有価証券報告書-第72期(2024/02/01-2025/01/31)
② 戦略
当社グループの事業活動に影響を与える可能性がある気候関連のリスクと機会を、シナリオ分析によって特定し影響度を評価いたしました。この結果を踏まえて、影響度の大きいリスクの低減と機会の獲得に向けた対応策を検討しております。
抽出した重要リスクの中では、中長期的に「温室効果ガス排出規制強化と炭素賦課金の上昇」が最も大きな財務インパクトになると考えております。当社グループの主要事業であるディストリビューター(業務用食品卸売)事業は全国の主要都市に事業所を置いておりますが、各事業所には在庫保管用の常温倉庫と冷凍・冷蔵庫を設置しております。一方、キャッシュアンドキャリー(業務用食品現金卸売)事業も全国に展開している90数店舗で冷凍ショーケースや在庫保管用の冷凍・冷蔵庫を設置しております。今後、温室効果ガス排出規制が強化されるとこうした冷凍・冷蔵庫の冷媒を自然冷媒に入れ替えるなどの必要性が出てくることが想定されます。また、ディストリビューター事業では自社トラックで得意先への配送を行っておりますが、現状配送用トラックはガソリンまたは軽油を使用した車両であります。今後、温室効果ガス抑制のため、これらをハイブリット車両やEV車両などに置き換えていくことも必要になってくると考えられます。こうした対応を進めることは、今後賦課金額が高くなると予想される炭素賦課金の負担軽減にもつながりますので、当社グループとしては計画的に設備・車両の更新投資を行っていきたいと考えております。一方、当社では比較的規模の大きい事業所や駐車場を利用して太陽光パネルによる発電を行っており、こうした再生エネルギーの活用も継続してまいります。以上の通り、当社グループはこれからも当社事業に関わるステークホルダーの皆さまとともに持続可能な社会の実現に資する取り組みを計画的に進めてまいります。
当社グループの事業活動に影響を与える可能性がある気候関連のリスクと機会を、シナリオ分析によって特定し影響度を評価いたしました。この結果を踏まえて、影響度の大きいリスクの低減と機会の獲得に向けた対応策を検討しております。
| 分類 | シナリオ | 想定リスク・機会 | 事業への影響 | 対応策 | |
| リスク | 移行 リスク | 化石燃料由来エネルギーの規制強化と再生エネルギーの普及 | 温室効果ガス排出規制強化と炭素賦課金の上昇 | ・排出規制対応のための投資額増加 ・(賦課金による)電力、ガソリン価格の高騰によるコスト増 | ・排出規制に対応した設備(冷凍庫や車両など)への計画的な置換え ・再生エネルギーの導入 |
| 温暖化による気温上昇、海水位上昇 | 天然・養殖資源の減少、産地の変化 | ・取扱品の調達難によるコスト上昇と販売機会の減少 ・原料、商品産地の遠隔化による調達コストの上昇 ・コーヒー不作、産地変化による相場の上昇 | ・複数仕入先、産地の確保 ・仕入先との情報や課題の共有など協力関係維持・強化 ・代替品の開発促進 | ||
| 温暖化による気温上昇や大雨などの頻発 | 環境負荷の低い商品への消費者意識の一層の高まり | ・環境負荷の高い既存商品の需要減による売上減少 | ・環境負荷の低い調達方法の確立 ・環境負荷の低いPB商品の開発 ・環境負荷の低い配送方法の導入 | ||
| 脱炭素への取組遅れ | 得意先・消費者や投資家の評判悪化 | ・環境意識の高い外食企業との取引機会の喪失 ・持続可能な社会実現への取組が遅いという評価による投資家離れと株価低迷 | ・温室効果ガス排出量削減に向けた計画的な取組み、投資の継続 ・適時適切な情報開示 | ||
| 物理的 リスク | 風雨の増大・長期化、海水位上昇 | 異常気象の激甚化 | ・事業所の建物被災とそれによる事業停止、商品破損 | ・水害予防、耐震工事等の実施 ・懸念事業所の計画的移転 ・BCPの周知徹底 | |
| 温暖化による日常的な気温上昇 | 倉庫など作業現場の高温化による作業性低下 | ・冷房設備などの抜本的な見直しによるコスト増加 ・通院等による業務停滞 | ・計画的な設備投資 ・倉庫の自動化などDXの推進 ・時差出勤など柔軟な働き方の導入 | ||
| 機会 | 温暖化による気温上昇や大雨などの頻発 | 環境に配慮した商品・サービスへの得意先・消費者・学生の関心の高まり | ・環境配慮商品やサービスの提供など環境を意識した経営実践企業としての評価による販売機会の増加、採用応募者の増加 | ・環境配慮型商品、サービスの開発拡充 ・環境負荷の低い輸送体制の拡充 ・適時適切な情報開示 | |
| 脱炭素への世の中の関心の高まり | 環境負荷を低減する新しい設備の開発普及とそれによる導入コストの低下 | ・計画的、継続的な設備刷新の進捗 ・燃料費(炭素賦課金)の抑制 | ・配送車両の脱炭素化、電灯のLED化推進 ・環境負荷のより低い冷媒の採用 ・太陽光発電による再生可能エネルギーの利用拡大 | ||
| 温暖化による気温上昇、海水位上昇 | 産地の変化や資源の減少などによる商品調達の不安定化とコスト増 | ・仕入先との長年の取引関係に基づく代替品などの安定的な調達 | ・仕入先との情報や課題の共有など協力関係維持・強化 | ||
抽出した重要リスクの中では、中長期的に「温室効果ガス排出規制強化と炭素賦課金の上昇」が最も大きな財務インパクトになると考えております。当社グループの主要事業であるディストリビューター(業務用食品卸売)事業は全国の主要都市に事業所を置いておりますが、各事業所には在庫保管用の常温倉庫と冷凍・冷蔵庫を設置しております。一方、キャッシュアンドキャリー(業務用食品現金卸売)事業も全国に展開している90数店舗で冷凍ショーケースや在庫保管用の冷凍・冷蔵庫を設置しております。今後、温室効果ガス排出規制が強化されるとこうした冷凍・冷蔵庫の冷媒を自然冷媒に入れ替えるなどの必要性が出てくることが想定されます。また、ディストリビューター事業では自社トラックで得意先への配送を行っておりますが、現状配送用トラックはガソリンまたは軽油を使用した車両であります。今後、温室効果ガス抑制のため、これらをハイブリット車両やEV車両などに置き換えていくことも必要になってくると考えられます。こうした対応を進めることは、今後賦課金額が高くなると予想される炭素賦課金の負担軽減にもつながりますので、当社グループとしては計画的に設備・車両の更新投資を行っていきたいと考えております。一方、当社では比較的規模の大きい事業所や駐車場を利用して太陽光パネルによる発電を行っており、こうした再生エネルギーの活用も継続してまいります。以上の通り、当社グループはこれからも当社事業に関わるステークホルダーの皆さまとともに持続可能な社会の実現に資する取り組みを計画的に進めてまいります。