有価証券報告書-第80期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/25 13:39
【資料】
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【項目】
170項目
カーボンニュートラルへの取り組みは、地球上のすべてに関わる差し迫った課題であることが世界各国の共通認識となっています。そのため、取り組みの遅れはビジネスにおけるリスクを増大させることになり、できる限り早く目標に向けて活動することが有益であると考えています。
具体的なリスクとしては、中長期的には、気候変動による法改正、税制改正による財務影響が考えられ、また、当社の製品が車両走行時のCO2排出量に影響を及ぼす製品重量の軽減のための軽量化技術の進捗が受注実績に与える影響が考えられますが、積極的かつ意欲的に取り組むことで大きなビジネスの機会になるととらえております。また、中期・短期的には、気候変動による自然災害の増加が、河川等の汚染につながる影響等が考えられますが、これらを速やかに、適正に対処することで、リスク低減を図ることができます。
世界各国では電動車普及を推進しており、日本においてもHVを含む電動車の拡大が進んでいます。当社で開発・製造を行う部品の軽量化は燃費や走行距離の向上に寄与するため、今まで以上のニーズがあります。軽量化に関する新素材の採用、新技術・新工法の研究開発は事業戦略の中心としています。
[シナリオ分析]
1) 想定される環境
将来の1.5℃上昇、4℃上昇それぞれの世界観を想定するシナリオについて、世の中の脱炭素動向がより明確になる時期、また物理的リスクがより顕著に表れてくる時期を考慮する一方、当社では2040年のカーボンニュートラル実現を目指して活動していることを鑑みて、2040年を迎える前での分析にするべきと考え、2030年代後半の状態で検討しました。
シナリオ※リスク想定される環境
1.5℃移行
リスク
(影響:大)世界的に脱炭素社会に向けた政策・規制が強化され、有効に機能している。そのため、企業はその対応、または炭素税等の支払いでいずれも製造コスト増となる。
物理的
リスク
(影響:小)物理的リスクは低い状態が維持・継続される。
4℃移行
リスク
(影響:小)新たな政策・規制は導入が進まず、CO2排出量増加が続く。そのため、企業の製造コストは現状から大きく変化することがなく移行リスクは低い。
物理的
リスク
(影響:大)気象状況、地球環境が大きく変化し、大規模災害が世界で増加するため当社のみならず、サプライチェーンのいずれかで常態的に大きな操業停止等のリスクが顕在化する。

※2つのシナリオに向かう2030年代後半の状況
2)リスク重要度の評価
特定したリスク事業イン
パクト※
リスク対応策と機会
移行
リスク
(1.5℃)
炭素価格
(政策)
各国政府によりCO2排出量に対する課税が実施・強化され、製造コストが増加、財務指標が悪化する。・Scope1,2のカーボンニュートラル化を2040年までに確実に達成する(課税の回避)。
・再エネ調達(太陽光発電設備導入、グリーン電力調達)、物流の効率化、など。
脱炭素政策の強化各種規制で化石燃料が高騰、入手困難となり価格が上昇、コスト増となる。
EVへの急速な変化(市場)気候変動に関する規制強化に伴い化石燃料の高騰が想定され、EV需要が急増した場合、生産能力が需要に対応しきれず機会を失ってしまう。・当社製品は自動車に欠かせない機能部品であり、業界の動向、需要を適切に分析し、当社の軽量化技術を拡販につなげる。
・グローバルでの生産能力を最大かつ効率的に稼働させ、収益強化に取り組む。
脱炭素技術の普及(市場)次世代モビリティに対応する新素材や軽量化開発が遅れることで魅力が低下し主要顧客から選択されなくなる。・広く市場動向を見極め、当社の開発力を継続的に向上させることがリスク回避につながる。
投資家の行動
(評判)
製品の脱炭素化(素材等サプライチェーン全般含む)が遅れると、株主が離れていく。・長期にわたり、当社の企業力(固有の製品開発力、ものづくりの技術力など)を継続発展していくことでリスク回避が可能。
物理的
リスク(4℃)
気温上昇(慢性)工場内の気温が上昇し作業環境が悪化すると敬遠され、人が集まらなくなる(高温地域)・労働環境の整備
・ES向上対策(人に優しい企業)
異常気象(急性)台風等による集中豪雨で、サプライチェーン寸断、顧客操業停止、生産減少。漏水等で設備故障増。・地産地消の考え方を継続・推進し、顧客、サプライヤーと協働して、長距離輸送を削減、また地場の自動車産業(顧客・サプライヤー)間の協力関係を強化する。
・サプライチェーンでのBCP対応の強化

※事業インパクト:大:30億円以上、中:3億円以上~30億円未満、小:3億円未満
※上記金額の算定に基づき、前年から事業インパクトの見直しを行っております。
3)分析の結果
当社ビジネス
への影響
1.5℃、4℃それぞれのシナリオで、2030年代後半での当社ビジネスへの影響を検討した結果、影響が大きいと考えられる項目に対しては、適切なリスク対応で回避可能と考えられ、機会にもなりうることが考えられる。
・2040年カーボンニュートラルの確実な実現
・製品軽量化技術の確実な推進で、モビリティの変化に柔軟に対応
これらの確実な達成が重要と考える。
今後の
取り組み
・今後さらに詳細な分析(定量的な分析)を行い、それに基づく長期的なCO2削減目標を策定して、実行、開示していく。
・また、今回の内容について、投資家をはじめとするステークホルダーの皆さまと対話を通じて議論させていただき、その内容を今後のさらなる分析、開示につなげていく。

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