臨時報告書

【提出】
2018/11/02 15:30
【資料】
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提出理由

当社は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第179条第1項に規定する特別支配株主である有限会社山洋(以下「山洋」又は「特別支配株主」といいます。)から、会社法第179条の3第1項の規定による株式売渡請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)の通知を受け、平成30年11月2日、会社法第370条による決議(取締役会の決議に代わる書面決議)によって、本株式売渡請求を承認する旨の決議をいたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の2の規定に基づき、本報告書を提出するものであります。

特別支配株主から株式等売渡請求の通知がされた場合又は当該株式等売渡請求を承認するか否かが決定された場合

1.本株式売渡請求の通知に関する事項
(1)当該通知がされた年月日
平成30年11月2日
(2)当該特別支配株主の商号、本店の所在地及び代表者の氏名
商号 有限会社山洋
本店の所在地 東京都文京区千駄木三丁目5番3号
代表者の氏名 代表取締役 桑山 みき子
(3)当該通知の内容
当社は、山洋より、平成30年11月2日、当社の特別支配株主として、当社の株主の全員(山洋及び当社を除きます。以下「本売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の全部(以下「本売渡株式」といいます。)を山洋に売り渡すことを請求する旨の通知を受けました。当該通知の内容は以下のとおりです。
① 特別支配株主完全子法人に対して本株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称(会社法第179条の2第1項第1号)
該当事項はありません。
② 本株式売渡請求により本売渡株主に対して本売渡株式の対価として交付する金銭の額及びその割当てに関する事項(会社法第179条の2第1項第2号・3号)
山洋は、本売渡株主に対し、本売渡株式の対価(以下「本株式売渡対価」といいます。)として、その有する本売渡株式1株につき790円の割合をもって金銭を割当交付します。
③ 新株予約権売渡請求に関する事項(会社法第179条の2第1項第4号)
該当事項はありません。
④ 特別支配株主が本売渡株式を取得する日(以下「取得日」といいます。)(会社法第179条の2第1項第5号)
平成30年12月7日
⑤ 本株式売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第1号)
山洋は、株式会社みずほ銀行を貸付人として平成30年10月18日に締結した金銭消費貸借契約に基づく借入れを原資として、本株式売渡対価を支払うことを予定しております。
⑥ 本株式売渡請求に係る取引条件(会社法第179 条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第2号)
本株式売渡対価の支払は、取得日後合理的な期間内に、取得日の前日の最終の当社の株主名簿に記載若しくは記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付されるものとします。但し、当該方法による交付ができなかった場合には、当社の本店所在地にて当社が指定した方法により(本株式売渡対価の交付について山洋が指定したその他の場所及び方法があるときは、当該場所及び方法により)、本売渡株主に対して本株式売渡対価を支払うものとします。
2.本株式売渡請求を承認する旨の決定に関する事項
(1)当該通知がされた年月日
平成30年11月2日
(2)当該決定がされた年月日
平成30年11月2日
(3)当該決定の内容
山洋からの通知のとおり、本株式売渡請求を承認いたします。
(4)当該決定の理由及び当該決定に至った過程
山洋が平成30年9月3日から平成30年10月17日までを買付け等の期間として実施した当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)に関して、当社が平成30年9月3日付で提出した意見表明報告書(以下「本意見表明報告書」といいます。)の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本株式売渡請求は、当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することにより、当社株式を非公開化するための一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として行われるものであり、本株式売渡対価は、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)と同一の価格に設定されております。
当社は、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「(ウ)本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、平成30年8月31日開催の取締役会において、本公開買付けを含む本取引により当社株式を非公開化することが、当社グループの企業価値の向上に資するものであると判断いたしました。
当社グループの主要マーケットである国内の宝飾品市場の規模は、少子高齢化の進展や持続的な人口減少等から縮小傾向が続いております。また、海外市場については、中国をはじめとするアジア新興国には魅力的なマーケットが存在すると考えられますが、昨今の米国を中心とする通商問題を発端とした、世界的な経済の先行きの不確実性や、金融資本市場の変動等による景気下振れリスクが懸念されます。
当社では、このような環境認識を踏まえ、様々な施策に取り組んでまいりましたが、上記の環境下では、今後、市場規模の大きな伸びは期待できず、当社といたしましても、現状の延長線上では一段の飛躍は難しいと考えており、安定的かつ継続的に当社の企業価値を向上させるためには、上場企業である当社において求められる短期的な利益確保を重視する既存の戦略を推進するのではなく、中長期的な成長を阻害するあらゆる要因を検証し直し、新たな戦略を採用・推進することが必要であると考えております。そして、山洋は、当社の新たな収益基盤を確立するための具体的な施策として、(ⅰ)新規成長分野へのスピード感ある事業展開、(ⅱ)新しい領域への進出及び(ⅲ)3D構造解析技術、精密製造技術、自動判別検査技術への中長期的な投資と他分野への応用を挙げておりますが、当社といたしましても、それらの施策は、現状を打破するために、積極的に推進していくべき施策であり、かかる施策の実施には機動的かつ柔軟な経営体制の構築が望ましいと認識しております。
しかしながら、上記の施策を含む新規事業への進出に当たっては、多額の先行投資が必要となり、短期的には利益水準の低下やキャッシュ・フローの悪化をもたらすリスクがあり、また、新規事業は必ずしも成功が保証されたものではないため、当社が上場を維持したままこれらの各施策を実行した場合には、当社の株主の皆様に対して多大なる悪影響を与えてしまう可能性は否定できません。また、当社が上場を維持した状態では、当社株式の株価への悪影響を回避するために、これまでと同様、短期的な業績や利益確保を重視する戦略を取らざるを得ない状況に置かれ、中長期的な企業価値の向上を十分に追求できないおそれもあると考えております。
このような状況下で、当社としては、短期的には利益水準の低下を招くリスクを認識しながらも、中長期的な視点から新たな戦略を推進するためには、マネジメント・バイアウト(MBO)により株主と経営者が一体となって、迅速かつ果敢に意思決定できる経営体制を構築することが必要であると考えています。加えて、株式の非公開化を行った場合には、増加を続けていた上場維持コストを削減することができ、経営資源のさらなる有効活用を図ることも可能になると考えております。
なお、当社が株式の非公開化を行った場合には、株式市場からの資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社として当社が享受してきた知名度や信用力に影響を及ぼす可能性が考えられます。しかしながら、通常の営業活動を行うために必要な資金が確保できている現在の財務状況等からは、当面はエクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は見込まれず、今後も継続して株式の上場を維持することの意義を見出しにくい状況にあります。加えて、当社は、創業以来の事業活動の中で、製造卸としての知名度や信用力を十分に獲得してきたものと考えておりますので、非公開化により当社の製造卸としての知名度や信用力が下落することは考えにくいと判断しております。したがって、当社取締役会は、株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回ると判断いたしました。
以上を踏まえ、当社取締役会は、本公開買付けを含む本取引により当社株式を非公開化することが、当社グループの企業価値の向上に資するものであると判断いたしました。
また、本公開買付価格(790円)が、(a)本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」に記載されている山田コンサルティンググループ株式会社による当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定の結果を上回るものであり、かつ、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果のレンジの範囲内であること、(b)本公開買付けの公表日の前営業日である平成30年8月30日の株式会社東京証券取引所が開設するJASDAQスタンダード市場における当社株式の終値617円に対して28.04%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、平成30年8月30日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値612円(小数点以下四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して29.08%、過去3ヶ月間の終値単純平均値632円に対して25.00%、過去6ヶ月間の終値単純平均値618円に対して27.83%のプレミアムが加算されており、相当なプレミアムが付されていると考えられること、(c)本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の利益相反を解消するための措置が採られていること等、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(d)上記利益相反を解消するための措置が採られた上で、当社と山洋の間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であること等を踏まえ、当社取締役会は、本取引について、(ⅰ)本公開買付けを含む本取引により当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、(ⅱ)本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、株主の皆様に対して、合理的な売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
なお、当社の平成30年6月30日現在の簿価純資産から算出した株価純資産倍率(PBR)は1倍を下回っておりますが、資産売却等の困難性や清算に伴う相当な追加コストの発生等を考慮すると、簿価純資産額がそのまま換価されるわけではなく、相当程度毀損することが見込まれます。当社は、本公開買付価格について、市場株価法に加え、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映するためのDCF法による分析結果を勘案して検討した結果、妥当であるものと判断しております。
以上より、当社は平成30年8月31日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(当社の代表取締役社長である桑山貴洋氏及び代表取締役会長である桑山征洋氏を除く取締役5名)の全員一致で、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。
その後、当社は、平成30年10月18日、山洋より、本公開買付けに対して当社株式6,499,818株の応募があり、その全てを取得することとなった旨の報告を受けました。この結果、平成30年10月24日(本公開買付けの決済の開始日)付で、山洋の有する当社株式の議決権所有割合(注)は97.97%となり、山洋は、当社の特別支配株主に該当することとなりました。
(注)「議決権所有割合」は、当社が平成30年8月9日に提出した「第50期第1四半期報告書」に記載された平成30年6月30日現在の発行済株式総数(10,331,546株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(274,838株)を控除した株式数(10,056,708株)に対する割合をいい、小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、議決権所有割合の記載について同じとします。
このような経緯を経て、当社は、山洋より、平成30年11月2日付で、本意見表明報告書の「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本取引の一環として、本株式売渡請求をする旨の通知を受けました。
そして、当社は、かかる通知を受け、本株式売渡請求を承認するか否かについて、慎重に協議、検討いたしました。
その結果、当社は、平成30年11月2日、会社法第370条による決議(取締役会の決議に代わる書面決議)によって、(ⅰ)本株式売渡請求は本取引の一環として行われるものであり、上記のとおり、本取引により当社株式を非公開化することが、当社グループの企業価値の向上に資するものであると判断しており、当該判断を変更すべき事情は特段生じていないこと、(ⅱ)本株式売渡対価である790円は、本公開買付価格と同一であり、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本取引の公正性を担保するための措置が講じられていること等に鑑みれば、本売渡株主にとって合理的な価格であり、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(ⅲ)山洋は、株式会社みずほ銀行から、本株式売渡対価の支払のための資金に相当する額の借入れを行うことを予定しており、当社としても、株式会社みずほ銀行作成に係る融資証明書により山洋による資金確保の方法を確認していること、また、山洋によれば、本株式売渡対価の支払に支障を及ぼす可能性のある事象は発生しておらず、また今後発生する可能性は現在認識されていないとのこと等から、山洋による本株式売渡対価の支払のための資金の準備状況・確保手段は相当であり、本株式売渡対価の交付の見込みがあると考えられること、(ⅳ)本株式売渡対価の交付までの期間及び支払方法について不合理な点は認められないことから、本株式売渡請求に係る取引条件は相当であると考えられること、(ⅴ)本公開買付けの開始以降本日に至るまで当社グループの企業価値に重大な変更は生じていないこと等を踏まえ、本株式売渡請求は、本売渡株主の利益に配慮したものであり、本株式売渡請求の条件等は適正であると判断し、当社が山洋の完全子会社となるための本取引を進めるべく、山洋からの通知のとおり、本株式売渡請求を承認する旨の決議をいたしました。

以 上