半期報告書-第70期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2017/12/22 9:50
【資料】
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【項目】
92項目

業績等の概要

(1)業績
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景とした個人消費の持ち直しや企業収益の改善などにより、総じて景気は緩やかな回復基調が続きました。
一方、当社グループが取り扱う出版物につきましては、雑誌のダウントレンドに歯止めがかからず、業界全体としては厳しい状況が続いております。
このような中、当社グループは出版流通改革の完遂を目指し、主要なお取引先である書店様、出版社様と協力し様々な施策に取り組んでまいりました。最終年度を迎える中期経営計画「Breakthrough」では「『書店』の価値を高める」というビジョンに基づき、『書店』がより個客との接点を深め、より魅力ある新空間となるよう、新たなサービス、パッケージ等の開発に取り組んでおります。
運賃の単価値上げや、最低賃金上昇により荷造費が増加したものの、書店子会社における不採算店舗の整理や、グループ全体での経常経費の抑制に努めた結果、当中間連結会計期間における売上高は2,825億円(前年同期比4.9%減)、営業利益は13億円(前年同期比80.1%増)、経常利益は14億円(前年同期比53.3%増)となりました。
なお、特別損益を加減した税金等調整前中間純利益は12億円、対前年4億円の増益、法人税等を加減した親会社株主に帰属する中間純利益は8億円、対前年7億円の増益となりました。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。
なお「第5 経理の状況 1 中間連結財務諸表等 (1)中間連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、当中間連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しております。前年同期比については、前中間連結会計期間の数値を変更後のセグメントに組み替えた数値で比較しております。
①出版物等販売事業
当セグメントにおきましては、出版流通改革を推進し、業界三者の利益最適化を目指すPARTNERS契約を始め、様々な施策に取り組んでおります。
卸売事業部門においては、雑誌はコミックスを中心に大幅な減収、書籍、AV(セル・レンタル)も減収となりました。雑誌の減収による限界利益の減少に加えて、運賃の単価値上げや輸配送効率の悪化、荷造費増加により利益構造が大きく悪化しました。これに対し、人員のコントロールやITコストの抑制など経常経費の削減に取り組み、利益回復に努めました。
書店事業部門においては、不採算店舗の撤退、文具・雑貨の売場拡大による粗利益の改善、本部機能統一によるコスト削減などで利益構造の改善を推し進めました。
これらの結果、当セグメントの売上高は2,806億円(前年同期比5.0%減)、営業利益は5億円(前年同期比31.4%増)となりました。
②不動産事業
当セグメントにおきましては、既存物件の空室率の減少とフリーレント期間の終了、当期に仙台市に取得した新規物件の賃貸開始により、増収増益となりました。この結果、当セグメントの売上高は12億円(前年同期比3.9%増)、営業利益は5億円(前年同期比14.0%増)となりました。
③コンテンツ事業
当セグメントにおきましては、電子コンテンツの制作事業を営んでおり、売上高は4億円(前年同期比182.2%増)、営業利益は2億円(前年同期比209.9%増)となりました。
④その他事業
その他事業では、情報システム事業部門、宿泊施設運営事業部門等により売上高は21億円(前年同期比21.1%減)、営業利益は52百万円(前年同期比62.2%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は416億円と前連結会計年度末に比べ147億円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は147億円(前年同期は15億円の使用)となりました。
これは主に、売上債権の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、獲得した資金は2億円(前年同期は21億円の使用)となりました。
これは主に、有価証券の償還による収入によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は3億円(前年同期は15億円の使用)となりました。
これは主に、長期借入金の返済による支出が長期借入金による収入を上回ったことによるものです。