有価証券報告書-第79期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/23 15:00
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【項目】
130項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度の世界経済は、米国を中心に先進国で緩やかな成長が継続し、中国では各種政策効果もあり景気は持ち直しの動きがみられました。一方で、英国のEU離脱問題の混乱や、保護主義的な政策の拡大懸念等、先行きに対する不透明感が増しております。
日本経済は、政府や日本銀行による各種政策効果等により、企業収益や輸出が持ち直すとともに、設備投資の増加や雇用環境の改善もあり、緩やかな回復基調がみられました。
当社グループの属する自動車市場は、北米や欧州を中心に前年に比べ生産台数は増加し、国内でも新型車効果等により、生産台数・販売台数ともに増加しました。セキュリティ機器部門の主力市場では、住宅ローン金利の低下や相続税対策に伴う賃貸住宅増などが追い風となり、国内の住宅着工戸数が増加する等、個人消費に底堅い動きがみられました。また年度後半には、配送会社による再配達が社会問題になる等、荷物の受け渡しサービスの需要増加が見込まれています。
この様な状況の中、当社グループは100年企業を目指し、中期経営計画(2017年3月期~2019年3月期)の基本方針である、「収益基盤の強化」 「新事業・新商品開発」 「人材育成」に着実に取り組み活動してまいりました。
自動車部品事業では、拡充した海外拠点を活用した収益の確保及び向上を目指し、各地域での合理化活動を昨年に引き続き実施しました。
セキュリティ機器事業の住宅機器部門では、サステナブルな成長に向けて、将来的な国内市場の縮小に備え、成長が期待できる中国・アジア地域での市場獲得を目指し、タイ・中国の販売拠点の人員強化を行いました。また、ロッカーシステム部門では、昨年実施した荷物の受け渡しサービスの実証実験を踏まえ、製品開発の準備を進めました。
太陽光発電事業では、昨年12月に当社2ヶ所目となる太陽光発電所を、群馬工場敷地内に建設し売電を開始しました。
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は51,066百万円と前年同期に比べ1,042百万円(2.1%)の増収となりました。利益につきましては、営業利益は3,016百万円と前年同期に比べ1,681百万円(126.0%)の増益となりました。経常利益は2,119百万円と前年同期に比べ2,023百万円(2,104.1%)の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は377百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失397百万円)となりました。
セグメントの業績は以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度において、第2四半期連結会計期間より、ASSA ABLOY ABからの事業譲受のために株式取
得したAlpha Vehicle Security Solutions Czech s. r. o.、ALPHA INDUSTRY PUEBLA, S. A. DE C.V.及びALPHA
(SUZHOU) VEHICLE SECURITY SOLUTIONS CO., LTD.を連結子会社として連結範囲に含めました。これにより、報
告セグメントのうち自動車部品事業について従来の「日本」、「北米」及び「アジア」の3区分から、「日
本」、「北米」、「アジア」及び「欧州」の4区分に変更しております。そのため「欧州」については前期比較
を行っておりません。(以下、「2 生産、受注及び販売の状況」においても同じ。)
① 自動車部品事業(日本)
自動車部品事業(日本)は、主要得意先の好調な新車販売に伴う生産台数の増加により、売上高は12,787百万円と前年同期に比べ1,769百万円(16.1%)の増収、営業損失は345百万円(前年同期は営業損失1,208百万円)となりました。
② 自動車部品事業(北米)
自動車部品事業(北米)は、主要得意先での自動車生産台数が増加しましたが円高の影響により、売上高は13,583百万円と前年同期に比べ630百万円(△4.4%)の減収、営業利益は818百万円と前年同期に比べ244百万円(42.6%)の増益となりました。
③ 自動車部品事業(アジア)
自動車部品事業(アジア)は、新たにPT.ALPHA AUTOMOTIVE INDONESIAを連結しましたが円高の影響により、売上高は18,686百万円と前年同期に比べ2,539百万円(△12.0%)の減収、営業利益は1,381百万円と前年同期に比べ148百万円(12.0%)の増益となりました。
④ 自動車部品事業(欧州)
自動車部品事業(欧州)は、売上高は1,903百万円、営業利益は21百万円となりました。
⑤ セキュリティ機器事業(日本)
セキュリティ機器事業(日本)は、ターミナルロッカーの販売とロッカーオペレーション事業が好調に推移し、また賃貸・戸建住宅向け電気錠の販売が順調に推移したことに伴い、売上高は8,383百万円と前年同期に比べ1,212百万円(16.9%)の増収、営業利益は、977百万円と前年同期に比べ422百万円(76.1%)の増益となりました。
⑥ セキュリティ機器事業(海外)
セキュリティ機器事業(海外)は、売上高は3,236百万円と前年同期に比べ、399百万円(14.1%)の増収、営業利益は101百万円と前年同期に比べ2百万円(△2.3%)の減益となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、7,665百万円(前期比6.8%増)となり、前連結会計年度末に比べ491百万円増加しました。また、当連結会計年度における「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」との差額であるフリー・キャッシュ・フローは889百万円の収入となり、前年同期の2,176百万円の収入に対して1,286百万円の支出の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは4,910百万円の収入(同36.0%増)となりました。主な収入要因は、減価償却費の計上であり、主な支出要因は、売上債権の増加額によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは4,020百万円の支出(前年同期は1,434百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは242百万円の支出(前年同期は1,244百万円の支出)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出によるものです。