有価証券報告書-第71期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/28 15:12
【資料】
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【項目】
111項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、東京都中央卸売市場の公認された水産物卸売業者として、全国各地や海外から集荷した大量の生鮮・冷凍・塩干加工の各水産物の卸売を営む会社を中核とするグループを形成しております。
経営の基本理念として、堅実と信用を旨とし、株主、取引先、従業員そして地域社会に信頼され且つ貢献していくことを心掛けております。
水産物卸売事業におきましては、水産物の生産・加工両面での世界各地における変化や国内消費ニーズの変化を背景に、常に新しい商品や商材の開発を心掛け、種類と量との豊富な品揃えに注力し、各市場の中核を担う卸売会社として責任を果たしてまいります。
冷蔵倉庫事業におきましては、首都圏における物流基幹各地に9工場を配置し、各種冷凍・冷蔵品の保管配送の拠点として食品物流の効率化に努めます。
不動産賃貸事業は保有する資産の有効活用を図りグループ企業の財務の健全化の一翼を担い、荷役事業は水産物卸売事業の市場内での物流を担ってまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、経営目標として今期の連結業績予想に基づき、連結経常利益9億円以上を目指しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
国内外における生産需給事情の変化に即応しつつ取引先との連携を深め、広汎な情報収集と新商品開発への前向きな取組みによって集荷販売力を強化するとともに、信用力の根幹である財務体質とコンプライアンス体制の強化に努めてまいります。
また、グループ各社がもつそれぞれの機能を融合し相互に協働する仕組みを構築して、市場内外における水産物流通機能を強固なものとし、激しさ増す競争に勝ち残り続ける企業となることを目指します。
(4)会社の経営環境
水産物卸売市場業界は、世界的な水産資源の減少と資源保全のための漁獲規制の強化に加え、健康志向の高まりや和食のグローバル化が進んだ結果、国際的な水産物の需要増により、集荷販売に苦戦しております。一方、国内では産地直送やネット通販等の増加により水産物の市場経由率が低下し、いわゆる市場外流通がますます増加しており、市場外卸売業との販売競争が激しさを増しております。さらに、高齢化に加え近年は単身生活者の増加により消費構造が急速に変化し、これに対応するため量販店、外食産業とも流通、加工、販売の各段階で改善、改革を急いでおり、看過できない状況となっております。
一方、政府は平成30年3月に、卸売市場法の一部改正案を決定し、国会に提出しており、承認されれば平成32年6月に施行されます。改正案では、卸売市場がこれまでの「認可制」から「認定制」へ移行するほか、これまで原則禁止とされてきた第三者販売、直荷引き等の取引ルールは市場ごとに定めることが可能となるなど、従来の卸売市場の根幹に係るところまで制度改革が行われます。
(5)会社の対処すべき課題
平成28年に延期された豊洲新市場の開場が平成30年10月11日に決定いたしました。当社グループが長年、水産物卸売事業の拠点としてきた築地市場では、移転に向けた準備が急ピッチで進んでおります。豊洲市場は高床・閉鎖型施設で卸売場内では鮮度保持のための温度管理が行われるなど、平面・解放型の築地市場とは施設環境が大きく異なり、また、多層構造のため平面平場である築地市場とは、場内物流が大きく変化することになるため、効率的な場内搬送が最重要課題になります。これに対処するため当社といたしましては、豊洲市場において水産物の集荷販売が円滑に進むよう同業他社と協力して課題解決に注力してまいります。同時に、濾過海水供給施設等に設備投資された資金返済に加えて、電気料等の運営コスト増が必至であることから、財務体質の強化はもとより、効率的な業務運用に向け改善・改革を進めてまいります。また、勤務地が変わることにより役職員の通勤経路・時間の変更や新事務所での勤務態様など働き方改革にも傾注し、能率のより一層の向上を目指してまいります。
こうした豊洲新市場への移転や卸売市場制度の変化に対処するため、当社は平成30年4月に組織変更を実施いたしました。従来の営業本部を第一営業本部と第二営業本部に再編し、営業方針等の意思決定の迅速化と幹部社員から現場社員への指揮、伝達系統の再構築を目指すものであります。また、当社グループ各社が持つ冷蔵保管、リテールサポート、物流の各機能を有機的に結び付ける役割を新組織に持たせ、当社グループの主力事業である生鮮水産物の集荷販売をさらに拡充させることといたします。
冷蔵倉庫事業におきましては、平成30年2月に埼玉県比企郡川島町において「川島物流センター(収容トン数:60,000トン)」の建設に着手いたしました。平成31年4月に稼働の予定であります。また、平成30年10月の豊洲市場の開場に伴い、豊洲冷蔵庫が稼働し、築地冷蔵庫の業務は終了いたします。各施設を有効に利用しグループ各社との連携による集荷、保管、加工、配送のトータル物流サービスを担いつつ、着実な事業の拡充を図ってまいります。また、中国・大連の冷凍加工場は設立後4年を経過しましたが、同国の物流事情の進展に合わせ経営に取り組んでまいります。
不動産賃貸事業におきましては、現有賃貸物件のサービス向上やメンテナンス強化等によって高稼働率を維持してまいります。当社が保有し社宅として使用している築地ビル(東京都中央区築地7丁目)に関しましては周辺の開発計画の提案を受け建替えを決定いたしておりますが、その他の不動産物件につきましても、多くが建設後40年を経過し老朽化が進んでおりますので、資産の有効活用に向け検討を進めてまいります。
荷役事業におきましては、業務の効率化に向けて合理的な人員配置と経費の節減に取り組む所存でありますが、平成30年10月に開場する豊洲市場においては当社グループの中央小揚株式会社において、新しい物流に対処すべく体制を整えてまいりますとともに、配送事業をさらに強化し新たな顧客を獲得し収益を確保してまいる所存であります。
当社グループは、関連事業も含めて卸売市場における公共的使命を担う企業として食の安全・安心の重要性を従来にも増して強く認識し、消費者が安心して食することのできる安全な商品の取り扱いに最大限の注力をしてまいる所存です。さらに、コンプライアンスの向上、社会規範の順守、品質管理の徹底、債権管理強化等による健全な財務体質の構築、商品の適正在庫量の管理強化、物流費等のコスト削減、顧客ニーズに対応した新商品開発、グループ内人員配置の適正化、グループ会社間の連携による拡販などに意を用い取引先各位に信頼され、社会から必要とされる企業グループとして努力してまいります。

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