有価証券報告書-第72期(平成30年3月1日-平成31年2月28日)

【提出】
2019/05/24 13:27
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119項目

有報資料

日本のファッション市場は成熟化し、グローバルな企業競争の下、消費者の選別はより厳しさを増しています。また人口減少・少子高齢化による人口構成の構造的な変化のなか、ライフスタイルに応じて流通を使い分ける選択消費や、消費者の嗜好の多様化などが進んでいます。
当社グループが対処すべき課題は、このような経営環境の変化に対応し、消費者に対して価値ある商品やサービスを提供することで収益拡大をはかり、成長性を高めることにあります。
①国内事業について
当社グループは、「提供価値の多様化」と「顧客基盤の拡大」を推進するとともに、時代にあわせて進化させ、事業の拡大をめざしています。
既存ブランドでは、衣料品を中心としたお客様視点での商品価値の向上をはかり、収益性を向上させていきます。さらにコスメティックやウェルネスなどのライフスタイル関連事業の拡大をはかっていきます。
また、マスカスタマイゼーションに対応した次世代の基幹事業として、オーダーメイドスーツの「カシヤマ ザ・スマートテーラー」事業を推進するとともに、お客様の満足と利便性を高めるコト・サービスの提供を拡充するオムニチャネル戦略を推進しています。
②海外事業について
当社グループは、グローバル戦略の加速化を積極的に推進していきます。
欧州地区では、オンワードラグジュアリーグループの生産プラットフォーム基盤と、ジョゼフ、ジル・サンダー両ブランドとのシナジーを発揮する体制をさらに強固なものにすることで収益力の改善をはかっていきます。また、モロー・パリは、バッグを中心としたラグジュアリーグッズブランドとしての地位を確立すべく、生産基盤の構築を進め、積極的に拡大をはかります。
アジア地区では、既存事業の選択と集中を進め、今後はネットビジネスの拡大や新たな販路の開拓など、マーケットの変化に柔軟に対応する成長戦略を推進していきます。
北米地区では、運営体制の整備を進め、J.PRESSのNYイエールクラブ店など中期的な視点から必要な投資をおこないながら事業拡大へ向けた取り組みを実行しています。
③商品開発について
当社グループは、常に新鮮で、付加価値の高い商品を消費者に提案していくことが使命であると考えています。そのために、グローバルネットワークによるファッショントレンド情報や当社グループ生産プラットフォーム基盤の技術力・開発力を活用して「ファッション」「テクノロジー」「クオリティ」の3つの側面から新たなアイテムを開発し、「新しい豊かさ」を提案していきます。
④生産体制およびSCM(サプライチェーンマネジメント)推進について
当社グループは、商品の適地生産を基本としており、具体的には中国では協力工場との取組みの強化および当社グループ工場の積極活用と物流拠点の効率化を進め、ベトナムなど中国以外の生産拠点の拡大による安定的な生産力確保も推進しています。
また、国内ではJ∞QUALITY(ジェイ クオリティ)の発足や高品質・高付加価値商品のニーズの高まりを受け、より一層の協力工場との関係強化に積極的に取り組んでいます。
⑤CSR(企業の社会的責任)とコンプライアンスについて
CSR経営につきましては、顧客をはじめとするすべてのステークホルダーから信頼される企業として、社会的企業価値を高める重要な経営課題と認識しています。
当社グループは、生活文化企業として豊かな人間生活づくりに貢献するとともに、「地球環境の保全」を経営の重要課題として捉え、人と環境にやさしい企業を目指しています。「この地球(ほし)を想う。この服をまとう。」を環境コンセプトとして定め、ファッションを基軸とした様々な企業活動を通じて、「地球と、世界の人々との共生」を目指したチャレンジを続けています。たとえば、長くご愛用いただける高品質な商品の提供、環境への負荷を低減する最先端の技術や商品およびサービスの開発、衣料品の循環システムの構築を目指す「オンワード・グリーン・キャンペーン」の実施、社屋の省エネ化、土佐山オンワード“虹の森”での森林保全活動などの取組み等による、環境・社会貢献活動を推進しています。
コンプライアンスにつきましては、社会全体からコンプライアンス体制の充実がますます求められており、これを経営上の重要課題と位置付け、またコーポレートガバナンスの体制強化をはかることにより、顧客や株主の皆様はもとより社会全体から高い信頼を得るよう努めていきます。具体的には、コンプライアンス活動のあり方や倫理上の規範を示した「コンプライアンスマニュアル」を作成し、オンワードグループコンプライアンス委員会が中心となり、社内研修の実施など継続的な啓蒙活動をおこない、周知徹底をはかっています。また当社グループは、一般社団法人日本アパレルクオリティセンターを通じて、品質管理等に関するノウハウを活用した製品品質の維持および向上につとめ、顧客の満足度をさらに高めていくとともに、SCMにおいても、「オンワード認定工場制度」を通じて、協力工場の労働環境の改善に取り組んでいます。
個人情報保護法につきましても、「個人情報保護ガイドライン」を作成し、全役員および全従業員を対象に研修を実施し、継続的な啓蒙をおこなっています。
(会社の支配に関する基本方針)
1.当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えています。
ただし、株式の大規模買付等の提案の中には、株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものや、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なう虞のあるもの、あるいはステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないものなどもありえます。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えています。
2. 基本方針実現のための取組みの具体的な内容
(1) 基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、「人々の生活に潤いと彩りを与えるおしゃれの世界」を事業領域に定め、「ファッション」を生活文化として提案することによって新しい価値やライフスタイルを創造し、人々の豊かな生活づくりへ貢献することを経営の基本方針としています。
中長期的な経営戦略は、ファッションを基軸とした生活文化企業として、ブランドを磨き上げその価値の極大化をはかる「ブランド軸経営」を基本戦略にし、「独自の企画力」、「クオリティとコストバランスのとれた生産」、「売れ筋の追加体制」、「機敏な物流体制」、「強力な販売力」、「魅力ある売場環境」、「話題性のある広告宣伝」そして「最新の情報システムの活用」の基本項目を強化・進化させ、事業規模の拡大と経営基盤の強化をはかることが、ブランド価値の創造、企業価値向上につながると考えています。
また、継続的に企業価値を高めることをめざし、コーポレートガバナンス体制を強化し、経営効率の向上、および経営の健全性の向上に努め、顧客や株主の皆様はもとより社会全体から高い信頼を得るよう取り組んできました。2005年より独立性の高い社外取締役・社外監査役を選任しており、独立役員である社外取締役2名・社外監査役2名を選任し、経営に対する監視機能の強化をはかっています。
また、従来より執行役員制度を採用しており、さらに取締役の任期を1年としています。
以上を着実に実行することで、当社の持つ経営資源を有効に活用するとともに、様々なステークホルダーとの良好な関係を維持・発展させることが、当社および当社グループの企業価値・株主共同の利益の向上に資することができると考えています。
(2) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、2017年5月25日開催の第70回定時株主総会において、「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策」(以下「本プラン」といいます。)を継続することについて決議しました。本プランは、当社株式等の大規模買付行為を行い、または行おうとする者 (以下「買付者等」といいます。)が遵守すべきルールを明確にし、株主の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報および時間、ならびに買付者等との交渉の機会を確保するとともに、一定の場合には当社が対抗措置をとることによって買付者等に損害が発生する可能性があることを明らかにし、これらを適切に開示することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない買付者等に対して、警告を行うものです。
3.具体的取組みに対する取締役会の判断およびその判断に係る理由
本プランは、上記2.記載のとおり、企業価値・株主共同の利益を確保・向上させる目的を持って導入されたものであり、基本方針に沿うものです。特に、本プランは、株主意思を重視するものであること、その内容として合理的な客観的発動要件が設定されていること、独立性の高い社外者によって構成される独立委員会が設置されており、本プランの発動に際しては必ず独立委員会の判断を経ることが必要とされていること、独立委員会は、当社の費用で、当社の業務執行を行う経営陣から独立した第三者(投資銀行、証券会社、フィナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得ることができるとされていること、有効期間が3年間と定められた上、株主総会または取締役会により何時でも廃止できるとされていることなどにより、その公正性、客観性が担保されており、高度の合理性を有し、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

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