有価証券報告書-第112期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/26 14:12
【資料】
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【項目】
151項目
(3) 戦略
上記「(2) 重要なサステナビリティ項目」において記載した4つのマテリアリティに関して当社グループの取組は以下のとおりであります。
① 気候変動への対応
カーボンニュートラル社会の実現に向けて、当社グループの強みを活かし、電気自動車(EV)をはじめとする電動車の普及など、環境にやさしい活動に取り組んでおります。
当社グループの事業に影響を及ぼす気候変動リスク・機会を特定し、それらの財務影響度を定性的に評価しました。特定した気候変動リスク・機会は、次のとおりであります。これらの内、重要性や当社グループの事業との関連性が高いものについて、シナリオ分析を実施し対応戦略を検討しました。
リスク・機会の主要因事業影響リスク・機会発現
までの期間
影響度
移行リスク
炭素価格等の
GHG排出規制強化
炭素価格上昇が車両製造の原材料価格等を押し上げ、それらが仕入価格に転嫁されることによるコスト増加中期
自社ビル、工場などの操業における炭素価格上昇によるコスト増加中期
省エネ法規制の強化設備更新・投資などの対応コストの増加短期
化石資源の価格の変化自社拠点(建物、整備工場など)が使用するエネルギー価格の上昇、および物流・輸送コストの増加中期
電力価格の変化燃料価格上昇に伴う電力価格の上昇によるコスト増加中期
物理的リスク
洪水、高潮、台風等の
異常気象の激甚化
自社拠点の被災、および、操業停止(社員被災による操業停止を含む)短期
移行機会
化石資源の価格の変化販売車両の省エネ化によるコスト優位性(対他社)の確立、販売機会の拡大中期
電気自動車(EV)需要の
増加
EV普及による販売車種の多様化、高価格化中期
EV販売に関する経験を持つ従業員が多いことによる販売機会の拡大中期

(リスク・機会発現までの期間) ・短期:3年以内 ・中期:4年~9年 ・長期:10年以上
(影響度) ・小:1億円未満 ・中:1億円以上10億円未満 ・大:10億円以上
移行リスクにおきましては、当社グループの事業活動にともなうエネルギー使用や、その結果排出されるGHG(温室効果ガス)に対する炭素税の導入といった事象が当社グループに与える財務影響を把握するため、1.5℃、2.0℃、2.6℃の温度上昇シナリオに基づいた分析を実施しました。分析の結果、当社グループ事業の将来想定に基づいて、炭素価格負担やエネルギー負担による財務影響は限定的であることが確認できました。今回の当社想定の範囲においては、該当する気候変動リスク要因に対する組織的なレジリエンスを有していると考えられます。
物理的リスクにおきましては、当社グループが所在する162拠点について、現時点、および2.0℃、4.0℃の温度上昇シナリオ下における河川氾濫がもたらす影響を評価し、事業への財務影響を分析しました。分析の結果、2.0℃シナリオにおいては、洪水の高リスク拠点数に大きな変化は見られませんでした。一方、4.0℃シナリオにおいては、2090年にかけて高リスク拠点数が増加し、各拠点で想定される浸水深も大きくなる傾向が見られました。当該シナリオでは、気候変動による一定の財務影響も見込まれております。これらの分析結果に基づいて、今後BCPの見直しや各種災害対策を実施してまいります。
② 安心・安全な社会の実現
当社グループは、安全・運転支援技術の普及や交通安全・防災への取り組みなどを通じて、安心・安全な暮らしができる社会を目指しております。その実現に向けては、「プロパイロット」に代表される先進の運転支援技術をより多くのお客さまに提供するとともに、それを支える整備体制によって毎日の安心・安全をサポートすることに重点を置いて取り組んでおります。
そうしたなかで、中期経営計画においては、ゼロ・フェイタリティにつながる商品・サービスを積極的にご提案していくと同時に、より万全な整備体制を整えていく方針であります。具体的には、お客さまに先進運転支援システムを知って、見て、体感していただくために、体感試乗やバーチャルリアリティを活用した試乗機会をより多く提供するなど、リアルとバーチャルを組み合わせた効果的な訴求に取り組みます。また、特定整備制度の認証取得に向けた整備機器導入や整備士の技術習得、「電子制御システム整備」の体制構築などを推進し、安心・安全なカーライフとモビリティ社会の実現に貢献いたします。
③ 人権の尊重と人的資本の充実
自動車業界の大変革期のなかで、新しい時代を切り開いていくためには、多様な人財の活躍が不可欠と考え、当社グループでは、従業員のスキルアップ支援や活躍支援など、性別や国籍を問わず誰もが働きやすい環境づくりに取り組んでおります。また、一人ひとりの従業員が持つ視点や思考の違いを価値として活かし、個人の能力を最大限に発揮できる企業風土の醸成をめざしております。具体的な取組は次のとおりであります。
1) 人財育成の取組
当社グループは、社員一人ひとりが主体的に向上心を持って成長でき、目指すキャリアを実現できる環境や制度の整備を推進しております。なかでも、日産東京販売㈱では、「組織の持続的成長を実現するため、持続的に成果を上げ、向上心を持って、自ら考え行動できる人財育成」を目指し、各等級に求められる知識・スキルを習得するための独自の人財育成体系を構築しております。2023年度には、希望制の「チャレンジプログラム研修」の講座数を増やしたほか、マネジメント層向けに「マネジメント強化研修」を実施するなど、研修制度の拡充を進めております。さらにマネジメント層向けには、これに加えて「360°サーベイ」も導入し、自身のマネジメント業務を棚卸しすることで、業務の改善およびレベルアップを目指しております。
2) 働きやすい環境づくり
当社グループでは、多様な人財がそれぞれの持つ能力を最大限に発揮できるよう、ワークライフバランスを尊重した働きやすい職場づくりに取り組んでおります。例えば、育児・介護が必要な従業員向けの休業や短時間勤務制度の拡充にも取り組み、2022年4月からは育児短時間勤務の対象期間を小学校卒業までに延長いたしました。また、2023年度には退職者再雇用制度を導入し、ライフスタイルの変化によって退職した従業員の再就職も可能にいたしました。その時々の状況に合わせて活躍し続けられる環境整備を進め、多様な働き方の実現につなげております。このほか、業務におけるDX推進やプロセスの見直しなど、生産性の向上に向けての取り組みを加速させております。今後も、すべての社員が安定して長く活躍でき、新たな働き方にもチャレンジしやすい環境を目指して改善を図ってまいります。
3) ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
① 外国籍従業員の活躍支援
当社グループでは、競争力を向上させるため、多様性を活かしながら、国籍を問わない人財採用を進めております。日産東京販売㈱には79名(2024年3月末現在)の外国籍社員が在籍し、主に点検・整備などのアフターサービスを行うテクニカルスタッフとして欠かせない人財となっております。2022年度には、外国籍専用クラスにおいて、職場のマナー研修を実施したほか、自主的な学習に使用する日本語学習教材を配付いたしました。また、外国籍の新入社員が配属される店舗に対しては、その出身国の文化や特徴などの情報を共有し、相互理解の促進を図っております。2023年度からは、語学のレベルアップを目的に日本語研修やeラーニングを導入したほか、日本人社員向けに「異文化マインドセット&コミュニケーションスキル研修」も導入し、多国籍の人財がお互いを尊重しながら成長できる環境づくりを進めております。
② 女性の活躍推進
当社グループが展開するサービスにおいて、多様なお客さまのカーライフを支えるためには多様な視点や感性が不可欠であります。そうした考えのもと、日産東京販売㈱では、2022年度から2024年度までの期間は、女性活躍推進法に基づく行動計画を掲げ、女性社員の採用・育成に注力し取り組みを推進しております。
4) 社員のエンゲージメント向上
当社グループでは、社員のエンゲージメント向上のため、複数の意識調査を実施しております。その一つである「社員意識調査※」は、日産東京販売㈱の正社員を対象に、年1回実施しております。社員の現状を把握することで経営や人財戦略上の課題を発見し、社員の働く意欲やマネジメントの質の向上につなげております。さらに、「若年層向け意識調査※」も、日産東京販売㈱に在籍する入社1~5年目の社員を対象に毎月1回実施しております。人事アドバイザーが結果数値の変化やコメントを確認・検討し、店舗への訪問やヒアリングを通して、不満や困りごとの改善につなげております。
※「社員意識調査」は日産グループ全体での実施、「若年層向け意識調査」は日産東京販売㈱での実施
④ 地域社会への貢献
当社グループは、モビリティを通じてお客さまに快適な暮らしをお届けし、地域・社会の皆さまと共に繁栄することを目指しております。また、事業活動においてはさまざまな取引先やパートナーとの関係強化も不可欠と考え、ともに成長・繁栄し続けられる関係づくりに取り組んでおります。そうした考えの下、企業市民としての役割をしっかり果たしていくため、2023年8月に「社会貢献推進プロジェクト」を発足し、当社グループにとって最適な社会貢献活動を検討するとともに、その活動を社内に啓発していくための方策を議論しています。具体的な取組は次のとおりであります。
1) 各自治体へのEVおよびパワー・ムーバーの貸与
当社グループでは、人々の安心・安全な暮らしをサポートするため、各自治体と連携し、さまざまな取組を進めております。すでに一部の自治体や警察署と災害連携協定を締結しており、今後も提携先を拡大していく方針であります。具体的な取り組みとしては、各店舗に食品や水、簡易トイレなどを備蓄し、災害時には一時滞在場所として開放するほか、非常用の電源としてEVや可搬型給電器「パワー・ムーバー」を貸与するなどの支援体制を整えており、2019年には台風15号の被害にあった千葉県に対して、当社グループからEV「日産リーフ」とパワー・ムーバーを貸与しました。また、災害発生時に限らず平時においても、地域のイベントで使用する電力をEVやパワー・ムーバーから提供する取り組みなどを行っております。パワー・ムーバーは、2024年6月現在、新車店舗の約8割にあたる83店舗に配備しております。こうした取組は、地域社会への直接的な貢献だけでなく、EVの認知度向上や理解促進にもつながります。今後も当社グループの事業成長に資する重要な取組として、積極的に推進していく方針であります。
2) 地域社会貢献活動
2024年6月には、東京をマーケットにしている企業として地域に貢献するため、東京都が推進する「TOKYOこども見守りの輪プロジェクト」に参画し、親子の防犯意識向上や、地域ぐるみで子どもたちの安全・安心を担う社会気運の醸成を図り、犯罪や事故から子どもたちを守る取り組みを進めてまいります。また、しながわCSR推進協議会が開催する各種イベントへの参画を通じて地域の企業、住民と共に社会貢献活動に関する情報発信・交換を行いながら、環境・防災・教育・福祉・地域活動などさまざまな分野において、社会貢献活動を進めております。また、この活動を皮切りとして、品川区や大田区内の子ども食堂への飲料水や食材の提供などを行っており、高い評価をいただいております。
地域との協力・連携及び未来の消費者である子どもたちへのブランディング、海外の同業者との人財交流を目的とし、近隣の中学校・小学校・幼稚園や、海外政府・海外整備専門学校などからの、職場体験や視察を受け入れております。
また、すべてのお客さまに安心・安全にご来店いただくため、ショールームへのバリアフリートイレ、授乳室の設置を推進しております。

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