有価証券報告書-第28期(令和2年8月1日-令和2年12月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
1.経営方針
(1) 会社の経営の基本方針
人とIoTの主要インターフェースである「ディスプレイ」及び周辺デバイス、そして電子の目「イメージセンサー」を始めとする半導体の自動検査における、トップリーダーを目指し、世界的企業へと成長し、社会に貢献します。
我々は、人と環境にやさしい技術をとおして、社会に貢献し、地球環境の保全を図り、次の世代に住みよい地球と豊かな社会を残すように努めます。
当社は、この経営理念を具体化するために、以下の経営方針のもとに安定かつ効率的な経営を継続していくことにより、収益性を向上し、会社の発展と社会への還元を図り、株主、顧客、従業員の期待に応えることを経営の基本としております。
企業目的: バイタリティ(生命力)、知恵、創造行動指針: 量より質、プロセス重視、ゼロから考え直して
計画 : コンセプトデザイン重視
課題解決: 全員で寄って集って課題解決、ベストウエイソリューション、PDCAスパイラルアップ
風土 : 分かち合う。Wind(さわやかな風の吹く)Test → Wintest
利益処分: フェア(投資家、従業員、顧客、役員、社内留保)
人事 : 一流のもの、出る杭には油を、加点主義、将来を見据えたマネージメント
(2) 目標とする経営指標
「売上高経常利益率20%以上の確保、配当性向の30%の回復」を目標としております。このため当社は、ディスプレイドライバIC向け検査装置を主軸とし、従来のイメージセンサーとディスプレイ分野向け検査装置並びにその他検査装置の開発販売を継続し、メインマーケットを市場の消えた日本国内から中国、台湾に移し、事業の拡大を図ってまいります。新たな成長の起爆剤として、中国湖北省武漢市に当社100%の量産工場「偉恩測試技術(武漢)有限公司」を2020年1月から稼働を開始したことにより、今後急拡大を続ける中国事業の柱といたします。引続きIoTヘルスケア関連技術、自重補償型マニピュレータの製品化を進め、マーケティングを通して技術革新を推進売上の増大を図ってまいります。また徹底したコスト管理を行うことにより、目標とする利益率の確保に努めてまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社の検査装置の対象のひとつであるイメージセンサーの分野は、スマートフォンをはじめとする情報端末の市場拡大と、今後大きな市場が見込まれている高速通信規格である5G(第5世代移動通信システム)技術の普及拡大及び5Gの通信速度に見合う新規格WiFi6(ワイファイシックス)への移行に伴い、大きな期待が寄せられる低遅延型遠隔監視、制御、そして高速通信が可能となることから高精細大容量画像データ要求のある、8K画像伝送、またLiDAR(自動運転技術)等によって継続的な拡大が見込まれております。また、DXと人の間を繋ぐユーザーインターフェースの代表格であるディスプレイ分野も高精細化し拡大、それらに使われる周辺部品も同様に量の大幅な増大が見込まれております。今後のトレンドとして各製品の高画素化、高速化、高精細化がますます進んできており、それに伴い検査装置に対する技術的ニーズは高度化しております。当社は、2019年11月より経営体制を変革し、これらのニーズに対応すべく大幅な方針転換を行い、子会社の積極的有効活用や製品開発のスピードアップ、代理店との関係強化による営業力、顧客サポートの強化と充実を一層推し進めてまいります。
さらに、ディスプレイの伸長(IHS調べ:年平均成長率CAGR4%)に合わせて需要増が見込まれるディスプレイドライバIC検査装置では、大幅なデータ転送機能の見直しを行い、転送速度を大幅に向上させたWTS-577SRをリリース加えて、TDDI(タッチパネル機能)の検査機能は勿論、MIPIやmini-LVDSなど多様な通信プロトコルに対応、液晶と有機EL両方のドライバーICの検査を可能とし、加えてその周辺分野の一つである汎用型高速多ピン‐ロジックIC検査装置の開発も進めており、コストパフォーマンスの非常に高い、当社独自の製品をマーケットに提供することにより、収益力の高い経営成績の安定した会社を目指す考えです。
2.経営環境
当連結会計年度における世界経済は、2020年1月末から顕在化してきた、新型コロナウイルスの脅威は依然終息が見えないものの、比較的早期に感染の沈静化を進めた中国、比較的影響を早期に抑え込んだ台湾などの半導体市場はスピード感に鈍りはあるものの生産を初めとして立ち上がりつつあります。しかしながらマーケットでは、比較的影響の少ない分野と大きな影響を受けている分野がまだら模様になっており、企業によっては大きく収益を落とし、いまだ癒えることなく引き続き企業業績には予断を許さない状況が続いております。今後引続き雇用・所得環境の悪化が続き、回復には相当の時間が必要との政府見解ですが、2020年第4四半期後半から叫ばれ始めている、半導体の品薄状態が顕在化し各製品メーカーや車メーカ等から悲鳴が上がりつつあります。これは2020年初頭からの新型コロナウイルス禍の影響が見通せず、2020年の前半から中盤まで半導体製造メーカー、製品メーカーが大きく製造を絞ったところ年末に向かうにつれテレワーク、リモート面談等が急速に増加し、コンピュータや通信機器等を中心としたIT関連機器や家電製品に200%を超えるニーズが発生し急激に半導体や製品の在庫を圧迫したことによります。こうした背景から2021年~2022年にかけ半導体関連市場の経済活動は活発化するものとしており、引続きコロナ禍の制約は残りますが景気は回復に向かうと見込んでおります。しかし米国新政権による中国への対応が不透明であり方向によっては、中国経済や海外経済の動向と政策に関する不確実性などを懸念する意見もあり引続き不透明な状況があることも事実です。
当社グループが属する半導体並びにフラットパネルディスプレイ業界におきましては、上述のように2021年の半導体不足による増産機運や、上述した5Gまたそれに伴う新サービスの台頭など高速通信技術が先導役となり情報端末は勿論、テレビなど画面の4K、8K化など高精細化、LCDに続き有機EL、そして車載パネル、家電にもディスプレイパネルが採用されるなど「表示デバイス市場」は、2020年に足踏みが合ったものの2021年はV字回復し年平均成長率(CAGR)4%(IHI及びOMDIA予測)で安定的に成長していくと考えられています。また2021年の一時的な半導体不足の理由だけに留まらない、物のIoT化技術の進展により「半導体市場全般」は引き続き成長していますが、その需給バランスは米中問題が火種にもなり得、依然不安定な要素を含みます。しかしながら、同OMDIA社によると「中国勢の躍進」が著しく、TFT LCD市場における中国勢のシェアは2020年代に7割を超える見込みで、今後、韓国勢は2%までシェアを落とし続けるとのことです。また有機EL (AMOLED)市場でも2020年序盤は韓国67%、中国31%というシェアであるが、これが2021年のうちにそれぞれのシェアが5割前後で拮抗、2021年折り返し時点では逆転するとの見通しを立てています。このような状況から当社がメインマーケットと位置づける中国市場の拡大が更に進むものと考えております。
3.対処すべき課題
当社グループの主要事業である半導体検査装置事業では、高度化、多様化するお客様の検査ニーズにお応えするため、検査技術の革新を進めるとともに、検査対象の拡充による事業の成長継続と、市場の急速な変化にこたえるために製造能力の強化による更なる成長を目的として、以下の課題に取り組んでまいります。
(1)既存事業の拡充
① 半導体検査装置機能の高速化及び機能性向上
当社グループの主要事業である半導体検査装置事業では、高度化、多様化するお客様の検査ニーズにお応えするため、検査技術の革新を進めるとともに、検査対象の拡充による事業の成長継続と、市場の急速な変化にこたえるために製造能力の強化による更なる成長を目的として、以下の課題に取り組んでまいります。
当社の主たる事業分野である半導体検査装置事業分野は「日進月歩」ならぬ「秒進分歩」と揶揄される程、機能面での変化が速いことで知られる分野であり、「1秒後には新しい技術が、そして1分後には実用化されている」とのたとえ通りその技術レベルが上がるごとにタイムリーな開発が必須となります。特に当社が「主力装置」と位置付けるLCDドライバIC検査装置はスマートフォンに代表される、進化の早い情報端末に多く使われ、かつ5G通信規格の普及とともにより早い技術革新が当該検査装置にも求められております。
また、LCDドライバIC、そしてCCD、CMOSイメージセンサー分野においては高品位、低コスト、高速化に加え、更にユーザーフレンドリーなユーザーインタ―フェース、プログラミング補助機能強化などをそれぞれ推し進め、同分野において、新たな機能開発に向けた検査ニーズに対応する検査技術や手法の開発を継続するとともに、随時開発体制の見直しと強化を行ってまいります。
当社は引き続き、中国と台湾方面をメインマーケットとし、現地ニーズを把握し当社100%出資の中国湖北省武漢市に設立した製造子会社「偉恩測試技術(武漢)有限公司」の能力を最大限に高め、製造から納品までのタイムラグをなくすことで、現地顧客の信頼、ニーズを先取りした経営を行ってまいります。
当社第29期となります2021年からは、偉恩測試技術(武漢)有限公司に現地での製造に加え、営業を本格的にスタートさせ、当社有力代理店蔚華科技股份有限公司と共同で新規顧客へのアプローチ、既存顧客からのリピート受注の促進を図ってまいります。
また、かねてより開発中であった高速データ転送機能他、新機能の開発が終了し既存のWTS-577に改良を加えたWTS-577SRのリリースを2020年10月に完了し出荷を始めました。次に、現在開発中の次世代検査装置において、できるだけ共通の筐体、ソフトウエアやインターフェースを使えるようにすることで開発資源の共通化を実現し、開発スピードのアップだけでなく、テストハウスでは、検査対象デバイス(IC)が変わっても装置内部に用意する機能部品の一部を変更するだけで、多様な半導体検査に応用可能な装置となり、導入コスト、導入リスクを大きく下げる提案が可能となります。当社は、このような新たな発想による新たな検査ニーズに対応する検査技術や手法の開発を新体制の下、進めてまいります。
② 営業力強化・顧客サポートの充実
当社は、中国・台湾のマーケットに参入するため、当社の有力台湾販売店(蔚華科技股份有限公司)の協力の下、当社の100%製造子会社である偉恩測試技術(武漢)有限公司の営業部と当社の開発部が三位一体になったベンチマークや販売戦略プロジェクトを推進し、なお一層販売体制を強化し、拡大が続く中国マーケットに深耕してまいります。加えて、製造工場としてのエンジニアや管理組織の人員の雇用を促進し量産に向けた製造体制の強化を推し進めつつあり、中国国内の顧客から、大きな注目と期待を寄せて頂いております。また、蘇州に蔚華科技股份有限公司と共同でサポートやデモ、ベンチマークを行える拠点を整備、顧客向けベンチマークやリレーションの構築、受注体制の拡充とスピードアップを図り、拠点からの直接サポート、納入ができる体制を整備しております。今後、拠点数を更に増やし、お客様に近い存在をアピールすることが、今後の中国マーケット攻略の要となると考えております。
また、武漢精測電子集団(グループ)の兄弟会社の技術や販売網を利用した取り扱い製品の拡充、拠点の整備、営業・サポートのローカライズ等を推し進め、中国、台湾マーケットからの大量受注、受注に見合った量産体制の確立を進めるとともに、当社グループの体制構築に努めてまいります。
さらに武漢精測電子集団(グループ)の兄弟会社の技術や販売網を利用した取り扱い製品の拡充、拠点の整備、営業・サポートのローカライズ等を推し進め、中国、台湾マーケットからの大量受注、受注に見合った量産体制の確立を進めるとともに、当社グループの体制整備に努めてまいります。
③ 大阪事業所の拡充・整備
当社、大阪事業所では、今後新製品、次世代検査装置の開発と試作製造を主体とした技術工場的な役割を担う戦略を取ってまいります。同事業部門は、検査装置事業における開発・設計・製造工程において次世代検査装置に不可欠な設計力の増強を行い、組立て製造能力を備えた機動的な工場としてまいります。そのため、まだ負荷の大きい既存装置のサポートを中期的に順次当社中国の子会社に移転し、一部既存装置の製造能力はリスクヘッジとして残すものの、新型次世代装置の開発設計と製造に注力してまいります。
さらに、大阪事業所の役割としてスピーディーで顧客満足度の高い組織的サービスの提供を模索し、加えて「工場モデル」の開発を通しコスト削減、品質管理及び大量受注の際の迅速な対応並びに納期の短縮と品質のアップと維持など、装置開発に留まらない多肢にわたる「開発」を行ってまいります。
④ ウインテストグループとして
今後もウインテストグループとして、横浜本社、大阪事業所における開発環境整備、人材育成及び増員に努め、組織の強化を行い、総務経理部を含む各部署における業務推進体制を革新するため、ERPやITを駆使した一括管理サーバーを導入する等、より機動的かつ最新の環境で、設計、開発及び経営能力を強化するとともに、トータルコストの削減、納期の短縮と品質の向上を目指し、顧客満足度を上げることで受注増、業績の向上、会社価値の増大を図り、株主様の利益につなげてまいります。
(2)産学連携等による新技術への取り組み
当社は、未来技術の獲得を目的に、産学連携を進め、新技術の獲得によって主事業の拡充に取り組んでおります。2020年1月に顕在化した新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、各大学機関は2020年12月31日現在も未だに一部を除き開校出来ておらず、学生はリモートでの受講を余儀なくされている状況から、その活動は現状一時中断を余儀なくされておりますが、2021年度第29期予算に引続き組入れており今後共同研究中の研究室の状況を見て、再開の見込みです。
① 検査装置向け工場FA化機器技術「自重補償機構技術」(注)
当該技術については、学校法人慶應義塾大学慶應義塾先端科学技術研究センターと共同開発を進めており、2019年8月からの研究成果について、大学並びに研究室の再開を待って、継続の方向です。しかし2019年6月の段階で、重量キャンセル型アームの基本試作3号機まで完成しており、当期は、ずれ込んでおりました特許等の申請についても手続きは終了しております。また今後の進め方に付き大学側と調整中です。当該技術は当社の検査装置をウエーハ搬送装置とのドッキングに使用する「マニピュレータ」で製品化を目指しますが、当面の目標として、検査装置のポゴタワーと呼ばれる約25㎏の着脱補助装置としてその搬送可能重量を50㎏前後で開始します。
② 半導体IoTセンサー
半導体IoTセンサー分野では、茨城大学との部分影補償機能(太陽光パネルの効率向上)一体型コンバータの開
発が完了し、2019年11月にはモニタリングソフトウエア(GUI)とともに、試作機を完成させ現場での設置を視野
に入れた試作機の完成を行いました。2020年より必要不可欠となる現地での実証試験など安全面、環境面での試行錯誤を行い、最終製品化のための開発に取り組むはずでしたが、新型コロナウイルス禍による中断を余儀なくされております。続けて新年度予算にも研究開発継続予算を組み進め、最終製品化に向けてプロジェクトを進める所存であります。 和歌山大学と進めておりました脈波を利用したヘルスケア管理システムは、株式会社TAOS研究所と新たなアライアンスを組むことで、製品化に大きく近づくこととなりました。当期予算に継続的に組み込み、最終製品化に向けて共同開発を進め製品化を目指します。尚、販売に関しましてはTAOS研究所に一任する方向です。開発された研究成果は、今後の検査装置及びIoTセンサービジネスマーケットにおいて新たなシーズ技術の開発に活かしてまいります。
③ 新エネルギー事業の展開
新エネルギー関連事業では、2025年から35年に向け大きな市場となる太陽光発電システムの保守点検・整備・保証管理領域に注力してまいりますが、出張を伴う屋外作業が主となることから前期また当期ともに新型コロナウイルス禍の影響で現場作業などに大きな影響が発生し、業績は今期伸び悩みました。
それらの経験から今後、ITを使った管理システム構築に注力する戦略としてキントーンを使った管理システムの開発継続、ビッグデータを取り扱うサーバを利用したビジネス展開や、他の事業者向けに管理システムの構築に関するアドバイスを有料で提供するなど、新しい取り組みに対して積極的に「21世紀型のO&M」を目指した戦略を採っています。
また2021年度は更に将来を見据えた他社との新たなアライアンスとして、「IT技術で管理する太陽光O&M業界」を積極的に推進する取り組みを念頭に置き、より広範囲且つ緻密な管理体制を築くシステムづくりに邁進し、太陽光発電所オーナーにとり利益の最大化と安心できる管理情報を届けることが出来る取り組みを開始し、実現してまいります。
(注)検査装置向け工場FA化機器技術に使われる「自重補償機構技術」とは
一般的な「重量物搬送装置」は、電気モーターやエンジン等の動力源を持ち、かつ、重いカウンターウエイトや油圧・圧縮空気の出力を借りることで、数十キロから数百キロの重量物の移動をアシストしますが、装置が大掛りで重量が重くなることや、重量物に見合う外部動力が必要となるといった課題を有しています。これらの課題克服のため、当社と慶應義塾先端科学技術研究センターは、いかなる動力や重いカウンターウエイト、そして油圧・空圧機器をも使用しない「自重補償機構」の開発を進め、バネの弾性力を応用した軽量かつシンプルな構造を内蔵したロボットアームの継続開発を行っております。今般開発した試作機は、被搬送物の重量が変化した場合でもその重さに見合った自重補償ができる構造となっており、回転軸を除く各軸にて搬送する重量物の自重補償を達成し、自身の腕部分の自重をも含め、より安全な自重補償を成立させています。
1.経営方針
(1) 会社の経営の基本方針
人とIoTの主要インターフェースである「ディスプレイ」及び周辺デバイス、そして電子の目「イメージセンサー」を始めとする半導体の自動検査における、トップリーダーを目指し、世界的企業へと成長し、社会に貢献します。
我々は、人と環境にやさしい技術をとおして、社会に貢献し、地球環境の保全を図り、次の世代に住みよい地球と豊かな社会を残すように努めます。
当社は、この経営理念を具体化するために、以下の経営方針のもとに安定かつ効率的な経営を継続していくことにより、収益性を向上し、会社の発展と社会への還元を図り、株主、顧客、従業員の期待に応えることを経営の基本としております。
企業目的: バイタリティ(生命力)、知恵、創造行動指針: 量より質、プロセス重視、ゼロから考え直して
計画 : コンセプトデザイン重視
課題解決: 全員で寄って集って課題解決、ベストウエイソリューション、PDCAスパイラルアップ
風土 : 分かち合う。Wind(さわやかな風の吹く)Test → Wintest
利益処分: フェア(投資家、従業員、顧客、役員、社内留保)
人事 : 一流のもの、出る杭には油を、加点主義、将来を見据えたマネージメント
(2) 目標とする経営指標
「売上高経常利益率20%以上の確保、配当性向の30%の回復」を目標としております。このため当社は、ディスプレイドライバIC向け検査装置を主軸とし、従来のイメージセンサーとディスプレイ分野向け検査装置並びにその他検査装置の開発販売を継続し、メインマーケットを市場の消えた日本国内から中国、台湾に移し、事業の拡大を図ってまいります。新たな成長の起爆剤として、中国湖北省武漢市に当社100%の量産工場「偉恩測試技術(武漢)有限公司」を2020年1月から稼働を開始したことにより、今後急拡大を続ける中国事業の柱といたします。引続きIoTヘルスケア関連技術、自重補償型マニピュレータの製品化を進め、マーケティングを通して技術革新を推進売上の増大を図ってまいります。また徹底したコスト管理を行うことにより、目標とする利益率の確保に努めてまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社の検査装置の対象のひとつであるイメージセンサーの分野は、スマートフォンをはじめとする情報端末の市場拡大と、今後大きな市場が見込まれている高速通信規格である5G(第5世代移動通信システム)技術の普及拡大及び5Gの通信速度に見合う新規格WiFi6(ワイファイシックス)への移行に伴い、大きな期待が寄せられる低遅延型遠隔監視、制御、そして高速通信が可能となることから高精細大容量画像データ要求のある、8K画像伝送、またLiDAR(自動運転技術)等によって継続的な拡大が見込まれております。また、DXと人の間を繋ぐユーザーインターフェースの代表格であるディスプレイ分野も高精細化し拡大、それらに使われる周辺部品も同様に量の大幅な増大が見込まれております。今後のトレンドとして各製品の高画素化、高速化、高精細化がますます進んできており、それに伴い検査装置に対する技術的ニーズは高度化しております。当社は、2019年11月より経営体制を変革し、これらのニーズに対応すべく大幅な方針転換を行い、子会社の積極的有効活用や製品開発のスピードアップ、代理店との関係強化による営業力、顧客サポートの強化と充実を一層推し進めてまいります。
さらに、ディスプレイの伸長(IHS調べ:年平均成長率CAGR4%)に合わせて需要増が見込まれるディスプレイドライバIC検査装置では、大幅なデータ転送機能の見直しを行い、転送速度を大幅に向上させたWTS-577SRをリリース加えて、TDDI(タッチパネル機能)の検査機能は勿論、MIPIやmini-LVDSなど多様な通信プロトコルに対応、液晶と有機EL両方のドライバーICの検査を可能とし、加えてその周辺分野の一つである汎用型高速多ピン‐ロジックIC検査装置の開発も進めており、コストパフォーマンスの非常に高い、当社独自の製品をマーケットに提供することにより、収益力の高い経営成績の安定した会社を目指す考えです。
2.経営環境
当連結会計年度における世界経済は、2020年1月末から顕在化してきた、新型コロナウイルスの脅威は依然終息が見えないものの、比較的早期に感染の沈静化を進めた中国、比較的影響を早期に抑え込んだ台湾などの半導体市場はスピード感に鈍りはあるものの生産を初めとして立ち上がりつつあります。しかしながらマーケットでは、比較的影響の少ない分野と大きな影響を受けている分野がまだら模様になっており、企業によっては大きく収益を落とし、いまだ癒えることなく引き続き企業業績には予断を許さない状況が続いております。今後引続き雇用・所得環境の悪化が続き、回復には相当の時間が必要との政府見解ですが、2020年第4四半期後半から叫ばれ始めている、半導体の品薄状態が顕在化し各製品メーカーや車メーカ等から悲鳴が上がりつつあります。これは2020年初頭からの新型コロナウイルス禍の影響が見通せず、2020年の前半から中盤まで半導体製造メーカー、製品メーカーが大きく製造を絞ったところ年末に向かうにつれテレワーク、リモート面談等が急速に増加し、コンピュータや通信機器等を中心としたIT関連機器や家電製品に200%を超えるニーズが発生し急激に半導体や製品の在庫を圧迫したことによります。こうした背景から2021年~2022年にかけ半導体関連市場の経済活動は活発化するものとしており、引続きコロナ禍の制約は残りますが景気は回復に向かうと見込んでおります。しかし米国新政権による中国への対応が不透明であり方向によっては、中国経済や海外経済の動向と政策に関する不確実性などを懸念する意見もあり引続き不透明な状況があることも事実です。
当社グループが属する半導体並びにフラットパネルディスプレイ業界におきましては、上述のように2021年の半導体不足による増産機運や、上述した5Gまたそれに伴う新サービスの台頭など高速通信技術が先導役となり情報端末は勿論、テレビなど画面の4K、8K化など高精細化、LCDに続き有機EL、そして車載パネル、家電にもディスプレイパネルが採用されるなど「表示デバイス市場」は、2020年に足踏みが合ったものの2021年はV字回復し年平均成長率(CAGR)4%(IHI及びOMDIA予測)で安定的に成長していくと考えられています。また2021年の一時的な半導体不足の理由だけに留まらない、物のIoT化技術の進展により「半導体市場全般」は引き続き成長していますが、その需給バランスは米中問題が火種にもなり得、依然不安定な要素を含みます。しかしながら、同OMDIA社によると「中国勢の躍進」が著しく、TFT LCD市場における中国勢のシェアは2020年代に7割を超える見込みで、今後、韓国勢は2%までシェアを落とし続けるとのことです。また有機EL (AMOLED)市場でも2020年序盤は韓国67%、中国31%というシェアであるが、これが2021年のうちにそれぞれのシェアが5割前後で拮抗、2021年折り返し時点では逆転するとの見通しを立てています。このような状況から当社がメインマーケットと位置づける中国市場の拡大が更に進むものと考えております。
3.対処すべき課題
当社グループの主要事業である半導体検査装置事業では、高度化、多様化するお客様の検査ニーズにお応えするため、検査技術の革新を進めるとともに、検査対象の拡充による事業の成長継続と、市場の急速な変化にこたえるために製造能力の強化による更なる成長を目的として、以下の課題に取り組んでまいります。
(1)既存事業の拡充
① 半導体検査装置機能の高速化及び機能性向上
当社グループの主要事業である半導体検査装置事業では、高度化、多様化するお客様の検査ニーズにお応えするため、検査技術の革新を進めるとともに、検査対象の拡充による事業の成長継続と、市場の急速な変化にこたえるために製造能力の強化による更なる成長を目的として、以下の課題に取り組んでまいります。
当社の主たる事業分野である半導体検査装置事業分野は「日進月歩」ならぬ「秒進分歩」と揶揄される程、機能面での変化が速いことで知られる分野であり、「1秒後には新しい技術が、そして1分後には実用化されている」とのたとえ通りその技術レベルが上がるごとにタイムリーな開発が必須となります。特に当社が「主力装置」と位置付けるLCDドライバIC検査装置はスマートフォンに代表される、進化の早い情報端末に多く使われ、かつ5G通信規格の普及とともにより早い技術革新が当該検査装置にも求められております。
また、LCDドライバIC、そしてCCD、CMOSイメージセンサー分野においては高品位、低コスト、高速化に加え、更にユーザーフレンドリーなユーザーインタ―フェース、プログラミング補助機能強化などをそれぞれ推し進め、同分野において、新たな機能開発に向けた検査ニーズに対応する検査技術や手法の開発を継続するとともに、随時開発体制の見直しと強化を行ってまいります。
当社は引き続き、中国と台湾方面をメインマーケットとし、現地ニーズを把握し当社100%出資の中国湖北省武漢市に設立した製造子会社「偉恩測試技術(武漢)有限公司」の能力を最大限に高め、製造から納品までのタイムラグをなくすことで、現地顧客の信頼、ニーズを先取りした経営を行ってまいります。
当社第29期となります2021年からは、偉恩測試技術(武漢)有限公司に現地での製造に加え、営業を本格的にスタートさせ、当社有力代理店蔚華科技股份有限公司と共同で新規顧客へのアプローチ、既存顧客からのリピート受注の促進を図ってまいります。
また、かねてより開発中であった高速データ転送機能他、新機能の開発が終了し既存のWTS-577に改良を加えたWTS-577SRのリリースを2020年10月に完了し出荷を始めました。次に、現在開発中の次世代検査装置において、できるだけ共通の筐体、ソフトウエアやインターフェースを使えるようにすることで開発資源の共通化を実現し、開発スピードのアップだけでなく、テストハウスでは、検査対象デバイス(IC)が変わっても装置内部に用意する機能部品の一部を変更するだけで、多様な半導体検査に応用可能な装置となり、導入コスト、導入リスクを大きく下げる提案が可能となります。当社は、このような新たな発想による新たな検査ニーズに対応する検査技術や手法の開発を新体制の下、進めてまいります。
② 営業力強化・顧客サポートの充実
当社は、中国・台湾のマーケットに参入するため、当社の有力台湾販売店(蔚華科技股份有限公司)の協力の下、当社の100%製造子会社である偉恩測試技術(武漢)有限公司の営業部と当社の開発部が三位一体になったベンチマークや販売戦略プロジェクトを推進し、なお一層販売体制を強化し、拡大が続く中国マーケットに深耕してまいります。加えて、製造工場としてのエンジニアや管理組織の人員の雇用を促進し量産に向けた製造体制の強化を推し進めつつあり、中国国内の顧客から、大きな注目と期待を寄せて頂いております。また、蘇州に蔚華科技股份有限公司と共同でサポートやデモ、ベンチマークを行える拠点を整備、顧客向けベンチマークやリレーションの構築、受注体制の拡充とスピードアップを図り、拠点からの直接サポート、納入ができる体制を整備しております。今後、拠点数を更に増やし、お客様に近い存在をアピールすることが、今後の中国マーケット攻略の要となると考えております。
また、武漢精測電子集団(グループ)の兄弟会社の技術や販売網を利用した取り扱い製品の拡充、拠点の整備、営業・サポートのローカライズ等を推し進め、中国、台湾マーケットからの大量受注、受注に見合った量産体制の確立を進めるとともに、当社グループの体制構築に努めてまいります。
さらに武漢精測電子集団(グループ)の兄弟会社の技術や販売網を利用した取り扱い製品の拡充、拠点の整備、営業・サポートのローカライズ等を推し進め、中国、台湾マーケットからの大量受注、受注に見合った量産体制の確立を進めるとともに、当社グループの体制整備に努めてまいります。
③ 大阪事業所の拡充・整備
当社、大阪事業所では、今後新製品、次世代検査装置の開発と試作製造を主体とした技術工場的な役割を担う戦略を取ってまいります。同事業部門は、検査装置事業における開発・設計・製造工程において次世代検査装置に不可欠な設計力の増強を行い、組立て製造能力を備えた機動的な工場としてまいります。そのため、まだ負荷の大きい既存装置のサポートを中期的に順次当社中国の子会社に移転し、一部既存装置の製造能力はリスクヘッジとして残すものの、新型次世代装置の開発設計と製造に注力してまいります。
さらに、大阪事業所の役割としてスピーディーで顧客満足度の高い組織的サービスの提供を模索し、加えて「工場モデル」の開発を通しコスト削減、品質管理及び大量受注の際の迅速な対応並びに納期の短縮と品質のアップと維持など、装置開発に留まらない多肢にわたる「開発」を行ってまいります。
④ ウインテストグループとして
今後もウインテストグループとして、横浜本社、大阪事業所における開発環境整備、人材育成及び増員に努め、組織の強化を行い、総務経理部を含む各部署における業務推進体制を革新するため、ERPやITを駆使した一括管理サーバーを導入する等、より機動的かつ最新の環境で、設計、開発及び経営能力を強化するとともに、トータルコストの削減、納期の短縮と品質の向上を目指し、顧客満足度を上げることで受注増、業績の向上、会社価値の増大を図り、株主様の利益につなげてまいります。
(2)産学連携等による新技術への取り組み
当社は、未来技術の獲得を目的に、産学連携を進め、新技術の獲得によって主事業の拡充に取り組んでおります。2020年1月に顕在化した新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、各大学機関は2020年12月31日現在も未だに一部を除き開校出来ておらず、学生はリモートでの受講を余儀なくされている状況から、その活動は現状一時中断を余儀なくされておりますが、2021年度第29期予算に引続き組入れており今後共同研究中の研究室の状況を見て、再開の見込みです。
① 検査装置向け工場FA化機器技術「自重補償機構技術」(注)
当該技術については、学校法人慶應義塾大学慶應義塾先端科学技術研究センターと共同開発を進めており、2019年8月からの研究成果について、大学並びに研究室の再開を待って、継続の方向です。しかし2019年6月の段階で、重量キャンセル型アームの基本試作3号機まで完成しており、当期は、ずれ込んでおりました特許等の申請についても手続きは終了しております。また今後の進め方に付き大学側と調整中です。当該技術は当社の検査装置をウエーハ搬送装置とのドッキングに使用する「マニピュレータ」で製品化を目指しますが、当面の目標として、検査装置のポゴタワーと呼ばれる約25㎏の着脱補助装置としてその搬送可能重量を50㎏前後で開始します。
② 半導体IoTセンサー
半導体IoTセンサー分野では、茨城大学との部分影補償機能(太陽光パネルの効率向上)一体型コンバータの開
発が完了し、2019年11月にはモニタリングソフトウエア(GUI)とともに、試作機を完成させ現場での設置を視野
に入れた試作機の完成を行いました。2020年より必要不可欠となる現地での実証試験など安全面、環境面での試行錯誤を行い、最終製品化のための開発に取り組むはずでしたが、新型コロナウイルス禍による中断を余儀なくされております。続けて新年度予算にも研究開発継続予算を組み進め、最終製品化に向けてプロジェクトを進める所存であります。 和歌山大学と進めておりました脈波を利用したヘルスケア管理システムは、株式会社TAOS研究所と新たなアライアンスを組むことで、製品化に大きく近づくこととなりました。当期予算に継続的に組み込み、最終製品化に向けて共同開発を進め製品化を目指します。尚、販売に関しましてはTAOS研究所に一任する方向です。開発された研究成果は、今後の検査装置及びIoTセンサービジネスマーケットにおいて新たなシーズ技術の開発に活かしてまいります。
③ 新エネルギー事業の展開
新エネルギー関連事業では、2025年から35年に向け大きな市場となる太陽光発電システムの保守点検・整備・保証管理領域に注力してまいりますが、出張を伴う屋外作業が主となることから前期また当期ともに新型コロナウイルス禍の影響で現場作業などに大きな影響が発生し、業績は今期伸び悩みました。
それらの経験から今後、ITを使った管理システム構築に注力する戦略としてキントーンを使った管理システムの開発継続、ビッグデータを取り扱うサーバを利用したビジネス展開や、他の事業者向けに管理システムの構築に関するアドバイスを有料で提供するなど、新しい取り組みに対して積極的に「21世紀型のO&M」を目指した戦略を採っています。
また2021年度は更に将来を見据えた他社との新たなアライアンスとして、「IT技術で管理する太陽光O&M業界」を積極的に推進する取り組みを念頭に置き、より広範囲且つ緻密な管理体制を築くシステムづくりに邁進し、太陽光発電所オーナーにとり利益の最大化と安心できる管理情報を届けることが出来る取り組みを開始し、実現してまいります。
(注)検査装置向け工場FA化機器技術に使われる「自重補償機構技術」とは
一般的な「重量物搬送装置」は、電気モーターやエンジン等の動力源を持ち、かつ、重いカウンターウエイトや油圧・圧縮空気の出力を借りることで、数十キロから数百キロの重量物の移動をアシストしますが、装置が大掛りで重量が重くなることや、重量物に見合う外部動力が必要となるといった課題を有しています。これらの課題克服のため、当社と慶應義塾先端科学技術研究センターは、いかなる動力や重いカウンターウエイト、そして油圧・空圧機器をも使用しない「自重補償機構」の開発を進め、バネの弾性力を応用した軽量かつシンプルな構造を内蔵したロボットアームの継続開発を行っております。今般開発した試作機は、被搬送物の重量が変化した場合でもその重さに見合った自重補償ができる構造となっており、回転軸を除く各軸にて搬送する重量物の自重補償を達成し、自身の腕部分の自重をも含め、より安全な自重補償を成立させています。