有価証券報告書-第108期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/30 13:46
【資料】
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【項目】
146項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社のグループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
『経営理念』
社是
進歩的で高品質なセーラー商品により会社を興隆し社会・文化の発展に貢献すること
社訓
責任に生きよ
行動理念
お客様の満足度を最大化します
活気ある職場をつくります
革新的な技術開発を行います
永続性のある企業経営を目指します
独創性に富む商品を提供します
信頼される企業集団になります
コーポレートアイデンティティ
セーラー万年筆のコーポレート・アイデンティティを構成する三つの言葉
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真・技・美の三位一体
真( “本物” だけを愚直に追い続ける。逆に本物でないものを捨てる勇気を持つ。)、技(何度向き合っても「完成」はない。それが「技」と「作業」の違いである。伝統に裏打ちされながらも常に高みへの挑戦を続ける姿勢。)、美(日本の美意識をすべての製品と企業活動に昇華させる。使う人、持つ人の心を震わす美を求め続ける。)の三位一体をもって、唯一無二の万年筆メーカーを目指します。
新たなビジュアル・アイデンティティ
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信頼と希望の象徴である「錨」。「Anchor」の語源となる古代ギリシャ語は「曲がった腕」を意味し、船を力強く繋ぎ止める錨に、 古代の人々は目に見えない神秘的なエネルギーや神の加護を感じてきました。 これまでも、これからも、セーラー万年筆の象徴として。希望・信頼の象徴である「錨」モチーフはそのままに、技術力の力強さと繊細で日本的な美意識をロゴマークに込めることで創業初期の精神を伴ったまま現代に昇華させ、そして未来へつなげていきます。
ロゴタイプはセーラー万年筆の創業当時の魂が宿る初期の美しいグラフィックの元に、簡素化することで美を見出す日本の美意識を込めました。
また、新CIカラーとして、「SAILOR BLUE – 黎明」を設定しました。長く大陸文化を受け入れてきた港町・呉において、創業者・阪田久五郎の見た景色―。「黎明」は夜明けの意味と共に、新しいことが始まる時を指します。夜明け前の瀬戸内の海に見たであろう、これから来る今日への希望。その目に映った希望の姿を我々も見続けること。原点へ思いを馳せながら日本の手仕事による確かな技術と美意識を以ってその海の先に広がる世界へ向けて出航します。
ものづくり思想
あまたある筆記具の中から、セーラー万年筆を選んでくださるお客さまがいます。
“お客さまに喜んでいただきたい”という私たちの思いは、ときに型破りな発想や、遊び心を引き出し、さらなる機能の追求へと駆り立ててきました。
“手書き文化を支える先駆者であり続けながら、自らも厳しい目を持つ書き手であれ”
創業以来、私たちの中に息づくこだわりは、精緻をきわめた細部の技術にまで至り、本物の美しさを浮かび上がらせます。セーラーの筆記具を手にしたお客さまは、機能に裏打ちされた美しさを感じ、表現する喜びにあふれることでしょう。
人びとの感性をゆさぶる道具を、つくり続けていくこと。私たちのものづくりへの思いと挑戦する魂は続きます。果敢に進む力こそ、未来を切りひらくと信じて。
(2) 経営戦略
セーラー万年筆は、新たに策定した「コーポレート・アイデンティティ」あるいは「ものづくり思想」といった企業ビジョンを具体的な企業活動に反映し、安定的に一定額以上の収益を確保するために、全員一致協力し、努力を続けます。
1.収益に関する方針
・2021年12月期連結営業利益目標105百万円を達成します。
・事業の健全な運営に必要なキャッシュ(運転資金)を確保・維持します。
・プラス(株)グループ各社との連携を強化し、文具事業部・ロボット機器事業部双方でシナジー効果による利益を創出します。
・将来の事業成長を担う海外事業の育成に努めます。
2.働きがいに関する方針
・新しいワークスペース作りを行い、社員が安全で働きやすい環境をつくります。
・人事・賃金制度の構造全体を見直すために専門チームを作り、検討に着手します。
・社会の要請に応え、子育て、介護をしながらでも働きやすい制度の確立、定年制度や再雇用制度の見直しを実施します。
3.未来に向けた投資に関する方針
・生産性の向上を図り、災害リスクに備えた工場とするため、広島工場の建替えを進めます。
・広島工場の製造設備の更新と増設を行い製造能力の増強を図ります。
・広島工場の建替えにあたり、クリーンエネルギーを積極活用するなど地球環境にやさしい設計を行います。
・研究設備を整えると共に、研究要員の増強を図り将来に向けた研究開発を促進します。
・ぺんてる(株)との連携を強化し、青梅工場の体制の充実化を図り、ロボット事業の技術開発力を高めます。
・新しいワークスタイルに合わせた情報インフラの整備、サプライチェーンの生産性向上、ペーパーレスを含めた管理業務の効率化など、デジタルトランスフォーメーションを実現する情報インフラへの投資を積極的に進めます。
4.従来から取り組んできたフォレステーショナリー活動を拡大し、持続可能な開発目標(SDGs)にある「陸の豊かさも守ろう」に貢献します。
5.社内の意識改革に関する方針
・事業計画を全社員で共有し、一度決めた目標を、不屈の精神と創意工夫を持って最後まで粘り強くやり遂げる「執着心」を醸成します。
・社員ひとりひとりが自らに枠を設けず、勇気をもって新たなことに挑戦し続けるチャレンジ精神を大切にします。
・オンラインを含めたあらゆる手段を駆使し、社員間のコミュニケーションを充実させ、プラス(株)グループへの出向者を含む社員全員がセーラー万年筆の向かうべき方向を共有できるようにします。
・プラス(株)グループとの人材交流を活発に行い、社内に新しい感覚や風土を取り入れ、また出向先で新しい空気を吸収することで、セーラー万年筆社員の内なる変革を促します。
(3) 経営数値目標
安定的な経営を行うため、「売上高経常利益率3.0%以上」をこの3ヵ年の目標としております。
(4) 経営環境及び対処すべき課題等
新型コロナウイルス感染症の流行に関しては先行き不透明な状況でありますが、ワクチン接種も始まり、経済活動は今後少しずつ改善していくことが期待されます。しかしながら、一世紀ぶりのパンデミックは、人々の生活に多大なる影響を及ぼし、価値観やライフスタイルに大きな変化をもたらすことが予測されています。このような状況のもと、企業活動は、この大きな変化を見通し、先取りする施策が求められています。
当社グループは、この社会変化に適応し、生産性向上のための投資、販売方法・販売ルートの見直し、働き方の改善などの施策によって、業績向上と社会貢献を目指してまいります。得意分野、競争力を持った分野に経営資源を集中し、積極的に投資を行っていくことで生産性を向上し、売上高の増加、収益の確保を目指します。
なお、当社は、当社現況の変化と社会情勢の変化に対応するため、2020年2月に見直しを発表した中期経営計画(2020年から2022年まで)を変更して、新たに中期経営計画(2021年から2023年まで)を策定し、2021年3月5日に日本証券取引所及び当社ホームページにおいて発表いたしました。
1.前中期経営計画(2020年から2022年まで)見直しの背景
当社は、数年にわたる経営不振から脱却するため、2015年末に新執行部を発足し、不採算事業からの撤退と自社製品販売比率の向上を進め、経営再建に努めてまいりました。しかし、2018年には広島県呉市の広島工場(旧天応工場)が豪雨被害に遭い、2020年には新型コロナウイルス感染症の拡大により経済が停滞するなど内外の様々な要因により、計画に沿った再建は進められませんでした。このような状況の下、当社グループは、プラス株式会社との業務・資本提携により企業価値の向上・再建を進めることを決定しました。これに基づき、2020年7月にはプラス株式会社を対象とする第三者割当による第1回無担保転換社債型新株予約権付社債20億円の発行を行い、広島工場敷地内での新工場建設及び万年筆製造設備の更新・増強計画に着手しております。また、新たなコーポレート・アイデンティティ、ビジュアル・アイデンティティの策定やこれまでの天応工場を「広島工場」への呼称変更など、企業イメージ・企業風土の刷新を図っております。更には、プラスグループで新たに設立した文具販売会社「コーラス株式会社」に参画して文具事業の国内営業部門を委託するなど、積極的な投資、改革に着手しております。
このような状況を踏まえ、当社は、2020年2月14日に発表した中期経営計画(2020年から2022年まで)を見直し、新たな中期経営計画(2021年から2023年まで)を策定することといたしました。
2.新中期経営計画(2021年から2023年まで)の概要
(文具事業)
当社の強みである万年筆及び万年筆用インクの販売は国内外で好調を維持しており、万年筆の増産・生産性向上、付加価値向上を目指してまいります。また、コーラス(株)への参画により、当社筆記具に関わる販売員、販売チャネルは増加しており、汎用価格帯筆記具の拡販を目指します。更に、付加価値向上の取り組み強化により、安定的に利益を生み出せる体制を整えてまいります。
(ロボット機器事業)
剛性と耐久性、生産性の良さで評価される当社射出成形機用取出ロボットについて、その汎用性を生かして、新型コロナウイルス感染症対策に関連した医療機器業界へのアプローチ強化、地球温暖化対策関連業界へのアプローチ強化など、世の中の変化に合わせた機動的な販売強化を実施してまいります。また、ぺんてる(株)との協業による自動化装置への取り組み強化、生産設備のスマートファクトリー化に必要なIoTへの取り組みの強化などにより、顧客の生産性向上と品質の安定性に貢献してまいります。

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