充 (5)経理機能の事業部門からの独立性の確保 ・経理機能の独立性の確保 ・経理リソースの確保 ・経理に関する意識改革・教育 ・経理ガバナンスの強化 (6)内部監査体制の強化 ・監査等委員会との連携による独立性の強化 ・内部監査の対象法人の拡大と監査品質向上のための対応策実施 (7)会計方針の明確化と運用の適正化 ・NIAPの見直し及び例外申請の廃止 ・NIAPの周知徹底 ・NIAPの準拠性宣誓の仕組みの導入 ・事業本部・国内グループ会社に対するレビュー |
※特別注意銘柄指定による上場廃止リスクへの対応
当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)特別注意銘柄の指定について」に記載のとおり、株式会社東京証券取引所より特別注意銘柄に指定されています。指定を受けた理由、指定日及び指定期間の詳細については、同項をご参照ください。
当社は、同項に記載のとおり、特別注意銘柄の指定解除に向け、内部管理体制等の改善に取り組んでいます。ただし、株式会社東京証券取引所の有価証券上場規程に基づく審査の結果、内部管理体制等が適切に整備され、運用されていると認められない場合には、当該指定が継続され、又は当社株式が上場廃止となる可能性があります。当社は、指定解除に向け、内部管理体制等の実効性を確保するための取組を着実に推進してまいります。
| ②適正決算に係るリスク |
| リスク内容 |
| 当社は、当社グループにおける不適切な会計処理の疑義について、徹底的な調査および原因究明を行うために、2025年9月3日、独立した第三者委員会を設置いたしました。 第三者委員会による調査が継続中であったことにより、連結財務諸表に重要かつ広範な影響を及ぼす可能性があること等から、2025年3月期の有価証券報告書の連結財務諸表に係る監査報告書について監査意見を表明しない旨の監査報告書を当社の会計監査人より受領しました。このような状況を受けて、2025年10月28日に、当社は上場している東京証券取引所から、内部管理体制等について改善の必要性が高いとして「特別注意銘柄」の指定を受けました。 その後、2026年2月27日の中間報告を経て、2026年4月17日に第三者委員会より最終報告書を受領いたしました。これらの中で、当社グループにおける一連の会計不正に関する事実関係の認定、原因分析、および再発防止に向けた提言が記載されています。 |
| 主要な対応策 |
| 当社は、2026年4月17日に第三者委員会より調査報告書を受領したことを受け、認定された事実、原因分析および再発防止に向けた提言を真摯に受け止め、改善計画を2026年4月27日に公表いたしました。改善計画で公表した、経理機能・会計方針の強化について以下の対応策を講じています。 ・経理組織の独立性確保 経理機能と経営戦略実行のモニタリング等を担う事業管理機能を分化し、経理機能の人事権を本社経理機能へ集約し、また、デュアルレポートライン(事業本部及び国内グループ会社のCFOのレポートラインとして所属組織のCEO及び当社CFO、並びに事業本部及び国内グループ会社の経理責任者のレポートラインとして、所属組織のCFO及び当社経理責任者)の整備を行い、経理部門が事業部門と連携して利益目標の達成を目指すという構造を解消します。 ・会計方針の厳格な統一 グループ全体で、当社グループ会計方針(NIAP)の見直しを行い、明確かつ客観的なルールに基づく会計処理の徹底及び恣意的な判断の排除を実現します。なお、NIAPの運用形骸化の要因となっていた例外申請は、2026年3月期末決算で廃止しました。 なお、改善計画の進捗状況の詳細は、「事業の状況 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)対処すべき課題」に記載しています。 |
| ③経営継承に係るリスク |
| リスク内容 |
| NIDECのこれまでの成長は創業者の強力なリーダーシップと経営手腕に大きく依存していました。しかしながら、特定の個人に権限が集中する経営体制は迅速な意思決定を可能にする一方で、適正な監督機能やブレーキが十分に働かず、ガバナンス上の課題を誘発しました。 第三者委員会の調査報告書において指摘された通り、経営トップに対する牽制機能の不足はコンプライアンス意識の希薄化や健全な組織風土の阻害を招き、結果として当社グループの社会的信用を著しく毀損させる要因となりました。現在、当社グループは新体制のもとで集団経営体制への移行を進めておりますが、創業者の影響力からの脱却が不十分である場合、あるいは次世代を担うリーダー層による自律的な統治機能が定着しない場合、投資家からの信頼回復が遅れ、中長期的な企業価値および事業継続性に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 |
| 主要な対応策 |
| 創業者に依存した経営から透明性の高い仕組みと組織による経営への転換を最優先課題とし、以下の対策を講じています。 ・チーフオフィサー(CxO)制による組織的経営の徹底 2025年4月よりチーフオフィサー制を核とするグローバル本社体制を導入し、権限を各CxOに委譲しています。このように各機能部門と事業部門が相互に連携・牽制し合うことで、スピーディーかつ健全な経営判断を下す「仕組み化された組織」を構築しています。 ・次世代リーダーの育成と選抜プロセスの透明化 高いコンプライアンス意識とガバナンス能力を兼ね備えた経営人材を育成します。取締役・執行役員については、倫理観やコンプライアンス、市場規律の観点を含めたグローバル共通の選任基準に基づき、指名委員会が多角的な評価を実施するとともに、その選定プロセスの透明性と客観性を担保することで特定の個人に依存しない持続可能な経営承継体制を確立しています。 ・健全な組織文化への変革 経営トップが率先して風通しの良い組織風土への改革を推進しています。内部通報制度の信頼性向上や、現場の意見が経営層に届くコミュニケーションラインの整備を通じ、ボトムアップの知見とトップの戦略が健全に融合する組織体への変革を図っています。 |
2)経営戦略リスク
| ①先行投資に係るリスク |
| リスク内容 |
| NIDECは、需要の拡大を予測した場合、受注に先駆けて生産設備を拡張したり、リードタイムを考慮して部品や材料を先行発注することがあります。これには以下のリスクが伴います。 ・需要が予測を大きく下回った場合、固定資産の減損や過剰在庫の発生による棚卸資産の評価減が生じ、経営成績に悪影響を及ぼすリスク ・技術の非連続な変化により、先行投資した設備や部材が急速に陳腐化するリスク ・需要を過小に見積もることによる供給機会の喪失および市場シェアの恒久的な低下 |
| 主要な対応策 |
| 収益性と規律ある投資を両立させるため、以下の対応策を講じています。 ・ROIC(投下資本利益率)経営 ROICを経営指標のひとつとして定着させ、収益性と資本効率の両面から改善活動を推進します。 ・投資判断に資する仕組みの導入 投資判断に当たり、相対的に収益率の高い事業分野や将来の成長が見込める分野を明確にし、事業により創出した資金を最適に配分できるよう、事業ポートフォリオ戦略を支える体制を構築します。 ・フレキシブルな生産体制の構築 特定拠点への投資集中を避け、グローバルでの生産融通や、モジュール化による設備転用の容易化を推進し、需要変動に対する耐性を高めます。 |
| ②M&Aに係るリスク |
| リスク内容 |
| NIDECはこれまで、事業の成長に必要な技術、製品、販売網、顧客基盤を所有する他社の買収や他社への資本提携を通じて大幅な成長を達成してきました。しかしながら、M&Aによる非連続な成長に過度に依存する事業戦略は、投資判断の透明性や買収後のグループ統治といったガバナンスの形骸化、あるいは自社内での技術育成やオーガニック(自律的)な成長を阻害するリスクを孕んでいます。加えて、市場が急速に変化する中で、M&Aのみを成長の手段とした場合、適切な買収・出資対象先を見つけることができない事態に陥ると、市場の成長スピードに追随できず、NIDECの事業、経営成績、財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 買収した資産に関して、買収した事業の効率的な統合により得られる将来の収益力を適切に反映したものと考えていますが、事業環境の悪化等により予想どおりの収益が得られないと判断された場合、NIDECはこれらの資産について減損を認識しなければならず、NIDECの経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
| 主要な対応策 |
| M&Aリスクの低減とオーガニック成長の両立に向け、以下の対応策を講じています。 ・オーガニック成長への投資とバランスの取れた成長戦略の推進 M&Aに過度に依存せず、自社内での研究開発、既存事業の付加価値向上、人材育成等のオーガニックな成長に向けた投資を強化し、事業ポートフォリオの強靭化を図ります。 ・適正価格での買収 買収対象企業は、当社事業戦略に沿った企業を選定・事前調査を徹底し、適正価格で買収します。 ・買収後の迅速かつ徹底したPMI(買収後統合) 当社のコンプライアンス方針やガバナンス体制を適切に統合し、基盤・プラットフォームを統一化し、当社グループ入りによるシナジー効果を創出しながら、買収対象企業の企業価値を向上してのれん減損リスクを極小化します。 ・M&A活動に係る広報戦略の事前準備 適切な情報開示と誠実なメディアコミュニケーションを通じて、NIDECの買収方針に対する正確な理解を促進し、レピュテーションリスクの回避に注力しています。 ・ガバナンスとモニタリングの継続 買収後の事業計画の進捗状況を定期的にモニタリングし、当初の想定と乖離が生じた場合には、早期に改善策を講じる、あるいは事業ポートフォリオの見直しを行うなど、機動的なリスク管理を実践しています。 |
| ③政治・経済状況の変動に係るリスク |
| リスク内容 |
| NIDECは、世界40カ国以上に300社を超えるグループ会社を有し、海外売上高比率が約9割に達する等、グローバルに事業を展開しています。このため、事業を展開する各国・地域の政治・経済情勢の変動は、当社グループの経営成績および財政状態に直接的な影響を及ぼし得る重要な不確実性です。 特に、以下の地政学的リスクの深刻化・長期化は、サプライチェーンの分断やコスト構造の大きな変化を招く恐れがあります。 ・米中対立および経済安全保障規制 先端技術の輸出管理、投資規制、特定国を排除するサプライチェーン再編の加速。 ・地域紛争の激化と長期化 ウクライナ情勢や中東情勢等に伴う、エネルギー価格の高騰および主要物流ルート(海峡等)の遮断。 ・資源ナショナリズムの台頭 EV化に不可欠なレアアースや重要鉱物に関する輸出制限、および特定の原材料に対する特定国への過度な依存。 これらの事象が顕在化した場合、製品需要の減退、部品調達の停滞、エネルギー・物流コストの上昇、為替市場の変動幅の増大、さらには現地資産の毀損や事業停止など、当社グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 |
| 主要な対応策 |
| これら不可避な外部環境の変化に対し、経営の柔軟性と強靭性を高めるため、以下の対策を継続的に強化しています。 ・「地産地消(メイド・イン・マーケット)」体制の深化 主要市場において開発・生産・販売・サービスを一貫して行う「地営地開・地産地消」体制を徹底しています。これにより、現地顧客のニーズへ迅速に対応するだけでなく、関税などの貿易障壁や物流寸断、為替変動による影響を最小化し、地政学的な変化に対する耐性を高めています。 ・サプライチェーンの強靭化と経済安全保障への適応 重要部品や原材料の特定調達先への依存を回避するため、複数購買化(マルチソース化)や代替サプライヤーの開拓を常時推進しています。また、経済安全保障の観点から、サプライチェーンの多極化を推し進めるとともに、在庫管理の高度化により、不測の事態においても事業を継続できる柔軟な供給体制を構築しています。 ・事業ポートフォリオの最適化と市場分散 特定の国・地域への過度な依存を排し、グローバルな市場分散を図っています。成長市場への積極的な投資や、製品・技術開発による事業領域の多角化を推進することで、一部地域における情勢悪化がグループ全体の業績に与える影響を抑制しています。 ・情報収集体制の改善と機動的な意思決定の構築 各国の政治情勢、通商政策、法規制の変更を早期に捉え、経営層へタイムリーにフィードバックするためにシステムを活用し、情報収集体制を迅速化させます。これにより、生産拠点の移管や事業戦略の修正など、環境変化を先取りした機動的な意思決定を実践していきます。 |
| ④技術環境・産業構造の変化に係るリスク |
| リスク内容 |
| 急速な技術革新や産業構造の変化は、当社グループのビジネスモデルに深刻な影響を与える可能性があります。特に、生成AIの普及に伴うデータセンターの熱対策ニーズの変容や、SDV(Software Defined Vehicle)化を背景とした自動運転技術の進展は、従来の製品構成に対する需要を急激に変化させるリスクを含んでいます。例えば、E-Axleに代表される電動駆動システムの統合化やセンサ技術の高度化は、従来の単体機械部品の需要を代替・減少させる可能性があります。 また、技術のオープン化やデジタル・ツインの活用による開発期間の短縮は、異業種を含む新たな競合プレイヤーの参入を加速させ、当社グループの市場シェアを脅かす要因となります。これらの技術パラダイムシフトに対して、研究開発や事業転換が適切かつ迅速に進まない場合、製品の陳腐化や市場競争力の低下を招き、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
| 主要な対応策 |
| 当社グループは、これら技術環境・産業構造の変化を重要な経営課題と捉え、持続的な競争力を維持・強化するために以下の対応策を講じています。 ・モジュール化・システム化への転換とソリューション提案力の強化 単体モータの提供に留まらず、制御技術や冷却システムを組み合わせたシステムソリューションの開発・提案を推進し、顧客の付加価値向上と他社との差別化を図ります。 ・研究開発体制の強化とオープンイノベーションの推進 次世代技術(熱対策・電動化・センシング等)への研究開発投資を集中させるとともに、スタートアップ企業をはじめとする外部機関との戦略的提携・アライアンスを積極的に活用し、革新的な技術・知見を迅速に取り込む体制を構築しています。 ・マーケティング機能の強化とポートフォリオの最適化 市場動向や顧客ニーズの変化を的確に捉えるマーケティングリサーチを強化し、中長期的な技術ロードマップに基づいた最適な製品ポートフォリオへの迅速な見直しを行います。 ・高度技術人材の育成とナレッジ共有 社内専門家による定期的なワークショップの開催や外部リスキリングプログラムの活用により、最新技術(AI、デジタル開発ツール等)に関する知識を全社で共有し、変化に柔軟に対応できる高度技術人材を育成・配置しています。 |
| ⑤競合に係るリスク |
| リスク内容 |
| NIDECが事業を展開する精密小型モータ、車載、家電・商業・産業用、機器装置などの各市場では、グローバルで極めて激しい競争環境にあります。特に、新興国における地場メーカーの急速な台頭や、既存の競合他社による技術革新の加速により、以下のような状況においてNIDECの競争力や収益性に重大な影響を及ぼし得る要因となります。 ・技術開発と市場投入スピードの逆転 競合他社が当社を上回る速度で次世代技術(AI統合製品や高効率モータ等)を製品化し、デファクトスタンダードを確保する場合。 ・コスト競争力の相対的低下 原材料価格の変動やエネルギーコストの上昇に対し、競合他社がより効率的な調達・生産体制を構築することで、価格競争において劣位に立たされる場合。 ・ビジネスモデルの変革への適応遅滞 ソフトウェア定義の進展やサービス化など、製品単体ではない新たな付加価値競争において、顧客の支持を失う場合。 ・業界再編による競争環境の激変 競合他社間の大規模な合併・提携や、異業種からの参入(ビッグテック企業等)により、市場シェアや価格決定権が損なわれる場合。 ・地域固有の規制・標準への未対応 各国独自の環境規制やセキュリティ基準、地域特有のニーズに対し、適時かつ適切な製品投入ができない場合。 |
| 主要な対応策 |
| NIDECは、激化する競争環境において持続的な優位性を確保するため、「グループシナジーの最大化」と「高付加価値領域へのリソース集中」を柱とし、社会課題の解決を起点とした以下の5領域を定め、グループ各社の技術とリソースを結集することで、競合他社に対する差別化を図っています。 ・AI社会を支える AIサーバー向け冷却システムや高精度アクチュエータの提供。 ・サステナブル・インフラとエネルギーの追求 再生可能エネルギー関連やBESS(蓄電システム)への注力。 ・産業の生産効率化 ロボティクスおよび工場の自動化ソリューション。 ・より良い生活の追求(Better Life) 省エネ・高機能な家電向けモータ・ソリューション。 ・モビリティ・イノベーション E-Axleを中心とした次世代モビリティへの貢献。 (※注力領域の詳細は、最新の統合報告書および決算説明資料をご参照ください。) |
3)事業運営リスク
| ①関税に係るリスク |
| リスク内容 |
| NIDECは、世界各国において製品の製造・販売を行っており、各国・地域の関税法令、輸出入規制、原産地規則その他の通商関連法令の適用を受けております。 当社グループの一部の子会社において、関税申告に関する不適切な取扱いが確認されております。当社は、外部専門家を起用して調査を実施し、米国における一部の輸入取引について、関係当局への自主申告および追加関税等の納付を行っております。また、その他の米国輸入拠点についても同様の調査を実施するとともに、米国以外の国・地域におけるグループ内の輸出入取引については、商流分析等を通じて関税・通商上のリスク評価を実施しております。これらの調査およびリスク評価の結果を踏まえ、必要な会計上の影響を財務諸表へ反映するとともに、各輸出入拠点において是正措置を順次実施しております。 今後の追加的な調査・確認等により、関税申告その他の通商関連法令への対応が適切に行われていない事案が新たに判明した場合には、追加関税、加算税、延滞税その他の金銭的負担が発生するほか、関係当局による行政上または法的な措置を受ける可能性があります。また、新たな事実の判明や関係当局による判断等により、現時点で当社が認識している影響を上回る追加的な負担が生じる可能性があります。 これらの事象の内容、今後新たに判明する事実および関係当局による判断等によっては、追加的な金銭的負担や法的責任が生じるほか、取引先との関係悪化や社会的信用の低下等を通じて、当社グループの業績、財政状態およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 |
| 主要な対応策 |
| 関税に係るリスクを低減するため、以下の対策を講じています。 ・外部専門家を活用し、関税申告に関する問題について調査及び原因分析を行うとともに、類似事案の有無を確認するため、調査対象をその他の輸出入拠点及び取引にも拡大しております。また、調査の結果を踏まえ、必要な申告・納付等の対応を行うとともに、各輸出入拠点において必要な是正措置を順次実施しております。 ・また、グループ全体の貿易コンプライアンス体制の高度化に向け、関連規程の改正、グローバルで統一した貿易コンプライアンス体制への刷新を進めるとともに、各地域・各拠点間の情報収集・情報共有及び連携体制を強化し、グループ横断で貿易コンプライアンスを管理する体制を整備しております。 ・さらに、輸出入業務を担うロジスティック部門と、法令遵守及び貿易管理を所管する法務・貿易管理部門との連携を強化することにより、貿易管理に係るガバナンス体制の強化を図っております。 ・原産地判定、関税分類及び自由貿易協定の適用に関するガイドラインの整備、輸出入取引に係る業務プロセスの見直し、内部監査及びモニタリングの強化に加え、従業員に対する貿易コンプライアンスを含む体系的・包括的な研修を実施しております。 ・併せて、経済安全保障への対応を強化するため、輸出管理や経済制裁等に関する法令・規制を適切に遵守するための体制整備を進めております。 ・これらの取組みにより、通商関連法令の遵守を徹底するとともに、再発防止及び関税リスクの低減に取り組んでおります。 |
| ②製品の品質に係るリスク |
| リスク内容 |
| 近年、顧客の製品品質、安全性、信頼性及びコンプライアンスに対する要求レベルは一層高度化しています。当社グループが安全で高品質な製品を継続的に提供できない場合、製品自体の故障のみならず、物損や人命に係る事故、顧客製品の品質問題、顧客の生産活動への影響等につながる可能性があります。 その結果、不良品回収・修理、代替生産、顧客補償、損害賠償、調査対応、是正措置及び再発防止策の実施等に伴う多額の費用が発生する可能性があります。また、ブランドイメージ及び社会的信用の低下により、販売の落込み、受注機会の喪失、主要顧客との取引縮小、人材流出等が発生し、財務的な負担や人的資源の喪失を通じて、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。 |
| 主要な対応策 |
| 当社は、2025 年10月30日付で設置した「ニデック再生委員会」による内部管理体制の改善の一環として、品質管理体制及び変更管理プロセスの実態を確認し、品質面での課題の把握、必要な是正措置並びに再発防止策の検討につなげることを目的に、当社グループの生産拠点・開発拠点を対象とした品質総点検を2026年1月8日より開始しました。具体的には、各生産拠点における従業員へのヒアリング、工程変更・設計変更等に関する記録の照合、及び全従業員を対象とした品質管理に関する懸念の情報提供を受け付ける通報窓口(以下「品質意見箱」といいます。)の開設等を実施し、過去2020年にまで遡って当社グループの生産活動に関する自主的な点検を行いました。品質総点検の結果、当社及びグループ会社が製造する一部の製品について、お客様の確認を受けずに行われた部材・工程・設計等の変更等の不適切行為の疑いが判明いたしました。 複数の拠点において不適切行為の疑いが報告されたことから、より詳細な事実関係の解明、原因の究明及び製品品質へのコミットメントを強化するための実効的な改善策の検討のためには、同種事案の調査に豊富な経験や専門性を有する外部専門家による客観的な調査が必要であると判断し、調査委員会を2026年5月13日付で設置いたしました。調査委員会による調査は完了し、2026年9月2日に調査報告書を受領しております。 品質不適切行為等の背景として認められた過度な業績プレッシャーや物言えぬ風土等の当社の経営姿勢や風土に関わる課題については、会計問題の原因とも共通するものであるため、引き続き改善計画書上の風土改革の取組みを着実に推進するとともに、品質コンプライアンス風土の醸成・定着も進めてまいります。また、共通の風土課題に加え、品質保証固有の制度及びプロセスに関する課題については、品質保証組織による監督・牽制強化を通じて改善に取り組んでまいります。 ・品質コンプライアンス風土の醸成・定着 品質意見箱を常設化するとともに、2026年7月から9月にかけて全従業員に対してCQO Re-Definition宣言として、品質第一でお客様を大切にする誇りあるものづくりに向けて進んでいく旨のメッセージを発信しました。また、2026年9月7日の全体会同においても、CEO・CCO・CSCOによる再発防止・信頼回復に向けたメッセージを全従業員向けに発信しました。これらメッセージの発信に加え、2026年9月には本社経営陣や事業本部長、グループ会社社長を対象に外部弁護士を講師とした品質コンプライアンス研修を実施しました。今後、全従業員を対象とした品質コンプライアンスに係る研修を展開し、今回発覚した、お客様の確認を受けずに行われた部材・工程・設計等の変更や試験・検査データに関する不適切な取扱いが品質コンプライアンス違反行為であることを改めて示すとともに、そのような事態を見聞きした際には然るべきレポートラインに報告することや品質意見箱に投書することを周知してまいります。 ・品質保証組織による監督・牽制強化 2026年9月にグローバル品質保証基本規程を改訂し、各事業本部・グループ会社の品質保証責任者が製造・営業等の他部門から独立して出荷停止を判断できる権限を明確化するとともに、4M変更および検査プロセスに対する品質保証部門の関与・統制を強化しました。これら規程の準拠状況を確認するために、2026年10月以降、当社グローバル品質統括部門による品質監査を実施してまいります。また、CQO及び本社グローバル品質統括本部と各事業本部・グループ会社及びその傘下のグループ会社の品質保証責任者とのエスカレーションルール及びレポートラインを見直し、グループ内における品質コンプライアンスに関する情報が速やかに当社へ報告・対処される体制を再構築してまいります。 |
| ③情報セキュリティに係るリスク |
| リスク内容 |
| NIDECは、グローバルな事業活動を通じて、顧客、取引先、従業員に関する機密情報や個人情報を広範に保有しています。また工場のスマート化(DX)の進展により、生産現場の知的財産や稼働データも重要な資産となっています。これらの情報を適切に保護することは、競争優位性の確保およびステークホルダーとの信頼維持において重要な経営課題です。しかしサイバー攻撃は高度化・巧妙化しており、以下の要因により情報セキュリティリスクが顕在化する可能性があります。 ・高度なサイバー攻撃 ランサムウェア攻撃、生成AIを悪用した精緻なフィッシング詐欺や標的型攻撃による情報の窃取やシステムの停止。 ・サプライチェーンへの影響 海外拠点を含む当社グループのネットワークや基幹システムがサイバー攻撃を受け機能不全に陥ることで、部品供給の停滞など、サプライチェーン全体へ深刻な影響を及ぼすリスク。 ・内部要因 役職員による不正行為、業務委託先の管理不備、あるいは設定ミスなどの人的要因に起因する情報漏洩。 万一、重大な情報漏洩やシステムダウンが発生した場合、法的責任に伴う多額の賠償金や課徴金の支払い、社会的信用の失墜による受注機会の喪失、さらには生産ラインの停止による納期遅延などが発生し、NIDECの業績および財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 |
| 主要な対応策 |
| NIDECは、ますます増大する脅威に対抗するため、グループ全体で均質なセキュリティレベルを維持すべく、技術的・組織的な防御および監視体制の強化を進めています。 ・グローバル・ガバナンスと監視体制の統合 最高情報セキュリティ責任者(CISO)のもとでグループ横断の情報セキュリティ管理体制を運用しています。さらに、セキュリティ運用センター(SOC)への統合・集約により、世界各拠点の機器等を24時間365日監視し、インシデントの予兆を早期に検知・対処する体制整備を進めています。 ・アタックサーフェスマネジメントによる外部境界の防御 当社が起因となるサプライチェーンの機能不全を防ぐため、国内外の拠点を含めたグループ全体の「アタックサーフェス(サイバー攻撃の対象となる公開サーバーや外部接続機器など)」を網羅的に可視化・管理する取り組みを強化しています。サイバー攻撃の侵入口となりやすいこれらの資産の脆弱性を継続的に点検し、最新の修正パッチ適用などの是正措置を迅速に講じることで、外部境界における「弱点」を徹底的に排除しています。 ・従業員の意識向上と文化の醸成 全役職員を対象とした継続的なセキュリティ教育(注意を促すコンテンツの配布や標的型攻撃メール訓練等)を実施し、情報セキュリティに関する認識の向上と維持を図っています。また最新の脅威トレンドや被害事例の説明・解説などを行い、ヒューマンエラーによる漏洩防止に努めています。 |
| ④高度な専門性を有した人材の確保・保持に係るリスク |
| リスク内容 |
| NIDECが持続的な成長を遂げ、社会課題の解決を通じて企業価値を向上させていくためには、高度な専門性を持つ技術・経営人材、およびグローバルに活躍できる多様な人材の確保が不可欠です。 しかしながら、国内外における人材獲得競争の激化に加え、当社グループの社会的信用やブランド価値の劣化、コンプライアンスに関わる企業風土に対する外部評価の低下により計画通りの人材採用が困難になる、または既存の優秀な人材が流出するリスクがあります。特に独自技術の承継を担う専門人材や次世代リーダー層の流出が生じた場合、研究開発の遅延等を招き、当社グループの長期的成長および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
| 主要な対応策 |
| 持続的な成長の源泉は「人」であるとの認識のもと、以下の施策を通じて基盤再構築と人材の保持に注力しています。 ・企業文化の変革と組織風土の健全化 ステークホルダーからの信頼を早期に回復し、社員が誇りを持って働ける環境を整えるべく、コンプライアンス意識の徹底と風通しの良い組織風土への改革を全社挙げて推進しています。これらの進捗を透明性高く発信し、健全なガバナンス体制を訴求することで人材の定着と獲得を目指します。 ・戦略的な人材採用 事業部門の要望を適切に吸い上げ、ターゲットを明確にした採用計画を策定しています。特に新卒採用においては大学や専門機関との連携の強化や、部門とも協力したインターンシッププログラムを通じて優秀な人材の早期獲得を行っています。 ・キャリア、スキル開発支援 上司・若手向けキャリア研修、キャリアプランシートを活用した上司とのキャリア面談や社内公募を通じて社員の自律的なキャリア形成を後押ししています。 ・スキル開発支援 社員の現在や今後の業務に役立つ知識・スキルの習得を支援するためのプログラムを導入し、社員のスキル開発を支援しています。 ・グローバル人事戦略コミッティ 事業・地域の枠を超えた適所適材を実現すべく、専門性を有した人材の発掘・開発等グローバルに優先すべき人事課題や施策について、事業・地域の人事キーパーソンが集まり、議論・推進しています。 |
| ⑤研究開発に係るリスク |
| リスク内容 |
| 当社グループは、AIサーバー冷却,航空宇宙(防衛),ヒト型ロボット,エネルギー貯蔵(BESS),半導体関連産業をはじめとする高成長領域において、社会課題の解決を見据えた先端技術開発に経営資源を優先的に投入しております。しかしながら、研究開発活動においては以下のリスクを内包しています。 ・技術の非連続な変化によるR&D資産の陳腐化リスク 技術革新のスピードが極めて速い領域において、不連続なイノベーション(非連続な技術変化)が発生した場合、あるいはハードウェアとソフトウェアが高度に統合された「システム・ソリューション」への転換が遅れた場合、先行して蓄積した技術アセットや研究開発投資が急速に陳腐化するリスクがあります。 ・市場トレンドの見誤りによる開発リソースの不適合リスク 技術トレンドや市場ニーズの変化を適時かつ正確に捉えられなかった場合、高成長(g)領域へのタイムリーなリソース配分ができず、競合他社に対して開発スピードで劣後し、将来の市場地位を喪失する可能性があります。 ・R&D投資の分散化に伴う資本効率(EV)の毀損リスク 事業部門間で要素技術開発の重複が発生した場合、またはコモディティ化した汎用品分野のR&Dにリソースを漫然と投入し続けた場合、研究開発の投資効率が低下し、中長期的な企業価値の創出を阻害するリスクがあります。 |
| 主要な対応策 |
| 研究開発投資の効率性を最大化し、競争優位性を永続的なものとするため、R&Dセクターにおいて以下の対応策を講じています。 ・自律進化型R&Dガバナンスと厳格なステージゲート規律の徹底 すべてのR&Dプロジェクトの投資対効果をROICや企業価値への貢献度をベースに評価しています。開発プロセスには「ステージゲート制」を導入し、WACC(資本コスト)を下回る低収益なプロジェクトや、将来性の乏しいコモディティ化事業のR&Dから高成長分野へのリソースシフトする規律を徹底します。 ・事業部門横断の「共通技術プラットフォーム」による開発効率の最大化 「回る/動く」「熱マネ」「エネルギ変換」といったコア技術をベースに、事業部門の枠を超えて製品・生産技術の資産を共有化する「共通技術プラットフォーム」を構築しています。これにより、要素技術開発の重複を排除し、研究開発のスピード加速と投資効率の最大化を同時に達成します。 ・高認証・高信頼性市場への戦略的リソースシフト 航空宇宙(eVTOL)や医療など、極めて高い認証と信頼性が要求される模倣困難な領域へR&Dリソースをシフトします。これにより、ハード・ソフトが融合した高付加価値なシステム・ソリューションを確立し、強固な参入障壁を構築します。 |
| ⑥原材料・部品調達に係るリスク |
| リスク内容 |
| NIDECは、製品の製造に不可欠な原材料(鋼材、銅、アルミ、レアアース等)および電子部品の多くを外部から調達しています。これらの需給環境が極端に悪化した場合、生産計画の停滞や納期遅延を招き、経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。特に近年、以下の要因が調達リスクを複雑化させています。 ・地政学的緊張と関税障壁 国家間の対立に伴う輸出規制や、特定の国・地域からの輸入に対する高関税措置(関税障壁)の導入により、従来の調達ルートの維持が困難になる、あるいは調達コストが急騰するリスク。 ・経済安全保障に関わる政策変更 環境保護、人権保護(強制労働の排除)、または安全保障上の観点から、各国政府が原材料の産地や部品のトレーサビリティ(追跡可能性)に関する規制を強化しており、これらへの適応が調達の制約となる可能性。 ・供給網の寸断 地域紛争や大規模災害による物流網の遮断、および特定サプライヤーへの過度な依存に起因する供給停止リスク。 |
| 主要な対応策 |
| NIDECは、調達環境の激変に耐えうる「強靭なサプライチェーン」の構築に向け、以下の対応策を強化しています。 ・サプライヤーのマルチソース化と地域分散 特定の供給先や特定の国・地域に依存しない「地産地消(メイド・イン・マーケット)」に基づいたグローバルな調達体制を構築しています。これにより、地政学的リスクや関税措置による供給寸断が発生した際も、代替ルートから迅速に調達できる体制を整えています。 ・持続可能な調達(ESGデュー・デリジェンス)の徹底 サプライヤー選定に際しては、品質・価格・納期に加え、環境負荷、人権遵守、労働環境、および資源入手可能性(責任ある鉱物調達等)への配慮を厳格に事前確認しています。規制変更への迅速な対応に向け、サプライチェーン全体の透明性向上に注力しています。 ・戦略的在庫管理と長期契約による安定確保 重要性の高い原材料や汎用性の低い部品については、長期契約の締結により優先的な供給枠と価格の安定を図っています。また、AIを活用した需要予測に基づき、安全在庫の最適配置と調達拠点の多元化を進めることで、突発的な需要変動や物流リスクへの耐性を高めています。 ・代替材料・技術の開発推進 特定国からの輸出規制リスクがある材料(レアアース等)については、使用量を削減する技術開発や、代替材料への切り替えを加速させることで、外部環境の変化に左右されない製品設計を推進しています。 |
| ⑦知的財産権に係る訴訟リスク |
| リスク内容 |
| NIDECは、コア技術の優位性を保つため知的財産権による保護を行っていますが、以下のリスクを認識しています。 ・当社製品が第三者の知的財産権を侵害したと主張され、巨額の損害賠償、差止請求、あるいは不当なライセンス料(ロイヤリティ)の支払いを求められるリスク ・M&Aによって新たに加わった事業において、過去の知財係争が顕在化、あるいは知財管理体制に不備があるリスク ・従業員の流動化や共同開発を通じ、長年蓄積した製造ノウハウや営業秘密が不当に流出するリスク ・各国の法制度の違いにより、既存の知的財産権が無効になる等のリスク |
| 主要な対応策 |
| 知的財産に関連するリスクを最小限に抑えるため、以下の対策を講じています。 ・製品開発の初期段階から第三者の知的財産権に対する包括的かつ継続的な調査を徹底し、第三者の知的財産権を侵害するリスクの排除を行っています。必要に応じ、外部の法律事務所と連携し、迅速かつ適切な対応を図っています。 ・当社の独自技術保護による競争力維持のため、コア技術に関する積極的な知的財産権の取得、維持管理、他社製品の監視、事業活動の保護対応を行うと共に、従業員に対する情報管理教育を徹底、機密情報の流出を防止しています。 ・各国の知的財産権の法制度に応じた適切な知的財産権の取得、維持管理を行うことで、国際的な事業の保護を強化しています。 これらの対策により、NIDECは知的財産に関連するリスクを最小限に抑え、持続的な事業成長を目指します。 |
| ⑧人権に係るリスク |
| リスク内容 |
| グローバルな事業展開が加速するなか、人権尊重に対する企業の社会的責任は極めて重要視されており、人権デューディリジェンスが不十分であると見なされた場合、あるいは当社グループの社会的信用の動向等により人権に対する企業の姿勢への疑義が生じた場合、外部評価が著しく低下するリスクがあります。これらは法的制裁やブランド価値の毀損に留まらず、グローバルなサプライチェーンからの排除、不買運動を招き、当社グループの売上、市場シェアおよび事業継続性に影響を及ぼす可能性があります。 |
| 主要な対応策 |
| NIDECは、国際ガイドラインに基づき人権尊重の重要性を認識し、強制労働や児童労働の禁止、差別の排除、適切な労働条件の確保に取り組むと共に、サプライチェーンを活かしてビジネスパートナーやサプライヤーも含めた取り組みを行っています。具体的な活動は以下のとおりです。 ・人権方針の徹底 経営の透明性向上と信頼回復に向けた活動の一環として、「NIDECグループ人権基本方針」に基づき、全役員・従業員およびビジネスパートナーに対する周知徹底を継続しています。2024年の基本方針改定を踏まえ、最新の社会情勢に対応したコンプライアンス意識の醸成を図るとともに、取締役会による監督機能を強化し、人権尊重を経営の根幹に据えています。 ・人権デューディリジェンスの実効性向上 当社グループおよびサプライチェーンを対象にセルフアセスメント(SAQ)を継続的に実施しています。回収したデータに基づき、人権への負の影響が発生した場合の「深刻度」と「発生可能性」の2軸でリスクを評価し、対応の優先順位付けを明確化しています。 2023年度の約300拠点および主要サプライヤーへの調査結果を踏まえ、2024年度は特に東南アジア地域を重点領域として設定しました。 同地域の拠点への直接ヒアリング等を通じて情報の精度を高め、地域特性に応じたリスクの特定・評価に向けた情報収集に着手しています。 ・人権への取組体制整備 定期的なモニタリングや教育・研修を通じて職場環境の改善や人権意識の向上を図り、問題発生時には迅速に是正・救済に取り組む体制を整えています。特に内部通報制度の周知徹底と通報者保護を強化し、潜在的なリスクの早期把握に努めています。また、社長を議長とするサステナビリティ推進会議及び担当部門により構成される人権分科会の日々の活動を通じて、負の影響の停止・防止・軽減を図っています。人権分科会の取り組みは取締役で構成されるサステナビリティ委員会により監督されており、定期的に報告されています。また、サステナビリティ委員会への報告事項はサステナビリティ委員長より、取締役会に報告されます。 |
| ⑨為替に係るリスク |
| リスク内容 |
| 当社の事業はグローバルに展開しており、売上の多くが日本円以外の通貨(米ドル、ユーロ、中国元、タイバーツ等)で構成されています。このため、為替レートの変動は当社の業績に直接的な影響を及ぼす可能性があります。特に円高が進行した場合、海外での売上が円換算で減少し、結果として営業利益や当期利益が圧迫されることになります。また、海外子会社の業績を連結財務諸表に統合する際、為替変動による影響が大きく、特に新興市場における通貨の不安定さがリスク要因となります。更に、外貨建ての資産や負債の変動が為替差損益を引き起こし、財務状況に悪影響を与えることも懸念されます。 |
| 主要な対応策 |
| 為替リスクを軽減するため、以下の対応策を講じています。 ・売上と仕入の外貨建て取引を相殺し、ナチュラルヘッジを活用します。 ・定期的に為替リスクの状況をモニタリングし、必要に応じて取引通貨の見直しを実施しています。 ・海外市場における多様な通貨での取引を行い、特定通貨への依存度を低下させることでリスク分散を図ります。 |
| ⑩金利の変動に係るリスク |
| リスク内容 |
| NIDECは、固定金利や変動金利の長期債権、短期債権、及び有利子負債を保有しており、これらの金利の変動が資金調達コストや投資収益に重大な影響を及ぼす可能性があります。金利が上昇する場合、借入コストが増加し、これが直接的に利益率やキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす恐れがあります。 |
| 主要な対応策 |
| 金利変動リスク低減のため、以下の対応策を講じています。 ・金利スワップや金利オプション等のデリバティブ商品を活用し、予測可能な資金調達コストを確保します。 ・定期的に金利の動向をモニタリングし、資産及び負債の構成を見直すことでリスクの分散を図ります。また、金利に敏感な資産や負債の比率を最適化します。 ・長期的な資金計画においては、複数のシナリオを想定したストレステストを実施し、金利変動に対する耐性を評価することで、迅速な意思決定を支援します。 ・経済動向や金融政策の変化を注視し、必要に応じて資金調達戦略を柔軟に見直します。 ・借入金や社債の返済・償還期日が特定の時期に集中しないよう、調達期間を平準化させることで、高金利環境下での大規模な借り換えを余儀なくされるリスクを低減します。 |
| ⑪資金の流動性に係るリスク |
| リスク内容 |
| NIDECは、事業の成長や運営に必要な資金を、主に金融機関からの借入や資本市場からの調達に依存しています。金融市場の変動や経済環境の不確実性により、金融機関による貸付条件の厳格化や、資金調達の機会が制限されるリスクがあります。特に、グローバルな経済状況が悪化した場合、信用格付けの低下や投資家のリスク回避行動が強まり、必要な資金を適切な条件で調達できない可能性が高まります。このような状況下では、運転資金の不足や設備投資の遅延が生じ、結果として事業の成長戦略や競争力に深刻な影響を及ぼすことがあります。また、資金調達コストの上昇や資金繰りの悪化が、財務状況の悪化を招く懸念もあります。 |
| 主要な対応策 |
| 資金の流動性リスク低減のため、以下の対応策を講じています。 ・流動性の確保 金融市場の混乱など予期せぬ資金需要に備え、主要な取引金融機関との間でコミットメントライン契約を設定しており、事業の継続に十分な流動性を確保しています。 ・資金調達の多様化 銀行融資や社債発行等の資金調達手段を検討し、資金源を広げます。特に、長期的な資金計画を策定し、短期的な資金需要に対するリスクを軽減するためのストレステストを定期的に実施します。 ・運転資金の効率的な管理 在庫管理や売掛金の回収プロセスを見直すことで、キャッシュ・フローを安定化させ、急な資金需要にも迅速に対応できる体制を構築します。 ・信用格付けの維持・向上 財務健全性を重視した経営を推進し、透明性の高い財務報告を行います。 ・グローバルなキャッシュ・マネジメント・システム 各地域の余剰資金を集約することで、資金の効率的な配分を図ります。 |
| ⑫繰延税金資産の不確実性に係るリスク |
| リスク内容 |
| NIDECは、繰延税金資産が将来の課税所得から回収可能であるかどうかを継続的に評価する必要があります。経済情勢の変化や業績の悪化、又は新たな規制の導入があった場合、繰延税金資産の回収可能性が大きく影響を受ける可能性があります。このため、当社が繰延税金資産の一部又は全てについて回収不能と判断するリスクが存在し、その結果、利益が減少することが予想されます。特に、競争の激化や市場の変動が影響を及ぼす要因となり、当社の財務健全性に対する圧力が高まることが懸念されます。 |
| 主要な対応策 |
| 繰延税金資産の不確実性リスク低減のため、以下の対応策を講じています。 ・繰延税金資産の回収可能性に関する定期的な評価を実施し、業績や市場動向に応じて計上額の見直しを行うためのフレームワークを整備します。 ・税務戦略の策定においては、将来の課税所得の見込みを精緻に分析し、シナリオプランニングを通じてリスクを可視化します。 ・専門の税務アドバイザーと連携し、最新の税制改正や業界動向に基づいた情報収集を強化し、迅速な意思決定を支援する体制を構築します。 |
4)偶発的リスク
| ①自然災害・人的災害に係るリスク |
| リスク内容 |
| NIDECが事業を展開する国内外の地域において、自然災害(地震、台風、洪水等)や人的災害(戦争、紛争、テロ等)は、企業活動に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、主要な製造拠点やサプライチェーンが集中する地域で大規模な災害が発生した場合、製品の生産や供給が停滞し、顧客への納品遅延や生産コストの上昇を招く恐れがあります。また、これに伴い、企業のブランドイメージや顧客信頼度が低下し、長期的な収益に悪影響を与える可能性があります。 |
| 主要な対応策 |
| 自然災害・人的災害に係るリスク低減のため、以下の対策を講じています。 ・リスクモニタリング 世界の各拠点に設置したリスク管理者を中心に、事業継続を妨げる要因の早期の察知と的確な対応に努めています。 ・リスク分散 生産拠点の地理的分散やサプライチェーンの二重化により、災害発生時の影響を最小限に抑えることに努めています。 ・リスク転嫁 損害保険を付保し、損害発生時の財務的な影響の低減を図ります。 ・事業継続管理 事業の中断に備え、「BCP(Business Continuity Plan: 事業継続計画)基本方針」を整備し、国内外の拠点で訓練を実施しています。 |
| ②気候変動に係るリスク |
| リスク内容 |
| 気候変動は、企業の持続可能性や競争力に対する重大な脅威であり、特に製造業においてはその影響が顕著です。以下に挙げるリスク事象の現実化はNIDECの財務状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。気候変動に係るリスクの詳細及び対応策につきましては「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組(参考)事業インパクトの大きい気候変動リスク・機会及び対応策」をご参照ください。 |
| 主要な対応策 |
| 「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組(参考)事業インパクトの大きい気候変動リスク・機会及び対応策」をご参照ください。 |