有価証券報告書-第42期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/28 9:28
【資料】
PDFをみる
【項目】
122項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における世界経済について、6月に英国の国民投票でEU離脱が決定されましたが、欧州に大きな混乱はなく景況は底堅く推移いたしました。また、大方の予想に反して米国でトランプ大統領が誕生しましたが、米国景気は労働市場の回復を背景に緩やかに拡大いたしました。しかしながら、東アジアや中東・欧州における地政学的リスクは治まる気配はなく、不安要因となっております。国内につきましては、年度の後半にかけ個人消費に弱さが見られたものの、緩やかな回復が続いております。
そのような中、当社グループは今後のデジタル化進展により、大きな成長が見込めるインダストリアルプロダクツ(以下、IP)市場とテキスタイル・アパレル(以下、TA)市場の深耕に向けた取り組みに注力いたしました。
IP市場に向けては、平成28年8月31日付「新たな価値を創造するフラットベッドUV-LED方式インクジェットプリンタ UJF-3042MkⅡ、UJF-6042MkⅡの販売開始に関するお知らせ」にて公表のとおり、これまで当社が市場を創造してきた小型フラットベッドタイプのUVインクジェットプリンタにおいて、生産スピード、美しさ、アプリケーション対応力をさらに進化させた新型モデルを発売いたしました。
また、TA市場に向けては、平成28年10月19日付「当社子会社による伊ラ・メカニカ社の株式取得(子会社化)の完了及び同社の商号変更等に関するお知らせ」にて公表のとおり、イタリアの開発製造会社(Mimaki La Meccanica S.p.A)を取得いたしました。これにより、同社製の高速機種が製品ラインナップに加わり、当社グループは消費地向けから生産地向けまでTA市場をフルカバーできる製品力を確保することができております。
その結果、当連結会計年度における売上高は483億31百万円(前連結会計年度比1.0%増)、営業利益は20億49百万円(同35.8%減)、経常利益は17億46百万円(同36.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億50百万円(同23.4%減)となりました。
なお、当連結会計年度における主要な為替レートは、1米ドル=108.41円(前年同期 120.14円)、1ユーロ=118.83円(前年同期 132.57円)となっております。
セグメントの業績は次のとおりであります。なお、セグメントの利益につきましては、セグメント間取引消去の影響により連結損益計算書の営業利益から乖離してしまうため、記載を省略しております。
(日本・アジア・オセアニア)
日本・アジア・オセアニアにおける売上高は218億87百万円(前連結会計年度比0.0%減)であります。中国の売上高が前年同期を下回り、国内を含むその他エリアでカバーしましたが、全体で微減となっております。
(北・中南米)
北米・中南米における売上高は106億68百万円(同0.2%増)であります。円貨ベースの売上高は前年同期並みですが、現地通貨(ドル等)ベースの売上高は前年同期を大きく上回っております。
(欧州・中東・アフリカ)
欧州・中東・アフリカにおける売上高は157億75百万円(同3.1%増)であります。円貨ベースの売上高は前年同期より微増ですが、現地通貨(ユーロ)ベースの売上高は前年同期を大きく上回っております。
当連結会計年度における市場別の売上は次のとおりであります。
[市場別売上高]
売上高(百万円)構成比率(%)前年同期比(%)
S G 市 場 向 け20,85543.291.6
I P 市 場 向 け16,29233.7111.0
T A 市 場 向 け5,62011.6105.2
保 守 部 品3,6397.5107.2
そ の 他1,9244.0116.4
合 計48,331100.0101.0

(SG市場向け)
エントリーモデルの主力製品におきましては、競争激化に加え、円高の進行により円換算の売上高が大きく目減りいたしました。その一方で、平成28年4月に発売開始した新製品のLED-UV硬化インクジェットプリンタは、先進国を中心に販売台数が拡大いたしました。その結果、売上高は208億55百万円(前連結会計年度比8.4%減)となっております。
(IP市場向け)
フラットベッドタイプの大型モデルが主力製品に成長して、販売台数が増加いたしました。さらに、平成27年11月に発売したプリント精度の高い製品や、平成28年10月に発売した小型フラットベッドタイプの新型製品が高い評価を受けており、販売台数が増加いたしました。その結果、売上高は162億92百万円(同11.0%増)となっております。
(TA市場向け)
平成27年7月に発売したエントリーモデルが、主力機種に成長いたしました。また、平成28年2月に発売開始した新製品の大型昇華転写プリンタも売上増加に貢献いたしました。その結果、売上高は56億20百万円(同5.2%増)となっております。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物残高(以下「資金」という)は、長期借入金の借入や税金等調整前当期純利益等があったものの、長期借入金の返済、有形固定資産の取得等により前連結会計年度末に比べ9億82百万円減少し、当連結会計年度末には100億10百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は21億63百万円(前連結会計年度比12億70百万円の減少)となりました。これは、売上債権の増加7億63百万円等に使用されたものの、税金等調整前当期純利益18億8百万円、減価償却費15億45百万円等の資金の獲得があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は32億48百万円(同7億55百万円の増加)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出14億84百万円、営業譲受による支出6億51百万円等に使用されたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は32百万円(同33億53百万円の減少)となりました。これは、長期借入金の返済による支出28億85百万円、自己株式取得による支出6億2百万円等に使用されたものの、長期借入金の借入れによる収入37億円等の獲得があったことによるものであります。