有価証券報告書-第20期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「医療の質的変化をもたらすティッシュ・エンジニアリングをベースに、組織再生による根本治療を目指し、21世紀の医療そのものを変えてゆく事業を展開する」ことを会社設立の趣旨とし、企業理念である「再生医療の産業化を通じ、社会から求められる企業となる。法令・倫理遵守の下、患者のQOL(生活の質)向上に貢献することにより、人類が生存する限り成長し続ける企業となる。その結果、全てのステークホルダーがより善く生きることを信条とする」に基づいて、再生医療等製品及び関連製品の開発、製造、販売ならびに開発製造受託(CDMO)、開発業務受託(CRO)を行います。
(2)経営戦略
基本方針:黒字体質を強化しつつ、将来の成長に向けた開発を加速
①既存製品の持続的な売上拡大
1.自家培養表皮ジェイスは、熱傷の使用枚数制限の緩和(40枚→50枚)、母斑の有用性の訴求で安定した売上を維持します。さらに表皮水疱症への適応拡大で売上を伸ばします。
2.自家培養軟骨ジャックは、移植手技の簡便化・低侵襲化の実現、医療機関毎の特徴に合わせた個別営業で確実に症例を増やしつつ、外傷等に起因する二次性の変形性膝関節症への適応拡大を目指し成長を加速させます。
3.ラボサイトは、製品ラインナップ拡充とOECDテストガイドラインへの収載により、売上増を図ります。
②新製品開発の加速・受託事業の成長
1.研究開発本部を新たに設置し、既存製品の適応拡大のみならず、積極的な投資を行うことで同種細胞を利用した新製品の開発を加速します。
2.2017年度に獲得したCDMO・CRO受託案件を確実に収益に繋げつつ、得られた知見・経験を活かして新規案件の獲得を強力に推進し、受託事業を当社の中核事業に育成します。
3.眼科領域では、受託開発品の製造販売承認を取得し、受託製造を開始します。
4.再生医療等安全性確保法下での特定細胞加工物の製造受託を展開します。
③更なる経営の効率化
1.経費管理の徹底に加え、エンジニアリングを強化し製造工程の自動化・合理化を推進し、高品質、高効率・低コストの生産を実現します。
2.製品開発、生産技術開発、海外展開等の分野において、富士フイルムグループとのシナジーを追求します。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
(注)計画及び目標は2018年6月21日付で公表しました業績予想の修正の数値を記載しております。
(4)経営環境
2012年に京都大学iPS細胞研究所 所長 山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したことを契機に、我が国は再生医療を成長戦略の一つとして位置付けました。再生医療への期待が急速に高まる中で、再生医療の普及を迅速に進めるための法整備が進められ、2014年11月に薬事法は医薬品医療機器等法として改正され、新たに再生医療等製品が定義されると同時に、再生医療等製品に条件・期限付承認制度が導入されました。また、再生医療を安全かつ迅速に実施するための再生医療等安全性確保法が施行されました。そのような状況の下、同種細胞を用いた再生医療製品の開発や、国内外技術導入による製薬企業の参入、iPS細胞による再生医療が臨床応用ステージに入るなどの動きが加速しています。一方で、国民医療費は、高齢化の進展、疾病構造の変化、医療の高度化によって年々増大しており、医療保険制度の持続可能性の確保が喫緊の課題となっています。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社は、会社が対処すべき課題を以下のとおり認識し、その解決に向けた取り組みを展開しています。
①自家培養表皮ジェイス
自家培養表皮ジェイスは、重傷熱傷及び先天性巨大色素性母斑の治療のための再生医療等製品です。本品は、表皮水疱症への適用を目的とした一部変更承認申請を2018年3月に提出しました。
重症熱傷への適用については、製造販売後臨床試験及び使用成績調査を終了し、2015年1月に再審査申請を行いました。2017年7月には再審査が終了し、「効能、効果または性能」に変更がないと判断され、留意事項の変更はありませんでした。また、一連につき40枚を限度としていた保険算定については、2018年4月から医学的に必要がある場合にその理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載した上で50枚を限度として算定できることになりました。なお、患者、医師の利便性とこれまでの使用実績を踏まえ、引き続き学会を通じて算定限度の緩和を求めていきます。
先天性巨大色素性母斑への適応については、10年間の使用成績調査が課せられており、医薬品医療機器総合機構に提出した再審査の結果によって留意事項が変更される可能性があります。当社は、適切に医療機関に情報提供し、有効性及び安全性の確保に努めていきます。
②自家培養軟骨ジャック
自家培養軟骨ジャックは、外傷性軟骨欠損症または離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)の治療のための再生医療等製品です。
本品は、7年間の使用成績調査が課せられており、医薬品医療機器総合機構に提出した再審査の結果によって留意事項が変更される可能性があります。当社は、適切に医療機関に情報提供し、有効性及び安全性の確保に努めていきます。
また、本品の適応には欠損面積が4cm2以上という条件が付与されています。現在、軟骨欠損はMRIなどの画像で診断されますが、軟骨欠損の状態を正確に把握することは技術的に難しいのが現状です。そこで当社は富士フイルムと協力して軟骨欠損診断の支援技術についても提案していきます。これにより、軟骨欠損の診断を正確かつ容易に行うことができるようになり、本品の普及拡大につながるものと考えています。さらに、ジャックの移植手技の簡便化、低侵襲化や外傷等に起因する二次性の変形性膝関節症への適応拡大などに引き続き取り組むことで、ジャックの性能を最大限に引き出していきます。また、広報活動を通して本品の認知度を上げ、多くの患者に適用されるように努めていきます。
③研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズ
研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズは、表皮細胞のラボサイト エピ・モデルと角膜上皮細胞のラボサイト 角膜モデルをラインナップしており、動物実験を代替する試薬として使用されています。
当社は、本品の使用方法の開発や標準化に加え、新製品の開発に取り組むとともに、最新の研究報告についてセミナー等を通じて周知・啓蒙し、動物実験代替への理解促進や認知度向上に努め、動物実験代替法の発展に貢献していきます。
④再生医療受託事業
当社は、自社製品の開発で積み重ねた経験と、製造・販売に必要な組織・設備体制を保有し、国内で唯一、再生医療等製品を2品目上市しています。これらの蓄積したノウハウと確立したシステムを活用し、再生医療等製品に関する開発製造受託サービス(開発製造受託(CDMO)、開発業務受託(CRO))及び再生医療の提供(臨床研究・治療)への支援サービスを展開しています。
受託案件は多種多様であり、案件毎に様々なステージに在って多くの課題を抱えているため、委託元と密に連携し、その潜在ニーズを明確にした上でひとつひとつ解決していく必要があります。当社は、本事業を当社中核事業に育てるため、富士フイルムと連携しながら、数多くの開発案件の獲得と社内受入体制の整備を通じて、再生医療受託事業を社内及び業界内に根付かせることを目指します。
⑤安定した生産体制の確立
当社の取り扱う製品やサービスは、不確定性や個別性が高く、受注等に繁閑が生じることがあります。当社は、このような変動要因の多い製造環境においても、製造や検査作業の効率化、自動化を促進し、低コストで安定した供給体制や高い品質を維持するように努めています。
⑥働きがいのある企業風土の醸成
当社は、国内の労働環境の変化に対して、公平でチャレンジできる制度や多様な人材の育成を強化する仕組みにより、働き方の多様化に対応した、働きがいのある企業風土の醸成に向けて取り組んでいます。
(6) 株式会社の支配に関する基本方針について
①基本方針の内容
当社の財務及び事業の方針を決定する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続的に確保、向上していくことを可能とする者であることが必要と考えています。
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保、向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。
また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えます。
ただし、株式の大規模買付提案の中には、ステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社の価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。
そのような大規模買付行為を行う者は当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考え、かかる提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から経営を負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えます。
②不適切な支配の防止のための取組み
1.企業価値向上への取り組み
当社は、「医療の質的変化をもたらすティッシュ・エンジニアリングをベースに、組織再生による根本治療を目指し、21世紀の医療そのものを変えてゆく事業を展開する。」ことを会社設立の趣旨とし、「再生医療の産業化を通じ、社会から求められる企業となる。法令・倫理遵守の下、患者様のQOL(生活の質)向上に貢献することにより、人類が生存する限り成長し続ける企業となる。その結果、全てのステークホルダーがより善く生きることを信条とする」という企業理念に基づいて事業を展開しています。当社は、医薬品医療機器等法の適用を受ける再生医療製品事業と医薬品医療機器等法の適用を受けない研究開発支援事業、及び再生医療に関する開発製造受託(CDMO)や開発業務受託(CRO)を提供する再生医療受託事業を展開しています。
当社は企業価値向上への取り組みとして、年度毎に経営計画を策定し、代表取締役が直接全役職員に説明することにより目標の共有化を図り、全社一丸となって企業理念の実現に向け事業を展開しています。また、当社事業を推進するにあたり富士フイルムと密接な連携を図ることにより、グループとしてより効率的に取り組んでいます。
当社は、情報開示体制を整備し、再生医療の啓蒙を兼ねたPR活動を適切に行うことにより、多くの投資家の要望に応えることができる積極的なIR体制の構築、運用に努めています。また、適切に牽制がかかり情報の信頼性を担保する内部統制体制の維持、改善を目的として内部統制基本方針を定め運用しています。
当社は、当社の企業文化の根源である設立趣旨、企業理念を高い次元で実現することにより、社会的意義を高め、経営資源を有効に活用するとともに、全てのステークホルダーとの良好な関係を維持・発展させ、結果として当社の企業価値及び株主共同の利益の向上に資することができるものと考えます。
2.コーポレート・ガバナンスについて
当社は、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するために、経営環境の変化に迅速に対応できる組織体制及び公正で透明性のある経営システムを構築し、これを維持することに取り組んでいます。
当社の取締役会は7名で構成され、その内1名は社外取締役です。取締役会は当社の経営戦略を策定・遂行するとともに、取締役の職務遂行を監督しています。また、監査役3名(うち社外監査役2名)で構成される監査役会は、内部監査室及び会計監査人ならびに顧問弁護士と緊密な連携を保ち、情報交換を行い、監査の有効性・効率性を高めています。常勤監査役は取締役会、経営会議、コンプライアンス委員会及びリスク管理委員会等重要な会議に出席するとともに、業務及び財産の状況の確認を通じて取締役の職務遂行を監査しています。
当社は、業務執行の迅速化を図るため、執行役員制度を採用しております。執行役員は7名で、その内3名が取締役との兼務者であり、取締役会が決定した経営方針等に従って、業務執行の任にあたっております。また、当社は、執行役員で構成される経営会議を設置し、業務執行の強化、円滑化を図っております。
当社は創業時より、研究・開発事業に関する倫理的妥当性について助言を受けること、及びヒト組織・細胞等の収集・提供の実施状況など事業全般にわたる倫理的評価を行うことを目的に、企業委員2名、外部委員6名で構成されるJ-TEC倫理委員会を設け適切に運営しています。
さらに当社では、業務上抱える各種リスクを正確に把握・分析し、適切に対処すべく、継続的にリスク管理体制の強化に取り組んでいます。総合的なリスク管理については、リスク管理委員会で討議し、必要に応じて取締役会で検討をしています。また、災害、重大事故、訴訟等の経営に重大な影響を与える事実が発生した場合には、直ちに担当部署から部長、情報取扱責任者、代表取締役に連絡する体制をとり、状況を迅速・正確に把握し対処することとしています。
③不適切な支配の防止のための取組みについての取締役会の判断
上記②に記載した企業価値向上への取り組みやコーポレート・ガバナンスの強化といった各施策は、当社の支配に関する基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(1)経営方針
当社は、「医療の質的変化をもたらすティッシュ・エンジニアリングをベースに、組織再生による根本治療を目指し、21世紀の医療そのものを変えてゆく事業を展開する」ことを会社設立の趣旨とし、企業理念である「再生医療の産業化を通じ、社会から求められる企業となる。法令・倫理遵守の下、患者のQOL(生活の質)向上に貢献することにより、人類が生存する限り成長し続ける企業となる。その結果、全てのステークホルダーがより善く生きることを信条とする」に基づいて、再生医療等製品及び関連製品の開発、製造、販売ならびに開発製造受託(CDMO)、開発業務受託(CRO)を行います。
(2)経営戦略
基本方針:黒字体質を強化しつつ、将来の成長に向けた開発を加速
①既存製品の持続的な売上拡大
1.自家培養表皮ジェイスは、熱傷の使用枚数制限の緩和(40枚→50枚)、母斑の有用性の訴求で安定した売上を維持します。さらに表皮水疱症への適応拡大で売上を伸ばします。
2.自家培養軟骨ジャックは、移植手技の簡便化・低侵襲化の実現、医療機関毎の特徴に合わせた個別営業で確実に症例を増やしつつ、外傷等に起因する二次性の変形性膝関節症への適応拡大を目指し成長を加速させます。
3.ラボサイトは、製品ラインナップ拡充とOECDテストガイドラインへの収載により、売上増を図ります。
②新製品開発の加速・受託事業の成長
1.研究開発本部を新たに設置し、既存製品の適応拡大のみならず、積極的な投資を行うことで同種細胞を利用した新製品の開発を加速します。
2.2017年度に獲得したCDMO・CRO受託案件を確実に収益に繋げつつ、得られた知見・経験を活かして新規案件の獲得を強力に推進し、受託事業を当社の中核事業に育成します。
3.眼科領域では、受託開発品の製造販売承認を取得し、受託製造を開始します。
4.再生医療等安全性確保法下での特定細胞加工物の製造受託を展開します。
③更なる経営の効率化
1.経費管理の徹底に加え、エンジニアリングを強化し製造工程の自動化・合理化を推進し、高品質、高効率・低コストの生産を実現します。
2.製品開発、生産技術開発、海外展開等の分野において、富士フイルムグループとのシナジーを追求します。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
| (単位:百万円) | 売上高 | 対前期成長率 | 営業利益 | 営業利益率 | 経常利益 | 当期純利益 |
| 2019年3月期(計画) | 3,080 | 35.6% | △49 | - | △42 | △53 |
| 2020年3月期(目標) | 3,481 | 13.0% | 329 | 9.5% | 335 | 267 |
| 2021年3月期(目標) | 4,042 | 16.1% | 302 | 7.5% | 308 | 318 |
(注)計画及び目標は2018年6月21日付で公表しました業績予想の修正の数値を記載しております。
(4)経営環境
2012年に京都大学iPS細胞研究所 所長 山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したことを契機に、我が国は再生医療を成長戦略の一つとして位置付けました。再生医療への期待が急速に高まる中で、再生医療の普及を迅速に進めるための法整備が進められ、2014年11月に薬事法は医薬品医療機器等法として改正され、新たに再生医療等製品が定義されると同時に、再生医療等製品に条件・期限付承認制度が導入されました。また、再生医療を安全かつ迅速に実施するための再生医療等安全性確保法が施行されました。そのような状況の下、同種細胞を用いた再生医療製品の開発や、国内外技術導入による製薬企業の参入、iPS細胞による再生医療が臨床応用ステージに入るなどの動きが加速しています。一方で、国民医療費は、高齢化の進展、疾病構造の変化、医療の高度化によって年々増大しており、医療保険制度の持続可能性の確保が喫緊の課題となっています。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社は、会社が対処すべき課題を以下のとおり認識し、その解決に向けた取り組みを展開しています。
①自家培養表皮ジェイス
自家培養表皮ジェイスは、重傷熱傷及び先天性巨大色素性母斑の治療のための再生医療等製品です。本品は、表皮水疱症への適用を目的とした一部変更承認申請を2018年3月に提出しました。
重症熱傷への適用については、製造販売後臨床試験及び使用成績調査を終了し、2015年1月に再審査申請を行いました。2017年7月には再審査が終了し、「効能、効果または性能」に変更がないと判断され、留意事項の変更はありませんでした。また、一連につき40枚を限度としていた保険算定については、2018年4月から医学的に必要がある場合にその理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載した上で50枚を限度として算定できることになりました。なお、患者、医師の利便性とこれまでの使用実績を踏まえ、引き続き学会を通じて算定限度の緩和を求めていきます。
先天性巨大色素性母斑への適応については、10年間の使用成績調査が課せられており、医薬品医療機器総合機構に提出した再審査の結果によって留意事項が変更される可能性があります。当社は、適切に医療機関に情報提供し、有効性及び安全性の確保に努めていきます。
②自家培養軟骨ジャック
自家培養軟骨ジャックは、外傷性軟骨欠損症または離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)の治療のための再生医療等製品です。
本品は、7年間の使用成績調査が課せられており、医薬品医療機器総合機構に提出した再審査の結果によって留意事項が変更される可能性があります。当社は、適切に医療機関に情報提供し、有効性及び安全性の確保に努めていきます。
また、本品の適応には欠損面積が4cm2以上という条件が付与されています。現在、軟骨欠損はMRIなどの画像で診断されますが、軟骨欠損の状態を正確に把握することは技術的に難しいのが現状です。そこで当社は富士フイルムと協力して軟骨欠損診断の支援技術についても提案していきます。これにより、軟骨欠損の診断を正確かつ容易に行うことができるようになり、本品の普及拡大につながるものと考えています。さらに、ジャックの移植手技の簡便化、低侵襲化や外傷等に起因する二次性の変形性膝関節症への適応拡大などに引き続き取り組むことで、ジャックの性能を最大限に引き出していきます。また、広報活動を通して本品の認知度を上げ、多くの患者に適用されるように努めていきます。
③研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズ
研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズは、表皮細胞のラボサイト エピ・モデルと角膜上皮細胞のラボサイト 角膜モデルをラインナップしており、動物実験を代替する試薬として使用されています。
当社は、本品の使用方法の開発や標準化に加え、新製品の開発に取り組むとともに、最新の研究報告についてセミナー等を通じて周知・啓蒙し、動物実験代替への理解促進や認知度向上に努め、動物実験代替法の発展に貢献していきます。
④再生医療受託事業
当社は、自社製品の開発で積み重ねた経験と、製造・販売に必要な組織・設備体制を保有し、国内で唯一、再生医療等製品を2品目上市しています。これらの蓄積したノウハウと確立したシステムを活用し、再生医療等製品に関する開発製造受託サービス(開発製造受託(CDMO)、開発業務受託(CRO))及び再生医療の提供(臨床研究・治療)への支援サービスを展開しています。
受託案件は多種多様であり、案件毎に様々なステージに在って多くの課題を抱えているため、委託元と密に連携し、その潜在ニーズを明確にした上でひとつひとつ解決していく必要があります。当社は、本事業を当社中核事業に育てるため、富士フイルムと連携しながら、数多くの開発案件の獲得と社内受入体制の整備を通じて、再生医療受託事業を社内及び業界内に根付かせることを目指します。
⑤安定した生産体制の確立
当社の取り扱う製品やサービスは、不確定性や個別性が高く、受注等に繁閑が生じることがあります。当社は、このような変動要因の多い製造環境においても、製造や検査作業の効率化、自動化を促進し、低コストで安定した供給体制や高い品質を維持するように努めています。
⑥働きがいのある企業風土の醸成
当社は、国内の労働環境の変化に対して、公平でチャレンジできる制度や多様な人材の育成を強化する仕組みにより、働き方の多様化に対応した、働きがいのある企業風土の醸成に向けて取り組んでいます。
(6) 株式会社の支配に関する基本方針について
①基本方針の内容
当社の財務及び事業の方針を決定する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続的に確保、向上していくことを可能とする者であることが必要と考えています。
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保、向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。
また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えます。
ただし、株式の大規模買付提案の中には、ステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社の価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。
そのような大規模買付行為を行う者は当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考え、かかる提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から経営を負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えます。
②不適切な支配の防止のための取組み
1.企業価値向上への取り組み
当社は、「医療の質的変化をもたらすティッシュ・エンジニアリングをベースに、組織再生による根本治療を目指し、21世紀の医療そのものを変えてゆく事業を展開する。」ことを会社設立の趣旨とし、「再生医療の産業化を通じ、社会から求められる企業となる。法令・倫理遵守の下、患者様のQOL(生活の質)向上に貢献することにより、人類が生存する限り成長し続ける企業となる。その結果、全てのステークホルダーがより善く生きることを信条とする」という企業理念に基づいて事業を展開しています。当社は、医薬品医療機器等法の適用を受ける再生医療製品事業と医薬品医療機器等法の適用を受けない研究開発支援事業、及び再生医療に関する開発製造受託(CDMO)や開発業務受託(CRO)を提供する再生医療受託事業を展開しています。
当社は企業価値向上への取り組みとして、年度毎に経営計画を策定し、代表取締役が直接全役職員に説明することにより目標の共有化を図り、全社一丸となって企業理念の実現に向け事業を展開しています。また、当社事業を推進するにあたり富士フイルムと密接な連携を図ることにより、グループとしてより効率的に取り組んでいます。
当社は、情報開示体制を整備し、再生医療の啓蒙を兼ねたPR活動を適切に行うことにより、多くの投資家の要望に応えることができる積極的なIR体制の構築、運用に努めています。また、適切に牽制がかかり情報の信頼性を担保する内部統制体制の維持、改善を目的として内部統制基本方針を定め運用しています。
当社は、当社の企業文化の根源である設立趣旨、企業理念を高い次元で実現することにより、社会的意義を高め、経営資源を有効に活用するとともに、全てのステークホルダーとの良好な関係を維持・発展させ、結果として当社の企業価値及び株主共同の利益の向上に資することができるものと考えます。
2.コーポレート・ガバナンスについて
当社は、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するために、経営環境の変化に迅速に対応できる組織体制及び公正で透明性のある経営システムを構築し、これを維持することに取り組んでいます。
当社の取締役会は7名で構成され、その内1名は社外取締役です。取締役会は当社の経営戦略を策定・遂行するとともに、取締役の職務遂行を監督しています。また、監査役3名(うち社外監査役2名)で構成される監査役会は、内部監査室及び会計監査人ならびに顧問弁護士と緊密な連携を保ち、情報交換を行い、監査の有効性・効率性を高めています。常勤監査役は取締役会、経営会議、コンプライアンス委員会及びリスク管理委員会等重要な会議に出席するとともに、業務及び財産の状況の確認を通じて取締役の職務遂行を監査しています。
当社は、業務執行の迅速化を図るため、執行役員制度を採用しております。執行役員は7名で、その内3名が取締役との兼務者であり、取締役会が決定した経営方針等に従って、業務執行の任にあたっております。また、当社は、執行役員で構成される経営会議を設置し、業務執行の強化、円滑化を図っております。
当社は創業時より、研究・開発事業に関する倫理的妥当性について助言を受けること、及びヒト組織・細胞等の収集・提供の実施状況など事業全般にわたる倫理的評価を行うことを目的に、企業委員2名、外部委員6名で構成されるJ-TEC倫理委員会を設け適切に運営しています。
さらに当社では、業務上抱える各種リスクを正確に把握・分析し、適切に対処すべく、継続的にリスク管理体制の強化に取り組んでいます。総合的なリスク管理については、リスク管理委員会で討議し、必要に応じて取締役会で検討をしています。また、災害、重大事故、訴訟等の経営に重大な影響を与える事実が発生した場合には、直ちに担当部署から部長、情報取扱責任者、代表取締役に連絡する体制をとり、状況を迅速・正確に把握し対処することとしています。
③不適切な支配の防止のための取組みについての取締役会の判断
上記②に記載した企業価値向上への取り組みやコーポレート・ガバナンスの強化といった各施策は、当社の支配に関する基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。