有価証券報告書-第59期(令和3年1月1日-令和3年12月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社及び連結子会社は、「がんばれ!!日本のモノづくり」を企業メッセージとして掲げ、製造業や建設・建築現場を含む幅広いモノづくり現場で必要とされる工具、作業用品、作業用消耗品、機器類などの“PRO TOOL”[間接資材]や約7万9,500アイテムに及ぶプライベート・ブランド商品“TRUSCO”を自社開発商品として取り扱う卸売業としてモノづくり現場のお役に立つことを経営の基本方針としています。
モノづくり現場では、多様化する生産活動において間接資材を「必要な時に」「必要なモノを」「必要なだけ」調達することが効率的な生産活動につながるといったニーズがあります。この需要に的確にお応えするため、取扱アイテムの拡大や即納などの付加価値の高い物流システム、AIを活用したAI見積「即答名人」[見積自動化システム]などの新たなサービス、商品データベースを含むデジタル機能を構築・強化することで存在価値を高め、モノづくり現場に貢献するよう努めています。
また、当社はプロツールサプライヤーとして、いつの時代も日本のモノづくりのお役に立ち続ける企業でありたいと考えています。「人や社会のお役に立ててこそ事業であり、企業である」というこころざしのもと、事業を通じて社会価値と企業価値の両方を生み出すことで、社会課題の解決や持続可能な地域社会へ貢献することをサステナビリティの基本方針としています。
(2)目標とする経営指標
独創的な企業として存在価値を高めるために優先すべきは、数値目標ではなく、能力目標と考えており、どのような能力を持った企業になりたいのかという発想を重要視しています。「人や社会のお役に立ててこそ事業であり、企業である」というこころざし、「問屋を極める、究める」という指針を念頭に、お客様や社会から必要とされる企業を目指します。
<能力目標>①2030年までに在庫100万アイテムを保有できる企業になりたい。
②1日24時間受注、1年365日出荷できる企業になりたい。
③欠品、誤受注、誤出荷のない企業になりたい。
④棚卸作業のない企業になりたい。
⑤問屋であってもユーザー様直送出荷をストレスなくできる企業になりたい。
⑥お見積りに瞬時にお応えできる企業になりたい。
⑦業界「最速」「最短」「最良」の納品を実現できる会社になりたい。
⑧可能な限り環境負担の小さい企業になりたい。
⑨リサイクル、リユース、リターナブルにも積極的な企業になりたい。
⑩日本のモノづくりを支えるプラットフォーマーになりたい。
⑪業界の常識、習慣、定説、定石を塗り替えることのできる企業になりたい。
<重要指標>能力目標を着実に達成するために、以下の重要指標を活用することで、企業価値の向上を図ります。
(3)今後の見通し
<業績予想>
(注)1 プライベート・ブランド商品の数値は個別業績です。
2 令和4年12月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用するため、令和4年12月期の業績予想は当会計基準等の適用後の金額です。 そのため、当会計基準等適用前の
令和3年12月期に対する実績比は記載していません。なお、当会計基準等適用前の令和4年12月期業績
予想は、2,461億69百万円(対前期比+7.3%)です。
次連結会計年度における当社及び連結子会社の事業環境は、「コロナ後」を見据えた設備投資需要の高まりや自動車生産の回復、輸出が好調な生産用機械・業務用機械などの需要が高水準に維持されることが予想され、景況感は回復すると見込んでいます。しかしながら、景気を左右する新型コロナウイルス感染症の度重なる拡大状況や資源価格の動向に不透明感があり、先行きについて慎重とならざるを得ない状態です。
次連結会計年度においても、モノづくり現場で必要とされる少量多品種の商品ニーズに的確にお応えするために、必要な設備投資を継続します。物流設備の導入やシステム開発、適正な在庫拡充を継続することで、ファクトリールートや、eビジネスルートの売上高の更なる増加を見込んでいます。また、ホームセンタールートに関しても、売り場の改善提案や、当社のサービスを提案することで、主力得意先様の帳合獲得を目指します。加えて、海外ルートでは引き続き子会社のTRUSCO NAKAYAMA CORPORATION (THAILAND)LIMITED 及びPT.TRUSCO NAKAYAMA INDONESIAや海外部の諸外国向け販売において、EC企業向けの商品データ提供を加速させることで、既存得意先様の売上高の増加や新規得意先様の開拓を図ります。
販売費及び一般管理費につきましては、売上の拡大に伴う出荷量増による運賃及び荷造費の増加、また新型コロナウイルス感染症の影響で中断していた各種イベントの再開にかかる費用の増加などを見込んでおり、合計374億70百万円を予想しています。
これらの施策を実行することで、様々な市場のニーズに対応できる体制の構築を進め、お客様の利便性向上を図り、事業戦略を強化することで、令和4年12月期は売上高・経常利益の増加を見込んでいます。
次連結会計年度の連結業績に関しては、売上高2,435億円、経常利益146億円、親会社株主に帰属する当期純利益99億60百万円、1株当たり当期純利益は151円04銭、年間配当金38円00銭を予想しています。
(4)会社の経営環境及び対処すべき課題
製造業を中心としたモノづくり現場において、少量多品種の商品ニーズは今後も高まることが予想されます。そのニーズにお応えするためには、ネット通販企業の台頭やAI、IoTといったIT関連が発展していく中で、継続して物流やデジタル分野への投資を強化していく必要があります。また商品、物流、販売、デジタル、人事を柱とした5つの経営戦略を着実に実施していくことが、企業価値拡大の最も重要な要素であると考えます。
①商品戦略
業界最大レベルの在庫(約50万アイテム)を更に拡大するために、海外ブランドを含めた取扱アイテム数をますます充実させるとともに、紙媒体である「トラスコ オレンジブック」とデジタル媒体の「トラスコ オレンジブック.Com」の検索性を高めることで、商品供給力を高め、ひいてはお客様の利便性を高めます。
モノづくり現場に必要な“PRO TOOL” [間接資材]を中心に取扱メーカー及び商品の拡大を継続します。また、国内の仕入先様との取組み強化のために、東京・大阪に商品部をそれぞれ設置しています。更に、日本の市場では希少価値の高い海外ブランド商品の販売権獲得を強化するため海外商品部を新設し、ドイツオフィスを設置するとともに、品質向上が著しい中国やASEANからのプライベート・ブランド商品の調達を加速するため台湾オフィスとタイオフィスを新設しました。商品データベースである「Sterra(ステラ)」の商品情報を充実させるために、仕入先様との連携を強化し、検索性と取扱アイテム数の拡充スピードを高め、商品供給力の更なる強化を行います。
②物流戦略
「物流を制する者が商流を制す」という信念のもと、最先端の物流設備を増強し、ユーザー様直送機能を強化することで、更なる納品スピードの向上を図ります。物流センター27か所及び全国に29か所ある在庫保有支店では、各地域の市場のニーズに即した在庫拡充を進め、受注頻度の高い商品の在庫拡充や配送網を再整備し、即納体制の強化、物流コストの低減につなげることでお客様の利便性向上に努めます。移転・集約後の物流センター及び支店の社屋や土地をストックセンターとし、プラネット物流センターのバックヤードとして有効活用しています。社屋の増築及びマテハン機器の導入による自動化・省人化を加速させることで出荷効率の向上を図り、ユーザー様直送の強化を行っています。
③販売戦略
最先端のデジタル技術を駆使することで、新たなビジネススタイルを確立し、お客様のビジネスチャンスの拡大につなげていきます。「トラスコ オレンジブック」及び「トラスコ オレンジブック.Com」の活用とワンストップでの商品調達が可能な仕組みを構築し、約276万アイテムに及ぶ取扱アイテム数や、約50万アイテムの在庫を最大限活用することで、取引先様との関係強化を図ります。また、エネルギーや梱包資材などの資源消費削減につながるユーザー様直送サービスや、修理工房「直治郎」のリユースサービスなどを強化することで環境負荷の低減に努めます。更に、新たなサービスとして、ユーザー様の工場に置き薬ならぬ置き工具「MROストッカー」を設置することでいつでも商品の調達が可能となり、ユーザー様の利便性向上につなげます。
④デジタル戦略
業界最高の利便性提供を目指して、AIの導入など今後も継続して積極的な投資を行い、デジタル技術を活かした新たなサービスを構築していきます。令和2年1月より基幹システムのリニューアルを実施し、AI見積「即答名人」[見積自動化システム]や売れ筋商品の自動在庫化、得意先様からの見積依頼等のアナログ主体の業務をデジタル化するための仕入先様との業務連携サイト「POLARIO」などを中心とした業務効率の向上により、得意先様、仕入先様とのデジタル連携を強化、双方のユーザビリティを追求することで、より円滑な商取引を実施します。また、自然言語(口語)による商品絞込みツール「トラスコ AIオレンジレスキュー」の活用を促進することで、検索性を向上させます。更に、ユーザー様の工場に置き薬ならぬ置き工具「MROストッカー」を設置することでいつでも商品の調達が可能となるサービスの導入を加速させるとともに、ユーザー様直送機能を強化します。加えて、事業継続におけるリスクを軽減するためにシステムセキュリティの強化を継続します。従来の事業活動に加え、これらの活動が評価され、令和3年6月には経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」において、「DX銘柄2021」に選定されました。当社は令和2年に「DXグランプリ2020」を受賞し、2年連続で「DX銘柄」に選定されております。社内の業務改革やサプライチェーン全体の商習慣を変えていくことで今後も新たなサービスを構築していきます。
⑤人事戦略
あらゆる分野において、独創的な発想で活躍できる多様な人材を育てるため、部門を超えたジョブローテーションを実施しながら、個人の能力を最大限引き出す仕組みや制度を導入し、長く安心して働ける環境を作っています。また、評価制度においては、上司だけでなく、周囲の人が相互に評価しあうオープンジャッジシステム(OJS=360度評価)が、人事考課や昇格などの人事処遇に至るまで運用されています。在庫拡充の強化や1日24時間受注、1年365日出荷を実現していく中で、人員の適正化や業務の平準化を図り、一層の業務効率向上にもつなげていきます。従業員が長く安心して働ける環境づくりに加え、独自の人事制度を実行していくことで、一人ひとりの成長、そして会社の成長につなげます。
(1)会社の経営の基本方針
当社及び連結子会社は、「がんばれ!!日本のモノづくり」を企業メッセージとして掲げ、製造業や建設・建築現場を含む幅広いモノづくり現場で必要とされる工具、作業用品、作業用消耗品、機器類などの“PRO TOOL”[間接資材]や約7万9,500アイテムに及ぶプライベート・ブランド商品“TRUSCO”を自社開発商品として取り扱う卸売業としてモノづくり現場のお役に立つことを経営の基本方針としています。
モノづくり現場では、多様化する生産活動において間接資材を「必要な時に」「必要なモノを」「必要なだけ」調達することが効率的な生産活動につながるといったニーズがあります。この需要に的確にお応えするため、取扱アイテムの拡大や即納などの付加価値の高い物流システム、AIを活用したAI見積「即答名人」[見積自動化システム]などの新たなサービス、商品データベースを含むデジタル機能を構築・強化することで存在価値を高め、モノづくり現場に貢献するよう努めています。
また、当社はプロツールサプライヤーとして、いつの時代も日本のモノづくりのお役に立ち続ける企業でありたいと考えています。「人や社会のお役に立ててこそ事業であり、企業である」というこころざしのもと、事業を通じて社会価値と企業価値の両方を生み出すことで、社会課題の解決や持続可能な地域社会へ貢献することをサステナビリティの基本方針としています。
(2)目標とする経営指標
独創的な企業として存在価値を高めるために優先すべきは、数値目標ではなく、能力目標と考えており、どのような能力を持った企業になりたいのかという発想を重要視しています。「人や社会のお役に立ててこそ事業であり、企業である」というこころざし、「問屋を極める、究める」という指針を念頭に、お客様や社会から必要とされる企業を目指します。
<能力目標>①2030年までに在庫100万アイテムを保有できる企業になりたい。
②1日24時間受注、1年365日出荷できる企業になりたい。
③欠品、誤受注、誤出荷のない企業になりたい。
④棚卸作業のない企業になりたい。
⑤問屋であってもユーザー様直送出荷をストレスなくできる企業になりたい。
⑥お見積りに瞬時にお応えできる企業になりたい。
⑦業界「最速」「最短」「最良」の納品を実現できる会社になりたい。
⑧可能な限り環境負担の小さい企業になりたい。
⑨リサイクル、リユース、リターナブルにも積極的な企業になりたい。
⑩日本のモノづくりを支えるプラットフォーマーになりたい。
⑪業界の常識、習慣、定説、定石を塗り替えることのできる企業になりたい。
<重要指標>能力目標を着実に達成するために、以下の重要指標を活用することで、企業価値の向上を図ります。
| 項目 | 実績 | 目標 | ||
| 第59期 令和3年12月期 実績(連結) | 第60期 令和4年12月期 計画(連結) | 第61期 令和5年12月期 計画(連結) | 第62期 令和6年12月期 計画(連結) | |
| 見積自動化率(%) | 18.2 | 24.0 | 30.0 | 32.0 |
| WEB見積依頼率(%) | 42.7 | 47.0 | 53.0 | 56.0 |
| システム受注率(%) | 85.3 | 87.0 | 89.0 | 90.0 |
| PB商品アイテム数 (総アイテム数) | 79,500 | 90,000 | 100,000 | 111,000 |
| トラスコ オレンジブック.Com 公開アイテム数 | 2,760,887 | 5,050,000 | 5,800,000 | 7,200,000 |
| 総仕入先数 | 2,966 | 3,220 | 3,500 | 3,790 |
| 国内仕入先数 | 2,662 | 2,860 | 3,080 | 3,300 |
| 海外仕入先数 | 304 | 360 | 420 | 490 |
| トラスコ オレンジブック 掲載メーカー数 | 1,948 | 2,110 | 2,330 | 2,530 |
| トラスコ オレンジブック 掲載アイテム数 | 508,000 | 500,000 | 500,000 | 500,000 |
| 在庫アイテム数 | 499,964 | 550,000 | 610,000 | 670,000 |
| 内)商品自動採用数 | 7,494 | 13,800 | 20,100 | 26,400 |
| 在庫総個数 | 48,787,614 | 53,600,000 | 58,200,000 | 62,500,000 |
| 在庫金額(百万円) | 42,627 | 43,760 | 44,760 | 45,760 |
| 得意先法人数 | 5,527 | 5,580 | 5,630 | 5,680 |
| 得意先口座数 | 29,561 | 31,000 | 32,500 | 34,000 |
| オレンジコマース接続企業数 | 2,042 | 2,400 | 2,800 | - |
| MROストッカー導入企業数 | 329 | 1,409 | 2,489 | - |
| ユーザー直送個口数 | 2,836,392 | 3,800,000 | 4,700,000 | 5,600,000 |
| ユーザー直送行数 | 3,396,286 | 4,000,000 | 5,000,000 | 6,000,000 |
| 入出荷1行当たり人件費(円) | 117 | 111 | 106 | 101 |
| 在庫出荷率(%) | 91.3 | 91.5 | 92.0 | 92.5 |
| 傭車配達便数 | 161 | 154 | 143 | 134 |
| 自社配達便数 | 117 | 127 | 138 | 147 |
| 自社配達便率(%) | 42.1 | 45.2 | 49.1 | 52.3 |
| 納品リードタイム | 20時間06分53秒 | - | - | - |
| 1人あたり月平均残業時間(時間) | 14.4 | 14.4 | - | - |
(3)今後の見通し
<業績予想>
| 令和3年12月期 (個別) | 令和3年12月期 (連結) | 令和4年12月期 (連結) | ||||
| 実績 | 前期 実績比 | 実績 | 当連結会計年度 予算比 | 予算 | 前連結会計年度 実績比 | |
| 売上高(百万円) | 228,906 | +7.4% | 229,342 | +0.8% | 243,500 | ― |
| ファクトリールート | 164,605 | +5.0% | 164,605 | +0.2% | 171,782 | ― |
| eビジネスルート | 44,668 | +16.3% | 44,668 | +2.1% | 50,097 | ― |
| ホームセンタールート | 18,373 | +8.1% | 18,373 | +3.8% | 19,455 | ― |
| 海外ルート | 1,258 | +22.2% | 1,694 | △1.5% | 2,164 | ― |
| 営業利益(百万円) | 12,903 | +16.2% | 12,891 | △2.1% | 14,250 | ― |
| 経常利益(百万円) | 13,596 | +16.9% | 13,572 | △1.8% | 14,600 | ― |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益(百万円) | 11,635 | +43.9% | 11,603 | △3.1% | 9,960 | ― |
| 1株当たり当期純利益 | 176円45銭 | +53円83銭 | 175円97銭 | △5円55銭 | 151円04銭 | △24円93銭 |
| 1株当たり年間配当金 | - | - | 35円50銭 | △1円00銭 | 38円00銭 | +2円50銭 |
| プライベート・ブランド商品 売上高(百万円) 構成比率(%) | 43,445 19.0% | +5.2% △0.4pt | 43,445 19.0% | △1.3% △0.4pt | 46,626 19.1% | ― ― |
(注)1 プライベート・ブランド商品の数値は個別業績です。
2 令和4年12月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用するため、令和4年12月期の業績予想は当会計基準等の適用後の金額です。 そのため、当会計基準等適用前の
令和3年12月期に対する実績比は記載していません。なお、当会計基準等適用前の令和4年12月期業績
予想は、2,461億69百万円(対前期比+7.3%)です。
次連結会計年度における当社及び連結子会社の事業環境は、「コロナ後」を見据えた設備投資需要の高まりや自動車生産の回復、輸出が好調な生産用機械・業務用機械などの需要が高水準に維持されることが予想され、景況感は回復すると見込んでいます。しかしながら、景気を左右する新型コロナウイルス感染症の度重なる拡大状況や資源価格の動向に不透明感があり、先行きについて慎重とならざるを得ない状態です。
次連結会計年度においても、モノづくり現場で必要とされる少量多品種の商品ニーズに的確にお応えするために、必要な設備投資を継続します。物流設備の導入やシステム開発、適正な在庫拡充を継続することで、ファクトリールートや、eビジネスルートの売上高の更なる増加を見込んでいます。また、ホームセンタールートに関しても、売り場の改善提案や、当社のサービスを提案することで、主力得意先様の帳合獲得を目指します。加えて、海外ルートでは引き続き子会社のTRUSCO NAKAYAMA CORPORATION (THAILAND)LIMITED 及びPT.TRUSCO NAKAYAMA INDONESIAや海外部の諸外国向け販売において、EC企業向けの商品データ提供を加速させることで、既存得意先様の売上高の増加や新規得意先様の開拓を図ります。
販売費及び一般管理費につきましては、売上の拡大に伴う出荷量増による運賃及び荷造費の増加、また新型コロナウイルス感染症の影響で中断していた各種イベントの再開にかかる費用の増加などを見込んでおり、合計374億70百万円を予想しています。
これらの施策を実行することで、様々な市場のニーズに対応できる体制の構築を進め、お客様の利便性向上を図り、事業戦略を強化することで、令和4年12月期は売上高・経常利益の増加を見込んでいます。
次連結会計年度の連結業績に関しては、売上高2,435億円、経常利益146億円、親会社株主に帰属する当期純利益99億60百万円、1株当たり当期純利益は151円04銭、年間配当金38円00銭を予想しています。
(4)会社の経営環境及び対処すべき課題
製造業を中心としたモノづくり現場において、少量多品種の商品ニーズは今後も高まることが予想されます。そのニーズにお応えするためには、ネット通販企業の台頭やAI、IoTといったIT関連が発展していく中で、継続して物流やデジタル分野への投資を強化していく必要があります。また商品、物流、販売、デジタル、人事を柱とした5つの経営戦略を着実に実施していくことが、企業価値拡大の最も重要な要素であると考えます。
①商品戦略
業界最大レベルの在庫(約50万アイテム)を更に拡大するために、海外ブランドを含めた取扱アイテム数をますます充実させるとともに、紙媒体である「トラスコ オレンジブック」とデジタル媒体の「トラスコ オレンジブック.Com」の検索性を高めることで、商品供給力を高め、ひいてはお客様の利便性を高めます。
モノづくり現場に必要な“PRO TOOL” [間接資材]を中心に取扱メーカー及び商品の拡大を継続します。また、国内の仕入先様との取組み強化のために、東京・大阪に商品部をそれぞれ設置しています。更に、日本の市場では希少価値の高い海外ブランド商品の販売権獲得を強化するため海外商品部を新設し、ドイツオフィスを設置するとともに、品質向上が著しい中国やASEANからのプライベート・ブランド商品の調達を加速するため台湾オフィスとタイオフィスを新設しました。商品データベースである「Sterra(ステラ)」の商品情報を充実させるために、仕入先様との連携を強化し、検索性と取扱アイテム数の拡充スピードを高め、商品供給力の更なる強化を行います。
②物流戦略
「物流を制する者が商流を制す」という信念のもと、最先端の物流設備を増強し、ユーザー様直送機能を強化することで、更なる納品スピードの向上を図ります。物流センター27か所及び全国に29か所ある在庫保有支店では、各地域の市場のニーズに即した在庫拡充を進め、受注頻度の高い商品の在庫拡充や配送網を再整備し、即納体制の強化、物流コストの低減につなげることでお客様の利便性向上に努めます。移転・集約後の物流センター及び支店の社屋や土地をストックセンターとし、プラネット物流センターのバックヤードとして有効活用しています。社屋の増築及びマテハン機器の導入による自動化・省人化を加速させることで出荷効率の向上を図り、ユーザー様直送の強化を行っています。
③販売戦略
最先端のデジタル技術を駆使することで、新たなビジネススタイルを確立し、お客様のビジネスチャンスの拡大につなげていきます。「トラスコ オレンジブック」及び「トラスコ オレンジブック.Com」の活用とワンストップでの商品調達が可能な仕組みを構築し、約276万アイテムに及ぶ取扱アイテム数や、約50万アイテムの在庫を最大限活用することで、取引先様との関係強化を図ります。また、エネルギーや梱包資材などの資源消費削減につながるユーザー様直送サービスや、修理工房「直治郎」のリユースサービスなどを強化することで環境負荷の低減に努めます。更に、新たなサービスとして、ユーザー様の工場に置き薬ならぬ置き工具「MROストッカー」を設置することでいつでも商品の調達が可能となり、ユーザー様の利便性向上につなげます。
④デジタル戦略
業界最高の利便性提供を目指して、AIの導入など今後も継続して積極的な投資を行い、デジタル技術を活かした新たなサービスを構築していきます。令和2年1月より基幹システムのリニューアルを実施し、AI見積「即答名人」[見積自動化システム]や売れ筋商品の自動在庫化、得意先様からの見積依頼等のアナログ主体の業務をデジタル化するための仕入先様との業務連携サイト「POLARIO」などを中心とした業務効率の向上により、得意先様、仕入先様とのデジタル連携を強化、双方のユーザビリティを追求することで、より円滑な商取引を実施します。また、自然言語(口語)による商品絞込みツール「トラスコ AIオレンジレスキュー」の活用を促進することで、検索性を向上させます。更に、ユーザー様の工場に置き薬ならぬ置き工具「MROストッカー」を設置することでいつでも商品の調達が可能となるサービスの導入を加速させるとともに、ユーザー様直送機能を強化します。加えて、事業継続におけるリスクを軽減するためにシステムセキュリティの強化を継続します。従来の事業活動に加え、これらの活動が評価され、令和3年6月には経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」において、「DX銘柄2021」に選定されました。当社は令和2年に「DXグランプリ2020」を受賞し、2年連続で「DX銘柄」に選定されております。社内の業務改革やサプライチェーン全体の商習慣を変えていくことで今後も新たなサービスを構築していきます。
⑤人事戦略
あらゆる分野において、独創的な発想で活躍できる多様な人材を育てるため、部門を超えたジョブローテーションを実施しながら、個人の能力を最大限引き出す仕組みや制度を導入し、長く安心して働ける環境を作っています。また、評価制度においては、上司だけでなく、周囲の人が相互に評価しあうオープンジャッジシステム(OJS=360度評価)が、人事考課や昇格などの人事処遇に至るまで運用されています。在庫拡充の強化や1日24時間受注、1年365日出荷を実現していく中で、人員の適正化や業務の平準化を図り、一層の業務効率向上にもつなげていきます。従業員が長く安心して働ける環境づくりに加え、独自の人事制度を実行していくことで、一人ひとりの成長、そして会社の成長につなげます。