- #1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(連結)
メディカルグループは次世代技術の研究開発にも積極的に取り組んでいます。2024年9月には、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)を中心とする研究開発プロジェクト「高品質人工血小板の連続製造システムの研究開発とその実用化」への参画を発表しました。再生医療を含むバイオメディカル領域の事業成長を目指す一環として、細胞を大量に培養することができる細胞製造装置の技術開発を推進しています。また、次世代のX線CTとして期待されるフォトンカウンティングCT(PCCT)の早期実用化を目指し、これまで推進している日欧3か所の医療機関との共同研究に加え、2024年11月には、新たに米国ペンシルベニア大学系列の医療グループ「Penn Medicine」と共同研究を開始しました。特に胸部や心臓、筋骨格系などにおける画像診断の専門分野を中心テーマとしてPCCTの可能性を開拓します。このように幅広い領域でグローバルな共同研究活動にも積極的に参画しながら、医療に新たな価値を提供できる技術の開発に注力します。
当社はメディカル関連市場について、長期的には安定した成長が期待できる市場と考えておりますが、地政学的リスクの高まりによって一部のビジネスが制限を受け、中国の景気低迷は長期化し、日本国内においても医療機関の経営状況が悪化しています。このような事業環境の変化を考慮し、2016年に旧東芝メディカルシステムズ株式会社(現キヤノンメディカルシステムズ株式会社)買収時に認識したのれんについて、2024年に1,651億円の減損損失を計上しました。現在メディカルグループでは、2024年2月に全社組織として立ち上がった「メディカル事業革新委員会」を中心として構造改革を進めています。その中で、当社が持つ人材、技術、ノウハウなどのリソースを全面的に投入して、開発、生産、管理、販売などあらゆるオペレーションを抜本的に見直しています。この構造改革によって利益創出力を高め、安定した成長が見込まれるメディカル関連市場での事業拡大を目指します。
イメージンググループ
2025/03/28 15:30- #2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(連結)
当連結会計年度は、売上高は2007年に記録した過去最高を更新する4兆5,098億円となり、税引前当期純利益に関しても、メディカルビジネスユニットで計上したのれんの減損損失を除く調整後税引前当期純利益では前期比19.3%増の4,663億円となりました。
売上総利益率は、物流費の改善を含むコストダウン効果に、円安による増益効果も加わり、前期を0.4ポイント上回る47.5%となり、売上総利益は前期比8.8%増の2兆1,431億円となりました。
2025/03/28 15:30- #3 連結キャッシュ・フロー計算書(US GAAP)(連結)
④【連結キャッシュ・フロー計算書】
| | 第123期(2023年1月1日から2023年12月31日まで) | 第124期(2024年1月1日から2024年12月31日まで) |
減価償却費 | | 238,676 | 235,465 |
のれんの減損損失 | | - | 165,100 |
固定資産売廃却損益 | | 4,025 | 1,271 |
補足情報
2025/03/28 15:30- #4 連結財務諸表注記事項(US GAAP)(連結)
(ハ)金融派生商品に関しては、基準書815「金融派生商品とヘッジ取引」を適用しております。
(ニ)のれん及び耐用年数が確定できないその他の無形固定資産に関しては、基準書350「無形固定資産-のれん及びその他」を適用しており、償却を行わずに少なくとも年1回の減損の判定を行っております。なお、第124期においてはメディカル報告単位において165,100百万円ののれんの減損損失を計上しております。
(ホ)持分証券に関しては、基準書321「投資-持分証券」を適用しており、原則として公正価値で測定し、その変動を税引前当期純利益に計上しております。
2025/03/28 15:30- #5 重要な会計上の見積り、財務諸表(連結)
超過収益力は、主として子会社が生み出す将来キャッシュ・フロー及び割引率等の見積りに基づいて測定しております。将来キャッシュ・フローの見積りは、主として将来の成長率に関する予測に基づいて測定しております。割引率の見積りは、主として関連する市場及び産業のデータ並びに特定のリスク要因を考慮した加重平均資本コストに基づいております。算出された子会社株式の実質価額は、取得価額と比較して著しく低下しておらず、当事業年度において子会社株式の減損処理は不要と判断しております。
しかし、上記の見積りは将来の不確実な経済環境の変動などにより、子会社の将来キャッシュ・フローが想定よりも減少した場合には減損損失が認識され、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
なお、重要な子会社株式にキヤノンメディカルシステムズ株式会社の株式があり、当事業年度の財務諸表において658,304百万円が計上されております。当該子会社の将来キャッシュ・フローの見積りは、今後の医療機器市場の成長や事業活動地域の成長を考慮した上で立案された中期経営計画に基づいております。当事業年度に算出した当該子会社の超過収益力を加味した実質価額は、株式の取得価額と比較して著しく低下しておらず、減損処理は不要と判断しております。
2025/03/28 15:30