臨時報告書

【提出】
2020/10/23 15:07
【資料】
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提出理由

当社は、当社の会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含む。以下同じです。)第179条第1項に定める特別支配株主である本田技研工業株式会社(以下「本田技研工業」という。)から、同法第179条の3第1項の規定による株式売渡請求(以下「本株式売渡請求」という。)の通知を受け、2020年10月23日開催の当社取締役会において、本株式売渡請求を承認することを決議しましたので、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含む。)第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令(昭和48年大蔵省令第5号。その後の改正を含む。)第19条第2項第4号の2に基づき、本報告書を提出するものです。

特別支配株主から株式等売渡請求の通知がされた場合又は当該株式等売渡請求を承認するか否かが決定された場合

1. 本株式売渡請求の通知に関する事項
(1) 当該通知がされた年月日
2020年10月23日
(2) 当該特別支配株主の商号、本店の所在地及び代表者の氏名
商号本田技研工業株式会社
住所東京都港区南青山二丁目1番1号
代表者の氏名取締役社長 八郷 隆弘

(3) 当該通知の内容
当社は、本田技研工業より、2020年10月23日付で、当社の特別支配株主として、当社の株主の全員(但し、当社及び本田技研工業を除く。以下「本売渡株主」という。)に対し、その所有する当社の株式(以下「本売渡株式」という。)の全部を本田技研工業に売り渡すことの請求を行う旨の通知を受領しました。当該通知の内容は以下のとおりです。
① 特別支配株主完全子法人に対して本株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称(会社法第179条の2第1項第1号)
該当事項はありません。
② 本株式売渡請求により本売渡株主に対して本売渡株式の対価として交付する金銭の額又はその算定方法及びその割当てに関する事項(会社法第179条の2第1項第2号、第3号)
本田技研工業は、本売渡株主に対し、本売渡株式の対価(以下「本売渡対価」という。)として、その所有する本売渡株式1株につき2,300円の割合をもって金銭を割当交付します。
③ 新株予約権売渡請求に関する事項(会社法第179条の2第1項第4号)
該当事項はありません。
④ 特別支配株主が本売渡株式を取得する日(以下「取得日」という。)(会社法第179条の2第1項第5号)
2020年11月13日
⑤ 本売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第1号)
本田技研工業は、本売渡対価の全てを、本田技研工業が保有する現預金により支払うことを予定しています。
⑥ その他の本株式売渡請求に係る取引条件(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第2号)
本売渡対価は、取得日以降合理的な期間内に、取得日の前日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付するものとします。
但し、当該方法により本売渡対価の交付ができなかった本売渡株主については、当社の本店所在地にて、本田技研工業が指定した方法により、本売渡対価を交付するものとします。
2. 本株式売渡請求を承認する旨の決定に関する事項
(1) 当該通知がされた年月日
2020年10月23日
(2) 当該決定がされた年月日
2020年10月23日
(3) 当該決定の内容
本田技研工業からの通知のとおり、同社による本株式売渡請求を承認します。
(4) 当該決定の理由及び当該決定に至った過程
本株式売渡請求は、本田技研工業が、2020年9月2日から2020年10月15日までを公開買付期間として、当社の普通株式(以下「当社株式」という。)に対して実施していました公開買付け(以下「本公開買付け」という。)の成立により、当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至ったことから、当社が2020年9月2日付で提出しました意見表明報告書(以下「本意見表明報告書」という。)の「3. 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項等について)」に記載のとおり、当社株式の全て(但し、本田技研工業が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除く。)を取得することにより当社を本田技研工業の完全子会社とすることを目的とする取引(以下「本完全子会社化取引」という。)の一環として行われるものであり、本売渡対価は、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」という。)と同一の価格に設定されています。
当社は、本意見表明報告書の「3. 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社における意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、以下の過程及び理由により、2020年9月1日開催の取締役会において、本公開買付けに対して賛同する旨及び当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をしました。
当社は、本田技研工業から2019年5月31日に、株式会社ケーヒン(以下「ケーヒン」という。)、当社、日信工業株式会社(以下「日信工業」という。)(以下、ケーヒン、当社及び日信工業の3社を総称して「本対象3社」といい、ケーヒン及び日信工業を総称して「本対象2社」という。)の普通株式を公開買付け等の手続を通じて本田技研工業が取得し、本対象3社を本田技研工業の完全子会社とした上で、日立オートモティブシステムズ株式会社(以下「日立オートモティブシステムズ」という。)と本対象3社が日立オートモティブシステムズを存続会社とする吸収合併(以下「本吸収合併」という。)等の方法により統合し、統合の結果、本吸収合併後の存続会社を議決権の66.6%を保有する株式会社日立製作所(以下「日立製作所」という。)の連結子会社及び33.4%を保有する本田技研工業の持分法適用関連会社とすること(以下「本取引」という。)等を内容とする初期的な提案(以下「本提案」という。)を受け、本公開買付価格及びその他本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、本田技研工業、当社、日立オートモティブシステムズ、日立製作所及び本対象2社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」という。)を、本田技研工業、当社、日立オートモティブシステムズ、日立製作所及び本対象2社から独立したリーガル・アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所をそれぞれ選任するとともに、本提案を検討するための当社取締役会の諮問機関として、2019年8月5日に特別委員会を設置しました。なお、特別委員会の詳細に関しては、本意見表明報告書の「3. 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(7) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。
その上で、長島・大野・常松法律事務所から受けた法的助言、及びSMBC日興証券より取得した株式価値算定書(以下「当社株式価値算定書」という。)の内容を踏まえつつ、特別委員会から2019年10月30日付で提出を受けた答申書(以下「2019年10月30日付答申書」という。)の内容を最大限尊重しながら、本取引に関する諸条件について当社の企業価値向上等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。
本意見表明報告書の「3. 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、自動車業界においては、コネクティッド(注1)、自動運転、シェアリング(注2)、電動化といった「CASE」と呼ばれる新しい領域での技術革新が進んでおり、各国で強化される環境規制や安全規制も含め、当社を取り巻く事業環境は急速かつ大きく変化しております。
(注1) 自動車の車載システムを、外部の通信機器や通信インフラと電気信号を介してつなぐこと
(注2) 自動車を「所有」するのではなく、レンタルサービス等を介して「共有・利用」すること
一方で当社は、全ての二輪・四輪の自動車の基本要素である「走る、曲がる、止まる」の要素のうち、「走る」と「曲がる」に関する製品を提供してきました。例えば、二輪車用ショックアブソーバにおいて、世界最高峰のロードレースやモトクロスレースで培った技術を量産品にフィードバックし、当社独自技術を駆使した製品を含めた製品ラインアップを展開しており、国内外の主要二輪完成車メーカーに供給し、世界トップレベルのシェアを誇っています。また、四輪車用ショックアブソーバにおいては、基本性能を向上させたコンベンショナルダンパーや当社の独自技術を駆使した電子制御式ダンパー等を展開し、操縦安定性と乗り心地の両立を高いレベルで実現しています。さらに、電動式パワーステアリングにおいて、市場の電動化や多様化するニーズに対応した製品ラインアップを展開しており、高い応答性とリニアリティを実現し、ドライバーにスムースなステアリングフィールを提供しています。
翻って、当社を取り巻く事業環境に目を向けますと、自動運転等が発展した「CASE」時代の自動車は、車内空間が多用途に活用されると想定され、より走行時の静粛性やスムースな乗り心地に対する要求水準は高まると考えられます。また、環境規制の強化や低燃費へのニーズの高まりに伴い、自動車の環境性能の向上が今後も継続して求められると予想されます。当社は「走る」と「曲がる」に関する要素技術を背景に、「CASE」時代を見据え、サスペンションとステアリングシステム等を相互に協調制御する開発等、車内空間の多用途化に必要不可欠な静粛でスムースな乗り心地を実現する「走る」と「曲がる」に関する性能を追求し、また、部品の軽量化による環境性能の向上に取り組み、持続的な付加価値の創出及び競合他社との差別化を図っています。
しかしながら、これまで以上に高度かつ複雑に自動車部品全体が協調制御されることが求められる「CASE」時代において、世界のお客様のニーズに的確かつ迅速に応えるためには、付加価値を創出する技術開発・製品開発を加速させ事業領域及び技術領域を拡大し、世界のお客様に対して、個々の部品や技術だけを提供するサプライヤーとなるのではなく、要素技術と先進制御技術を組み合わせ「走る」と「曲がる」に関するシステムを一体として提案することのできる統合型システムサプライヤーへの変革が必要であると認識しています。
このような状況認識のもと、加速度的に変化する事業環境に対応するため、日立オートモティブシステムズ、ケーヒン、当社及び日信工業の4社による経営統合(以下「本統合」という。)を通じて当社の強みである、「走る」と「曲がる」に関する要素技術及び先進技術、並びに日立オートモティブシステムズの強みであるメカトロニクス制御技術(注3)を組み合わせることで、コンベンショナルな「走る」と「曲がる」に関する技術から、自動運転等の「CASE」時代に対応する先進的なシステムにいたるまで幅広いシステムを顧客に提供できる、競争力のある統合型システムサプライヤーへ早期に進化することにより、持続的な成長が可能となると考えます。
具体的には、日立オートモティブシステムズはエンジンシステムやシャシーシステム等のコンベンショナル製品に加え、電動化・自動運転製品を含むエレクトロニクス製品を完成車メーカーに提供しています。電動化システム・製品については、HEV(注4)、PHEV(注5)、EV(注6)に対応するインバーターや、本田技研工業とも協創関係にあるモーターをポートフォリオに持ち、自動運転システム・製品については、カメラ、ミリ波レーダー(注7)に加え、ADASコントロールユニット(注8)、自動運転コントロールユニットを研究開発しています。これらの電動化技術、先進安全技術は「CASE」時代への対応を図る上では必要不可欠な一方で、当社単独で研究開発を行うには、スピードが大きな課題であると認識しています。
(注3) 機械工学と電子工学の技術を活用し、電子技術を通じて機械の動作を制御する技術
(注4) 内燃機関と電動機の2つを動力源として備えた自動車
(注5) HEVのうち、電源からプラグを利用して電力を充電できる自動車
(注6) 電動機のみを動力源として備える自動車
(注7) 車両走行中に遠距離の障害物を検知する遠距離レーダーの一種
(注8) 車間距離制御システムや衝突被害軽減ブレーキシステム等の複数の運転支援システムを単一のコントローラーに統合した製品
本統合を通じて、システム・ITの分野における日立オートモティブシステムズの技術提供を受け、また、日立オートモティブシステムズの持つ、モーター等の電動化技術、及びコントロールユニットをはじめとする先進安全技術を、当社のサスペンションとステアリングシステム等の要素技術及び相互協調制御技術に統合することで、「CASE」時代に対応する「走る」と「曲がる」に関するより高度なシステムを世界のお客様に提供することが可能になると考えており、ひいては当社事業の価値向上に資するものと考えています。
さらに、本公開買付けのほかに、本田技研工業が本対象2社に対する公開買付けを行うことも想定されているため、本統合によって、当社及び日立オートモティブシステムズの有する各技術に加えて、ケーヒンの強みであるエンジンマネジメント技術、及び日信工業の強みであるアルミ鋳造・加工技術、ブレーキ技術を組み合わせることで、その可能性はより高まるとの結論に至りました。以上を踏まえ、当社としましては、本統合により当社が日立オートモティブシステムズ、ケーヒン及び日信工業と統合し、より付加価値の高い統合制御システムを提案できる統合型システムサプライヤーへの変革を早期に果たすことは、当社事業の価値向上に資するものであると判断しました。
また、本取引に関する諸条件のうち本公開買付価格については、最終的に本田技研工業から当社1株当たり2,300円とする提案を受けました。当社は、(I)本意見表明報告書の「3. 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(7) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置を講じた上で、特別委員会における審議や各アドバイザーからの助言を踏まえ、本田技研工業との間で真摯に交渉を重ねた上で合意した価格であること、(II)本意見表明報告書の「3. 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(4) 算定に関する事項」の「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されているSMBC日興証券による当社株式に係る当社株式価値算定書において、市場株価法及び類似上場会社比較法の評価レンジ上限を上回っており、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」という。)の評価レンジの範囲内であること、(III)本公開買付けの開始予定の公表日の前営業日である2019年10月29日の株式会社東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値1,806円に対して27.35%(小数点以下第三位を四捨五入。以下プレミアムの数値(%)について同じです。)、過去1ヶ月間(2019年9月30日から2019年10月29日まで)の終値単純平均値1,651円(小数点以下四捨五入。以下終値の単純平均値の計算において同じです。)に対して39.31%、過去3ヶ月間(2019年7月30日から2019年10月29日まで)の終値単純平均値1,478円に対して55.62%、過去6ヶ月間(2019年5月7日から2019年10月29日まで)の終値単純平均値1,455円に対して58.08%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となっていること、(IV)2019年10月30日付答申書においても、本意見表明報告書の「3. 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(7) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、「①本取引は当社の企業価値向上に資するものとして正当であると認められる、②(i)本取引を前提とした本公開買付けにおける公開買付価格その他の条件には妥当性が認められ、かつ、(ii)本取引に至る交渉過程等の手続に公正性が認められることから、本公開買付けを含む本取引は、当社の少数株主にとって不利益でないと認められる」旨記載されていること、(V)当社を取り巻く事業環境や今後の業績の見込み等を踏まえ、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断しました。
以上より、2019年10月30日開催の取締役会において、当社が、本田技研工業からの最終提案を受諾する方針を決定し、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議を行いました。
その後、本公開買付けの開始に向けて国内外の競争法に基づく手続及び対応が必要となる国及び地域が多数であり、かつ関係当事者が6社になることに加え、新型コロナウイルス感染症の影響により一部の国での競争当局の審査に時間がかかったこと等から、それらの完了までに相応の時間を要しましたが、本公開買付けの開始に向けて取得が必要となる国内外の競争法に基づく手続及び対応が完了する見込みが立ったため、当社は、2020年7月30日に、本田技研工業より、当該手続及び対応が2020年8月14日までに完了することを条件に、2020年8月18日に公開買付けの開始を決定することに向けた準備を開始するよう要請を受けました。もっとも、2020年8月14日時点でタイの競争法に基づく手続及び対応が完了していなかったため、当社は、本田技研工業より、同日付で、本公開買付けの開始を2020年8月18日に決定しない旨の通知を受けました。その後、2020年8月26日をもって本公開買付けの開始に向けて取得が必要となる国内外の競争法に基づく手続及び対応が全て完了したため、当社は、本田技研工業より、2020年8月27日に、その他の本前提条件(本意見表明報告書の「3. 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3) 本基本契約に基づく本統合の内容」の「③ 本公開買付けに関する重要な合意」の「(i)公開買付者による本公開買付けの実施」に記載する各前提条件をいう。以下同じです。)が充足されることを前提に2020年9月2日を公開買付開始日として本公開買付けを開始したい旨の連絡を受けました。
当社は、本意見表明報告書の「3. 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(7) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、当社が設置した特別委員会に対して、本公開買付けが開始されるにあたり、改めて2019年10月30日付答申書の内容に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対して、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の内容の答申を行うことを諮問し、特別委員会は、当該諮問事項について再検討を行った結果、2019年10月30日時点における特別委員会の判断を変更する要因は発生していないことを確認し、2020年8月31日に、当社取締役会に対して、2019年10月30日付答申書の内容に変更がない旨の答申書(以下「2020年8月31日付答申書」という。)を提出しました。
そして、当社は、2020年8月31日付答申書の内容、及び2019年10月30日開催の取締役会以降の、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響を含む当社の業況や市場環境の変化等を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件の内容について改めて慎重に協議・検討しました。その結果、当社は、2020年9月1日時点においても、本統合を通じて統合型システムサプライヤーへの変革を早期に果たすことが、当社の企業価値向上に資するものであり、本統合の目的や当該目的を達成する意義や必要性が高まりこそすれ、薄れることはなく、2019年10月30日時点における当社の本公開買付けに関する判断を変更する要因はないと考えたことから、2020年9月1日開催の取締役会において、改めて、本公開買付けに対して賛同する旨及び当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をしました。なお、本田技研工業が9月1日付で公表した「日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社ケーヒン(証券コード7251)、株式会社ショーワ(証券コード7274)及び日信工業株式会社(証券コード7230)の経営統合に伴う株式会社ショーワの完全子会社化のための公開買付けの開始に関するお知らせ」によれば、本田技研工業は、2020年8月26日にタイの競争法に基づく必要な手続及び対応が完了したことを受けて、各国の関係当局の許認可等が得られることを含む本前提条件がいずれも充足され本公開買付けを開始する条件が整ったことを確認したため、2020年9月1日、本公開買付けを開始することを決定したとのことです。
当社の上記両取締役会決議の詳細については、本意見表明報告書の「3. 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(7) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における取締役全員の承認」をご参照ください。
その後、当社は、2020年10月16日、本田技研工業より、本公開買付けにおいて当社株式44,542,441株の応募があり、応募された当社株式の総数が買付予定数の下限(25,195,744株)以上となったため、その全てを取得することとなった旨の報告を受けました。この結果、本田技研工業は2020年10月22日(本公開買付けの決済の開始日)をもって、議決権所有割合(注9)が90%以上となり、当社の特別支配株主に該当することとなりました。
(注9) 「議決権所有割合」とは、当社が2020年8月6日に提出した第113期第1四半期報告書に記載された2020年6月30日現在の当社の発行済株式総数(76,020,019株)から、当社が2020年7月29日に公表した2021年3月期第1四半期決算短信[IFRS](連結)に記載された2020年6月30日現在の当社が所有する自己株式数(54,564株)を控除した株式数(75,965,455株)に係る議決権の数(759,654個)に占める割合です(小数点以下第三位を四捨五入しています。)。
このような経緯を経て、当社は、本田技研工業より、2020年10月23日付で、本意見表明報告書の「3. 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項等について)」に記載のとおり、本株式売渡請求をする旨の通知を受領しました。
そして、当社は、かかる通知を受け、本株式売渡請求を承認するか否かについて、慎重に協議・検討しました。
その結果、当社は、2020年10月23日開催の取締役会において、(a)本株式売渡請求は、本完全子会社化取引の一環として行われるものであり、2019年10月30日開催の取締役会の審議及び決議に参加した当社の取締役の全員一致で、並びに、2020年9月1日開催の取締役会の審議及び決議に参加した当社の取締役の全員一致で決議したとおり、当社が本完全子会社化取引により本田技研工業の完全子会社となることが、当社の企業価値の向上に資するものであると判断しており、当該判断を変更すべき事情は特段生じていないこと、(b)本売渡対価は、本公開買付価格と同一であり、本公開買付価格の決定に際しては、本意見表明報告書の「3. 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(7) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、2019年10月30日付答申書及び2020年8月31日付答申書を取得する等、本完全子会社化取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が講じられていること等に鑑みれば、本売渡株主にとって合理的な価格であり、本売渡株主の利益を害することのないよう十分留意されていると考えられること、(c)本田技研工業は、本売渡対価の全てを、本田技研工業が保有する現預金により支払うことを予定しており、当社としても、公開買付届出書の添付書類として提出された2020年8月31日時点の本田技研工業の残高証明書の写しにより本田技研工業による資金確保の方法を確認していること、また、本田技研工業によれば、同日以降、本売渡対価の支払に支障を及ぼす事象は発生しておらず、また今後発生する可能性も認識されていないとのことであること等から、本田技研工業による本売渡対価の支払のための資金の準備状況・確保手段は相当であり、本田技研工業による本売渡対価の交付の見込みはあると考えられること、(d)本売渡対価の交付までの期間及び支払方法について不合理な点は認められず、本株式売渡請求に係る取引条件は相当であると考えられること、(e)本公開買付けの開始日以降2020年10月23日に至るまで当社の企業価値に重大な変更は生じていないことがそれぞれ認められると判断し、審議及び決議に参加した取締役全員の一致で、本田技研工業からの通知のとおり、本株式売渡請求を承認することを決議しました。
なお、2020年10月23日時点の当社の取締役のうち、脇山成俊氏及び関野陽介氏は本田技研工業グループの元役職員の地位にあった者ですが、2020年10月23日時点において、いずれも本田技研工業グループから転籍して以降、既に相当期間が経過しており、本田技研工業グループの役職員を兼務している状況ではなく、また当社の経営者として本田技研工業から指示を受けるような立場にもないことから、当社と利益が相反し、又は利益が相反するおそれがある事情はありません。
以 上