半期報告書-第119期(2024/04/01-2025/03/31)
研究開発活動
当社グループは、独創技術の開発を基本理念として、新素材の開発から製品の開発、さらに生産技術の開発に至るまで積極的な研究開発活動を行っております。医薬事業においては当社を中心に、その他の事業においては当社及び連結子会社が連携、協力して先進技術の研究開発を進めております。
なお、当中間連結会計期間の研究開発費の総額は112億5百万円であります。
[医薬事業]
当社グループは、医療用医薬品、OTC医薬品(一般用医薬品)・ヘルスケア品を中心とした医薬品、医療機器、衛生雑貨など健康・医療に関わるさまざまな事業に幅広く取り組んでおり、各事業が相互に連携して研究開発を進めております。
<医療用医薬品>医療用医薬品では、生活習慣病領域、免疫・炎症領域及び感覚器領域に焦点を当てて研究開発に取り組んでいます。さらに世界の人々の健康に貢献すべく、海外事業所を拠点として研究開発品目のグローバル展開を推進しております。
医療用医薬品の研究開発状況は以下のとおりです。
・上記は臨床開発段階にある品目のみを掲載しており、それ以前のステージにある品目は掲載しておりません。全てのパイプラインを掲載している訳ではありません。
・臨床開発段階にある品目とは、最初の臨床試験に係る試験開始に関する薬事手続き(米国:IND、欧州:CTA、日本:治験計画届書、又は他地域での類似手続き)を行った後、承認取得を意図する全ての地域で承認取得を完了していない、又は臨床開発活動の中止/中断が決定されていない品目と定義しております。
・国際一般名(INN)が決定している品目は一般名、それ以前の品目は開発コードを記載しております。
・国及び地域により開発段階が異なる品目では、最も進んだ開発段階のみを掲載しております(承認申請中の国名は併記いたします)。
・承認取得済の品目であっても、新適応取得を目的とした臨床開発段階にある品目は上記に掲載しております。
これらに続く新医薬品候補化合物の創製のため、当社東京創薬研究所及び富士研究所での創薬・創剤活動に加えて、当社とハーバード大学関連病院Brigham and Women's Hospital (BWH) との米国共同研究施設Center for Interdisciplinary Cardiovascular Sciences (CICS) での最先端研究を進めています。BWHとのコラボレーションにより、当社の技術基盤の拡充と研究促進及び最先端医学研究ネットワークとの連携を図っています。また、子会社である感染症創薬研究所株式会社(感創研)とともに感染症領域の創薬研究を展開しています。
一般用医薬品については、ケラチナミンコーワヒビエイドα、コルゲンコーワ総合かぜ薬、リザレックコーワ for Lady、医薬部外品のコルゲンコーワ滋養チャージを発売しました。
ヘルスケア品については、三次元メイクがおちにくいマスク カラーシリーズ/同アロマシリーズ、ホッカイロ Hokkairon 高温 貼らないレギュラー、化粧品についてはコーラルプロ/同パールタイプを発売しました。
2024年度下期には、一般用医薬品のキャベジンコーワαプラス等の上市を予定しています。
また、海外展開も拡大しており、アジア各国でバンテリンコーワリカバリー 腕用、ザ・ガードコーワ整腸錠PC、キャベジンコーワα、新コルゲンコーワうがいぐすり「ワンプッシュ」、バンテリンコーワサポーター/同高通気サポーター/同保温サポーター、バンテリンコーワサポーター 親ゆび用for e-SPORTS、チリでホッカイロ くつ用&くつ下用タイプを発売しました。
<医療機器>医療機器分野の眼内レンズ(IOL)においては、引き続きアバンシィシリーズの研究開発を進めており、新規製品の開発に加え、インジェクターの改良にも取り組んでおります。1ピース(1P)インジェクターの操作性向上を目指した形状改良、および3ピース(3P)の度数範囲拡大を目指したインジェクターの形状改良は開発段階が終了しました。国内販売のための軽微変更届出をし、2025年の発売に向け生産を開始し準備を進めています。
また、日本、EU、東南アジア、中東地域など、20カ国以上で3P、1P及び1Pトーリックを発売しており、北米および東アジア地域を含む展開国へのさらなる拡大を予定しています。そのため、臨床試験データを求められる場合に備え、現在必要な臨床試験の開始に向けて準備を進めています。
中国における3P、1PIOLの臨床試験では、総括報告書を作成し登録申請まで完了しました。
欧州については販売のためのMDD(Medical Device Directive:医療機器指令)下での技術文書審査も完了し、2025年の発売に向け生産を開始し準備を進めています。同時に、欧州での販売継続のため、引き続きMDR(Medical Device Regulation:医療機器規則)の認証取得に向けた活動、およびMDRに対応した製品パッケージの変更にも取り組んでいます。
医療機器分野の眼科検査機器においては、引き続き前眼部検査機器、視野計、前房蛋白測定装置、ドライアイ解析装置にテーマを集中して研究開発を進めています。手持ち前眼部検査機器は、「コーワ SL-19」カメラモデルについて、主に獣医向けに海外展開を進めています。2024年5月に欧州で上市し、同年10月に米国で上市しました。その他、中国や韓国、オーストラリアでの上市も計画しています。今後も「コーワ SL-19」シリーズの世界各国への展開を積極的に進めていきます。ドライアイ解析装置は、機械学習を用いたNIBUT(Non-Invasive Break-up Time:非侵襲涙液層破壊時間)測定機能や干渉画像を用いた独自の解析機能について、臨床データを取得して従来法との比較や有用性確認を実施します。前房蛋白測定装置については、米国UCLA(University of California, Los Angeles:カリフォルニア大学ロサンゼルス校)とAUS(The American Uveitis Society:米国ブドウ膜炎学会)による「眼内炎症の客観的測定に関するワークショップ」で測定原理の説明や製品紹介を実施しました。今後も米国における標準化活動に積極的に参画していきます。
また、イムノクロマト法を用いた感染症検査キット事業においては、新型コロナウイルス抗原検査キット、新型コロナウイルスとA型/B型インフルエンザウイルスの同時検出抗原キットの自社開発を進めるとともに、その他の感染症や新規分野での技術応用、商品展開についても検討を進めています。
<新素材>新素材研究開発部門では、主にミノムシの糸並びに遺伝子組換え植物を用いた有用性新素材の研究開発を行っています。
以上の結果、当事業に係る研究開発費は、111億5千8百万円となりました。
[環境・省エネ事業]
レンズ・カメラ関係では、高温・粉塵・工作機械・加工機内など特殊環境下での使用を目的とした耐環境性能を有したレンズ・カメラユニットの研究開発及びパッケージ化の検討を行いました。
スコープ・双眼鏡関係では、最新のスポッティングスコープの技術要素を小型軽量タイプへ展開したTSN-55の開発を行い、製品を上市しました。
ロボティクス関係では、カメラビジョン装置と協働ロボットユニット装置を用いたロボティックシステム開発及び半導体製品の製造設備の自動化シミュレーションを用いた基礎研究開発を行いました。
以上の結果、当事業に係る研究開発費は、4千7百万円となりました。
なお、当中間連結会計期間の研究開発費の総額は112億5百万円であります。
[医薬事業]
当社グループは、医療用医薬品、OTC医薬品(一般用医薬品)・ヘルスケア品を中心とした医薬品、医療機器、衛生雑貨など健康・医療に関わるさまざまな事業に幅広く取り組んでおり、各事業が相互に連携して研究開発を進めております。
<医療用医薬品>医療用医薬品では、生活習慣病領域、免疫・炎症領域及び感覚器領域に焦点を当てて研究開発に取り組んでいます。さらに世界の人々の健康に貢献すべく、海外事業所を拠点として研究開発品目のグローバル展開を推進しております。
医療用医薬品の研究開発状況は以下のとおりです。
開発番号・一般名 | 薬理作用 | 適応 | 開発段階 |
ピタバスタチン | HMG-CoA還元酵素阻害 | 脂質異常症 | 承認申請中 (ベトナム、香港) |
ピタバスタチン/ エゼチミブ | HMG-CoA還元酵素阻害/ 小腸コレステロールトランス ポーター阻害 | 脂質異常症 | 承認申請中(タイ、シンガポール、マレー シア、台湾) |
リパスジル | Rhoキナーゼ阻害 | 緑内障・高眼圧症 | 承認申請中(ベトナム) |
フックス角膜内皮変性症 | 第Ⅲ相 | ||
リパスジル/ ブリモニジン | Rhoキナーゼ阻害/ アドレナリンα2受容体作動 | 緑内障・高眼圧症 | 承認申請中(タイ、シンガポール、マレーシア) |
ペマフィブラート | 選択的PPARαモジュレーター | 脂質異常症 | 第Ⅲ相 承認申請中(中国) |
原発性胆汁性胆管炎 | 第Ⅱ相 | ||
ペマフィブラート/ トホグリフロジン | 選択的PPARαモジュレーター/ SGLT2阻害 | 代謝機能障害関連脂肪肝炎 | 第Ⅱ相 |
・上記は臨床開発段階にある品目のみを掲載しており、それ以前のステージにある品目は掲載しておりません。全てのパイプラインを掲載している訳ではありません。
・臨床開発段階にある品目とは、最初の臨床試験に係る試験開始に関する薬事手続き(米国:IND、欧州:CTA、日本:治験計画届書、又は他地域での類似手続き)を行った後、承認取得を意図する全ての地域で承認取得を完了していない、又は臨床開発活動の中止/中断が決定されていない品目と定義しております。
・国際一般名(INN)が決定している品目は一般名、それ以前の品目は開発コードを記載しております。
・国及び地域により開発段階が異なる品目では、最も進んだ開発段階のみを掲載しております(承認申請中の国名は併記いたします)。
・承認取得済の品目であっても、新適応取得を目的とした臨床開発段階にある品目は上記に掲載しております。
これらに続く新医薬品候補化合物の創製のため、当社東京創薬研究所及び富士研究所での創薬・創剤活動に加えて、当社とハーバード大学関連病院Brigham and Women's Hospital (BWH) との米国共同研究施設Center for Interdisciplinary Cardiovascular Sciences (CICS) での最先端研究を進めています。BWHとのコラボレーションにより、当社の技術基盤の拡充と研究促進及び最先端医学研究ネットワークとの連携を図っています。また、子会社である感染症創薬研究所株式会社(感創研)とともに感染症領域の創薬研究を展開しています。
ヘルスケア品については、三次元メイクがおちにくいマスク カラーシリーズ/同アロマシリーズ、ホッカイロ Hokkairon 高温 貼らないレギュラー、化粧品についてはコーラルプロ/同パールタイプを発売しました。
2024年度下期には、一般用医薬品のキャベジンコーワαプラス等の上市を予定しています。
また、海外展開も拡大しており、アジア各国でバンテリンコーワリカバリー 腕用、ザ・ガードコーワ整腸錠PC、キャベジンコーワα、新コルゲンコーワうがいぐすり「ワンプッシュ」、バンテリンコーワサポーター/同高通気サポーター/同保温サポーター、バンテリンコーワサポーター 親ゆび用for e-SPORTS、チリでホッカイロ くつ用&くつ下用タイプを発売しました。
<医療機器>医療機器分野の眼内レンズ(IOL)においては、引き続きアバンシィシリーズの研究開発を進めており、新規製品の開発に加え、インジェクターの改良にも取り組んでおります。1ピース(1P)インジェクターの操作性向上を目指した形状改良、および3ピース(3P)の度数範囲拡大を目指したインジェクターの形状改良は開発段階が終了しました。国内販売のための軽微変更届出をし、2025年の発売に向け生産を開始し準備を進めています。
また、日本、EU、東南アジア、中東地域など、20カ国以上で3P、1P及び1Pトーリックを発売しており、北米および東アジア地域を含む展開国へのさらなる拡大を予定しています。そのため、臨床試験データを求められる場合に備え、現在必要な臨床試験の開始に向けて準備を進めています。
中国における3P、1PIOLの臨床試験では、総括報告書を作成し登録申請まで完了しました。
欧州については販売のためのMDD(Medical Device Directive:医療機器指令)下での技術文書審査も完了し、2025年の発売に向け生産を開始し準備を進めています。同時に、欧州での販売継続のため、引き続きMDR(Medical Device Regulation:医療機器規則)の認証取得に向けた活動、およびMDRに対応した製品パッケージの変更にも取り組んでいます。
医療機器分野の眼科検査機器においては、引き続き前眼部検査機器、視野計、前房蛋白測定装置、ドライアイ解析装置にテーマを集中して研究開発を進めています。手持ち前眼部検査機器は、「コーワ SL-19」カメラモデルについて、主に獣医向けに海外展開を進めています。2024年5月に欧州で上市し、同年10月に米国で上市しました。その他、中国や韓国、オーストラリアでの上市も計画しています。今後も「コーワ SL-19」シリーズの世界各国への展開を積極的に進めていきます。ドライアイ解析装置は、機械学習を用いたNIBUT(Non-Invasive Break-up Time:非侵襲涙液層破壊時間)測定機能や干渉画像を用いた独自の解析機能について、臨床データを取得して従来法との比較や有用性確認を実施します。前房蛋白測定装置については、米国UCLA(University of California, Los Angeles:カリフォルニア大学ロサンゼルス校)とAUS(The American Uveitis Society:米国ブドウ膜炎学会)による「眼内炎症の客観的測定に関するワークショップ」で測定原理の説明や製品紹介を実施しました。今後も米国における標準化活動に積極的に参画していきます。
また、イムノクロマト法を用いた感染症検査キット事業においては、新型コロナウイルス抗原検査キット、新型コロナウイルスとA型/B型インフルエンザウイルスの同時検出抗原キットの自社開発を進めるとともに、その他の感染症や新規分野での技術応用、商品展開についても検討を進めています。
<新素材>新素材研究開発部門では、主にミノムシの糸並びに遺伝子組換え植物を用いた有用性新素材の研究開発を行っています。
以上の結果、当事業に係る研究開発費は、111億5千8百万円となりました。
[環境・省エネ事業]
レンズ・カメラ関係では、高温・粉塵・工作機械・加工機内など特殊環境下での使用を目的とした耐環境性能を有したレンズ・カメラユニットの研究開発及びパッケージ化の検討を行いました。
スコープ・双眼鏡関係では、最新のスポッティングスコープの技術要素を小型軽量タイプへ展開したTSN-55の開発を行い、製品を上市しました。
ロボティクス関係では、カメラビジョン装置と協働ロボットユニット装置を用いたロボティックシステム開発及び半導体製品の製造設備の自動化シミュレーションを用いた基礎研究開発を行いました。
以上の結果、当事業に係る研究開発費は、4千7百万円となりました。