有価証券報告書-第59期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/19 15:33
【資料】
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【項目】
142項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「社業を通じて医療進歩の一翼を担い、人々の健やかな生命と幸福に尽くし、もって社会の繁栄に寄与する」を社是とし、患者・医療従事者等の安全と医療機関等の経営の合理化・省力化に貢献できる製商品群を製造・販売しております。
(2)経営戦略等
現在、医療業界におきましては、厚生労働省が公立病院などの再編統合の議論が必要としたリストを公表するなど、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、「地域医療構想」実現に向けた病院の再編・統合への動きが進められております。
また、2020年度の診療報酬改定では、厳しい財政の影響もあり、薬価・材料部分のマイナスが大きいため、全体でマイナス改定となりました。
一方で、本体部分は「働き方改革」推進分を含め0.55%のプラスとなるなど、診療報酬改定にも組み込まれた医療現場の「働き方改革」が進んでおり、今後もより一層施策を促進する方向に費用が振分けられていくものと思われます。
こうした環境変化の中、当社におきましても、政府が掲げる「地域医療構想」の基本方針により、今後手術が集中するため効率化への対応を迫られる急性期医療機関に対して、「働き方改革と医療安全」に貢献するためのツールとして、手術周辺を効率化する「プレミアムキット」の提案を積極的に展開しております。
当社の「プレミアムキット」は、簡便に過不足なく統一された手術準備ができるよう、術式ごとに必要な医療材料が適切な順番でセットされたオールインワンキットとなっております。
術前のピッキング作業を大幅に削減して手術準備時間を短縮できるため、少人数での手術対応や時間外労働の削減など、医療機関の「働き方改革」の実現に大きく貢献いたします。
安全性の面におきましては、必要な医療材料が使用する順番でセットされていることにより、手術直前での準備が可能となるため、展開された医療材料の長時間放置を防ぐことができます。
さらに、生産面からはロボットによる自動化により、極力人の手を介さずに製造するため、付着菌数・異物混入のリスクが低減され、入れ間違いなどの人為的ミスも防止することができ、使用面と生産面の両方から「医療安全」の向上に貢献してまいります。
当社は今後も、特に高度急性期・急性期病院を対象に「プレミアムキット」を中心としたキット製品導入による経営改善の提案に注力し、医療機関における「働き方改革と医療安全」、そして経営効率化のソリューションとしての「プレミアムキット」戦略を積極的に展開してまいります。
また、「地域医療構想」を軸とする病院再編統合の動きを大きなチャンスと捉え、変化を先読みし常に先手を打つ姿勢で、さまざまな施策に取り組んでまいります。
2017年に稼働を開始した「プレミアムキット」を生産している新キット工場は、現在週5日・2交代と、順調に稼働が増加してまいりました。
少子高齢化が進み働き手が減少していく中、新工場では高品質な製品を安全で安定的に生産するための機能をハードとソフトの両面で備えており、先進の機械やロボットによる自動化や、免震構造によるリスク対策など、当社が長年にわたって培ってきたノウハウが随所に活かされております。
当期は、今後も需要拡大が見込まれる「プレミアムキット」の生産量増大と生産性向上を目指して、Ⅱ期工事の設備投資を開始いたしました。この新キット工場Ⅱ期工事を着実に進めながら、さらなる医療機関の効率化と安全性の向上に貢献してまいります。
当社の海外戦略は、これまでインドネシアを中心に展開してまいりました。現地子会社のP.T.ホギインドネシアは、当社のグローバル戦略を象徴する製造の重要拠点であり、第1工場・第2工場は、国際標準化機構(ISO)の「医療機器の品質保証のための国際規格」であるISO13485:2016の認証も取得し、世界でも有数の医療用不織布の製造工場としての地位を確立してまいりました。一方で、人件費が増加傾向にあるため、今後も省力化・自動化を推進することにより、生産性の改善を図るほか、さらなる医療材の内製化を進め利益改善に貢献してまいります。
さらに当社と三菱商事株式会社の合弁会社としてシンガポールにおいて、2018年8月に設立いたしましたホギメディカルアジアパシフィックPTE.LTD.では、ASEAN(東南アジア諸国連合)各国で、「プレミアムキット」「セクレア」などの許認可取得を進めております。また、シンガポールの大型国立病院などでの「プレミアムキット」臨床試用を予定しているなど、販売孫会社P.T.ホギメディカルセールスインドネシアとともに、今後もASEAN各国の主要病院への販売活動を積極的に展開し、事業の拡大を目指してまいります。
新規事業として着手してまいりました「R-SUD(単回使用医療機器再製造)」事業とは、使用を1回限りと定められている高額なSUD(Single-UseDevice:単回使用医療機器)を、使用後に医療機器製造販売業者が収集し、分解・洗浄・部品交換・再組立て・滅菌などの処理を行った上で、同一用途のSUDとして再び製造販売する事業です。
美浦工場第一を一部改装し、検査・試験・再製造プロセスの円滑化、および許可申請・承認までのプロセスの迅速化を推進しているほか、準備が整った製品から順次許認可申請を行い、当期末までの申請数は合計3件となっております。
当社は今後、高度急性期・急性期病院の集約とそれに伴う手術の集中、労働人口の減少に対して、「プレミアムキット」や「R-SUD」を含む、手術に必要なすべての医療材料をジャスト・イン・タイムで提供する「サプライチェーンマネジメント(SCM)構想」を目指して、さらなる病院経営の効率化のご提案を行ってまいります。
(3)経営環境
医療業界におきましては、「地域医療構想」実現に向けた病院再編統合の動きや、診療報酬改定にも組み込まれた医療現場の「働き方改革」が進められている中で、今般の新型コロナウイルス感染問題が発生し、日々増加する感染拡大への対応に全力で取り組んでいる最中であります。
このような環境の下、当社グループでは、政府が掲げる「地域医療構想」の基本方針により、今後手術の集中化と効率化への対応を迫られる急性期医療機関に対して、「働き方改革と医療安全」を提供価値とする「プレミアムキット」の提案を積極的に展開してまいりました。
当第4四半期以降は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、当社グループでは現在、医療機関への製品の安定供給を最優先としております。
また、営業活動におきましては当期3月より活動を自粛しており、医療機関からの要請がある場合にのみ、社員の安全に考慮しながら対応に当たるという態勢で、全社を挙げて感染拡大防止に努めております。
医療機関におきましては、日本外科学会の提言もあり、緊急性の低い手術を中心に延期されております。延期されました手術に関しましては状況が落ち着き次第順次再開されることになる事が想定され、当社の業績へは、長期的には影響がないと考えております。
なお、製品の製造や調達リスク(カントリーリスク・自社取引先工場での患者発生等)などによる業績への影響が出ることが予想される場合は、速やかに開示いたします。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、「社会貢献」、「安全なもの作り」、「安定生産」、「お客様との共存共栄」、「社員満足度の向上」、「安定成長」及び「利益改善」を経営のキーワードとして掲げております。当社が販売する製品は、医療の現場で使用されるものが多いため、安全な製品の安定供給は当社の存在意義でもあり社会的責任でもあります。以上のことを踏まえ、下記の対処すべき課題についてそれぞれの施策に取り組んでおります。これらを継続して遂行することにより、企業価値の向上を図ってまいります。
①安全な製品の安定供給
・安定供給のための生産管理体制の強化
・お客様が使いやすく、かつ安全な製品の追求
・新キット工場の自動化による安全性の向上
②継続的な利益成長
・プレミアムキットの販売強化
・新製品の販売強化
・新キット工場の自動化による生産性の向上
・インドネシア工場での生産性の改善
・材料の内製化推進
・海外販売事業の拡大
③医療環境の変化への対応
・働き方改革と医療安全に貢献するソリューションの提供
・進歩する医療技術に対応する新製品の開発
・SUD(単回使用医療機器)のリプロセス(再製造)の事業化
④内部統制システム・コンプライアンス体制の整備
・情報管理の徹底、社員教育の充実
・リスクマネジメント体制の更なる強化
・5S(整理/整頓/清掃/清潔/躾)の徹底と費用対効果の向上
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営指標といたしましては、1株当たり当期純利益(EPS)、自己資本当期純利益率(ROE)、営業利益を重視しております。

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